「親とあと、どれくらい一緒にいられるのだろう」。この問いに日数で答えられる人は、主治医を含めて誰もいません。医師の見立ては幅のある目安で、ネットで目にする生存率は、過去に診断された大勢の人をまとめた数字です。けれど、一緒に過ごす時間の中身、言いかえれば時間の「濃さ」は、親御さんがまだ元気に治療を続けている今から、子どもの側で選んでいけます。
濃さといっても、特別な旅行や改まった話し合いのことではありません。台所で並んで煮物を作る、古いアルバムの写真について聞く、電話で今日あったことを笑い合う。治療の合間のそうした時間の積み重ねが、あとになって「一緒にいた」と感じられる時間になっていきます。どこまで濃くできるかは、親御さんの体調や性格、住んでいる距離によって家族ごとに違い、頻繁には会いに行けない人にも、その人なりのやり方があります。
電話を切るたびに、胸の中で数えてしまう方へ
- 治療中の母と電話をするたびに、あと何回こうして話せるんだろうと考えてしまう。
- 日数が知りたいわけじゃない。ただ、一緒にいられる時間を無駄にしたくない。
- 仕事も家のこともあって、会いに行ける日は限られている。会えない日は、何もしてあげられない気がする。
この記事で分かること
- 「あとどれくらい」を「どう過ごすか」に置き換える考え方
- 治療中の親と会う日の過ごし方と、昔の話の引き出し方
- 会えない日に、電話や手紙で時間を濃くする工夫
- 親御さんの希望を聞くときの、最初のひと言
親ががんになり、あとどれくらい一緒にいられるのか考えてしまいます。どう考えればいいですか?
「どれくらい」を日数で知ることは誰にもできませんが、「どう過ごすか」は今日から選べます。時間を長さで数えるのをいったん休み、一緒にいる時間の濃さで考え直すと、会える日にも会えない日にも、することが見えてきます。
「あとどれくらい」と考えてしまうのは、親御さんを大事に思っているからです。ただ、その答えを数字に求めても、手に入るのは幅のある目安だけです。国立がん研究センターの院内がん登録の生存率集計は、表示している数字が過去の期間にがんと診断された人のもので、これから治療を受ける人には当てはまらない可能性があると注意書きを添えています。生存率は集団の数字で、親御さんご本人の余命を示すものではありません。主治医の見立ても、治療の効き方や体力によって変わっていきます。
それでも問いが頭から離れないのは、その奥に「一緒にいる時間を、悔いのないように使いたい」という願いがあるからかもしれません。そしてこの願いは、日数が分からないままでも今週から形にできます。仮に数字を聞けたとしても、次の電話で何を話すか、次に会う日に何をするかは、結局、自分で決めることになるからです。
見通しそのものを主治医に聞きたいときは、親御さん本人の気持ちを確かめながら進める方法があり、その聞き方は[gk_link to=”post:parent-how-long-numbers-meaning”]親のがんの余命の数字の意味と聞き方[/gk_link]にまとめています。知らないままでいることを選ぶ家族もいますが、どちらでも、この記事の考え方は使えます。会える回数を数えてしまう気持ちとの付き合い方は、看取りが近い時期のことも含めて[gk_link to=”post:how-many-more-visits-with-parent”]「あと何回会える?」と考えてしまうとき[/gk_link]で扱っています。
長さで数えるとき
- 電話のたびに、残りの回数を頭の中で計算する
- 会えない日は、時間を失ったように感じる
- 検査の結果が出るまで、予定を立てられない
濃さで考えるとき
- 次の電話で、何を聞いてみるかを考える
- 会えない日にも、手紙や写真で話の続きができる
- 結果を待つあいだも、今週の楽しみを一つ置ける
一緒にいる時間の「濃さ」とは、どういうことですか?
