肺がんの最期が近い時期には、息苦しさや痰が増える、眠っている時間が長くなる、呼吸が浅く速くなったりリズムが変わったりする、といった変化が見られることがあります。ただ、その苦しさを和らげる手段は、医療用麻薬などの薬、酸素、体の向き、顔に送る風、部屋の環境と、いくつも用意されています。
変化の現れ方や順番、どのくらいの期間続くかには個人差がとても大きく、医療者にも日数は言い切れません。だからこそ、目の前の様子を見て、つらそうなら伝え、和らげる手を一緒に打っていくことが、ご家族にできるいちばん確かなことです。
この記事では、肺がんの終末期に起きやすい変化、酸素をしていても苦しそうに見える理由、病室でご家族ができること、看護師さんへの伝え方と頼み方、そして面会のたびに胸が苦しくなるご自身の気持ちの置き場所を、順にお伝えします。
面会のたびに、胸が締めつけられる方へ
- 父の呼吸が浅く速くなってきた。酸素をしているのに、苦しそうに見える。
- 肺がんの最期は苦しいのではないかと思うと、怖くて病室に入る足が重くなる。
- 何をしてあげればいいのか分からず、ベッドの横でただ立ち尽くしてしまう。
父が肺がんで最期が近いと言われました。肺がんの最期にはどんなサインがあり、家族は何をすればいいですか?
息苦しさや痰が増える、眠る時間が長くなる、呼びかけへの反応がゆっくりになる、呼吸のリズムが変わる、といった変化が見られることがあります。家族は、苦しそうに見えたら看護師に伝えること、そばで声をかけ、口や体を楽にすることから始められます。
肺がんでは、がんそのものや胸水、痰などによって、最期が近い時期に息苦しさが目立つことがあります。そのほか、食べる量や飲む量が減る、眠る時間が増える、話しかけへの反応がゆっくりになるといった変化は、肺がんに限らず多くの方に見られるものです。
最期の数日が近い時期の変化については、医療者向けの研究があります。米国とブラジルの緩和ケア病棟で、進行がんの患者さん357人の様子を記録した研究(Hui Dほか、2014年)では、手首の脈が触れなくなる、あごを動かすような呼吸(下顎呼吸)、尿の量が減る、呼吸がだんだん大きくなっては小さくなり、しばらく止まることをくり返す(チェーン・ストークス呼吸)、のどのゴロゴロという音(死前喘鳴)が、亡くなるまでの時間が短いことを強く示す変化として挙げられました。一方、意識が下がることや、飲み物を飲み込みにくくなることは、もっと早い時期から現れるものの、時期を見きわめる決め手としては弱かったと報告されています。
ただ、これは医療者が全体の様子を判断する材料の一つで、ご家族が一つずつ数えて日数を予測するためのものではありません。変化の順番が入れ替わることも、ある状態が長く続くこともあります。気になる変化に気づいたら、「今はどの段階と見ていますか」と、担当の看護師や医師に尋ねてください。最期が近い時期の体の変化全体は、[gk_link to=”post:signs”]最期が近いサインの記事[/gk_link]でも整理しています。
ご家族が気づいて伝えること
- 呼吸が速い、浅い、肩で息をしている
- 眉間にしわを寄せる、手で胸をさする
- のどのゴロゴロという音が続いている
- 口が乾いている、唇が割れている
医療者に見きわめを任せること
- 今の息苦しさの原因と、薬の使い方
- 今がどの段階と考えられるか
- 吸引や体の向きを変えるかどうか
- 家族に連絡する時期の目安
肺がんの最期は、苦しいのですか?
息苦しさが強くなる時期はありますが、和らげる手段は複数あります。また、意識が下がった時期に見られる呼吸の変化には、見ている家族のほうがつらく、ご本人はそれほど苦しさを感じていないと考えられているものもあります。
意識がはっきりしている時期の息苦しさは、ご本人がつらさを感じているサインです。この時期には、医療用麻薬(モルヒネなど)を少量から使って息苦しさの感じ方を和らげたり、酸素や体の向きを調整したりします。医療用麻薬について、日本緩和医療学会の『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』は「オピオイドの使用が生命予後を短縮するという根拠はない」としています。適切に使われる医療用麻薬で命が縮むという根拠は示されていない、ということです。
ほかの方法で和らげきれない強い苦しさが続くときは、ご本人や家族と話し合ったうえで、薬で意識を下げて苦しさを感じにくくする「鎮静」を検討することもあります。鎮静と命の長さの関係について、日本緩和医療学会の『がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き 2023年版』には、「少なくとも鎮静が平均的に生命予後を短縮するといった重篤な安全性に及ぼす影響はないと想定される」と書かれています。鎮静によって平均して命が短くなるとは考えられていない、ということです。
意識が下がってくると、あごを動かすような呼吸や、呼吸の間があくといった変化が見られることがあります。見ているとつらい変化ですが、この時期のご本人は、苦しさを強く感じてはいないと考えられています。それでも気になるときは、遠慮せず看護師に「苦しそうに見えます」と伝えてください。確かめてもらうこと自体が、ご家族の安心につながります。
酸素をしているのに苦しそうなのは、なぜですか?
