子どもが寝たあとのダイニングで、制作会社から届いた依頼のメールを開く。美容皮膚科を紹介する記事で、構成案の備考欄には「患者さんの喜びの声を3つ」「地域でいちばんの実績、と入れてください」と書かれている。
病棟では、患者さんに「必ずよくなりますよ」とは言わないように気をつけてきました。その自分が、記事では言い切ってほしいと頼まれている。断ったら次の依頼は来ないかもしれない。けれど、そのまま書いてあとで問題になったらと思うと、キーボードの上で指が止まります。
医療や薬の記事には、守るべき広告のルールがあります。中身を知っていれば、「書けません」と突き返すのではなく、「こう書けます」と代わりの案を出せます。根拠を添えた提案は、書き手としての信頼にもつながります。
看護師ライターがかかわる広告のルールを、医療法と医療広告ガイドライン、薬機法、ステルスマーケティングの規制の3つに分けて整理しました。法令は確かめた条文の範囲だけを書き、確かめていない細かい解釈は、どこで確かめればよいかを案内します。
看護師ライターが守る広告のルールは?
看護師ライターがまず押さえたいのは、医療法の広告の決まり、薬機法の広告の決まり、ステルスマーケティングの規制の3つです。病院や治療を紹介する記事には医療法が、薬や化粧品、医療機器を紹介する記事には薬機法が、企業に頼まれて書く紹介記事にはステルスマーケティング(ステマ)の規制がかかわります。
見落としやすいのは、医療法と薬機法の広告の決まりが「何人も」と定めている点です。医療法第6条の5第1項は「何人も」としており、医療機関以外の者がする広告も対象になりえます[1]。薬機法第66条・第68条にも「何人も」とあり、製造販売業者だけでなく、記事を書く人やサイトを運営する人も対象になりえます[2]。「発注者の指示どおりに書いただけ」で、書き手が無関係になるとは限らないのです。
| ルール | かかわる記事の例 | 対象になる人 | 避けたい書き方 |
|---|---|---|---|
| 医療法の広告の決まり | 病院・クリニック・治療の紹介 | 何人も(書き手も含みうる) | 誇大・他院との比較・体験談 |
| 薬機法の広告の決まり | 医薬品・化粧品・医療機器 | 何人も(書き手も含みうる) | 効き目の誇大・保証 |
| ステマの規制 | 頼まれて書く紹介記事・投稿 | 広告主の事業者 | 広告であることを隠す |
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)「医療法(昭和23年法律第205号)第6条の5、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第1条の9」、e-Gov法令検索(デジタル庁)「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第66条・第68条」、消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」[1][2][3]
看護師ならではの注意もあります。薬機法第66条は、医師その他の者が効能などを保証したと誤解されるおそれのある記事も、虚偽や誇大な記事に当たるとしています[2]。「看護師がすすめる」「看護師の私が使って効いた」という書き方は、読む人には専門職の保証のように見えます。看護師の肩書きは信頼を集める分だけ、言葉の重みも増すのです。
ルールの名前には、ふだん病棟では使わない言葉が並びます。先に意味をそろえておきましょう。医療ライターの仕事の全体像は、看護師の医療ライター・監修の求人にまとめています。
- 医療広告ガイドライン
- 医療の広告についての考え方を示した、厚生労働省の指針です。
- 事例解説書
- ウェブサイトなどの広告の事例をまとめた、厚生労働省の資料です。2026年3月に第6版が示されました。
- 医療法第6条の5
- 医療の広告について、虚偽の広告の禁止などを定めた条文です。
- 医療法施行規則第1条の9
- 治療の内容や効果の体験談や、誤認させるおそれのある治療前後の写真の広告を禁じた規定です。
- 薬機法
- 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略です。
- ステルスマーケティング
- 事業者の広告であることが、一般の人に見分けにくい表示のことです。
出典:厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」、e-Gov法令検索(デジタル庁)「医療法(昭和23年法律第205号)第6条の5、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第1条の9」、e-Gov法令検索(デジタル庁)「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第66条・第68条」、消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」[4][1][2][3]
医療広告ガイドラインと医療法で、避けたい書き方は?
