転移がどこにあるかだけで、残りの時間が決まるわけではありません。場所によって大きく変わるのは、体に起きやすい症状と、その和らげ方のほうです。肝臓と骨、肺と骨のように、転移が一か所ではないと告げられると、どこから何が起きるのか見当がつかず、不安ばかりがふくらみます。けれども、症状と手当てという形に置き直すと、備え方は見えてきます。
転移がいくつもあると、症状も重なって現れます。このだるさは肝臓のせいなのか、治療の影響なのか。腰の痛みは骨の転移なのか。原因を見分けるのは医療者の仕事です。ご本人とご家族にできるのは、気づいた変化を、急ぎのものから順に、伝わる形で届けることです。
この記事では、骨・肝臓・肺・脳・腹膜で起きやすい症状と和らげる手段を一枚の表にまとめたうえで、どの症状から医療者に伝えるか、短い診察でどう伝えるか、言いにくい症状をどう切り出すかに絞ってお伝えします。転移先ごとの詳しい経過や、転移と治療の目標の関係は、それぞれを扱う記事にお任せします。
転移がいくつもあると言われて、このページを開いた方へ
- CTの結果で「肝臓と骨にも」と言われた。転移がいくつもあって、どこから何が起きるのか見当がつかない。
- 腰の痛み、だるさ、食欲のなさ。どれが転移のせいで、どれを先生に言えばいいのか分からない。
- 短い診察では、気になっていることの半分も話せずに帰ってきてしまう。
がんが骨や肝臓に転移していると言われました。転移先によって余命は変わりますか?
転移先だけで余命が決まるわけではありません。経過は、元のがんの種類と性質、転移の広がり、治療の効き方、体の余力の組み合わせで変わります。転移先によって大きく違うのは、起きやすい症状と、その和らげ方です。
見通しの考え方は、転移した場所の名前からではなく、元のがんの性質から始まります。なぜ元のがんで考えるのかは[gk_link to=”post:metastatic-cancer-prognosis-by-type”]がんの種類で違う余命の読み方[/gk_link]で、転移があることと治療の目標の関係は[gk_link to=”post:metastasis-not-always-terminal”]転移は「末期」とは限らない理由[/gk_link]で、それぞれ詳しく説明しています。
この記事で押さえておきたいのは、転移先の違いが、毎日の体の感じ方の違いとして現れることです。骨の転移は痛みとして、肝臓の転移はだるさや食欲のなさとして、肺の転移は息切れとして。同じ「転移」でも、体が出すサインはまったく違います。複数の場所に転移があれば、そのサインも重なって届きます。
症状は、早く伝えるほど早く手当てにつながります。転移先ごとの症状を知っておくことは、自分の体の声を聞き分け、医療者に届けるための準備です。
ご本人と家族ができること
- いつもと違う変化に気づく
- いつから・どこが・どのくらいを書き留める
- 急ぎのものから順に伝える
医療者が担うこと
- 症状の原因を見分ける
- 和らげる手段を選び、組み合わせる
- がんへの治療との兼ね合いを考える
転移先ごとに、どんな症状が起きやすく、どう和らげるのですか?
骨は痛みや骨折、肝臓はだるさや黄疸、肺は息切れや胸水、脳は頭痛や手足・言葉の変化、腹膜は腹水や腸の通りの悪さが起きやすく、どれにも和らげる手段があります。一枚の表で見渡すと、自分の転移先で気をつけることが見えてきます。
| 転移先 | 起きやすい症状の例 | 和らげる手段の例 |
|---|---|---|
| 骨 | 痛み、骨折、背骨の転移による手足のしびれ・力の入りにくさ | 痛み止め、放射線治療、骨を守る薬、手術、装具 |
| 肝臓 | だるさ、食欲の低下、おなかの張り、黄疸、かゆみ | がんへの治療、胆汁の流れを通す処置、かゆみの手当て |
| 肺・胸 | せき、息切れ、胸の痛み、胸水による息苦しさ | 胸水を抜く処置、息苦しさを和らげる薬、酸素 |
| 脳 | 頭痛、吐き気、手足や言葉の変化、けいれん | 放射線治療、手術、むくみを抑える薬、けいれんを抑える薬 |
| 腹膜 | 腹水によるおなかの張り、腸の通りの悪さ、吐き気 | 腹水を抜く処置、尿を出しやすくする薬、腸の通りへの手当て |
表を読むときに、知っておいてほしいことが三つあります。一つ目は、転移があっても症状が出ないことがよくある、ということです。肝臓や肺の転移は、小さいうちは画像や血液検査で分かるだけで、体調はほとんど変わらないこともあります。表の症状は「必ず起きること」ではなく、「起きたら伝えたいこと」の一覧です。
二つ目は、和らげる手段が一つではないことです。骨の痛みなら、痛み止めに、痛む骨にねらいを絞った放射線治療や骨を守る薬(骨修飾薬)を組み合わせることがあります。胸にたまった水には水を抜く処置、腹水にはおなかに針を刺して水を抜く処置や尿を出しやすくする薬、胆汁の通り道が圧迫されて起きる黄疸には細い管(ステント)で流れを通す処置、脳の転移には放射線治療や、むくみを抑える薬があります。息苦しさの和らげ方については、日本緩和医療学会が『進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン 2023年版』をまとめています。
三つ目は、どの手段が合うかは、転移の大きさや体の状態によって違うことです。表は、主治医に「私の場合は、どれが考えられますか」と尋ねるための地図として使ってください。骨や肝臓など、転移先ごとの詳しい経過と備えは、[gk_link to=”post:bone-metastasis-how-long-pain-fracture”]骨転移の痛みと骨折への備え[/gk_link]や[gk_link to=”post:liver-metastasis-how-long-options”]肝転移の黄疸・腹水と治療の選択肢[/gk_link]など、場所ごとの記事にまとめています。
複数の場所に転移があると、症状はどう重なりますか?