息苦しさは、血液中の酸素の量だけで決まる感覚ではないからです。胸水やがんの広がり、痰、筋力の低下、不安などが重なると、酸素の値が保たれていても苦しく感じることがあり、酸素以外の手段を組み合わせて和らげます。
病室のモニターに出る酸素の値(酸素飽和度)が保たれていても、ご本人が息苦しさを感じることはあります。反対に、値が下がっていても、意識が下がった時期にはご本人がそれほど苦しさを感じていないこともあります。数字と見た目と本人の感じ方は、いつも一致するわけではありません。
だからこそ、モニターの数字を見つめ続けるより、お父さまの表情や呼吸の様子を見て、気になったことを伝えるほうが役に立ちます。酸素のチューブやマスクは鼻や口を乾かしやすく、それ自体が不快なこともあります。口の乾きを和らげる、マスクの当たる場所を確かめてもらう、といった小さな調整も楽さにつながります。
日本緩和医療学会は、息苦しさ(呼吸困難)を和らげるための診療ガイドラインを『進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン 2023年版』として出しています。病棟では、医療用麻薬、胸水への対処、体の向き、顔への送風などを、その時の状態に合わせて組み合わせていきます。
| 見えている様子 | 考えられること | 家族ができること |
|---|---|---|
| 呼吸が浅く速い | 息苦しさ、熱、不安などが重なっている | 「いつもより速い」と看護師に伝える |
| 肩で息をする・眉間にしわ | 苦しさを感じているサインのことがある | 追加で使える薬があるか聞く |
| のどがゴロゴロ鳴る | 痰や唾液がのどにたまっている | 体の向きを変えてよいか相談する |
| あごを動かすような呼吸 | 意識が下がった時期に見られることが多い | そばで声をかけ、手に触れる |
| 口や唇が乾いている | 口呼吸や酸素で乾きやすい | 湿らせたスポンジやガーゼで潤す |
息苦しそうなとき、家族がそばでできることは何ですか?
上半身を少し起こす、うちわで顔のまわりにやさしく風を送る、部屋を涼しく静かに保つ、口を湿らせる、ゆっくりした声で話しかける、といったことができます。体の向きを変えるときは、先に看護師にひと声かけてください。
顔のまわりに流れる風は、息苦しさの感じ方を和らげる助けになることがあります。うちわを使うなら、顔に直接強く当てるより、少し離れたところから頬や口元のあたりへゆっくり風を送るくらいで十分です。窓を少し開けたり、部屋の温度を下げたりするのも、病棟のきまりに合わせて相談してください。
体の向きは、上半身を少し起こし、枕やクッションで肩や腕を支えると楽になることがあります。ただ、点滴や酸素のチューブ、床ずれへの配慮もあるので、動かす前に看護師に「起こしてもいいですか」と聞くのが安全です。
話しかけるときは、答えを求める質問より、「来たよ」「ここにいるよ」「今日は晴れてたよ」のような、返事のいらない言葉が向いています。話すこと自体が息を使うので、うなずくだけで済むようにすると、ご本人の負担が減ります。手を握る、背中にそっと手を当てる、同じテンポでゆっくり呼吸してみせる。言葉が少なくても、そばにいる人の落ち着いた様子は伝わります。テレビの音を消す、人の出入りを少なくする、照明を少し落とすといった環境の調整も、不安からくる息苦しさを和らげる助けになります。
- うちわで、顔のまわりにやさしく風を送る
- 上半身を起こしてよいか、看護師に聞いてから整える
- 唇や口の中を、湿らせたスポンジやガーゼで潤す
- 返事のいらない言葉で、ゆっくり話しかける
- テレビを消し、部屋を涼しく静かに保つ
- 気になる様子は、その場でナースコールで伝える
看護師さんには、何をどう伝え、何を頼めばいいですか?
