看護師の働き方の種類|雇用の形・働く場所・時間で整理する

休みの日の夜、子どもが寝たあとに求人サイトを開く。絞り込みの画面には「正社員」「パート・アルバイト」「派遣」「日勤のみ」「夜勤専従」「在宅勤務可」と、チェック欄がずらりと並んでいます。どこに印をつければいいのか分からないまま、いつもの「常勤・病棟」の一覧を眺めて、画面を閉じてしまう。

看護師の働き方は、思っているより選べる幅があります。ただ、言葉が多すぎて、全体の地図が見えにくいのです。「パート」は時間の話なのか、契約の話なのか。「在宅」は家で働くことなのか、訪問看護のことなのか。言葉があいまいなままでは、求人を比べようがありません。

そこで、働き方を3つの物差しに分けて考えてみます。雇用の形、働く場所、働く時間。この3つに分けると、どんな求人も「どんな契約で・どこで・いつ働くか」の組み合わせとして読めるようになります。

以下では、3つの物差しを順に取り上げ、看護師が働いている場所の統計や、自宅で働く在宅勤務がどこに入るのかも整理します。読み終えるころには、いまの自分の働き方と、変えたいところを紙1枚に書き出せるはずです。

看護師の働き方には、どんな種類がある?

看護師の働き方は、雇用の形・働く場所・働く時間の3つの物差しの組み合わせで整理できます。雇用の形は正社員・パート・派遣・業務委託、働く場所は病院・病院以外・自宅、働く時間は夜勤あり・日勤のみ・短時間、と分けるのが基本です。

求人でよく見る「夜勤専従の常勤」「日勤のみのパート」「在宅勤務のパート」といった言い方も、この3つで言い表せます。たとえば「日勤のみのパート」は、雇用の形がパートで、時間が日勤のみ。働く場所は書かれていないので、病院のこともあれば、クリニックや介護施設のこともあります。

看護師の働き方を分ける3つの物差し
物差し主な種類この物差しで決まること
雇用の形正社員・パート・派遣・業務委託契約の相手、収入の安定、保険
働く場所病院・病院以外・自宅仕事の中身、通勤、人との関わり
働く時間夜勤あり・日勤のみ・短時間体の負担、家族と過ごす時間

編集部まとめ

3つの物差しは、まったく自由に組み合わせられるわけではありません。夜勤のある病棟では正社員の募集が中心になりやすく、自宅で働く仕事ではパートや業務委託で募集している例がある、というように、組み合わせには出やすい形があります。

それでも、まず3つを分けて考える意味は大きいです。夜勤がつらいなら変えたいのは「時間」、通勤や職場の人間関係がつらいなら「場所」、収入を守りたいなら「雇用の形」。悩みの正体がどの物差しにあるかを先に決めると、求人を見るときの迷いがぐっと減ります。

1つ目の物差し:正社員・パート・派遣・業務委託は何が違う?

雇用の形は、「誰と、どんな契約を結んで働くか」を表します。看護師の求人で出てくるのは、主に正社員、パート・アルバイト、派遣、業務委託の4つです。このうち正社員・パート・派遣は、どれも雇われて働く「雇用」の形で、業務委託だけが、雇われずに仕事ごとに契約する形です。

雇用の形の4つの種類を比べる
項目正社員パート・アルバイト派遣業務委託
契約の相手勤め先勤め先派遣会社仕事を頼む会社
雇われて働く◯あり◯あり◯あり×なし
収入の形の例月給時給時給件数や時間ごとの報酬
時間の決め方勤め先の勤務表勤め先と相談契約で決める契約で決める
守るルール労働法労働法労働法フリーランス法

出典:宮城県「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が令和6年11月1日に施行されます」[1]

