がんの親に聞いておきたいことは、昔の思い出、これからの希望、人との関わり、お金や書類の事務という4つの領域に分けると、10の項目に絞り込めます。口座のことを聞けば縁起でもないと思われそう、希望を聞けば空気が重くなりそう。そうためらって、結局いつもの世間話のまま実家をあとにする日を重ねている方に向けて、項目ごとの切り出し方と、一度に聞かないための順番をまとめました。
親御さんが今のように話せる時間がどれくらい続くのか、体調のよい日がどのくらいあるのかは、病状によって大きく違い、誰にも言い当てられません。だから、会うたびに1つずつ聞いていく形が向いています。全部を聞き終えられなくても、それは失敗ではありません。読み終えたとき、次に会う日に聞く「最初の1つ」が決まっていることを目指しています。
聞きたいことがあるのに、言い出せずにいる方へ
- 父の口座や保険のことも、父自身がこれからどうしたいのかも、ほとんど知らない。
- 聞かなきゃと思うのに、「縁起でもない」と思われそうで口に出せない。
- 聞けないまま日がたって、聞けなくなってからでは遅いと焦っている。
がんの親に、話せるうちに聞いておくべきことは何ですか?どう聞けばいいですか?
思い出・希望・人間関係・事務の4つの領域に、聞いておきたいことが10項目あります。聞き方の基本は、親が話しやすい思い出から入り、1回の会話で1つだけ聞くこと。理由を尋ねられたら「今の暮らしを手伝いやすくしたいから」と答えれば十分です。
「聞いておくこと」と聞くと、通帳や保険のような事務の話を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど、事務のことだけを続けて聞くと、親御さんは身の回りの片づけを急かされているように感じやすくなります。反対に、気持ちの話だけで終わると、入院や手続きの場面で子どもが困ることになります。4つの領域を並べておくのは、気持ちと実務の両方を、親御さんが話しやすい側から少しずつ聞いていくためです。
- 【思い出】1. 楽しかったころの話(若いころの仕事、旅、得意だったこと)
- 【思い出】2. 家族の始まりの話(両親の出会い、自分が生まれたころ、名前の由来)
- 【希望】3. 今したいこと、食べたいもの、行きたい場所
- 【希望】4. これからの毎日で大事にしたいこと(過ごす場所、つらさとの付き合い方)
- 【希望】5. 自分で伝えられなくなったとき、気持ちを代わりに伝えてほしい人
- 【人間関係】6. 会っておきたい人、お礼やおわびを伝えたい人
- 【人間関係】7. もしものとき知らせてほしい人と、その連絡先のありか
- 【事務】8. 通帳・保険証券・年金の書類など、大事な書類のしまい場所
- 【事務】9. 毎月の引き落としや契約(公共料金、携帯電話、新聞など)
- 【事務】10. 葬儀やお墓について希望があるか、任せたいか
10項目は、全部を聞き終えるための課題表ではなく、地図のようなものです。会話の中で親御さんが自分から話した項目には、日付を添えて印をつけておく。それだけでも、「まだ何も聞けていない」という焦りは小さくなります。家のことはもう自分で整えてある、という親御さんなら、事務の3項目は「どこかに書いてあるの?」とひと言聞けば済むこともあります。
10項目は、どんな順番で聞けばいいですか?