「さっきより呼吸が速い」「胸をさすっている」など、見たままを伝えてください。追加で使える薬はあるか、体の向きや痰の取り方をどうするか、夜間に連絡をもらう基準は何か、といったことは遠慮なく頼んでよいことです。
看護師は、医師の指示の範囲で、息苦しいときに追加で使う薬(頓用)を使えることがあります。ご家族の「苦しそうに見えます」というひと言が、その薬を使うきっかけになることもあります。判断に自信がなくてもかまいません。「苦しいのかどうか分からないので、見てもらえますか」で十分です。
痰がからんでいるときの吸引は、管をのどに入れるため、ご本人にとってつらい処置になることもあります。必要かどうかは看護師が様子を見て判断し、体の向きを変える、痰を減らす薬を使うといった方法がとられることもあります。「吸引してください」と頼むより、「ゴロゴロが続いていて気になります」と伝えるほうが、合った方法を選んでもらいやすくなります。
夜間のことも、明るいうちに確かめておきます。「夜中に様子が変わったら、何時でも電話をいただけますか。どんな変化のときに連絡をくれますか」と聞いておくと、家に帰って休むか、病院に泊まるかを決める材料になります。自宅で療養している場合は、訪問看護や在宅医の連絡先と、夜間にどこへ電話するかを紙に書き、電話のそばに貼っておいてください。末期の悪性腫瘍の方は、医療保険で訪問看護を受けることができ、医療保険の訪問看護にある原則週3日以内という日数の制限もかかりません(主治医の指示が前提です)。急な変化で命に関わると感じたのに、決めておいた連絡先につながらないときは、ためらわず119番に電話してください。
Q1今、病院に入院していますか
はいナースコールで看護師を呼ぶ。家族が不在の夜に備え、病棟から連絡をもらう基準を前もって確かめる
いいえ自宅なら、決めておいた訪問看護や在宅医の番号に電話する
Q2命に関わるほどの急な変化だと感じますか
はいまず決めておいた連絡先へ。つながらない、決めていないときは119番
いいえ気になった様子と時刻をメモし、次の訪問や面会で伝える
のどがゴロゴロ鳴る、呼吸の間があく。これは最期のサインですか?
のどのゴロゴロという音や、呼吸の間があく、あごを動かすような呼吸は、最期が近い時期に見られることがある変化です。ただ、日数を言い当てるものではないので、見えたときは医療者に今の見立てを聞くきっかけにしてください。
のどのゴロゴロという音は、意識が下がり、唾液や痰をうまく飲み込めなくなったときに、呼吸に合わせて出る音です。見ている家族にはとてもつらい音ですが、この時期のご本人は、音ほどには苦しさを感じていないと考えられています。看取りの時期の家族向けに作られた冊子『これからの過ごし方について』(緩和ケア普及のための地域プロジェクト〈OPTIM〉)でも、のどのゴロゴロは、家族の心配に沿って説明されているテーマの一つです。
この冊子を使った説明の有用性を調べた多施設研究(山本亮ほか、Palliative Care Research、2012年)では、10施設の遺族325名に調査票を送り、回答した260名のうち81%が「とても役に立った」「役に立った」と答え、84%が「変化の目安になる」と答えています。協力した施設のご遺族の結果ではありますが、起きうる変化を前もって知っておくことが、そばにいる家族の支えになりうることを示しています。病棟に、こうした説明の資料があるか聞いてみるのも一つの方法です。
呼びかけに応えられなくなったあとも、耳には届いている可能性があるといわれています。カナダの大学がホスピスの患者さんの脳波を調べた研究(2020年)では、反応がなくなった状態でも、一部の方の脳が音に反応していたと報告されました。言葉の意味まで伝わっているかは分かっていませんが、いつもの呼び方で名前を呼び、伝えたいことがあれば、今のうちに声にしてみてください。
面会のたびに胸が苦しくなる自分は、どうすればいいですか?
