段ボールから出したノートパソコンを机に置き、ヘッドセットのコードをほどく。研修の初日、ログインの画面の前で手が止まり、病棟ではあれほど速く動いた指が、キーボードの上で迷ってしまう。看護師歴が10年、20年あっても、在宅の仕事の初日には、新人のころの心細さが戻ってくるものです。
在宅で働く看護師の仕事は、病棟とは道具も、まわりの人との距離も違います。申し送りはチャットの文字になり、隣の先輩に「ちょっといいですか」と声をかけることもできません。だからつまずきやすいのは、看護の知識よりも、パソコンの操作、文字での記録、一人で決める場面の心細さ、そして家で働く生活のリズムです。
ここでは、在宅で働き始めた最初の1か月を、1週目から4週目まで順に追っていきます。週ごとに起きやすいことと、つまずいたときの越え方を先に知っておけば、初日に手が止まっても「誰もが通る場所」と受け止められるはずです。これから働き始める方も、いま1か月目の途中にいる方も、自分がどの週にいるかを確かめながら読んでみてください。
在宅ワークの最初の1か月は、どんなふうに進む?
在宅ワークの最初の1か月は、研修とシステムの練習、先輩の対応を聞く期間、一人で受ける期間、ふり返りの4つの段階で進むことが多いです。段階の長さは会社や職種によって違いますが、研修のある仕事なら、初日から一人で電話を受けることは多くありません。最初の数週間は、看護の力を試される期間というより、新しい道具と手順に慣れる期間だと考えると気が楽になります。
- 1週目研修とシステム
手順書を読み、ログインや入力の練習をします。操作で手が止まりやすい週です。
- 2週目先輩の対応を聞く
先輩の電話や面談を聞き、聞く順番と記録の書き方を覚えます。
- 3週目一人で受ける
相談できる人がいる状態で、一人での対応を始めます。判断の不安が大きくなる週です。
- 4週目ふり返り
記録を見返し、迷った場面を上司や先輩と話し合います。
編集部まとめ
この流れの長さは、職種によって変わります。たとえば自宅で受ける夜間オンコールの求人の例では、研修は平日10:00〜15:00の参加が必須で、待機を始めてから1〜2か月は19:00〜22:00のシフトが必須とされていました[1]。最初のうちは決まった時間帯で経験を積み、慣れてから働く時間を広げていく形です。
医療ライターのように一人で書く仕事には、先輩の横で聞く週はありません。そのかわり、最初の数本は編集の担当者から細かい直しが入ることが多く、それが研修の役目を果たします。ここからは、電話や画面で相手と話す仕事を中心に、週ごとに起きやすいことを順に書いていきます。在宅ワークを始めるまでの準備も含めた全体の手順は、看護師の在宅ワークの始め方ガイドにまとめています。
1週目:研修とシステムで、なぜ手が止まる?
1週目につまずきやすいのは、看護の中身ではなくシステムの操作です。ログインのたびに求められる確認のコード、いくつも開く画面、記録を入れる欄の多さ。電子カルテに慣れていても、会社ごとにシステムの作りは違うので、最初は誰でも手が止まります。
研修では、手順書の読み合わせ、システムの操作、個人情報の扱い、ロールプレイ(相談の場面を演じる練習)などを学ぶことが多いです。研修がオンラインか、出社が必要かは求人によって違います。電話相談の研修で学ぶことは電話相談の研修では何を学ぶ?でくわしくまとめているので、ここでは研修の週に起きやすいつまずきに絞ります。
手が止まりやすい3つの場面
- 画面の行き来:電話の画面、記録の画面、手順書を行き来するうちに、どこに何があるか分からなくなる
- 聞きながら打つこと:入力に気を取られて、相手の言葉を聞き逃す
- 聞き慣れない言葉:「エスカレーション」など、病棟ではあまり使わなかった言葉が手順書に並ぶ
この週の目標は「速く打てるようになる」ではなく、「迷ったときに、どこを見ればよいか分かる」ことです。画面の配置を紙に描いてみる、よく使う手順のページに付箋を貼る、分からない言葉を1つずつ書き出す。地味な作業ですが、2週目からの余裕がまるで違ってきます。
- 手順書
- 対応のしかたや記録の書き方を、場面ごとにまとめた会社の決まりです。迷ったときに最初に開くものです。
- エスカレーション
- 自分だけで判断せず、決められた相談先(リーダーや医師など)に引き継ぐことです。
- 保留
- 電話をつないだまま、相手に少し待ってもらう操作です。保留のあいだに相談先へ確かめることがあります。
- 中抜け
- 仕事の途中で、家の用事などのために席を外す時間のことです。扱いは会社の決まりによります。
働く環境の条件が、会社によって細かく決められていることもあります。オンラインの面談の求人の例では、パソコンは会社から貸与される一方、自宅のインターネット環境は自分で整える(ポケットWi-Fiは不可)、重要書類を施錠して保管できる場所がある、第三者がいない個室で面談する、といった条件が示されていました[2]。初日になって慌てないよう、届いた案内は研修の前に一度読み通しておきましょう。パソコンの操作に自信がない方は、看護師の在宅の仕事に必要なパソコンスキルで練習の目安を確かめておくと安心です。
2週目:先輩の対応を聞くときは、何を見ればいい?