表の「収入の形」は、よく見られる例です。正社員でも時給の求人があり、業務委託でも時間あたりの報酬の案件があるので、最後は求人票で確かめてください。

正社員とパート:同じ「雇用」でも、時間と役割の重さが違う

正社員は、決まった時間を働き、月給で収入が安定しやすい形です。病棟の正社員なら、夜勤に加えて、委員会や新人の教育係などの役割を任されることもあるでしょう。パートは、働く日数や時間を相談しやすい代わりに、時給で働くので、休んだ月はそのまま収入が減ります。

パートでも、働く時間によっては勤め先の社会保険に入ります。加入の範囲は広がる方向で、企業規模の要件は10年かけて段階的に縮小・撤廃され、最終的には、週20時間以上働けば勤め先の企業規模にかかわらず社会保険に入る形になるとされています[2]。パートを選ぶときは、時給だけでなく、週に何時間働くかも合わせて考えておきましょう。

正社員とパートのほかに、1年などの期間を決めて雇われる契約社員(有期雇用)の求人もあります。2024年4月からは、有期の労働契約を結ぶときと更新するときに、更新の上限があるかどうかとその内容を示すルールになりました[3]。契約社員の求人に応募するときは、何年まで更新できるのかを面接で確かめておくと安心です。

派遣:病院の医療関係の業務は、原則として派遣できない

派遣は、派遣会社に雇われて、別の職場(派遣先)で働く形です。看護師の場合は注意が要ります。厚生労働省のサイトは、病院における医療関係業務は原則として派遣禁止と説明しています[4]。

例外として、紹介予定派遣や、産前産後休業・育児休業等や介護休業等を取る人の業務などが挙げられています(へき地などへの派遣の例外は医師についてのものです)[4]。病院以外の職場での看護師の派遣がどう扱われるかは、この記事では確かめていません。派遣の求人を見かけたら、派遣会社に「どこで・どんな業務をするのか」を具体的に問い合わせてください。

業務委託:雇われずに、仕事ごとに契約する

業務委託は、会社に雇われず、記事を1本書く、面談を1件行う、といった仕事ごとに契約して働く形です。2024年11月1日には、フリーランス・事業者間取引適正化等法が施行され、業務委託で働く人と発注する会社との取引のルールができました[1]。

雇われていないので、労働時間や有給休暇、勤め先の社会保険といった雇用の守りは、基本的にありません。その代わり、引き受ける量や時間を自分で決めやすくなります。雇用との違いは看護師の業務委託とは?雇用との違いと向いている人でくわしく比べています。

2つ目の物差し:看護師はどこで働いている?

働く場所は、大きく病院・病院以外・自宅の3つに分けられます。国の統計では、令和6年末に就業している看護師の65.7%が病院で働いています[5]。100%から病院の割合を引くと、残りの34.3%、つまり3人に1人あまりは病院以外の場所で働いている計算です。

病院で働く看護師と、病院以外で働く看護師(令和6年末)

出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」[5]

病院以外でいちばん多いのは診療所で14.3%、次いで介護保険施設等が7.9%、訪問看護ステーションが6.7%で、企業などの事業所は0.4%です[5]。病院の外にも、看護師が働く場所はしっかりあります。職場ごとの働き方は病院以外で働ける看護師の仕事で8つの職場を比べています。人数や年代の数字は看護師の人数と働く場所にまとめました。

3つ目の「自宅」は、この統計の区分にはありません。統計は「どこに勤めているか」で分けているので、自宅で働く看護師が何人いるかは、ここからは分かりません。「事業所」も企業などで働く看護師の区分で、在宅勤務の人数ではない点に気をつけてください。

同じ病院の中でも、病棟・外来・手術室・健診の部門では、働く時間がかなり違います。病棟から外来へ移るだけで夜勤がなくなる、ということもあります。場所の物差しは「どの建物か」だけでなく、「その中のどの部署か」まで見ると、選べる幅が広がります。

もう1つ、言葉の注意があります。訪問看護は「在宅看護」とも呼ばれますが、利用者の家を訪ねる仕事で、働く場所の物差しでは「病院以外」に入ります。自分の家で働く在宅勤務とは別の働き方です。違いは在宅看護師とは?訪問看護と在宅勤務の違いで整理しています。

3つ目の物差し:夜勤あり・日勤のみ・短時間はどう違う?