それは、お父さまを大切に思っているからこそ起きる反応で、おかしなことではありません。家族は「第二の患者」ともいわれます。ご自身の不安も、看護師や相談窓口に話してよいものです。
苦しそうな呼吸の音を聞きながら、何もできない気がして病室を出る。帰りの電車で涙が止まらなくなる。次の面会の前になると、足が重くなる。どれも、看病を続ける家族の多くが経験することです。がん情報サービスは、家族は「本人はもっとつらいのだから」と気持ちを我慢しがちで、自分の日常生活も維持しなければならないことから、ご家族は「第二の患者」ともいわれると説明しています。
病室で涙が出たら、席を外してかまいません。ずっとそばにいられなくても、短い面会を重ねるだけで十分な日もあります。看護師に「家族の私も、見ていてつらいです」と打ち明けるのは、わがままではありません。家族の様子が伝わることで、医療者が声のかけ方や説明の仕方を工夫してくれることもあります。
話す相手は、病院の中だけではありません。がん相談支援センターは、家族も無料・匿名で利用できます。がんと家族の相談室でも、評価も助言もしない20分の電話で、ただ話を聞くことができます。ご家族自身が疲れきってしまう前に、[gk_link to=”post:family-caregiver-exhausted-second-patient”]看病する家族が自分を守る方法[/gk_link]にも目を通してみてください。
苦しそうな父のそばで立ち尽くしていた娘は、どう動いた?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談のあとの面会で、女性は父の呼吸が速いことに気づき、すぐにナースコールで「さっきより呼吸が速くて、胸をさすっています」と伝えました。看護師が様子を見て、主治医の指示にある追加の薬を使い、しばらくすると父の表情がゆるんだそうです。それまで面会の1時間のほとんどをモニターの数字を見て過ごしていましたが、その日は、うちわで父の顔に風を送りながら、子どものころの話を30分ほどしました。「数字じゃなくて、父の顔を見ていいんだと思えた」。
2. 相談を考えた背景
父は肺がんの治療を続けてきましたが、息苦しさが強くなり、緩和ケア病棟に移りました。女性は県外に住み、週末ごとに片道2時間かけて通っていました。看護師から「少しずつ眠る時間が増えていくと思います」と言われた日から、帰りの電車で毎回泣いていたといいます。
3. 相談する前に困っていたこと
酸素をしているのに父は肩で息をしていて、肺がんの最期は苦しいという話をネットで読んでは怖くなっていました。面会中は数分おきにモニターの数字を確かめ、値が下がるたびに胸が詰まったといいます。モルヒネを使うと聞いたときも「それで命が縮むのでは」と思い、看護師に聞けずにいました。何を頼んでいいのか、頼んだら迷惑ではないのかも、分からなかったそうです。
4. ここを選んだ理由・決め手
病棟の看護師はいつも忙しそうで、自分の不安を話す時間をもらうのは気が引けました。帰りの電車でこのサイトの記事を読み、フォームに「父が苦しそうで怖い」とだけ書いて、翌日の昼休みの時間帯を指定して送りました。病院の外の人に話せることが決め手だったといいます。
5. 相談で話したこと・その後
電話で担当は、まず15分ほど女性の話を聞きました。そのうえで、医療用麻薬は息苦しさを和らげる目的でも使われること、適切に使われる医療用麻薬で命が縮むという根拠はないとされていることを、ガイドラインの名前とともに伝えています。父の状態や残された時間の見立ては、担当からは伝えていません。代わりに、次の面会で看護師に聞く質問を3つにまとめました。①苦しそうなときに追加で使える薬はあるか、②家族がしてよいこと・控えたほうがいいこと、③夜間に連絡をもらう基準。看取り前後にやることチェックリストも受け取り、女性は月に2回、金曜の夜から病院の近くに泊まるようにしました。
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
看護師・医師に聞く質問例
- 今の息苦しさは、本人にとってどのくらいつらいと見ていますか。
- 苦しそうなときに追加で使える薬はありますか。家族が気づいたら、どう伝えればいいですか。
- うちわで風を送る、体を起こすなど、家族がしてよいことと控えたほうがいいことを教えてください。
- 今はどの段階と見ていらっしゃいますか。
- 夜間に様子が変わったら、どんな変化のときに連絡をいただけますか。遠方の家族を呼ぶ目安も教えてください。
とはいえ、怖さを抱えたままでもそばにいられます
① 気持ちのこと──「苦しませたくない」と願うことが、もう支えになっています
肺がんの最期を怖いと感じるのは、お父さまに苦しんでほしくないと願っているからです。その願いがあるから、呼吸の変化に気づき、看護師に伝えることができます。怖さを消してから病室に入る必要はありません。怖いまま、手を握っていてかまいません。泣いてしまったら、少し廊下に出て、深呼吸をしてから戻れば十分です。