親御さんの話を聞き、同じことをして、笑ったり教わったりした時間の手ごたえのことです。会っている時間の長さとは別のもので、短い電話でも濃くなり、半日そばにいても薄く感じることがあります。
たとえば、実家に半日いても、お互いにスマホを見ながら次の通院の段取りだけを話して帰る日があります。反対に、20分の電話で、母が父と出会ったころの話を初めて聞けた、という日もあるでしょう。心に残るのは、おそらく後者です。濃さは時間の量ではなく、その時間に親御さんの何に触れたかで決まります。
濃さには、3つの入り口があります。昔の話や今の思いを「聞く」こと。料理や散歩など、同じことを並んで「一緒にする」こと。そして、味つけのこつや古い書類のありかを親御さんに教わる、「頼る」ことです。
3つめは見落とされがちですが、治療が始まると、親御さんは世話をされる側に回る場面が増えます。教える側、頼られる側に戻れる時間は、親御さんにとって「まだ親でいられる」と感じられる時間でもあります。子どもが何かをしてあげるだけでなく、親御さんから受け取ることも、時間を濃くする方法の一つです。
- 1聞く昔の話や、今考えていることを、親御さんのペースで聞く
- 2一緒にする料理や散歩、片付けなど、同じことを並んでする
- 3頼る味つけのこつや家のことを、親御さんに教わる
治療中の親と会う日は、どう過ごせばいいですか?
予定を詰め込まず、親御さんの体調がよい時間帯に合わせて、「一緒にすること」を一つだけ決めて行くと過ごしやすくなります。特別な外出より、家のいつもの時間を一緒に過ごすほうが、親御さんの体への負担も少なく済みます。
会う前に、親御さんに聞いておきたいのは「何時ごろが楽か」と「してほしいことはあるか」の2つです。治療の種類によっては、治療を受けた日からしばらくはだるさが強く、そのあと少し楽になる、という波を繰り返すことがあります。どの時期が楽かは本人がいちばんよく知っているので、「今度の土曜、行ってもいい?何時ごろが楽?」と、日にちと時間を添えて聞くと答えやすくなります。
当日は、一緒にすることを一つだけ決めておきます。親御さんの得意料理を教わる、古い写真を一緒に整理する、近所を少し歩く、今は頼みにくくなった高い所の掃除や重い買い物を引き受ける。全部をやろうとすると、親御さんは「せっかく来てくれたのだから」と無理をしてしまいます。
帰る時刻は、着いたときに伝えておくと、親御さんも疲れる前に休めます。「疲れたら横になってね。そのあいだ台所を片付けておくから」と言えば、同じ家にいながら、休む時間とそばにいる時間を両立できます。抗がん剤の種類によっては、感染に気をつけたい時期があります。自分が風邪気味のときに会ってよいかは、親御さんを通じて医療者に確かめておくと安心で、迷う日は電話に切り替える判断も思いやりの一つです。
帰る前には、次に会う日と、その日に一緒にすることを決めておきます。「次はあのアルバムの続きを見よう」という約束は、親御さんにとって、次の治療を越えていくための小さな楽しみになります。
| その日の体調 | 一緒にすること | 子どもの役まわり |
|---|---|---|
| 楽な日 | 得意料理を教わる、近所を少し歩く | 教わる側、頼る側に回る |
| 少しだるい日 | 古い写真を見ながら話す、並んでテレビを見る | 聞き役に回り、話を急がせない |
| つらい日 | 同じ部屋で静かに過ごし、家事を片付ける | 何も求めず、そばにいる |
会う日に、親の話をどう引き出せばいいですか?
