「熱が38度あるんですけど、明日の朝まで待っても大丈夫ですか」。ヘッドセットの向こうの声は、少し早口です。病棟なら、ベッドサイドに行って顔色を見て、呼吸の様子を確かめてから答えたはずの質問。電話では、その一言だけで、つい「それなら…」と返したくなります。
電話健康相談の仕事を始めた看護師のつまずきの1つが、この「答えを急ぐ」ことです。経験がある人ほど、最初の一言で見当をつけ、早く安心させてあげたくなる。その親切が、聞き漏れや、手順を飛ばした案内につながることがあります。
答え方には、基本の形があります。よくある相談を、相談する人が求めている答えで分け、聞き取りの順番、受診や救急を案内するときの考え方、医師の判断が要ることへの応え方、記録までを順に整理します。症状ごとの具体的な判断の基準は会社の手順書で決められているので、ここでは、どの職場でも土台になる一般的な考え方にしぼります。
電話健康相談の答え方の基本は?
答え方の基本は、聞いてから答えることです。決まった順番で聞き取り、会社の手順書に沿って緊急度を判断し、そのうえで救急、受診、家での過ごし方のどれかを案内する。最後に、伝えたことを記録に残します。
- 1受け止める
名乗り、相談する人の不安を言葉にして返します。
- 2聞き取る
誰の、何が、いつから、いまどうかを順に聞きます。
- 3手順書で確かめる
聞いたことを手順書に照らし、緊急度を判断します。
- 4案内する
救急・受診・家での過ごし方のどれかを、理由と一緒に伝えます。
- 5記録する
聞き取ったこと、判断の理由、案内した内容を残します。
5つの段階のうち、看護師の判断がいちばん試されるのは「手順書で確かめる」段階ですが、つまずきが起きやすいのは、その前の「聞き取る」段階です。聞き取りが足りないまま手順書を開いても、当てはまる項目にたどり着けないからです。
緊急度の判断の細かい基準は、会社ごとの手順書で決められています。自分の経験で基準を補ったり、前の職場のやり方を持ち込んだりせず、働く会社の手順書と研修で確かめてください。研修でどんなことを学ぶかは電話相談の研修では何を学ぶ?にまとめています。電話健康相談の仕事の全体は在宅の電話健康相談の看護師求人で紹介しています。
よくある相談は、求められている答えで5つに分かれる
電話健康相談には、体の不調、子どもの病気、親の介護、心の不調など、いろいろな相談がかかってきます。相談の種類と1日の流れは電話健康相談の看護師の1日で紹介しているので、ここでは別の分け方をします。相談する人は、電話で何を知りたいのか。求められている答えの形で分けると、応じ方が見えてきます。
| 求められている答え | 相談の言葉の例 | 看護師が応じること |
|---|---|---|
| 受診したほうがいいか | 「今夜のうちに行くべき?」 | 手順書に沿って緊急度を判断する |
| どこにかかればいいか | 「何科に行けばいい?」 | 受診先の考え方と探し方を伝える |
| 家でどう過ごせばいいか | 「様子を見るなら何に注意?」 | 過ごし方と、また相談する目安を伝える |
| 薬や治療をどうするか | 「この薬をやめてもいい?」 | 主治医や薬剤師への相談をすすめる |
| 不安を聞いてほしい | 「誰に話せばいいのか…」 | 気持ちを受け止め、相談先を一緒に考える |
編集部まとめ
1つの電話に、いくつかの形が重なることもよくあります。「今夜行くべき?」と「何科に行けばいい?」が一緒に来たり、「様子を見るなら」の裏に「本当は不安を聞いてほしい」が隠れていたりします。最初に「いちばん知りたいことはどれですか」と確かめておくと、話がそれずにすみます。
表の4つ目のように、薬や治療の判断は医師や薬剤師の役割です。電話で答えを求められても、看護師がその場で決めることはしません。どう応えればよいかは、このあとの「医師の判断が要る相談」のところで書きます。
答えを急がないための、聞き取りの順番
聞き取りの順番は、働く会社の手順書に決まりがあれば、それに従います。ここでは、考え方の例として、聞くことを3つのかたまりに分けて整理します。