2週目は、先輩の対応を聞いて学ぶ期間になることが多いです。在宅の仕事では、先輩の電話を同時に聞ける仕組み、録音を聞き返す方法、オンラインでつないで画面を見せてもらう方法などが使われます。やり方は会社によって違うので、研修の最後に「先輩の対応はどうやって聞けますか」と確かめておきましょう。
聞くときに大切なのは、話の中身より「型」を見ることです。病棟で何百回もしてきた問診と、電話での聞き取りは、似ているようで順番が違います。相手の顔が見えない分、最初のひと言、聞く順番、言い換えての確かめ、締めのことばが、手順として決まっていることが多いのです。
| 見るところ | 聞き取りたいこと | メモの例 |
|---|---|---|
| 最初のひと言 | 名乗り方と、相手の確かめ方 | 名乗る→相手の名前→用件 |
| 聞く順番 | どの順で様子をたずねるか | いつ→どこ→どのくらい→ほかに |
| 確かめの言い換え | 相手の言葉をどう言い直すか | 「〜ということですね」 |
| 締めのことば | 次にすることの伝え方 | すること→伝わったかの確認 |
編集部まとめ
先輩の対応を聞いたら、その日のうちに自分の言葉でメモに書き直すのがこつです。聞いているときは分かったつもりでも、翌日には順番を忘れています。1件ごとに「いいなと思った言い回し」を1つだけ書き留めると、2週目が終わるころには、自分用の小さな言い回し集ができあがります。
この週は、質問をためこまないことも大切です。在宅では、先輩が忙しそうかどうかが見えません。遠慮して聞きそびれると、3週目に一人になってから困ることになりがちです。質問はチャットに短くまとめ、「急ぎではありません」と添えて送ると、相手も手の空いたときに答えやすくなります。
3週目:初めて一人で受けるときの不安は、どう越える?
3週目に入ると、一人での対応が始まります。いちばん大きいのは「この判断で合っているのか」という不安です。病棟なら、迷ったときに隣の先輩や医師にすぐ聞けました。在宅ではヘッドセットの向こうに相手がいて、部屋には自分しかいません。
この不安を小さくするのは、根性ではなく手順です。研修のある仕事なら、手順書と、迷ったときにつなぐ相談先が決まっているはずです。たとえば介護施設からの夜間の電話を自宅で受ける仕事について、ある会社の採用ページは、看護師が緊急性を判断して指示を出し、電話と並行してパソコンでレポートを作成・送信する業務と説明しています[1]。一人で受ける仕事でも、手順に沿って判断し、記録で次の人へつなぐ。その流れを早めに体で覚えることが、不安を小さくする近道です。
いまの場面について、手順書に答えが書かれていますか?
手順書のとおりに進めます。終わったら、迷った点を短く記録に残します。
自分だけで決めず、決められた相談先(リーダーや医師など)につなぎます。
対応が終わっても、気持ちが落ち着かない場面が残っていますか?
その日のうちに上司や先輩に話し、次に同じ場面が来たときの動き方を決めます。
記録に「迷った点」だけ書き足して、次の対応に気持ちを切り替えます。
一人で受け始めた週は、1件ごとにどっと疲れが出ます。病棟の夜勤とは違う、頭と耳の疲れです。最初から件数を追わず、「今日は手順どおりに3件受けられた」のように、小さな到達点で自分をほめるくらいでちょうどよいのです。電話の仕事がつらく感じる場面と工夫は、看護師のコールセンターはきつい?でも取り上げています。
電話そのものに苦手意識がある方もいるでしょう。顔が見えない相手と話す怖さは、型を覚えることで少しずつ薄れていきます。練習のしかたは電話対応が苦手な看護師でも電話相談の仕事はできる?にまとめました。
文字の記録でつまずいたら、どうする?