医療法は虚偽の広告を禁じたうえで、ほかの病院や診療所と比べて優れていると示す広告、誇大な広告、公の秩序や善良の風俗に反する広告などをしないことを定めています。さらに施行規則は、患者さんの主観や伝聞に基づく、治療の内容や効果についての体験談と、患者さんを誤認させるおそれのある治療の前後の写真の広告をしてはならないとしています[1]。
ここでいう広告は、医療を受ける人を誘うための手段としての表示を指します[1]。クリニックの紹介記事や、治療を受けてみたくなるように書く記事は、このルールがかかわる記事として慎重に書くのが安全です。どこからが広告にあたるかの細かい判断はこの記事では扱わないので、ガイドラインや事例解説書で確かめてください。
医療広告ガイドラインの正式な名前と、最新の事例解説書
医療の広告の考え方は、厚生労働省の指針にまとめられています。正式な名前は「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」です。あわせて厚生労働省は、2026年3月30日付の事務連絡で「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」を示しています[4]。
どちらも、厚生労働省のページ「医療法における病院等の広告規制について」で案内されています[4]。第6版という名前のとおり、資料は改められてきました。前に読んだ版の記憶で書かず、医療機関の記事を受けるたびに、最新の版かどうかを確かめる習慣をつけておくと安心です。
避けたい書き方と、言い換えの方向
条文だけでは、実際の原稿のどこが引っかかるのか想像しにくいものです。依頼の原稿に出てきそうな書き方を例に、かかわりそうな決まりと言い換えの方向を並べました。
| 避けたい書き方の例 | かかわりそうな決まり | 言い換えの方向 |
|---|---|---|
| 地域でいちばん信頼される医院 | 他院と比べて優れていると示す | 診療の内容や体制を事実で書く |
| 痛みはまったくありません | 誇大・虚偽のおそれ | 痛みへの配慮の方法を書く |
| 「10歳若返った」と患者さんの声 | 治療の効果の体験談 | 施術の流れと注意点を書く |
| 施術の前と後の写真を並べる | 誤認させるおそれのある写真 | 使うかどうかを発注者と相談 |
| どこよりも早く治ります | 比較・誇大のおそれ | かかる期間の目安と個人差を書く |
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)「医療法(昭和23年法律第205号)第6条の5、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第1条の9」[1]
言い換えの方向は、どれも「読む人が判断するのに必要なことを、事実として書く」という考え方です。表は編集部の例で、最終的に載せるかどうかは、発注者や医療機関がガイドラインに照らして決めます。書き手の役目は、気づいた点を根拠とともに伝え、判断の材料を差し出すことです。
薬機法とステルスマーケティングの規制で、気をつけることは?
薬機法で気をつけたいのは、医薬品や化粧品、医療機器などの効き目について、虚偽や誇大な記事を書かないこと、承認を受けていない医薬品などの広告をしないことです[2]。ステルスマーケティングの規制では、頼まれて書く記事が広告であることを隠さないことが要になります[3]。
効き目を「保証」しているように見える書き方
薬機法第66条は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の名称や効能、効果、性能について、明示的か暗示的かを問わず、虚偽や誇大な記事を広告・記述・流布してはならないとしています。第68条は、承認や認証を受けていない医薬品・医療機器・再生医療等製品の効能などの広告を禁じています[2]。
「明示的であると暗示的であるとを問わず」という部分が、書き手にとっての落とし穴です。「これで治る」と書かなくても、使う前と後の変化を大きく見せる言い回しや、専門職が太鼓判を押すような書き方は、効き目をほのめかすことになりかねません。
避けたい書き方
- 「看護師の私が保証します」と効き目を約束する
- 「使えばすぐ治る」と言い切る
- 承認前の医薬品の効き目を紹介する
選びたい書き方
- 発注者から受け取った根拠の範囲で説明する
- 使い方や注意点、合わないときの相談先を書く
- 迷う表現は発注者や監修者と確かめる