思い出から入り、小さな希望、人間関係、事務と進めて、過ごす場所のような大きな希望は最後に、医療者も交えて聞く流れが無理の少ない順番です。思い出話で「話すのは楽しい」と感じてもらえると、そのあとの話題にも入りやすくなります。
思い出から入るのは、親御さんが「教える側」に立てる話題だからです。病気になってからの親子の会話は、体調を気づかう子と、気づかわれる親という形に偏りがちです。若いころの仕事や旅の話を聞くと、その形がいったんほどけます。話の途中で「あのころの友だちは、今どうしてるの?」と聞けば、人間関係の項目へ自然に橋がかかります。
小さな希望は、聞いたその週に叶えやすいものを選びます。「商店街のコロッケ、今度買ってくるね」と約束して、実際に持っていく。話したことが形になる経験を重ねると、親御さんの中に「この子に話すと、ちゃんと受け取ってもらえる」という感覚が育ちます。事務や大きな希望は、その感覚ができてから切り出すほうが、ずっと通りやすくなります。
- 1思い出から入る写真や昔の品をきっかけに、親が「教える側」になれる話題から
- 2小さな希望を聞くすぐ叶えられる願いを聞き、話すと形になる実感をつくる
- 3人間関係へ広げる思い出話に出てきた人たちの「今」をたずねる
- 4事務は手伝うために入院や通院のとき代わりに動けるよう、書類の場所だけ教えてもらう
- 5大きな希望は医療者と過ごす場所や、気持ちを代わりに伝えてほしい人は、看護師や主治医も交えて
1回の会話で聞くのは1つだけ、と決めておくと、聞く側の気持ちも軽くなります。面会や帰省の終わりぎわに1つ聞いて、答えが短くても「教えてくれてありがとう」で切り上げる。続きは次に会ったときで十分です。
[gk_cta_mid title=”聞く順番を、親御さんに合わせて並べ直します”]フォームに、親御さんの今の様子と、聞きたいのに聞けずにいることをひとことお書きください。ご希望の時間帯に担当からお電話し、10項目のどれから聞くかを一緒に決めます。[/gk_cta_mid]「縁起でもない」と思われずに切り出すには、どう言えばいいですか?
理由を「もしものため」ではなく「今の暮らしを手伝いやすくするため」と伝えること、自分の話から始めること、写真や郵便物など手元の物をきっかけにすること。この3つで、親の身構えも、聞く側の緊張も和らぎます。
「縁起でもない」と返されやすいのは、質問の中身よりも、改まった空気や「もしも」という言葉に親御さんが反応したときです。理由を今の暮らしの側に置き換えるだけで、受け取られ方は変わります。事務のことなら、「入院が長くなったときに、支払いや手続きを代わりにできるようにしておきたいから」。これは取りつくろった口実ではなく、治療中に家族が実際に代わって動く場面を考えた、本当の理由です。
自分の話から入る方法もあります。「会社で保険の見直しがあって、自分の書類をまとめてみたんだけど、お父さんはどうしてる?」。子どもが先に自分のことを話すと、親御さんは「自分だけが片づけを迫られている」と感じずに済みます。
手元の物も、話の入口になります。古いアルバム、年末の年賀状の束、たまった郵便物、テレビの旅番組。物を間に置くと、目と目を合わせ続けなくてよいので、話す側も聞く側も少し楽になります。
| 領域 | 重く聞こえやすい言い方 | 重くならない切り出し方 |
|---|---|---|
| 思い出 | 「元気なうちに昔の話を聞いておきたい」 | 「この写真、どこで撮ったの? 隣にいるのは誰?」 |
| 希望 | 「最後にしたいことはある?」 | 「この冬のうちに食べたいもの、何かある?」 |
| 人間関係 | 「もしものとき、誰に知らせればいい?」 | 「年賀状、書くの手伝おうか。今も連絡を取ってる人は?」 |
| 事務 | 「通帳と保険はどこにあるの?」 | 「入院のとき支払いを代われるように、書類の場所だけ教えて」 |
| 葬儀・お墓 | 「お葬式はどうしてほしい?」 | 「次のお墓参り、いつ行こうか。お墓のこと、何か考えてる?」 |
言い方を工夫しても、親御さんが察して「先生に何か言われたのか」と身構えることはあります。そのときは取りつくろわずに、「知っておきたいだけ。困らせたいわけじゃないよ」と短く本当のことを返すほうが、話は続きやすくなります。
お金や書類のことは、どこまで聞いていいですか?