在宅の仕事では、記録がそのまま申し送りになります。病棟なら夕方の申し送りで口頭で補えたことも、在宅では文字にしたものしか次の人に伝わりません。看護記録に慣れている人でも、ここで戸惑うのは自然なことです。
病棟の記録
- 口頭の申し送りで補える
- 見慣れた電子カルテに書く
- 患者さんの様子を目で見て書ける
在宅の仕事の記録
- 文字にしたことだけが次の人に伝わる
- 会社ごとの入力の画面に書く
- 声と言葉だけを手がかりに書く
つまずきやすいのは、聞きながら書くことと、短くまとめることの2つです。聞きながら全部を書こうとすると、相手の話に集中できません。かといって、あとでまとめようとすると、細かいところを忘れてしまいます。
そこで役に立つのが「メモの型」です。聞く順番に合わせて見出しをあらかじめ並べておき、対応中はそこに単語と数字だけを書き込みます。対応が終わったら、その単語をつないで正式な記録にします。
- 1見出しを決める
先輩の対応で見た聞く順番を、5〜6個の見出しにします(いつ・どこ・どのくらい・ほかに・してほしいこと など)。
- 2単語と数字だけ書く
対応中は文章にせず、見出しの横に単語と数字だけを書きます。
- 3対応のあとに文章にする
電話を終えたら、メモの単語をつないで正式な記録に入力します。
- 41日の終わりに見直す
書きにくかった見出しを直し、翌日の型を少しずつ変えます。
メモを紙に書く場合は、保管のしかたや捨て方について、会社の決まりに必ず従ってください。対応の中身は大切な個人情報です。自宅で個人情報を扱うときの決まりと工夫は、在宅で働く看護師の個人情報と守秘義務で確かめられます。
入力の速さは、慣れとともに少しずつ上がります。1か月目に無理に速くしようとするより、型を決めて「何を書くか」で迷わなくするほうが、結果として記録の時間は短くなります。
4週目:ふり返りでは、何を確かめる?
4週目は、1か月をふり返る時期です。上司との面談が予定されている会社もあれば、そうでない会社もあります。予定がなければ、自分から15分ほど時間をもらってもかまいません。ふり返りの目的は、できなかったことを数えることではなく、次の1か月で変えることを1つ決めることです。
- 迷った場面を3つ書き出す
- いちばん気になる1つを選ぶ
- 先輩や上司に動き方を聞く
- メモの型や手順に書き足す
- 翌週に試して、また書き出す
面談では、次のようなことを確かめておくと、2か月目が楽になります。
- 自分の記録に、足りないところや長すぎるところはないか
- 一人で受けてよい範囲と、必ず相談する場面の線引き
- 2か月目からのシフトや、受ける件数の目安
- 困ったときに相談できる相手と、連絡の方法
話したいことは前もって書き出しておくと、短い時間でも聞きたいことを聞けます。在宅の仕事では、自分から伝えないと、がんばりも困りごとも見えにくいものです。評価のされ方が気になる方は、在宅で働く看護師の評価と昇給も読んでみてください。
生活のリズムが崩れやすいのは、なぜ?