健康食品やサプリメントの記事を頼まれることもあります。健康食品が医薬品と同じように扱われるかどうかの判断や、違反したときの罰則は、この記事では確かめていません。病気が治ると言い切る書き方は避け、受ける前に、表現の確認の体制(監修や社内の確認があるか)を発注者に聞いておきましょう。
頼まれて書く紹介記事と、ステルスマーケティング
2023年10月1日から、ステルスマーケティング、つまり事業者の表示であることを一般の人が見分けにくい表示は、景品表示法違反となりました。規制の対象は商品やサービスを提供する広告主の事業者で、依頼を受けて書くインフルエンサーなどの第三者は、規制の対象とはされていません[3]。
書き手自身が対象でないからといって、気にしなくてよいわけではありません。広告主が規制を受ける以上、発注者は広告であることの示し方を考える必要があります。SNSの投稿や口コミのようなインターネット上の表示も対象になりうるため、紹介記事を受けるときは、記事のどこに広告であることを示すのかを、書く前に発注者と確かめておきましょう[3]。
たとえば、化粧品の会社から「看護師の目線で、使い心地を個人のブログに書いてほしい」と頼まれたとします。報酬や商品の提供を受けて書くのに、ふつうの感想のように見せてほしいと言われたら、立ち止まる場面です。広告であることをどう示すかが決まるまで、書き始めないようにしましょう。
紹介記事を受ける前に、発注者に聞いておくこと(例)
- この記事は広告として掲載されますか。示し方はどうなりますか
- 商品や治療の効き目について、根拠の資料をいただけますか
- 監修の方や、社内で表現を確かめる担当の方はいますか
書くときに守りたい4つのこと:効果・根拠・体験談・監修
ルールの条文を全部覚えておく必要はありません。書く手を動かすときは、次の4つを習慣にしておくと、多くの迷いを先回りできます。
効果をうたわない
治療や商品の効き目は、言い切らずに事実で書きます。「必ず」「誰でも」「いちばん」といった言葉が出てきたら、立ち止まる合図です。効き目を書く場面では、読む人が判断するのに必要な注意点や、合わない人の情報も一緒に書くと、記事全体の印象が落ち着きます。
根拠を示す
数字や効き目は、厚生労働省などの公的な資料、学会の診療ガイドライン、薬の添付文書といった元の情報で確かめます。発注者から資料を受け取ったときは、資料の名前と日付を控えておきます。根拠をたどれない一文は、どれほど書きやすくても載せない、と決めておくと迷いません。
数字には、とくに気を配ります。「多くの人が満足」「9割が実感」といった書き方は、元になった調べの対象や方法がわからなければ、読む人は確かめようがありません。出典と時点を添えられない数字は使わない。これだけでも、大げさな表現の多くを防げます。
体験談の扱い
医療法施行規則が禁じているのは、医療の広告での、患者さんの主観や伝聞に基づく、治療の内容や効果についての体験談です[1]。看護師の仕事の体験を書く記事とは、目的が違います。たとえば、20代の看護師・医療職向けメディアで、夜勤明けの過ごし方などを書く体験記事の募集がありました(2026年6月5日掲載・募集は終了)[5]。
ただし、看護師の体験記にも別の注意があります。患者さんの話を書けば、守秘義務にかかわります。看護師は、正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならず、資格を失った後も同じです[6]。特定されない書き方は、看護師がSNS・ブログで発信するときの注意でくわしく扱っています。
監修者・発注者に確かめる
迷う表現を、自分ひとりで決めないことも大切です。監修のつく記事なら監修者に、つかない記事なら発注者に、文面で確かめます。監修者がどこまで責任を持つのか、監修の仕事の中身は看護師の記事監修の仕事で紹介しています。
病院や治療、薬や化粧品の効き目について書いた一文ですか?
次の質問に進み、根拠と書き方を確かめます。
患者さんや勤務先が特定される内容がないかを、最後に確かめましょう。
その効き目は、公的な資料や発注者から受け取った根拠で確かめられますか?
言い切りや「いちばん」などの比べる言葉を外し、注意点も添えて書きます。
書かずにおき、発注者か監修者に根拠を確かめてから決めます。
患者さんの声や、治療の前後の写真を使う指示がありますか?
医療法の決まりにかかわるおそれがあるので、使い方を発注者と相談します。
頼まれて書く記事なら、広告であることの示し方を確かめて仕上げます。
原稿の表現に違和感を持ったら、どう伝える?