「どこにしまってあるか」と「困ったときに誰に聞けば分かるか」まで聞ければ十分です。残高や暗証番号、遺言の中身まで聞き出す必要はありません。遺言や相続の手続きは、法律の専門家が扱う領域です。
事務の3項目で、まず押さえておきたいのは金額より書類の場所です。通院中の親御さんが急に入院すると、保険証券や年金の書類、引き落としの控えを探して、家じゅうの引き出しを開けることになりかねません。そうした場面を減らすために聞くのだと考えると、聞く範囲は自然に絞られます。
聞いておくと助かること
- 大事な書類が、家のどこにしまってあるか
- 年金や保険のことで困ったら、誰に聞けば分かるか
- 毎月引き落とされている契約の、おおよその種類
今は聞き出さなくていいこと
- 預金の残高や、資産の金額
- 暗証番号やパスワードそのもの
- 遺言の中身や、財産の分け方
スマートフォンについても考え方は同じです。パスワードを聞き出すより、「スマホの中で、家族に見てほしいものと、見ないでほしいものはある?」と聞くほうが、親御さんの気持ちを大事にしながら、必要なことを知ることができます。
生命保険の中には、医師から余命6か月以内と判断された場合に、将来の死亡保険金に代えて、所定の範囲内で保険金の一部または全部を生前に受け取れる「リビング・ニーズ特約」がついている契約もあります(生命保険文化センター)。使うかどうかを決めるのは親御さん本人で、受け取れる額や手続きは契約ごとに違います。証券の場所さえ分かっていれば、必要になったときに本人と一緒に確かめられます。遺言や相続について具体的な相談が必要になったら、弁護士や司法書士、税理士といった専門家の出番です。子どもが先回りして調べすぎるより、親御さんが「誰かに相談したい」と言ったときに、相談先を一緒に探すほうが角が立ちません。
「これからどう過ごしたいか」は、どう聞けばいいですか?
「どこで、何を大事にして過ごしたいか」と「自分で伝えられなくなったとき、気持ちを代わりに伝えてほしい人」の2つを、日をあけて何度かに分けて聞いていきます。一度で決める話ではなく、何度話し直してもいいものです。
厚生労働省は、もしものときに望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合って共有しておく取り組みを「人生会議」と呼んでいます。国の指針である「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(平成30年3月改訂)も、本人が自分で決めることを基本にしています。子どもが聞くのは、親御さんの代わりに決めるためではありません。親御さんの考えを知り、医療者との間でその言葉を運べるようにするためです。
国立がん研究センターが2025年7月に公表した遺族調査(2021年に亡くなった方のがん遺族1,226名が回答)では、最期の療養場所について医師と話し合っていた割合が53%で、前回調査の36%から増えていました。親子だけで抱え込まずに医師と話し合っておく人は増えてきていますが、まだ半数ほどです。
改まって聞かなくても、入口はいくつもあります。
- 「入院してるとき、家のもので一番恋しいのは何?」
- 「痛いときは我慢するほう? すぐ言うほう?」
- 「先生と話すとき、誰がそばにいると安心する?」
1つめの答えからは過ごしたい場所の手がかりが、2つめからはつらさとの付き合い方が、3つめからは気持ちを代わりに伝えてほしい人が見えてきます。答えは体調や時期によって変わってかまいません。変わったら、そのたびに聞き直せばよいのです。行ってみたい場所や会いたい人の話が出てきたら、[gk_link to=”post:last-wishes-people-places”]したいことを叶えるための段取り[/gk_link]も参考になります。
親が話したがらないときは、聞かないほうがいいですか?