一つの症状に、いくつもの原因が重なることがあります。だるさや食欲のなさは肝臓の転移でも、治療の副作用や貧血、眠れなさでも起こり、意識のぼんやりは脳の転移でも、血液中のカルシウムの増加や「せん妄」でも起こります。
転移が二か所、三か所とあると、「この症状はどの転移のせいか」を自分で考えたくなります。けれども、一つの症状の裏に、いくつもの原因が重なっていることがあります。
たとえば、だるさや食欲のなさです。肝臓の転移で起こることもあれば、腹水で胃が押されて起こることも、抗がん剤などの副作用、貧血、便秘、眠れない夜が続いたことで起こることもあります。痛みも同じで、背骨の転移で神経が圧迫されると、痛む場所が転移のある場所から少し離れて、足やわき腹に響くことがあります。
意識がぼんやりする、つじつまの合わないことを言うといった変化も、脳の転移だけが原因とは限りません。骨からカルシウムが溶け出して血液中のカルシウムが増えたときや、肝臓のはたらきが落ちたとき、薬の影響でも起こり得ます。体の状態の変化などで一時的に現れる「せん妄」のこともあります。せん妄は、徐々に進む認知症とは違うもので、原因によっては手当てで落ち着くことがあります。
だからこそ、原因を決めつけずに「変化」として伝えることが意味をもちます。「肝臓のせいだから仕方ない」「年のせいだろう」と片づけてしまうと、手当てで和らぐはずの症状を見逃しかねません。原因の見極めは医療者に任せ、ご本人は気づいたことを、そのまま渡してください。
[gk_cta_mid title=”伝えることを、困っている順に3つにまとめます”]気になっている症状と、転移があると言われた場所をフォームにひとこと書いてください。担当がお電話で医療者の言葉の一般的な意味をお伝えし、いちばん困っていることから順に並べ直して、次の診察で伝えること・聞くことを3つにまとめてお送りします。[/gk_cta_mid]どの症状から医療者に伝えればいいですか?
順番の目安は三つです。まず、命や体のはたらきに関わる急な変化。次に、眠る・食べる・動くを妨げている症状。最後に、ゆっくり進んでいる変化です。迷ったら、いちばん困っていることから伝えてかまいません。
一つ目の「急な変化」は、診察の日を待たずに伝えるものです。足に力が入らない、急に息が苦しくなった、けいれんが起きたといった変化で、具体的な例は次の見出しにまとめました。
二つ目は、暮らしの土台を崩している症状です。痛みで夜中に何度も目が覚める、だるくて食事の支度ができない、息切れで買い物に行けなくなった。こうした症状は、「まだ我慢できる」と思っても、次の診察まで抱えずに、外来の看護師に電話で相談してかまいません。眠る、食べる、動くのどれかが妨げられていることは、それだけで伝える理由になります。
三つ目は、少しずつ進んでいる変化です。せきが増えてきた、おなかが前より張る気がする、疲れやすくなった。急ぎではなくても、記録しておいて次の診察で伝えると、医療者は変化の向きと速さをつかめます。
ご家族が気づいた変化も、立派な症状です。「最近、同じ話をくり返す」「白目が黄色っぽい」「昼間も眠っている時間が長い」。ご本人が気づきにくい変化ほど、そばにいる家族の目が役に立ちます。
- 1命に関わると感じる息ができない、呼びかけに反応しない、けいれんが止まらない。迷わず119番
- 2体のはたらきに関わる急な変化夜間や休日でも、病院が案内している連絡先へ
- 3眠る・食べる・動くを妨げる症状次の診察を待たずに、外来の看護師などに電話で相談
- 4ゆっくり進む変化記録しておき、次の診察で伝える
次の診察を待たずに連絡したほうがいい変化はありますか?