違和感に気づいたら、削って終わりにせず、根拠と代わりの案をそろえて伝えます。発注者も、問題になる記事を出したいわけではありません。看護師の目で気づいた点は、相手にとってもありがたい情報になりえます。
- 1印をつける
気になる一文に、なぜ気になったのかを一言添えて印をつけます。
- 2ルールを当てはめる
医療法・薬機法・ステマの規制の、どれにかかわりそうかを考えます。
- 3元の資料で確かめる
条文や医療広告ガイドライン、事例解説書の最新の版を確かめます。
- 4代わりの案を作る
事実で書く案を2つ用意し、削るだけで終わらせません。
- 5文面で相談する
根拠と案を添えて発注者や監修者に送り、返事を残しておきます。
伝え方にも、ひと工夫できます。「この表現は違反です」と決めつけると、相手は身構えてしまいます。「この部分は医療法の決まりにかかわるおそれがあるので、こう書く案はいかがでしょう」と、根拠と案をセットにして、判断は相手に委ねる形にすると、話し合いが進みやすくなります。
発注者への相談の文面(例)
「〇〇の段落の『地域でいちばん』という表現について、確認させてください。医療法では、ほかの病院や診療所と比べて優れていると示す広告をしないことが定められているため、診療の内容と体制を具体的に書く形をご提案します。案を2つ添えますので、ご判断をお願いいたします。」
修正の相談に時間がかかると、1本あたりの手間が増えます。確認の時間も含めた報酬の考え方は看護師ライターの文字単価と収入の目安の考え方を、修正のやりとりを含む仕事の流れは看護師がライターを業務委託で受ける流れをご覧ください。
モデルケース:原稿の表現を確かめ、修正を提案したJさん
モデルケース(架空の例)
気になった表現を条文で確かめて提案。差し戻しが1本3回から1回になり、表現の確認も任されるように
- 3回1回1本あたりの差し戻し
- 約2時間約40分表現の確かめにかける時間(1本)
- 月2本月3本継続して受ける記事
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Jさんは、依頼された原稿の表現に違和感を持ったとき、厚生労働省の医療広告ガイドラインと医療法の条文を確かめ、言い換えの案を添えて発注者に提案しました。提案は受け入れられ、その後は、医療機関の紹介記事の表現の確認も任されるようになりました。
Jさん:「書けません」ではなく「こう書けます」と返したら、話が前に進みました。
背景
Jさんは、外科病棟と外来で19年働いてきました。病棟勤務を続けながら、1年前に副業で記事を書き始め、最初は看護の仕事の体験記が中心でした。医療機関を紹介する記事を頼まれたのは、制作会社からの依頼が初めてでした。
困っていたこと
美容皮膚科の紹介記事の構成案に、「患者さんの喜びの声」と「地域でいちばんの実績」を入れるよう書かれていました。患者さんに言い切らないよう気をつけてきたJさんには、どちらも引っかかる言葉でした。けれど、断れば次の依頼が来ないのではという不安もあり、最初の2本は何度も差し戻しを受けながら、もやもやしたまま納めていました。
選んだ理由
自分の感覚だけで書き換えても、発注者は判断に困ると考えました。公的なルールを根拠として示せば、相手も社内で説明しやすくなります。看護の現場で「根拠は?」と問われ続けてきた経験が、ここで生きると感じました。
Jさん:根拠を添えて相談するのは、申し送りで報告するのと同じだと思いました。
始め方と工夫
Jさんは、医療法の条文と、厚生労働省のページにある事例解説書の版を確かめ、資料の名前と日付を控えました。患者さんの声と「地域でいちばん」の2か所に印をつけ、事実で書く案を2つずつ添えて送りました。いまは、よく出る表現を自分用の表にまとめ、書く前に見直しています。発注者から「確認の視点がありがたい」と返事が届いたとき、やっぱり正しく伝える仕事が好きだ、とJさんはあらためて感じました。
Jさんが提案した書き直しは、次のようなものでした。削った言葉の代わりに、読む人が判断に使える事実を足しています。
以前
地域でいちばん信頼される美容皮膚科。施術を受けた患者さんから「10歳若返った」と喜びの声が届いています。
いま
医師が肌の状態を診てから施術を提案する美容皮膚科。施術の流れ、かかる時間、起こりうる赤みなどの注意点を、医師の確認を受けて紹介します。