無理に聞き出さなくてかまいません。話したくない気持ちも、親御さんの大事な意思です。「いつか聞かせてほしい」と扉だけ開けておき、日を改めたり、話題を思い出の側に戻したりしながら、次の機会を待てば十分です。
話題を変える、冗談でかわす、テレビの音量を上げる。親御さんがこうした反応を見せたら、その日はそこまでにします。「そうだね、また今度」と引いて、思い出の話に戻る。引くことは、あきらめることではありません。扉を閉めずにおくための引き方です。
親御さんが病状をどこまで知っているかによっても、聞ける範囲は変わります。本人に伝えられていない見通しを、子どもの質問から察してしまうことのないよう、主治医や看護師に「父には、どこまで説明されていますか」と確かめておくと安心です。知らないままでいたいという選択も、本人のものです。
すべてを聞き、すべてを整えてから、その時期を迎える家族は多くありません。日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団の遺族調査「J-HOPE4」(2018年に調査し、遺族9,071名が有効回答)では、亡くなることへのこころの準備が「できていた」と答えた人は29%で、「ある程度できていた」を含めると85%でした。回答者の大半は緩和ケア病棟で家族を見送った方なので、がんの遺族全体の代表値ではありません。それでも、準備が十分にできたとは言い切れないまま、その時期を迎えた家族が少なくなかったことは読み取れます。
自分では聞けないとき、誰に間に入ってもらえますか?
病棟や外来の看護師、病院の医療ソーシャルワーカー、がん相談支援センターの相談員などに、話す場をつくってもらう方法があります。「代わりに聞いてほしい」より「その場に一緒にいてほしい」と頼むほうが、親御さんの言葉を直接受け取れます。
看護師は、毎日の様子の中で、家族の前では出てこない親御さんの言葉を耳にしていることがあります。「父がこれからのことをどう考えているか、私からは聞きにくくて」と打ち明けておくと、話しやすい時間帯を教えてもらえたり、主治医との面談で今後の話題を出してもらえたりすることがあります。医療ソーシャルワーカーは、入退院や療養の場の変化などの相談に応じる専門職で(日本医療ソーシャルワーカー協会)、その話し合いの場が、過ごし方の希望を聞くきっかけにもなります。
がん相談支援センターは、がん診療連携拠点病院などにある相談窓口で、家族だけでも、その病院にかかっていなくても、無料・匿名で使えます。相談した内容が、相談した人の同意なく担当医などに伝わることはありません(国立がん研究センター がん情報サービス)。「どう聞けばいいか」そのものを相談してかまいません。看護師への頼み方の例は、[gk_link to=”post:what-to-ask-patient”]聞けないときに間に入ってもらう方法[/gk_link]にもまとめています。
身内の中に、話しやすい相手がいることもあります。子どもには言えないことを、孫には話せる。親御さんのきょうだいや古い友人の前だと、昔の話がほぐれる。聞き役を、自分ひとりで背負わなくていいのです。
Q1親御さんは、病気や今後の話を自分から口にすることがありますか
はいそのときに「もう少し聞かせて」と続ける。改めて場をつくらなくていい
いいえ思い出や小さな希望の話を続け、大きな話は医療者の同席を頼む
Q2子どもの自分が聞くと、お互いに涙が先に出てしまいますか
はい孫や親御さんのきょうだいなど、話しやすい相手に聞き役を頼む
いいえ面会の帰りぎわなど、短く終われる時間に1つだけ聞く
Q3主治医から今後の説明を受ける予定がありますか
はい「本人の希望も一緒に話したい」と、前もって看護師に伝えておく
いいえがん相談支援センターで、話す場のつくり方を相談する
父に何も聞けずにいた娘は、どう動いた?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談のあと、変わったのは日曜の過ごし方でした。実家に寄ったら、帰る前に1つだけ聞く。1回目は、押し入れから出てきた古いアルバムを開き、父が若いころに勤めていた工場の話を聞きました。2回目は「今度、何食べたい?」と聞き、翌週、父の好きな店の鯛焼きを持っていきました。3回目、父のほうから「銀行のことは、そろそろお前に言っておかないとな」と切り出したそうです。保険証券と年金の書類、通帳のしまい場所を一緒に確かめ、1つの箱にまとめて押し入れの手前に置きました。まだ聞けていない4つは、急がないことにしています。「聞かなきゃ、が、聞きたい、に変わった気がする」と話しています。
2. 相談を考えた背景