あります。足に力が入らない、尿や便が出にくい、強い頭痛と吐き気、けいれん、急な息苦しさ、黄疸と発熱、便もガスも出ずに吐くといった変化は、夜間や休日でも病院に連絡してください。命に関わると感じたら119番です。
転移のある体には、ときどき、急いで手当てをしたほうがよい変化が起こります。背骨の転移で神経が圧迫されたときのように、早く手当てを始めるほど、体のはたらきを守りやすいものもあります。「こんなことで電話していいのか」と迷ったら、それは連絡してよいサインです。
連絡先は、あらかじめ確かめておくと慌てずに済みます。平日の昼は外来、夜間や休日は病棟や病院が案内している番号、訪問看護を受けている方は訪問看護ステーションです。息ができない、呼びかけに反応しないなど、命に関わると感じたときは、迷わず119番に電話してください。救急車を呼ぶか迷うときに相談できる#7119は、実施していない地域もあるので、お住まいの地域で使えるかを先に確かめておくと安心です。
- 背中や腰の痛みに加えて、足に力が入らない、しびれが広がる、尿や便が出にくい
- 骨が急に強く痛み、その場所を動かせない
- 強い頭痛と吐き気、けいれん、急に言葉が出ない・手足が動かない
- 急に息が苦しくなった、胸が強く痛む
- 白目や皮膚が黄色くなり、発熱や寒気がある
- 便もガスも出ず、吐く、おなかが強く張って痛む
- のどが強く渇き、意識がぼんやりしている
短い診察で、いくつもの症状をどう伝えればいいですか?
症状を一つ一行の短いメモにして、困っている順に並べ、上の三つから伝えると、限られた時間でも届きます。「いつから・どこが・どのくらい・何ができなくなったか」をそろえると、医療者が原因と手当てを考えやすくなります。
外来の診察は、思っているより短く終わります。症状がいくつもあると、話しているうちに時間が過ぎ、いちばん困っていたことを言いそびれて帰ってくる、ということが起こりがちです。そこで、話す前に順番を決めておきます。
メモは、一つの症状を一行にします。たとえば「腰の痛み:先月の終わりから。夜中に何度も目が覚める。痛み止めを飲むとしばらく楽になる」。こうして書いた行を、困っている順に並べ替え、上の三つに印をつけます。診察室では、印のついた行から読み上げるか、メモをそのまま医師に渡してしまってもかまいません。
一行に入れておくと伝わりやすいのは、次のようなことです。
- いつから始まったか、急にか少しずつか
- どこが、どんなふうにつらいか
- いちばんつらかったときと比べて、今はどのくらいか
- 眠る・食べる・動くのうち、何ができなくなったか
- 試したことと、その効き目
診察の前に、外来の看護師にメモを見てもらう方法もあります。要点を先に共有しておくと、診察の時間を手当ての相談に多く使えます。痛み止めの使い方や副作用のことは、薬剤師にも尋ねられます。
言いにくい症状は、どう切り出せばいいですか?