もう1つのつまずきが、生活のリズムです。通勤がなくなると、朝の支度も、帰り道の気持ちの切り替えもなくなります。始業の5分前まで洗濯物を干していたり、終業後もそのまま家事に流れ込んだりして、1日の区切りがあいまいになりがちです。夜の仕事なら、終わった直後は頭がさえて、なかなか眠れないこともあります。
雇われて在宅で働く場合の労働時間について、厚生労働省のテレワークのガイドラインは、パソコンなどの使用時間の記録で労働時間を把握することを挙げ、中抜けの時間を把握しない場合は、始業から終業までの時間を、休憩を除いて労働時間として扱うことなどが考えられるとしています[3]。家の用事で席を外すときにどうするかは会社ごとに決まりがあるので、最初の週に確かめておきましょう。
ガイドラインは長時間労働を防ぐために、時間外のメールの送付を控えることや、所定外の深夜・休日は事前に許可を得ない限りシステムに入れないよう会社が設定することなども挙げています[3]。家で働いていると、終わったあとも「記録を少しだけ直そう」と画面を開きたくなります。終わりの時間を自分でも決めて、パソコンを閉じたらその日の仕事は終わりにしましょう。
体の面では、座りっぱなしと目の疲れにも気をつけたいところです。1時間に1回は立ち上がる、昼休みは画面から離れるなど、小さな決まりを最初の週から入れておくと続けやすくなります。くわしくは在宅勤務で体調を崩さない工夫にまとめています。
モデルケース:メモの型を作って、3週目に一人で待機できたCさん
モデルケース(架空の例)
初日はログインで手が止まったCさん。メモの型を作り、3週目には一人で施設からの電話を受けられるように
- 約25分約10分1件のレポートにかかる時間
- 10回以上2〜3回にまとめて先輩に送る質問(1回の待機)
- 1時間以上20分ほど待機のあと寝つくまでの時間
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Cさんは、在宅の夜間オンコール代行の仕事を始めて3週目に、一人で待機して介護施設からの電話を受けられるようになりました。1件のレポートにかかる時間は、初めのころの半分以下になっています。
Cさん:初日はログインだけで汗だくでした。いまは手元のメモの型を見ながら、落ち着いて話を聞けています。
背景
Cさんは内科病棟で10年、介護老人保健施設で5年働いてきました。施設では、夜勤のたびにオンコールの看護師へ電話をかける側でした。子どもの高校受験を控え、夜勤で家を空ける働き方を変えたいと考え、家にいながら施設を支えられるオンコール代行を選びました。
困っていたこと
研修の初日、Cさんはログインの確認コード、通話の画面、レポートの入力画面の切り替えで何度も手が止まりました。2週目に先輩の待機にオンラインでつなぎ、電話を一緒に聞いたときも、話を聞きながらレポートを打つことができず、1件に25分ほどかかりました。病棟でも施設でも頼られる立場だったぶん、できない自分に落ち込む夜もありました。
選んだ理由
Cさんは、速く打つ練習より先に、「何を聞いて、何を書くか」で迷わないことを優先しました。施設で電話をかける側だったころ、聞く順番が決まっている看護師ほど話しやすかったことを思い出したからです。
Cさん:かける側だったとき、順番どおりに聞いてもらえると助かりました。その順番を、自分のメモにすればいいと思ったんです。
始め方と工夫
Cさんは、聞く順番を6つの見出しにしたメモの型を作り、毎回の待機の終わりに少しずつ直しました。メモは会社の決まりに沿って、その日のうちに処分しています。質問は待機の終わりにまとめて送り、3週目の初めての一人の待機では、迷った1件を手順どおり相談先につなぎ、翌日に先輩と動き方を確かめました。
待機のあとは照明を落とし、10分だけ記録を見返してから眠るようにしています。夫も「待機の日は子どもの勉強を見る」と引き受けてくれ、Cさんは仕事の時間に集中できるようになりました。
Cさんがうまくいったのは、速さを追う前に、迷わないための型を作ったからでした。電話をかける側だった経験も、受ける側の型づくりに生きています。看護の経験は、在宅の仕事の1か月目でも、思わぬところで支えになってくれます。
1か月でうまくいかないときは?
1か月で慣れるかどうかは、人によっても、仕事によっても違います。2か月目、3か月目になってようやく落ち着く人もいます。1か月目にできないことがあっても、それだけで「在宅は向いていない」と決める必要はありません。
ただ、次のようなことが続くときは、ひとりで抱えずに相談してください。眠れない日が続く、仕事の前になると体調が悪くなる、といった体や心の不調は、早めに医師に相談しましょう。
| 気になること | まず話す相手 | 話すときのひと言の例 |
|---|---|---|
| 操作がいつまでも覚えられない | システムの窓口・先輩 | 「この手順をもう一度見せてください」 |
| 一人で判断するのが怖い | 上司・リーダー | 「相談につなぐ目安を確かめたいです」 |
| 誰とも話さない日がつらい | 同じ仕事の仲間・家族 | 「少し話せる時間はありますか」 |
| 眠れない・体調が悪い日が続く | 医師・上司 | 「シフトの組み方を相談させてください」 |
編集部まとめ
在宅の仕事ならではのつらさに、孤独があります。雑談がなく、困ったときにすぐ顔を見て話せる人がいない。この感覚は1か月目から出てくることがあります。工夫のしかたは在宅ワークの孤独の乗り越え方にまとめています。
雇われて働く場合は、テレワークでも労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法などが適用されます[3]。研修の時間の扱いや、シフトの組み方など、働く条件で気になることは遠慮せずに確かめてください。一人で判断する重さがどうしても合わないと感じたら、別の在宅の仕事を考えるのも1つの道です。向き不向きは看護師の在宅ワークに向いている人・向いていない人でセルフチェックできます。
今日からできること
- 1案内を読み通す
届いた案内と手順書を、研修の前に一度最後まで読みます。分からない言葉に印をつけます。
- 2機器を試す
パソコン、インターネット、ヘッドセットを、仕事をする部屋で実際に使ってみます。
- 3連絡先をメモする
システムの窓口と上司の連絡先を、パソコンの外の紙にも書いておきます。
- 4メモの型の下書きを作る
いつ・どこ・どのくらい・ほかに・してほしいこと、の見出しを書いておきます。
- 5始まりと終わりを決める
家族に仕事の時間を伝え、終わったらパソコンを閉じると決めます。
- 64週目に聞くことをためる
迷った場面や、相談につなぐ目安など、聞きたいことを書きためます。
全部を初日までにそろえる必要はありません。1週目に案内と機器、2週目にメモの型、3週目に相談の手順、4週目にふり返りと、週ごとに1つずつ進めれば十分です。
よくある質問
在宅ワークの研修は、どのくらいの期間ですか?