時間の物差しは、体の負担と家族と過ごす時間に直結します。看護師の働き方では、夜勤のある交代制、日勤のみ、短時間勤務の3つが基本です。このほかに、夜勤だけを受け持つ「夜勤専従」という形もあります。

働く時間帯の例(勤務の時刻は職場によって違います)
病棟の日勤(例)8:30〜17:00
2交代の夜勤(例)16:30〜翌9:00
日勤のみのクリニック(例)9:00〜18:00
短時間勤務(例)9:00〜15:00
在宅のオンコール代行(求人の例)17:00〜22:00

出典:ドクターメイト株式会社(HERP上の採用ページ)「1PM802_オンコールナース|パート(採用ページ)」[6]

いちばん下の行は、自宅で夜間のオンコールを受ける仕事の求人にあったシフトの一つです。この求人には22:00〜翌3:00などのシフトもありました[6]。在宅の仕事にも夜の時間帯があるので、「在宅なら日中だけ」とは限りません。

夜勤の負担を考える目安として、日本看護協会の「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」(2013年)は、勤務の拘束時間は13時間以内、夜勤回数は3交代では8回以内、勤務の間隔は11時間以上などの基準を示しています(島根県の資料による)[7]。法律上の義務ではありませんが、いまの勤務表と見比べる物差しにはなります。

夜勤専従は、夜勤の回数をまとめて受け持ち、昼間の時間を空ける働き方です。出勤する日数は少なくなりやすい一方で、昼夜が逆転した生活が続きます。夜勤をやめたい人の選択肢というより、「夜に働くことは苦にならないが、日中に用事がある人」向けの形だと考えると分かりやすいでしょう。

短時間勤務は、パートだけのものではありません。雇われて働く人の制度として、3歳に満たない子を育てていて育児休業をしていない人について、事業主は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含む短時間勤務の措置を講じる義務があります[8]。正社員のまま時間だけを短くする道もある、ということです。日勤だけの職場の探し方は日勤のみの看護師求人の探し方で取り上げています。

在宅勤務は、3つの物差しのどこに入る?

在宅勤務は、働く場所の物差しで「自宅」にあたる働き方です。雇用の形と働く時間は、仕事ごとに違います。「在宅」とひとくくりにせず、残りの2つの物差しでも見ることが大切です。

たとえば、2026年10月8日に確かめた夜間オンコールの求人の例では、雇用の形はアルバイト・パートで、自宅からのフルリモート勤務とされていました[6]。一方、同じ日に確かめた特定保健指導のオンライン面談の求人では、業務委託・フルリモートの募集でした。ただしこの求人の対象資格は保健師または管理栄養士で、看護師は応募できませんでした[9]。

自宅で働く2つの形:雇われる在宅勤務と、業務委託の在宅ワーク

雇われて自宅で働く(パートなど)

  • 勤め先のシフトや勤務時間に沿って働く
  • 労働基準法などの労働法が適用される
  • 求人の例:夜間オンコールのパート(フルリモート)

業務委託で自宅で働く

  • 引き受ける量や時間を契約で決める
  • 労働法ではなく、取引のルールで守られる
  • 求人の例:特定保健指導のオンライン面談

出典:ドクターメイト株式会社(HERP上の採用ページ)「1PM802_オンコールナース|パート(採用ページ)」、株式会社ベネフィット・ワン(HERP上の採用ページ)「特定保健指導(オンライン面談)の募集ページ」、厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」[6][9][10]

雇われて自宅で働く場合は、場所が自宅になっても、労働基準法や最低賃金法、労災保険の法律などが適用されます[10]。同じ「家で働く」でも、雇用か業務委託かで、守られ方がまったく違うのです。

場所の物差しの中には、「どのくらい自宅で働くか」という度合いの違いもあります。毎日自宅で働く完全在宅の求人もあれば、週に何日かだけ在宅の求人や、研修の間だけ出社が必要な求人もあります。求人票の「在宅可」「リモート可」の読み分け方は、完全在宅と一部在宅の違いで整理しています。

時間の物差しで見ても、在宅の仕事は幅があります。夜のシフトに入る仕事もあれば、締め切りまでに自分の時間で進める仕事もあります。時間や量をどこまで自分で決められるかは、看護師が自分のペースで働ける仕事で比べています。看護師の資格を生かして在宅でできる職種は、看護師が在宅でできる仕事|6つの職種の違いに一覧でまとめました。

3つを組み合わせると、どんな働き方になる?