1つ目のかたまりは、相談の骨組みです。相談しているのが本人か家族か、誰のことか、いちばん困っていることは何か、いつから、どのように変わってきたか。ここを聞かないまま先に進むと、あとから話がひっくり返ります。
2つ目は、いまの様子です。手順書が確かめるよう求めている項目を、決められた順に聞いていきます。「はい」「いいえ」で答えられる質問と、「どんなふうですか」と自由に話してもらう質問を使い分けると、短い時間で必要なことが集まります。たとえば「いつからですか」「どんなふうにつらいですか」で自由に話してもらい、足りないところを「いまも続いていますか」「おそばにどなたかいますか」のような質問で埋めていくと、聞き漏れが減ります。
3つ目は、相談する人の希望と事情です。受診できる状況か、移動の手段や付き添う人はいるか、何がいちばん心配か。ここを聞き忘れると、受診をすすめても「車がないので行けない」「明日は仕事を休めない」と、案内が空回りしてしまいます。
| かたまり | 聞くことの例 | 聞き忘れると起きること |
|---|---|---|
| 相談の骨組み | 誰のことか、何が困るか、いつからか | 途中で話がひっくり返る |
| いまの様子 | 手順書が確かめる項目を順に | 当てはまる項目を選べない |
| 希望と事情 | 受診できるか、何が心配か | 案内が空回りする |
編集部まとめ
3つのかたまりを聞き終えるまでは、案内の言葉を口にしない。これが、答えを急がないためのいちばん確かな決まりです。答えたくなる気持ちは、3つ目のかたまりを聞き終えるまで取っておきます。ただし、聞き取りの途中でも、手順書で救急を案内する項目に当てはまるとわかったときは、手順書の決まりに沿ってすぐに案内します。
以前
「それなら、たぶん明日の朝まで待っても大丈夫ですよ」
いま
「お熱が出ているんですね、ご心配ですね。いつからか、ほかに気になる様子があるか、いくつか伺ってもいいですか」
答えを急いでしまう人は、電話対応が苦手な看護師でも電話相談の仕事はできる?の「すぐ答えなければ」の焦りについての章も参考になります。
受診をすすめる・救急を案内するのは、どんなとき?
受診をすすめるか、救急を案内するかは、看護師の勘ではなく、会社の手順書に沿って決めます。電話健康相談の手順書は、聞き取った内容から、急ぐ度合いと次の行動を決めるための道しるべです。救急を案内する場面、早めの受診をすすめる場面、家で様子を見る場面の分け方や呼び方は、会社によって違います。
そのうえで、どの職場でも大切にしたい考え方が3つあります。
1つ目は、迷ったら一人で決めないことです。手順書のどの項目に当てはまるか迷うときは、決められた相談先につなぎます。相談先は、SV(スーパーバイザー)と呼ばれるまとめ役や医師など、会社ごとに決まっています。迷っている時間そのものが、相談する人の不利益になることもあります。
2つ目は、「様子を見る」は「何もしない」ではないということです。家で様子を見る場合こそ、どうなったら受診するのか、どうなったら救急車を呼ぶのかを、具体的に伝えます。その目安があるから、相談する人は安心して夜を越せます。
3つ目は、最後に決めるのは相談する人だということです。看護師は、理由と選択肢をわかりやすく伝える役目です。受診を渋る人には、まず理由を聞きます。時間や移動の手段、費用の心配など、理由がわかれば一緒に考えられることもあります。
聞き取った内容が、手順書の「救急を案内する」項目に当てはまりますか?
手順書どおり、救急車を呼ぶことや救急の受診をすすめます。迷う時間をつくらないことが大切です。
次の質問へ進みます。
手順書の「早めの受診をすすめる」項目に当てはまりますか?
受診をすすめ、いつまでに、どこへ行けばよいかを伝えます。
家での過ごし方と、こうなったらまた相談・受診という目安を伝えます。
どの項目に当てはまるか、迷っていますか?
一人で決めず、決められた相談先(SV・医師など)につなぎます。
案内した内容と判断の理由を記録します。
公的な電話相談の中には、緊急性があると判断されると救急車が出動する仕組みの窓口もあります[1]。公的な窓口と民間の電話健康相談の違いは#7119・#8000と看護師の電話健康相談の違いで整理しています。
受診をすすめるときは、何をどう伝える?