② 実務のこと──家族で役割を分け、休む仕組みを使う
気持ちに余裕がない時期だからこそ、家族の役割は先に分けておきます。泊まる夜の当番、遠方の親族へ連絡する係、病棟からの電話を最初に受ける係。一人がすべてを抱えると、看病そのものが続かなくなります。仕事を休む仕組みとしては、法律で定められた介護休暇(家族の介護のために1年に5日、対象家族が2人以上なら10日まで。時間単位でも取れます)や、通算93日まで3回に分けて取れる介護休業があります(介護休業は、2週間以上にわたって常に介護が必要な状態の家族が対象です)。手続きは勤め先の担当部署に確かめてください。夜に電話する先をひとつ決めておく「もしもの夜の備え」の登録(無料・3分)もあり、登録しても何かを決める必要はありません。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”次の面会までに、ご家族ができる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”看護師さんに2つ聞く”]「苦しそうなときに追加で使える薬はありますか」「夜間はどんな変化のときに連絡をもらえますか」の2つを、次の面会で聞く。[/gk_step][gk_step title=”うちわと保湿のものを持っていく”]うちわと、唇を潤すためのもの(使ってよいものを看護師に確かめる)をバッグに入れておく。手を動かせることが、そばにいる助けになります。[/gk_step][gk_step title=”自分の不安をひとこと外に出す”]帰りの電車で、がんと家族の相談室のLINEに「父が苦しそうで怖い」とだけ送る。夜に届いたものは翌朝いちばんに読んでお返事します。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”モルヒネを使い始めたら、もう最期が近いということですか?”]そうとは限りません。モルヒネなどの医療用麻薬は、痛みや息苦しさを和らげるために、病気のいろいろな時期に使われます。使い始めたことが、残された時間の長さを示すわけではありません。量が増えるのも、つらさに合わせて調整しているためです。使う理由が気になるときは、「今、何のために使っていますか」と聞いてみてください。[/gk_q][gk_q q=”鎮静をすすめられました。どう考えればいいですか?”]鎮静は、ほかの方法では和らげられない苦しさがあるときに、薬で意識を下げて苦痛を感じにくくする方法で、ご本人の意思を大切にしながら、家族と医療チームが話し合って決めるものです。夜のあいだだけ眠れるようにする方法など、深さや続ける時間にも幅があります。決める前に「どのくらいの深さで、どのくらいの時間を考えていますか」「その間も話しかけてかまいませんか」と聞いてみてください。命の長さとの関係は、本文で紹介した手引きのまとめも参考になります。[/gk_q][gk_q q=”父がつじつまの合わないことを言います。どう接すればいいですか?”]最期が近い時期には、せん妄と呼ばれる一時的な意識の混乱が起こりやすくなるとされています。徐々に進む認知症とは違い、早く見つけて原因に合った対応をすると改善することもありますが、看取りの時期には回復が難しい場合もあります。否定や訂正を重ねず「そうなんだね」と受け止め、見慣れた物を手の届く所に置き、気になる言動は看護師に伝えてください。[/gk_q][gk_q q=”酸素の値が下がってきました。もうすぐということですか?”]酸素の値だけで、残された時間は分かりません。値は体の向きや眠り方でも上下し、医療者は呼吸の様子や意識、尿の量など、ほかの変化と合わせて全体を見ています。数字が気になったら「今の値を、どう見ていますか」と聞き、モニターよりもお父さまの表情に目を向ける時間を増やしてみてください。[/gk_q][gk_q q=”今夜、病院に泊まるべきか迷っています。”]正解は一つではありません。まず看護師に「今夜は家族がいたほうがいいと思いますか」と率直に聞いてみてください。泊まると決めた夜も、仮眠をとる場所と交代の相手を確かめておくと、翌日に響きにくくなります。泊まらない夜は、連絡がきたときに動けるよう、交通手段と病棟の電話番号を枕元に置いて休んでください。ご自身の体調も含めて決めてかまいません。[/gk_q][gk_q q=”遠方のきょうだいを、いつ呼べばいいですか?”]日数が分かるのを待つより、看護師に「会わせたい家族がいるなら、いつごろが目安ですか」と聞いたうえで、迷うなら早めに声をかけるほうが、動く側も準備ができます。連絡は「父の呼吸が変わってきています。今週か来週、顔を見に来られそうな日はある?無理はしないでね」のように、状況と頼みたいことを短く伝えるだけで十分です。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
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