「最近どう?」より、「この写真、どこで撮ったの?」のように、答えが一つの場面に結びつく問いから入ると話がふくらみます。病気の話は、親御さんが自分から始めたときに聞けば十分です。
「体調はどう?」「最近どう?」という問いには、多くの親御さんが「大丈夫」「変わらないよ」と短く答えます。心配をかけたくない気持ちもあり、話はそこで終わりがちです。一方で、古い写真や台所の道具、昔通った店といった具体的なものを手がかりにした問いには、記憶が場面ごと引き出されるので、答えが長くなります。
聞くときは、話の正しさを確かめたり、先を急がせたりしないことです。「それで、どうなったの?」「そのとき、どう思った?」と短く相づちを打つだけで、親御さんは話し続けられます。同じ話を何度も聞くことになっても、「その話、好きなんだね」と受け止めれば、親御さんにとって大事な場面なのだと分かります。
病気の話を、こちらから毎回確かめる必要はありません。親御さんが治療のことや不安を自分から話し始めたときに、手を止めて聞けば十分です。その場で励ましたり答えを出したりしなくても、「そうなんだ、話してくれてありがとう」と受け取るだけで、親御さんは話してよかったと感じられます。
- 「この写真、どこで撮ったの?」
- 「お父さんと初めて会ったのは、どんなとき?」
- 「若いころ、どんな仕事をしていたの?」
- 「私が生まれた日のこと、覚えてる?」
- 「この煮物の味は、誰に教わったの?」
- 「今までで、いちばん楽しかった旅行はどこ?」
会えない日には、電話や手紙でどんな工夫ができますか?
様子を確かめる短い連絡に加えて、電話で昔の話を一つ聞く、手紙に思い出の場面を一つ書く、離れたまま料理やアルバムを一緒に作る、といった工夫で、会えない日の時間も濃くなります。
連絡の回数やリズムの作り方は[gk_link to=”post:how-often-to-visit”]会う頻度と連絡のリズムの決め方[/gk_link]に譲り、ここでは、会えない日のつながりを一歩深くする工夫を紹介します。
電話は、「一つだけ聞く」日をつくる
毎回でなくてかまわないので、聞きたいことを一つ決めてから電話をかける日をつくります。「今日は一つ聞きたいことがあって。おばあちゃんの得意料理って何だった?」と切り出せば、体調の確認だけで終わる電話とは違う時間になります。聞いた話は、スマホのメモやノートに日付と一緒に残しておきます。数か月たつと、それは親御さんの言葉で書かれた、家族の小さな記録になっていきます。
手紙は、長さより「場面を一つ」
手紙やはがきは、電話と違って、親御さんが好きなときに何度でも読み返せます。だるくて電話に出られない日でも、枕元に置いておけます。書くことは、立派な言葉でなくてかまいません。「小学生のころ、雨の日に傘を持って迎えに来てくれたのを覚えています」のように、具体的な場面を一つ書けば、それだけで気持ちは伝わります。励ましの言葉を探して手が止まるなら、今日あった出来事を書くだけでも十分です。
離れたまま、一緒に作る
会えなくても、同じものを一緒に作ることはできます。ビデオ通話で親御さんに料理を教わりながら、自分の台所で同じものを作る。印刷した昔の写真を送り、裏に一言ずつ思い出を書いて送り返してもらう。孫が描いた絵を送り、親御さんから返事のはがきをもらう。行き来するものがあると、会えない日にも話の続きが生まれます。
| 工夫 | 生まれるもの | 続けるこつ |
|---|---|---|
| 一つだけ聞く電話 | 親御さんの昔話や、大事にしてきたこと | 聞きたいことを一つ決めてからかける |
| 思い出を書く手紙 | 何度も読み返せる言葉 | 長さより、具体的な場面を一つ書く |
| 電話で教わる料理 | 親御さんの味と、教える役割 | 同じ時間に、別々の台所で作る |
| 往復するアルバム | 写真の裏にある話 | 親御さんに一言ずつ書き込んでもらう |
親の希望は、どうやって切り出して聞けばいいですか?