受診をすすめると決めたら、伝え方で結果が変わります。「受診してください」の一言だけでは、相談する人は、いつ、どこへ、どのくらい急いで行けばよいのかがわかりません。伝えることは、次の4つにまとめられます。
| 伝えること | 言い方の例 | 抜けると起きやすいこと |
|---|---|---|
| なぜ受診か | 「〜があるので、一度診てもらいましょう」 | 「大丈夫そう」と自己判断される |
| いつまでに | 「今日の診療時間のうちに」 | 急ぐ度合いが伝わらない |
| どこへ | 「かかりつけか、内科のある医療機関へ」 | 行き先に迷って遅れる |
| こうなったら | 「〜になったら、迷わず救急車を」 | 悪くなったときに動けない |
編集部まとめ
伝えたあとは、「念のため、このあとどうされるか教えていただけますか」と、相談する人の言葉で言い直してもらいます。電話では、うなずいているかどうかが見えません。言い直してもらうと、伝わっていないところがその場でわかり、もう一度説明できます。
相談する人が高齢の場合や、慌てている場合は、伝えることを絞り、ゆっくり繰り返すほうが伝わります。家族がそばにいるなら、「ご家族の方にも一緒に聞いていただけますか」と声をかけるのも1つの方法です。
言葉選びにも気をつけます。病棟で毎日使ってきた言葉は、相談する人にとっては聞き慣れない言葉であることが少なくありません。電話では相手の表情で「伝わっていない」と気づけないので、最初から日常の言葉に置き換えて話します。
- 「既往歴」→「これまでにかかった病気」
- 「浮腫」→「むくみ」
- 「頓服」→「つらいときだけ飲むお薬」
- 「経過観察」→「様子を見ること」
- 「受診」→「病院や診療所で診てもらうこと」
家での過ごし方や、不安の相談にはどう応える?
5つの形のうち、「家でどう過ごせばいいか」と「不安を聞いてほしい」は、受診の判断とは違う応じ方が要ります。
家での過ごし方を聞かれたときは、手順書に書かれた範囲で、一般的な注意を伝えます。伝えることは1つか2つに絞り、必ず「こうなったら、また相談するか受診を」という目安とセットにします。過ごし方だけを伝えて電話を終えると、相談する人は、様子が変わったときにどうすればよいか迷ってしまいます。
不安を聞いてほしい相談では、答えを出すことより、話を最後まで聞くことが応じ方の中心になります。話を遮らず、「それは心配になりますよね」と気持ちを言葉にして返す。解決を急がないことが、かえって相談する人の気持ちを落ち着かせます。1件にかけられる時間に決まりがある職場なら、その範囲で区切り方を考えます。
ほかの相談先を紹介するときは、紹介してよい窓口を手順書で確かめます。たとえば働く人の心の悩みについては、厚生労働省の「こころの耳」が、電話・SNS・メールで相談を受け付けています(匿名・無料)[2]。こうした公的な窓口を知っておくと、相談する人の次の一歩を一緒に考えやすくなります。ただし、命にかかわるおそれを感じたときは、紹介で終わらせず、手順書の緊急の決まりに沿って動きます。
医師の判断が要る相談には、どう応える?
電話健康相談では、病名を言い切ったり、薬をやめてよいと伝えたりはしません。病名や薬の判断には、診察や検査、これまでの経過を知る医師の判断が要るからです。どこまで答え、どこから医師や薬剤師につなぐかの線引きは、会社の手順書と研修で必ず確かめてください。
とはいえ、「それはお答えできません」とだけ言って電話を切ると、相談する人は行き場を失います。答えないことと、突き放さないことは両立できます。気持ちを受け止め、答えられない理由を短く伝え、次に誰に聞けばよいかを示す。この3つをそろえれば、相談する人は次の一歩を踏み出せます。
答えないこと(医師や薬剤師の判断)
- 病名を決めること
- 薬をやめる・増やす・減らす判断
- 検査の結果の良し悪し
- 治療の方針の良し悪し
その代わりにすること
- 診察で確かめるよう、理由を添えてすすめる
- 主治医や薬局に連絡がとれるかを一緒に確かめる
- 結果を出した医療機関に聞くようすすめる
- 主治医に聞きたいことをメモするよう伝える
たとえば「血圧の薬を、今日だけ飲まなくてもいいですか」と聞かれたら、「飲み方を変えるかどうかは、お薬の内容を知っている主治医か薬剤師さんに確かめるのが安心です。今日、かかりつけの医療機関か、お薬をもらった薬局に連絡はとれそうですか」と返します。答えの代わりに、確かめる先と、そこへ連絡できるかどうかまでを一緒に考えるのです。
記録には何を残す?