きっかけは、父の検査入院でした。病院から入院の書類を頼まれた晩、保険証券がどこにあるのか分からず、実家の引き出しを1時間かけて探したそうです。母を見送ってから家のことはすべて父がしてきたので、口座がいくつあるのかも、父がこれからどう過ごしたいのかも、娘は知りませんでした。
3. 相談する前に困っていたこと
ネットで「親に聞いておくこと」を調べると、数十の項目が並んだリストがいくつも出てきました。エンディングノートも買いましたが、渡せないまま机の引き出しに入っています。一度、夕食のときに「通帳ってどこにあるの?」と聞くと、父は「縁起でもない」とだけ言って、テレビのほうを向いてしまいました。それ以来、何をどう聞けばいいのか、分からなくなっていたといいます。
4. ここを選んだ理由・決め手
父の通う病院にがん相談支援センターがあることは知っていましたが、相談したことが父の耳に入るのではと心配で、足が向きませんでした。相談した人の同意なく内容が伝わることはないと知ったのは、あとのことです。夜に送れて、名前はニックネームでよく、電話番号は折り返しにしか使わないと書かれていたフォームを選びました。送るとすぐに受付確認のメールが届き、翌日の昼休みに電話を受けました。
5. 相談で話したこと・その後
担当は最初に「お父さんが楽しそうに話すのは、どんな話ですか」と尋ねました。工場の話、と答えると、10項目を思い出から始まる順番に並べ直し、事務の話には「入院のとき代わりに動けるように」と理由を添える言い方を、一緒に考えました。父の病状や今後の見通しについて、担当は何も言っていません。2回目の日曜は父が疲れていて、何も聞かずに帰りました。それでも「今日は聞かなくていい日」と思えたことが、前とは違ったそうです。
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
医療者に聞く質問例
- 親と大事な話をするなら、体調の面で話しやすい時間帯や時期はありますか。
- 本人が病状や今後の見通しを、どこまで聞いているか教えていただけますか。
- これからの過ごし方について、本人と家族が一緒に話せる時間をつくっていただけますか。
- 家族から本人に聞きにくいことを、院内で相談できる人はいますか。
- 本人から聞けた希望は、医療者の方にどう伝えればよいですか。
とはいえ、全部は聞けなくていいと伝えたい2つのこと
① 気持ちのこと──聞けなかった項目が、親を知らなかったことにはなりません
10項目の中にどうしても聞けないものが残っても、それで親御さんを知らなかったことにはなりません。好きな味、笑うときの癖、テレビに向かって言う独りごと。聞かずに知っていることは、案外たくさんあります。聞こうとして迷った時間も、親御さんを大事に思っていた時間です。国立がん研究センターのがん情報サービスは、家族は本人を気づかって自分の気持ちを我慢しがちで、「第二の患者」ともいわれると説明しています。聞けないもどかしさや焦りは、あなた自身が誰かに相談してよい悩みです。
② 実務のこと──聞いたことの置き場所と、相談先の使い分けを決めておく
聞けた答えは、家族の間で共有できる1か所にまとめておくと、同じことを親御さんに何度も聞かずに済みます。共有してよい範囲は、親御さんに一言確かめてから決めます。困りごとの相談先も、中身で分けておくと迷いません。体調や病状のことは主治医や看護師へ。療養の場所や制度のことは、がん相談支援センターや、国立がん研究センターのがん情報サービスサポートセンター(0570-02-3410、平日10時〜15時。相談は無料で、通話料はかかります)へ。遺言や相続の手続きは法律の専門家へ。聞く順番や切り出し方を誰かと一緒に考えたいときは、相談室を使ってください。相談室では、ご希望とご同意があれば、相続や終活などの専門サービスへの橋渡しもしています。その場合、提携事業者から紹介手数料を受け取ることがあり(運営者情報で開示しています)、医療機関や士業からは紹介料を受け取りません。紹介を断っても、費用はかかりません。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”次に会う日に向けて、今夜から明日にできる3つ” heading=”none”][gk_step title=”最初の1つに印をつける”]10項目のうち、親御さんがいちばん楽しそうに話してくれそうなものを1つ選び、スマホのメモに書いておく。[/gk_step][gk_step title=”話の入口になる物を1つ用意する”]古い写真、年賀状の束、昔の地図など、きっかけになる物を、次に会う日のかばんに入れておく。