いきなり「もしものとき」を聞くより、「今年やりたいこと」「もう一度行きたい場所」といった明るい問いから始めると答えやすくなります。一度で聞き切ろうとせず、会うたびに一つずつ、答えが変わってよい前提で聞いていきます。
治療中のまだ元気な時期に聞いておきたいのは、まず「今の希望」です。「体調がいい日に行ってみたいところはある?」「治療が一段落したら、何を食べに行きたい?」「最近、何をしているときがいちばん楽しい?」。こうした問いの答えは、そのまま次に会う日の予定になります。桜をもう一度見たい、孫の発表会に行きたい、といった希望が分かれば、主治医に体調のことを相談しながら、実現の段取りを考えられます。
今の希望を話しているうちに、親御さんのほうから「この先」の話が出てくることもあります。厚生労働省は、もしものときに望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有していく取り組みを「人生会議」(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)と呼んで勧めており、国の指針も本人による意思決定を基本に置いています。一度で結論を出すものでも、書類を作らなければならないものでもなく、今日の「やりたいこと」の会話が、その自然な入り口になります。
「そんなこと考えたことない」「今はいいよ」と返ってきたら、それも大事な答えです。「思いついたら教えてね」と扉を開けたままにしておけば十分です。向かい合って座るより、車の助手席や台所で並んでいるときのほうが、本音は出やすいものです。
副作用でつらそうな時期は、どう関わればいいですか?
時間を濃くしようと頑張らなくてかまいません。体調が悪い時期は、返事のいらない連絡や、そばで静かに過ごすことがいちばんの支えになることがあり、濃い時間は体調のよい日に取り戻せます。
「一緒にいられる時間を無駄にしたくない」と思うほど、会うたびに何か意味のあることをしなければ、という気持ちになりがちです。けれど、だるさや吐き気が強い日の親御さんにとって、思い出話や外出の誘いは負担になることがあります。親御さん自身も、「せっかく来てくれたのに何もできない」と申し訳なく感じているかもしれません。
そんな時期は、濃さの基準を下げてかまいません。電話なら「声を聞きたかっただけ。返事はいらないよ」と短く切り上げる。会いに行ったなら、隣で本を読んでいるだけでもいい。カメラを向けたり、何かを聞き出そうとしたりするのは、体調が戻ってからで十分です。何もしない時間を一緒に過ごせることも、親子の時間の一つの形です。
ただ、いつもの副作用と様子が違う、急に具合が悪くなったと感じたときは、主治医や病棟、訪問看護など、治療を受けている先に連絡してください。命に関わる状態かもしれないと感じたら、ためらわずに119番へ電話してください。
今週は、何から始めればいいですか?
次に会える日がもう決まっているかと、親御さんが今、長く話せる体調かどうかの2点で選ぶと迷いません。今週は一つだけ決めて、来週また選び直せば十分です。
全部を一度に始めようとすると、どれも続きません。次の帰省が来月に決まっているなら、その日に一緒にすることを一つ決めて親御さんに伝えておく。帰省の予定が立たないなら、今週は手紙を一通書く。濃さは、一度に大きく足すより、小さく足し続けるほうが確かに積み重なっていきます。
Q1次に会える日は、もう決まっていますか
はいその日に「一緒にすること」を一つ決め、親御さんに伝えておく
いいえ会えない日の工夫から一つ選び、今週のうちに始める
Q2親御さんは今、長く話せる体調ですか
はい電話で「一つだけ聞く」日をつくる
いいえ返事のいらない手紙か、写真入りのはがきを送る
Q3親御さんの「やりたいこと」を、まだ聞けていませんか
はい次の電話で「今年やりたいこと」を一つだけ聞く
いいえ聞いた希望を家族と共有し、実現の日取りを考える
会えない日に後ろめたさを抱えていた息子さんは、どう変わった?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談からふた月ほどたったころ、彼の電話の中身は変わっていました。以前は「体調どう?」「大丈夫だ」の3分ほどで終わっていた電話が、今は「親父、若いころはどこで釣りしてたの?」と一つ聞くところから始まり、20分を超える日もあります。聞いた話はスマホの「親父の話」というメモに日付と一緒に残し、14話になりました。子どもたちの絵は月に一度はがきにして送っていて、母によると、父は冷蔵庫に貼って来客に見せているそうです。春の帰省では、父の体調を見ながら、昔通った川へ半日だけ出かける予定です。