Jさんの例で効いたのは、ルールを盾にして断ったことではなく、根拠と代わりの案をそろえて相談したことでした。指摘だけで終わらせず、案まで出せる書き手は、発注者にとって相談しやすい相手になります。
気をつけたいこと:ルールを知っても迷う場面と、この記事の限界
広告のルールは、知っていても迷う場面が残ります。この記事で書いたのは、確かめた条文と資料の範囲です。どの記事が広告にあたるかの細かい判断、違反したときの罰則や課徴金、健康食品の扱いなどは扱っていません。個別の表現が問題になるかどうかは、発注者や医療機関、必要に応じて弁護士などの専門家の判断に委ねてください。
よいところ
- 看護師の肩書きを、安心して記事に生かせる
- 根拠のある提案が、発注者の信頼につながる
- 読む人を誤解させない記事を届けられる
気をつけたいところ
- 調べて確かめる時間が、1本ごとに増える
- 発注者と考えが分かれ、依頼を見送ることもある
- 資料の版が改まり、学び直しが要る
提案を受け入れてもらえないこともあります。とくに、自分の名前や「看護師」の肩書きが載る記事で、効き目をうたう表現を求められ続けるときは、受けない判断も選択肢の一つです。効き目を強く打ち出す広告文が中心の募集は、応募の前に中身をよく読みましょう。募集文の読み方は看護師のライター求人の探し方で紹介しています。
今日からできること
全部を一度に覚えなくてかまいません。今週のうちに1つずつ進めれば、次に医療機関の記事を頼まれたとき、落ち着いて向き合えます。
チェックした数:
これから最初の1本を書く人は、看護師が医療ライターを在宅で始めるにはの手順と合わせて読むと、ルールを意識した練習ができます。文章の練習のしかたは未経験の看護師でも医療ライターになれる?にまとめています。
よくある質問
看護師ライターも、医療法の広告のルールの対象になりますか?
医療法第6条の5第1項は「何人も」としていて、医療機関以外の者がする広告も対象になりえます[1]。発注者の指示で書いた記事でも、書き手が無関係とは言い切れません。迷う表現は、書く前に発注者と確かめましょう。
医療広告ガイドラインは、どこで確かめられますか?
厚生労働省のページ「医療法における病院等の広告規制について」で案内されています。2026年3月30日付の事務連絡で、ウェブサイト等の事例解説書の第6版も示されました[4]。資料は改められることがあるので、書く前に最新の版を確かめてください。
患者さんの体験談を入れるよう頼まれたら、どうすればいいですか?
医療法施行規則は、患者等の主観や伝聞に基づく、治療の内容や効果についての体験談の広告をしてはならないとしています[1]。そのまま書かずに、施術の流れや注意点を事実で書く案を添えて、発注者に相談しましょう。
看護師としての自分の体験を書く記事も、禁止されていますか?
サプリメントや健康食品の記事では、何に気をつければいいですか?
薬機法第66条は、医薬品や化粧品、医療機器などの効き目について、虚偽や誇大な記事を禁じています[2]。健康食品が医薬品と同じように扱われるかどうかの判断は、この記事では確かめていません。病気が治ると言い切る書き方は避け、表現の確認の体制を発注者に聞いておきましょう。
企業に頼まれたPR記事を書くと、ステマの規制で罰せられますか?
ステルスマーケティングの規制の対象は、商品やサービスを提供する広告主の事業者で、依頼を受けて書く第三者は対象とはされていません[3]。ただし広告主が規制を受ける以上、広告であることをどう示すかを、書く前に発注者と確かめておきましょう。
違反すると、どんな罰則がありますか?
罰則や課徴金の中身は、この記事では確かめていないため書いていません。個別の表現が問題になるかどうかは、発注者や医療機関、必要なら弁護士などの専門家に相談してください。
まとめ
看護師ライターが守る広告のルールの中心は、医療法の広告の決まりと薬機法、そして頼まれて書く記事にかかわるステルスマーケティングの規制です。医療法と薬機法は「何人も」と定めていて、書き手も無関係とは限りません。看護師の肩書きがある分、効き目の保証に見える書き方にはとくに気をつけたいところです。
- うそや大げさな表現、他院より優れていると示す表現は書かない
- 治療の効果の体験談と前後の写真は、使い方を発注者と相談する
- 効き目は根拠の範囲で書き、看護師の肩書きで保証しない
- 違和感に気づいたら、根拠と代わりの案をそろえて文面で伝える
医療機関や商品の記事の受け方で迷ったら、LINEでも下のフォームからでも、気軽に相談してください。