会社や職種によって違います。電話健康相談の求人の例では、研修期間は6〜9日間が目安とされていました(在宅勤務の記載はない、会社のコールセンターで働く求人の例です)[4]。研修の期間と、オンラインか出社かは、応募の前に確かめておきましょう。研修の出社については在宅の看護師求人の研修は出社が必要?にまとめています。
研修のあいだ、家族に頼んでおくことはありますか?
研修の時間帯は、途中で席を外しにくいと考えておきましょう。平日の日中に参加が必須とされている研修の例もあります[1]。子どもの送り迎えや来客の対応など、研修の日だけ代わってほしいことを、日程が決まった時点で家族に伝えておくと安心です。
記録の書き方は、病棟の看護記録と同じでいいですか?
考え方は生かせますが、書き方は会社の決まりに合わせます。在宅の仕事の記録は、次に読む人が電話の内容を知らない前提で書くものです。最初の数週間は、先輩の記録を見本にして、言葉の使い方や長さをそろえていきましょう。
1か月目は、どのくらいの件数を受けるものですか?
件数の目安は、会社や仕事、時間帯によって大きく違います。1か月目は件数より、手順どおりに対応できたかを大事にしましょう。2か月目からの目安は、4週目のふり返りの面談で確かめておくと安心です。
働き始める前に、何を練習しておけばいいですか?
聞きながら短く打つ練習と、ヘッドセットをつけて長く話す練習が役に立ちます。家族に相談の役を頼み、5分の会話をメモの型に書き取ってみるのもよい練習です。在宅で働くことが初めての方は、看護師の在宅ワークは未経験でもできる?で、始める前に確かめておきたいことも読んでおきましょう。
1か月目で辞めたくなったら、どうすればいいですか?
辞めると決める前に、何がつらいのかを1つに絞って、上司に話してみてください。操作、記録、一人の判断、生活のリズムのどれかなら、手順やシフトの見直しで軽くなることがあります。それでも合わないときは、仕事の形を変える道もあります。選び方は在宅ワーク未経験の看護師が最初に選ぶ仕事が参考になります。
2か月目からは、何が変わりますか?
一人で受ける時間や件数が少しずつ増え、手順書を開く回数は減っていきます。そのぶん、自分なりの工夫を足していく時期です。メモの型や記録の言い回しを、月に1回は見直す習慣をつけておきましょう。
まとめ
在宅ワークの最初の1か月は、研修とシステム、先輩の対応を聞く週、一人で受ける週、ふり返りの週と進みます。つまずきやすいのは看護の力ではなく、操作・記録・一人の判断・生活のリズムといった、新しい働き方の部分です。
- 1週目は「迷ったときに、どこを見ればよいか分かる」を目標にする
- 2週目は話の中身より「型」を見て、その日のうちにメモに書き直す
- 3週目は手順と相談先を頼りに、小さな到達点を積み重ねる
- 4週目は、次の1か月で変えることを1つだけ決める
始めるまでの準備や探し方を含めた全体の流れは、看護師の在宅ワークの始め方ガイドで確かめられます。働き始めてから迷うことがあれば、ひとりで抱えずに、LINEやフォームから気軽に相談してください。