「痛いと言うと悪くなったと思われそう」「医療用麻薬が怖い」と感じる症状ほど、早めに伝えたいものです。痛みに医療用麻薬を使うことで命が縮むという根拠は、ないとされています。言いにくいときは「言いにくいのですが」と前置きするだけで、切り出しやすくなります。
転移があると分かったあと、痛みを口にするのをためらう方がいます。言えば転移が広がったと認めることになりそうで、医療用麻薬を勧められたら終わりが近い気がして。けれども、痛みの薬について日本緩和医療学会は、『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』の中で、オピオイド(医療用麻薬)を使うことが命を縮めるという根拠はない、という考えを示しています。痛みの強さに合わせて、早い時期から使われることもある薬です。
ほかにも、言いにくい症状はあります。便秘や尿のこと、眠れなさや気持ちの落ち込み、物忘れのように自分でも認めたくない変化。どれも、和らげる手当てや、原因を確かめる検査につながることがある、大事な情報です。
切り出し方に決まりはありません。「言いにくいのですが」と前置きする、メモに書いて渡す、看護師に先に伝えて医師に橋渡ししてもらう。気持ちの面から相談したいときは、緩和ケアチームや緩和ケア外来も頼れます。緩和ケアは、がんと診断されたときから受けられ、体のつらさと一緒に、心のつらさも和らげることを目指しています。
症状に気づいたあなた
- 主治医症状の原因の見極めと、治療との兼ね合い
- 外来・病棟の看護師診察前の症状メモの確認、夜間・休日の連絡
- 薬剤師痛み止めなどの使い方と、副作用の心配
- 緩和ケアチーム・緩和ケア外来和らぎにくい痛みや息苦しさ、気持ちのつらさ
- 訪問看護家で過ごしているときの症状の変化(利用している場合)
- がん相談支援センター伝え方や相談先の相談。無料・匿名で、通っていない病院のセンターも使える
骨の痛みを言い出せずにいた方は、どう動いた?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談のあと、診察の日の持ち物に、三行だけのメモが加わりました。一行目は腰の痛み、二行目は食欲のなさ、三行目はだるさ。困っている順に並べ替えたもので、次の診察では一行目から読み上げ、それまで隠していた腰の痛みを初めて伝えました。痛み止めの調整が始まり、それまで毎晩3回は痛みで目が覚めていたのが、2週間ほどで1回あるかないかになりました。「我慢していたのが、いちばんもったいなかった」と話しています。
2. 相談を考えた背景
CTの結果説明で、主治医から「肝臓と骨にも転移があります」と告げられました。治療の説明を受けながら、頭の中では「転移 余命」という言葉ばかりが回っていたそうです。実はその前から、腰に重い痛みがありました。ただ、言えば「悪くなった」と思われそうで、診察では口にしていませんでした。
3. 相談する前に困っていたこと
家に帰ってから、骨転移、肝転移と、転移先ごとに検索しました。出てくる数字は幅がばらばらで、読むほど混乱しました。痛み止めを調べると医療用麻薬という言葉が目に入り、「それを使い始めたら終わりなのでは」と怖くなりました。だるさも食欲のなさもあり、どれが転移のせいで、どれから先生に言えばいいのかも分からないまま、夫には「たいしたことない」と言い続けていました。
4. ここを選んだ理由・決め手
病院のがん相談支援センターの案内は見ていましたが、同じ病院の中で痛みの話をすると、そのまま主治医に伝わってしまいそうで迷っていたそうです。夜、眠れないまま開いたページで、LINEならスタンプひとつでも送れると知り、「腰が痛いのを、誰にも言えていません」と送りました。翌朝、担当から返事が届き、その日の午後に電話で話しました。
5. 相談で話したこと・その後
電話で担当は、転移という言葉の一般的な意味と、医療用麻薬についてのガイドラインの考え方を説明しましたが、痛みの原因や治療については何も判断していません。がん相談支援センターでは、相談した内容が相談した人の同意なく担当医に伝わることはない、ということも伝えました。話すうちに、本人がいちばん怖かったのは痛みそのものより、「痛いと言ったら、悪くなったと認めることになる」という思いだったと分かってきました。そこで、気になっている症状を一行ずつ書き出し、困っている順に並べ替えるところまで一緒に進め、聞きたいことを3つにしたメモを送りました。診察には夫も同席し、帰り道には二人で、次に行きたい場所の話をしたそうです。
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
医療者に聞く質問例
- 私の転移先では、どんな症状に気をつけておけばよいですか。
- 夜間や休日でも連絡したほうがよいのは、どんな変化ですか。
- 症状がいくつかあるとき、どれを優先して伝えればよいですか。
- 今の痛みやだるさを和らげるために、どんな方法が考えられますか。
- 緩和ケアチームや緩和ケア外来に、今から相談できますか。
とはいえ、転移と向き合うあなたに伝えたい2つのこと
① 気持ちのこと──体の声に耳をすますのは、一日一回でいい
転移があると分かってから、体のどこかが痛むたびに「広がったのでは」と考えてしまうのは、自然なことです。けれども、一日中体の声に耳をすませていると、小さな違和感までがすべて転移のサインに見えてきて、心が休まりません。記録は一日一回、寝る前など決まった時間につけ、書いたらメモを閉じてかまいません。気づいた変化を伝えたら、見極めは医療者に預けてください。家族の前で平気なふりをしている方も、ここでは泣いてかまいません。気持ちの落ち込みや眠れない日が続くときは、主治医やがん相談支援センターにも、そのまま話してください。
② 実務のこと──症状が出たときの連絡の流れを、家族と共有しておく