2. 相談を考えた背景
父ががんと分かったのは去年の秋でした。治療は通院で続けられ、電話の声も変わりません。それでも彼は、電話を切るたびに「年に3回帰るとして、あと何回会えるんだろう」と頭の中で計算するようになりました。通勤電車で計算を始めて、駅を乗り過ごしたこともあったといいます。
3. 相談する前に困っていたこと
「父 がん あとどれくらい」と検索しては、生存率の表を閉じる夜が続きました。後悔しないためには毎週でも会いに行くべきだ、という書き込みを読むたびに、それができない自分を責めました。何をしてあげればいいのか、電話で何を話せばいいのかも分からず、電話はいつも体調の確認だけで終わっていました。
4. ここを選んだ理由・決め手
父の病院のがん相談支援センターも調べましたが、病院は遠く、自分の悩みは医療の相談とは違う気がしてためらいました。「病気そのものの相談ではないのに」と迷っていたところ、評価も助言もせずに話を聞くだけの時間があると知り、送ってみる気になったといいます。相談室のフォームを選んだのは、ニックネームで送れて、昼休みの時間を指定できたからです。夜11時過ぎに送ると、受付確認のメールがすぐに届きました。
5. 相談で話したこと・その後
翌日の昼休みの電話で、担当はまず、彼が話し終えるまで聞きました。「会えないことが申し訳ない」と話す彼に、担当は父の病状の見通しには触れず、「お父さんが楽しそうに話すのは、どんな話題ですか」と尋ねました。そこから会えない日にできることを一緒に書き出し、電話で一つだけ聞くという形が決まりました。最初の電話で「若いころの釣りの話を聞かせて」と言うと、父は30分しゃべり続けたそうです。「数えるより、聞くほうがずっと楽しかった」。
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
親御さんの主治医・看護師に聞く質問例
- 今の治療で、体調が比較的楽な時期と、つらくなりやすい時期はありますか。
- 外出や短い旅行を考えるとき、前もって相談しておくことは何ですか。
- 家族が会いに行くとき、風邪気味の日など気をつけたほうがいいことはありますか。
- 食べ物を送りたいのですが、治療中に控えたほうがいいものはありますか。
とはいえ、親との時間を大事にしたい方に伝えたい2つのこと
① 気持ちのこと──「無駄にしたくない」と思うほど、時間は重くなる
「一緒にいる時間を無駄にしたくない」と思うほど、一回一回の電話や面会が重くなっていきます。会話が弾まない日も、ささいなことで言い合いになって帰る日もあるでしょう。それも親子として過ごしている時間の一部で、失敗ではありません。特別な一日より、何度も繰り返した普通の日の手ざわりのほうが、あとまで残ることもあります。がん情報サービスが「ご家族は、『第二の患者』ともいわれます」と書いているように、子どもであるあなたの暮らしと気持ちも、守られてよいものです。数えることが止まらず、最期の場面まで考えて苦しくなる夜は、[gk_link to=”post:anticipatory-grief-mother-in-treatment”]治療中に最期を考えてしまうときの向き合い方[/gk_link]も読んでみてください。
② 実務のこと──家族の予定と治療の予定を、一つの暦に重ねる
きょうだいや家族の何人かで親御さんを支えているなら、治療の予定と家族それぞれの予定を一つの暦に重ねておくと、時間の濃さを分け合えます。治療の日、検査の結果を聞く日、体調が落ち着きやすい時期を書き込み、誰がいつ会いに行くか、今月の手紙を誰が書くかを、ゆるやかに割り振ります。自分の仕事の側では、上司に「親が治療中で、ときどき平日に休みをいただくことがあります」と早めに伝え、有給休暇の使い方を見通しておくと、会いたい日に会いに行きやすくなります。暦は月に一度見直せば十分です。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”今夜から明日までに、親との時間を濃くする3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”聞きたいことを一つ書く”]次の電話で親御さんに聞いてみたい昔のことを、スマホのメモに一つだけ書いておく。[/gk_step][gk_step title=”写真を一枚選ぶ”]親御さんが写っている古い写真を一枚選び、「これ、どこだっけ?」と添えて送る準備をする。[/gk_step][gk_step title=”はがきを一枚用意する”]明日、はがきか便せんを一枚買い、思い出の場面を一つだけ書いて送る。