3つの物差しを組み合わせると、よく見る働き方は次のように並べられます。どれがよい・悪いではなく、何を手に入れて何を手放すかが違う、と考えて見てください。

3つの物差しの組み合わせの例
働き方の例雇用の形働く場所働く時間
病棟の常勤正社員病院夜勤あり
夜勤専従正社員・パート病院・施設夜のみ
クリニックの日勤正社員・パート病院以外日勤のみ
企業の看護職正社員など病院以外日中が中心
在宅のオンコール代行パートなど自宅夕方〜夜のシフト
在宅の記事の執筆業務委託自宅自分で決める
2つの掛け持ち組み合わせ2か所日中+夕方など

編集部まとめ

いちばん下の「掛け持ち」は、1つの働き方で全部をまかなわず、時間や場所を分けて組み合わせる形です。たとえば、日中は病院以外で働き、週1日だけ夕方に自宅で働く、といった組み合わせです。収入の柱を2本に分けられる一方、勤め先が副業・兼業を認めているかを就業規則で確かめる必要があります。

組み合わせを考えるときは、1つの物差しだけを動かしてみると考えやすくなります。いまの「正社員・病院・夜勤あり」から時間だけを動かせば「正社員・病院・日勤のみ」、場所だけを動かせば「正社員・病院以外・夜勤あり」になります。全部を一度に変えると、慣れない契約・慣れない職場・慣れない時間帯が重なり、疲れやすくなります。

自分に合う組み合わせは、どう選ぶ?

選ぶときの出発点は、「いちばん変えたい物差しはどれか」です。次の問いに順に答えると、最初に動かす物差しが決まります。

最初に変える物差しを決める

いちばんつらいのは、夜勤や不規則な勤務の時間ですか?

はい

まず「時間」を変えます。日勤のみや短時間の働き方から探し、雇用の形と場所はそのあとで考えましょう。

いいえ

次の問いへ進みます。

いちばんつらいのは、通勤や、いまの職場の人間関係ですか?

はい

「場所」を変えます。病院以外の職場か、自宅で働く仕事を候補にしましょう。

いいえ

次の問いへ進みます。

収入の安定を、何より守りたいですか?

はい

雇用の形は正社員のままにして、時間や場所を変えられる職場を探しましょう。

いいえ

パートや業務委託も含めて、時間の自由を広げる組み合わせを考えましょう。

変えたい物差しが決まったら、反対に「変えないもの」も1つ決めておきます。「職場は今の病院のまま」「収入は月15万円を下回らない」のように、守りたい条件があると、求人の数に振り回されません。

収入の見込みは、時給×1日の時間×週の日数×4.3(1か月の週の数)で目安が出せます。たとえば時給1,700円で1日6時間、週3日と仮定すると、1,700×6×3×4.3で約13万2千円です。税金や社会保険料は含みません。在宅の仕事の時給で計算するなら、当サイトの月収シミュレーターも使えます。

働き方そのものに迷っていて、何を軸に決めればよいか分からないときは、働き方に悩む看護師の決め方|5つの軸で選ぶも参考にしてください。

モデルケース:3つの物差しで書き出し、外来のパートと在宅の仕事を組み合わせたGさん

モデルケース(架空の例)