急な変化は、ご本人が電話をかけられない状態で起こることもあります。そこで、連絡の流れを家族と分けて持っておきます。病院の外来と夜間の番号、訪問看護を受けているならその番号、飲んでいる薬の一覧、転移している場所と元のがんの名前。この四つを一枚の紙にまとめ、冷蔵庫など家族の目に入る場所に貼っておくと、誰が電話をかけても同じことを伝えられます。お住まいの地域で#7119が使えるかどうかも、このときに一緒に確かめておきます。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”転移がいくつもあると言われた今夜から、明日にかけてできる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”症状を困っている順に三行で書く”]今ある症状を一つ一行で書き出し、困っている順に並べて、上の三つに印をつけます。次の診察では、印のついた行から伝えます。[/gk_step][gk_step title=”夜間の連絡先を登録する”]病院の外来と、夜間・休日の連絡先をスマホの電話帳に登録し、急いで連絡したい変化の例と一緒に家族にも知らせておきます。[/gk_step][gk_step title=”いちばん言いにくい症状を一つ選ぶ”]言い出せずにいる症状があれば、メモの一番上に「言いにくいのですが」と書き添えます。ひとりで抱えきれない夜は、がんと家族の相談室のLINEにひとこと送ってください。翌朝いちばんに読んで返事をします。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”転移があると言われましたが、症状がありません。何に気をつければいいですか?”]転移があっても、しばらく症状が出ないことはよくあります。今のうちにしておきたいのは、自分の転移先で起きやすい症状と、急いで連絡したほうがよい変化を、主治医に確かめておくことです。表の「起きやすい症状の例」を目印にしておけば、変化に早く気づけます。症状がない今の時間は、体力を保つことや、やりたいことに使ってかまいません。[/gk_q][gk_q q=”痛みを伝えたら、すぐに医療用麻薬を使うことになりますか?”]痛み止めは、痛みの強さや種類に合わせて選ばれるので、すぐに医療用麻薬になるとは限りません。勧められた場合も、日本緩和医療学会のガイドラインでは、使うことで命が縮むという根拠はないとされています。薬への不安があるときは、「副作用ややめられなくなることが心配です」とそのまま伝えると、医師や薬剤師が使い方を説明してくれます。[/gk_q][gk_q q=”だるさや食欲のなさも、伝えたほうがいいですか?”]伝えてください。だるさや食欲のなさには、肝臓の転移のほかに、治療の副作用、貧血、便秘、眠れなさ、気持ちの落ち込みなど、いくつもの原因が重なることがあり、手当てで和らぐものもあります。「年のせい」「転移のせい」と自分で決めずに、いつから、何ができなくなったかを添えて伝えると、原因を探す手がかりになります。[/gk_q][gk_q q=”家族が気づいた変化も、医療者に伝えていいですか?”]伝えてかまいません。物忘れが増えた、白目が黄色っぽい、昼間も眠っている時間が長いなど、ご本人が気づきにくい変化ほど、家族の目が役立ちます。診察に同席できるときはその場で、難しいときは、ご本人の了解を得てメモを持たせるか、外来の看護師に電話で伝える方法があります。[/gk_q][gk_q q=”黄疸が出たら、もう長くないということですか?”]黄疸だけで、そう決まるわけではありません。原因はいくつかあり、胆汁の通り道が圧迫されている場合などは、管を入れて流れを通す処置で和らぐことがあります。気づいたら早めに病院へ伝え、「この黄疸の原因は何ですか」と尋ねてください。発熱や寒気を伴うときは、急いで連絡してください。[/gk_q][gk_q q=”夜中に急に痛みが強くなったら、どうすればいいですか?”]痛みが強くなったときに使う薬(頓服)を処方されている場合は、指示どおりに使い、効かないときは病院の夜間の連絡先へ電話してください。足に力が入らない、尿が出にくいなどの変化を伴う痛みは、急いで手当てが必要なことがあります。命に関わると感じたら、迷わず119番に電話してください。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
- [gk_link to=”post:metastatic-cancer-prognosis-by-type”]転移したがんの余命は、なぜ元のがんで考えるのですか?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:metastasis-not-always-terminal”]転移があると「末期」なのですか?治療の目標はどう変わる?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:recurrence-prognosis-numbers”]再発や多発転移のあと、目にする数字はどう読めばいい?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:how-prognosis-is-estimated”]医師は何をもとに、余命の見通しを考えているのですか?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:stage-4-what-lies-ahead-patient”]ステージ4と告げられた夜、この先の流れを知るには?[/gk_link]
- [gk_link to=”page:for-patient”]転移と言われたご本人が、相談できる窓口は?[/gk_link]