[/gk_step][gk_step title=”次に会う約束を、楽しみとセットで伝える”]「日曜に行くね。古い写真、一緒に見よう」と、会う日と話の入口を、先に軽く伝えておく。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”父に「縁起でもない」と言われてしまいました。もう聞かないほうがいいですか?”]その日はそこで引いて大丈夫ですが、ずっと聞かないと決める必要もありません。「縁起でもない」は、質問の中身より、急に改まった空気に向けられた言葉であることがあります。次に会ったときは写真や昔の話など思い出の項目から入り直し、事務の話をするときは「入院のときに代わりに動けるように」と、今の暮らしの側に理由を置いてみてください。言い方を変えても嫌がるようなら、その項目は保留にして、話してくれる項目を大事にすれば十分です。[/gk_q][gk_q q=”きょうだいで、聞く役を分けてもいいですか?”]分けてかまいませんし、分けたほうが親御さんも疲れにくくなります。たとえば、思い出は話の合う孫や末っ子に、事務は実家の近くに住む子に、過ごし方の希望は主治医との面談に同席する人に。気をつけたいのは、同じことを別々の子どもが聞いてしまうことです。誰がどの項目を受け持つかを先に決め、聞けた答えはきょうだいで見られる場所に書いておきます。[/gk_q][gk_q q=”エンディングノートを渡して、書いてもらうのはどうですか?”]喜んで書く親御さんもいれば、片づけを急かされていると受け取る親御さんもいます。渡すなら、子どもが自分の分を書いてみせてから「お父さんの分もあるよ、気が向いたら」と添える形が、角が立ちにくい方法です。書くこと自体が負担なら、親御さんが話したことを子どもが書き留めるだけでも十分に役立ちます。人生会議でも、書面を作ることは必須とされていません。大事なのは、話したことを家族や医療者と共有しておくことです。[/gk_q][gk_q q=”親の声を残しておきたいのですが、録音してもいいですか?”]親御さんに一言断ってからなら、よい方法です。昔の話を聞きながら「孫にも聞かせたいから、録っていい?」と尋ねると、理由が自然に伝わります。断られたら無理に録らず、メモにとどめます。写真や手紙、動画など、記録の残し方と言い出し方は、[gk_link to=”post:photos-letters-videos”]記録の始め方と言い出し方[/gk_link]で詳しく取り上げています。[/gk_q][gk_q q=”がんの親の側から、子どもに聞いておきたいことがあるときは、何を聞けばいいですか?”]親御さんの側からも、聞いておくと安心なことはあります。病気のことを子どもがどこまで知りたいか、子どもが手伝えることと難しいこと、仕事や家庭の事情。そのうえで、自分で気持ちを伝えられなくなったときに誰に代わりを頼みたいかを、子どもに伝えておきます。子どもの答えを先に聞いておくと、頼みごとの範囲を決めやすくなり、子どもも「頼られた」と受け取りやすくなります。[/gk_q][gk_q q=”長く話すと疲れるようになってきました。それでも聞いたほうがいいですか?”]体力が落ちてきたら、項目を絞ります。優先したいのは、5の「気持ちを代わりに伝えてほしい人」と、7の「知らせてほしい人」の2つです。どちらも短い答えで済み、「先生と話すとき、お母さんにいてもらうのがいい?」のように名前を挙げて確かめれば、うなずくだけでも答えられます。話す時間や体調の波で気になることは、看護師に相談してください。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
- [gk_link to=”post:what-to-ask-patient”]本人に聞くとき、どんな順番なら答えやすいですか?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:words-for-parent-or-child”]親に伝えておきたい言葉は、どう選べばいいですか?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:while-parent-is-well”]親が元気なうちに、子どもとして何ができますか?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:fewer-regrets-five-things”]後悔を減らすために、今のうちにできることは何ですか?[/gk_link]
- [gk_link to=”page:talk”]聞けないもどかしさを、先に誰かに話したいときは?[/gk_link]