夜勤のある正社員から、外来の日勤パートと在宅の夕方の仕事の組み合わせへ。泊まりの勤務がなくなった

  • 月6回0回夜勤(泊まりの勤務)の回数
  • 週5日週3日通勤する日
  • 月2日週2日母の家に寄れる日

このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。

成果

Gさんは、正社員の病棟勤務から、同じ病院の外来での日勤のみのパートと、自宅で夕方に働く夜間オンコール代行のパートを組み合わせる働き方に変えました。泊まりの勤務はなくなり、週に2日は、ひとり暮らしの母の家に寄れるようになりました。

Gさん:全部を変えなくていいんだと思えたのが大きかったです。慣れた病院に残れたので、気持ちが楽でした。

背景

外科病棟で20年以上働いてきたGさんは、50代に入ってから、夜勤明けの体の重さが2日抜けなくなりました。同じころ、母がひとり暮らしになり、週に何度かは様子を見に行きたいと考えていました。

困っていたこと

Gさんは「辞めるか、続けるか」の二択で考えていたため、何か月も決められずにいました。求人サイトを開いても、正社員・パート・派遣・在宅と言葉ばかりが目に入り、自分が何を変えたいのか分からなくなっていました。

選んだ理由

Gさんは、いまの働き方を「雇用の形・働く場所・働く時間」の3つに分けて紙に書き出しました。すると、変えたいのは「時間」で、場所は慣れた病院のままでよいと気づきました。外来の日勤パートに移れば夜勤はなくなりますが、収入は下がります。その分を、病棟の経験を生かせる在宅の夜間オンコール代行の夕方のシフトで補うことにしました。

Gさん:書き出してみたら、悩みの中身はほとんど夜勤だったんです。

始め方と工夫

Gさんはまず看護部長に、外来のパートに移れるかを相談しました。在宅の仕事を掛け持ちしてよいかも就業規則で確かめ、許可を得てから応募しました。オンコール代行のシフトは、外来の勤務がない火曜日の17時から22時だけにしています。近くに住む姉も「お母さんのことは2人で分けよう」と言ってくれ、Gさんが夕方に働く火曜日は、姉が母の家に寄るようにしています。

Gさんの働き方を3つの物差しで見ると(モデルケース)

以前

正社員・病院(病棟)・夜勤あり。収入は1か所から

いま

パート・病院(外来)・日勤のみと、パート・自宅・夕方のシフト。収入は2か所から

Gさんの例で効いたのは、悩みを3つの物差しに分けて、変えるものと変えないものを決めたことでした。「辞めるか続けるか」で考えていたときには見えなかった、間の選択肢が見えるようになります。

気をつけたいこと:呼び名だけで働き方を決めない

3つの物差しで整理するときに気をつけたいのは、求人の呼び名と中身が一致しないことがある点です。「パート」でも週5日・1日8時間の求人があり、「正社員」でも短時間勤務の制度を使える職場があります。「在宅」の文字があっても、訪問看護の求人のことや、研修の間だけ出社が必要な求人のこともあります。呼び名ではなく、求人票の雇用形態・就業場所・勤務時間の欄で、3つを1つずつ確かめましょう。

働き方を組み合わせて選ぶよいところ・気をつけたいところ

よいところ

  • 変えたい物差しだけを変えられる
  • 慣れた職場や経験を残したまま、負担を減らせる
  • 収入を2か所に分け、1つに頼りすぎずにすむ

気をつけたいところ

  • 掛け持ちは、勤め先の就業規則の確認が欠かせない
  • 2か所の予定の管理や、気持ちの切りかえに気をつかう
  • 業務委託の分は、税金などの手続きを自分でする

組み合わせが向かない人もいます。1つの職場で役割を任され、経験を深めることにやりがいを感じる人は、掛け持ちで力が分散すると、かえって物足りなくなるかもしれません。病棟で学びたいことが残っている人も、時間の物差しだけを少し動かす、たとえば夜勤の回数を職場と相談するところから始めるほうが合っている場合があります。

業務委託を組み合わせる場合は、社会保険や税金の扱いが雇用とは変わります。入る保険や手続きの考え方は、業務委託の看護師は社会保険に入れる?で確かめてから決めると安心です。