電話を切ったら、記録を残します。記録は、次にその人から電話があったときに応じる人と、あとでふり返る自分のためのものです。次に読む人は、電話の中身を知りません。その人が同じことを聞き直さずにすむように書くのが目安です。
チェックした数:
記録で気をつけたいのは、事実と判断を分けて書くことです。「〜と話していた」という聞き取った事実と、「〜のため受診をすすめた」という判断を、混ぜずに書きます。判断の理由が残っていれば、あとで見返したときに、自分の案内を確かめられます。
聞き取った様子は、相談する人の言葉をそのまま残す部分も作ります。「胸のあたりがざわざわする」のような言い方は、要約すると意味が変わってしまうことがあるからです。働き始めのころに記録でつまずきやすい点と越え方は、看護師の在宅ワーク、最初の1か月で起きることでも取り上げています。
記録には、病歴など特に配慮して扱うべき個人情報が含まれます。個人情報保護法は、病歴が含まれる個人情報を「要配慮個人情報」の1つとして定めています[3]。また、保健師助産師看護師法は、看護師が業務上知り得た人の秘密を、正当な理由なく漏らすことを禁じています[4]。在宅で働くときは、画面ののぞき見やメモの扱いにも気をつけましょう。自宅での決まりと工夫は在宅で働く看護師の個人情報と守秘義務にまとめています。
モデルケース:答えを急ぐ癖を、聞き取りの順番を守って直したBさん
モデルケース(架空の例)
最初の一言で答えてしまう癖を直し、聞き漏れによる折り返しの電話がほぼなくなった
- 4件0〜1件聞き漏れで折り返した件数(月)
- 約6分約10分1件の相談にかかる時間
- 5つ1つふり返りで指摘された点(月)
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Bさんは、在宅の電話健康相談の仕事を始めて4か月で、答えを急ぐ癖を直しました。1件にかける時間は少し長くなりましたが、聞き漏れのために相談した人へ折り返しの電話をかけることは、ほとんどなくなりました。
Bさん:前は、早く安心させてあげることが親切だと思っていました。いまは、最後まで聞くことのほうが親切だと思えます。
背景
Bさんは内科病棟で8年、内科クリニックの外来で9年働いてきました。外来では、受付から回ってくる電話の問い合わせに、診療の合間に短く答えるのが日常でした。子どもの中学受験を前に、家で日中に働ける電話健康相談の仕事に移りました。
困っていたこと
働き始めて1か月、BさんはSVとのふり返りで、同じことを何度も指摘されました。最初の一言で見当をつけ、手順書の項目を確かめる前に答えてしまうのです。案内のあとで飲んでいる薬のことを聞き忘れていたと気づき、折り返しの電話をかけたことが月に4件ありました。
選んだ理由
Bさんは、外来の電話で身についた「短く答える」やり方が、電話健康相談では裏目に出ていると気づきました。SVにすすめられたのは、聞き取りの順番を紙に書いて手元に置き、全部を聞き終えるまで案内の言葉を口にしない、というやり方でした。
始め方と工夫
Bさんは「相談の骨組み」「いまの様子」「希望と事情」の3つのかたまりを、机の前の紙に大きく書きました。答えたくなったら、まず「ほかに気になることはありますか」と聞くことにしています。案内のあとは、相談した人にこのあとどうするかを言い直してもらい、伝わったかを確かめてから電話を終えます。
Bさん:「ほかに気になることは?」と聞くと、いちばん大事な話が最後に出てくることがあるんです。
Bさんの例は、経験の長さがそのまま強みになるとは限らないことを示しています。外来で身についた速さは、電話健康相談では「順番を守る力」に置き換える必要がありました。1件にかかる時間が少し延びても、折り返しが減れば、相談する人にとっても自分にとっても負担は軽くなります。
気をつけたいこと:経験が生きるところ・邪魔をするところ
看護師の経験は、電話健康相談の大きな土台です。ただ、経験が答え方の邪魔をする場面もあります。両方を知っておくと、自分の癖に早く気づけます。
よいところ
- 症状の聞き方や、急ぐべき様子の知識がある
- 受診先や医療のしくみを知っている
- 不安な家族への声のかけ方を知っている
気をつけたいところ