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”親の声や姿を、写真や動画に残しておきたいのですが、縁起でもないと思われませんか?”]「記録しておきたい」と正面から言うと、親御さんが身構えることはあります。孫の動画のついでに一緒に映ってもらう、料理を教わる手元をメモ代わりに撮る、といった日常の延長なら、受け入れられやすくなります。嫌がられたときは無理をせず、教わったレシピや聞いた話を文字で残すだけでも十分です。撮るか撮らないかを親御さんが選べる形にしておくことが、いちばんの配慮です。[/gk_q][gk_q q=”電話で何を話せばいいか分からず、いつも「体調どう?」で終わってしまいます。”]体調の確認は大事ですが、それだけで終わると、親御さんも「病人として話している」感覚になりがちです。電話の前に、聞きたい昔のことを一つ、話したい自分の出来事を一つ用意しておくと、会話が続きやすくなります。それでも短く終わる日があってかまいません。声を聞けたこと自体が、その日のつながりです。[/gk_q][gk_q q=”きょうだいは実家の近くに住んでいて、よく会いに行っています。遠くに住む自分にできることはありますか?”]あります。近くに住む人は付き添いや家事で手いっぱいになりやすく、親御さんの昔話をゆっくり聞いたり、手紙を書いたりする時間は取りにくいものです。電話で話を聞く役、写真や手紙を届ける役、聞いた話を記録してきょうだいと共有する役は、離れていても担えます。[/gk_q][gk_q q=”親と過ごすために仕事を休みたいとき、使える制度はありますか?”]家族のための休みには、介護休暇(1年に5日、対象の家族が2人以上なら10日まで。時間単位でも取れる)と、介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取れる)があります。ただ、どちらも家族が「要介護状態(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)」にあることが前提で、治療中でも身の回りのことができている時期には当てはまらない場合があります。その場合は、有給休暇や会社独自の休暇制度を就業規則で確かめてください。2025年4月からは、介護に直面した社員に、会社が制度を個別に知らせて意向を確かめることが義務になっています。[/gk_q][gk_q q=”主治医から見通しを聞いておいたほうが、時間の使い方を決めやすいですか?”]見通しを知って帰省の計画を立てやすくなる家族もいれば、数字を知ってかえって数えることが増える家族もいます。聞くなら日数ではなく、「体調が比較的よい時期は、どのくらい続きそうですか」のように、過ごし方に結びつく形で尋ねると役立ちます。ただし、親御さん本人が知りたいかどうかを先に確かめてください。家族だけで進めると、すれ違いの元になることがあります。[/gk_q][gk_q q=”夜中に「あと何回」と考えて眠れなくなったら、どこに話せますか?”]夜中でも受け付けている窓口に、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間・無料)があります。がんに限った窓口ではないものの、眠れずにいる今の気持ちを聞いてもらえます。昼間なら、親御さんの病院のがん相談支援センターを、家族も無料・匿名で使えます。がんと家族の相談室のLINEは、夜に届いたものを翌朝いちばんに読んで返事をします。うまく言葉にできない夜なら、スタンプを一つ送るだけでも大丈夫です。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
- [gk_link to=”post:how-many-more-visits-with-parent”]「あと何回会える?」と数えてしまうときは、どう向き合えばいい?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:how-often-to-visit”]会いに行く頻度や連絡のリズムは、親とどう決めればいい?[/gk_link]
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- [gk_link to=”post:parent-how-long-numbers-meaning”]親の余命の数字は、どう受け止めて、どう聞けばいい?[/gk_link]
- [gk_link to=”page:for-family”]ご家族の立場で使える相談の入口は?[/gk_link]