今日からできること

まずは、いまの働き方を3つの物差しで書き出すところから始めます。求人を探すのは、そのあとで十分です。

今日から始める、働き方の書き出し
  1. 1いまの働き方を3つに分ける

    雇用の形・働く場所・働く時間を、紙に1行ずつ書きます。

  2. 2いちばん変えたい物差しに印をつける

    夜勤・通勤・収入のうち、どれが一番の悩みかを決めます。

  3. 3変えない物差しも決める

    「場所は今の病院のまま」など、守りたいものを1つ書きます。

  4. 4変えたい物差しの言葉で求人を探す

    「日勤のみ」「在宅勤務」など、動かす物差しの言葉で検索します。

  5. 5家族と共有する

    書き出した紙を見せて、時間とお金の使い方を話し合います。

書き出した紙は、求人を見るたびに横に置いておきましょう。求人票の雇用形態・就業場所・勤務時間の3つの欄を、紙の3行と見比べるだけで、合う・合わないが早く判断できるようになります。

よくある質問

看護師の働き方には、どんな種類がありますか?

雇用の形(正社員・パート・派遣・業務委託)、働く場所(病院・病院以外・自宅)、働く時間(夜勤あり・日勤のみ・短時間)の3つの組み合わせで整理できます。求人の呼び名も、この3つのどれを表しているかで読むと分かりやすくなります。

看護師は派遣で働けないのですか?

厚生労働省のサイトは、病院における医療関係業務は原則として派遣禁止と説明しています。紹介予定派遣や、育児休業等・介護休業等を取る人の業務などは例外とされています[4]。病院以外の職場での扱いはこの記事では確かめていないので、派遣会社に業務の中身を確かめてください。

在宅勤務の看護師は、正社員になれますか?

2026年10月8日に確かめた求人の例では、夜間オンコールの仕事はアルバイト・パート[6]、特定保健指導のオンライン面談(保健師・管理栄養士が対象)は業務委託[9]で募集されていました。正社員の在宅勤務があるかどうかは会社によって違うので、確かめ方は看護師のフルリモート正社員はある?を参考にしてください。

夜勤専従は、どの物差しに入りますか?

「働く時間」の物差しで、夜の時間帯だけを受け持つ形です。雇用の形は正社員のこともパートのこともあり、求人によって違います。

パートと業務委託は、何が違いますか?

パートは勤め先に雇われて働く形で、労働基準法などの労働法が適用されます。業務委託は雇われずに仕事ごとに契約する形で、取引のルールはフリーランス法で定められています[1]。くわしくは看護師の業務委託とは?をご覧ください。

2つの働き方を掛け持ちしてもいいですか?

勤め先が副業・兼業を認めているかを、就業規則で確かめる必要があります。認められている場合も、勤務の時間が重ならないか、休む時間を取れるかを先に確かめましょう。

50代から働き方を変えても遅くありませんか?

年齢より、どの物差しを変えたいかがはっきりしているかが大切です。在宅の求人には経験年数を条件にするものもあり、たとえば2026年10月8日に確かめた夜間オンコールの求人の例では、正看護師の資格と看護師の実務経験丸5年以上が必要とされていました[6]。長い経験は、こうした仕事でそのまま強みになります。

まとめ

看護師の働き方は、雇用の形・働く場所・働く時間の3つの物差しで整理すると、見通しがよくなります。在宅勤務は「働く場所が自宅」の働き方で、雇用の形と時間は、仕事ごとに違います。

  • 悩みの正体がどの物差しにあるかを、先に決める
  • 変えない物差しも決めて、組み合わせで考える
  • 呼び名ではなく、求人票の中身で3つを確かめる

自分に合う組み合わせが見えてこないときは、ひとりで抱え込まず、LINEやフォームから気軽に相談してください。

zaitakuwork

ほいくの相談室 編集部。保育士の方からの相談で多く聞かれる悩みをもとに、公的な資料で確認できる情報をまとめています。