- 最初の一言で見当をつけ、答えを急ぎたくなる
- 自分の経験則を、手順書より先に使いたくなる
- 見ていない様子を、見たつもりで判断しやすい
この記事で書いたのは一般的な考え方で、具体的な判断の基準ではありません。実際の判断は、働く会社の手順書と研修、相談先の指示に従ってください。心の不調の相談で、命にかかわるおそれを感じたときの動き方も、研修で必ず確かめておきたいことの1つです。
もう1つ、仕事の外での注意もあります。友人や家族から個人的に体調の相談を受けたとき、電話健康相談の仕事と同じ感覚で判断を伝えるのは避けましょう。手順書も相談先もない場で、判断の責任を一人で背負うことになるからです。迷う相談なら、受診や地域の相談窓口をすすめるほうが、相手のためにも自分のためにもなります。
判断の重さとの付き合い方や、電話の仕事のきつさについては、看護師のコールセンターはきつい?で正直に書いています。
今日からできること
- 13つのかたまりを書く
「相談の骨組み」「いまの様子」「希望と事情」を紙に書き、机の前に貼ります。
- 2口癖を1つ決める
答えたくなったら「ほかに気になることはありますか」と聞く、と決めます。
- 3伝える4つを声に出す
なぜ・いつまでに・どこへ・こうなったら、を声に出して読みます。
- 4つなぐ言い方を決める
医師や薬剤師につなぐときのひと言を、1つ用意しておきます。
- 5手順書で相談先を確かめる
迷ったときに誰へ、どうつなぐかを、働く会社の決まりで確かめます。
よくある質問
相談する人に病名を聞かれたら、どう答えますか?
電話では病名を言い切らず、診察を受けて医師に確かめることをすすめます。病名の可能性にどこまで触れてよいかも、会社の手順書の決まりに従います。「お話だけでは決められないので、診察で確かめてもらいましょう」と、理由を添えて伝えると納得してもらいやすくなります。
薬を飲んでいいかと聞かれたら、どうしますか?
飲み方を変える判断は、薬の内容を知っている主治医や薬剤師に確かめるようすすめます。今日連絡がとれる先があるかを一緒に確かめると、相談する人が次に動きやすくなります。
相談する人が受診を嫌がるときは、どうしますか?
まず、受診したくない理由を聞きます。時間がない、移動の手段がない、費用が心配など、理由がわかれば一緒に考えられることもあります。それでも受診しないと決めた場合は、こうなったらすぐ受診、こうなったら救急車、という目安を具体的に伝え、記録に残します。
救急車を呼ぶべきか迷う相談が来たら、どうしますか?
手順書に照らし、救急を案内する項目に当てはまるなら、手順どおりに案内します。当てはまるか迷うときは、一人で決めずに決められた相談先につなぎます。判断に時間をかけすぎないことも大切です。
同じ人から何度も相談の電話がかかってきます。
前の記録を確かめ、前回の案内からどう変わったかを聞きます。不安が強くて何度もかけてくる人もいれば、様子が変わってきている人もいます。気になる点があれば、SVに伝えて職場で対応をそろえましょう。
経験の少ない分野の相談が来たら、どうすればいいですか?
手順書に沿って聞き取り、迷ったら相談先につなげば、経験の少ない分野でも落ち着いて対応できます。研修や手順書で、分野ごとの注意点を前もって読んでおくと安心です。
記録はどのくらい詳しく書けばいいですか?
次にその人の電話を受ける人が、同じ説明を相談した人に繰り返させずにすむくらいが目安です。会社の型に沿って、聞き取った様子、判断の理由、案内した内容を残しましょう。
まとめ
電話健康相談の答え方の基本は、聞いてから答えることです。相談する人が求めている答えの形を確かめ、決まった順番で聞き取り、手順書に沿って緊急度を判断してから案内します。
- よくある相談は「受診・受診先・家での過ごし方・薬や治療・不安」の5つの形で考える
- 聞き取りは「相談の骨組み」「いまの様子」「希望と事情」の順に
- 受診をすすめるときは、なぜ・いつまでに・どこへ・こうなったら、の4つを伝える
- 病名や薬の判断には答えず、医師や薬剤師につなぐ。迷ったら一人で決めない
電話健康相談の仕事に興味はあるけれど、自分に務まるか不安という方は、LINEやフォームから気軽に相談してください。