日勤を終えて更衣室でスマートフォンを開くと、実家の父からの着信が3件。かけ直すと「今日の薬がどれか分からなくなった」と言う。帰りに実家へ寄って1週間分の薬を仕分け、自分の家の玄関を開けるのは夜9時を過ぎてから。
きょうだいの中で、看護師は自分だけ。通院の付き添いも、主治医の説明を聞くのも、ケアマネジャーとの電話も、いつの間にか自分の役目になっていました。兄や妹からは「看護師なんだから、任せるのがいちばん安心」と言われます。頼られるのはうれしい。けれど勤務中も携帯が気になり、休みの日は介護の用事で埋まっていきます。
親の体の小さな変化に気づけるのは、看護師の強みです。ただ、気づける人に用事が集まり続けると、仕事も、介護も、自分の体も、少しずつすり減っていきます。介護は、数か月で終わるとは限りません。長く続くかもしれないからこそ、始まったばかりのころの「分け方」が、その先を左右します。
ここでは、親の介護と仕事を両立するために、一人で抱え込まないための5つの準備を順に整理します。働きながら介護を続けるコツと、無理が限界に近づいたときのサインもまとめました。
親の介護と仕事を両立するには、何から準備する?
親の介護と仕事の両立は、ケアマネジャーとの関係・家族の分担・職場への共有・介護サービスの使い方・自分の休みの5つを先に整えると、ぐっと続けやすくなります。どれも、介護が重くなってから慌てて整えるより、始まったばかりのうちに手をつけるほうが楽に進みます。
仕事を続けられるかどうかは、介護の量そのものよりも、「誰が、どれだけ受け持つか」で大きく変わります。同じ介護でも、一人で受け持てば仕事との両立は難しくなり、家族とサービスで分ければ続けられることがあります。5つの準備は、その分け方を決めるためのものです。
| 準備 | ねらい | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| ケアマネジャーとの関係 | 介護の計画に、自分の勤務を反映してもらう | 勤務の曜日と連絡のつく時間を伝える |
| 家族の分担 | 介護の用事を一人に集めない | 1か月の用事を書き出し、分担表にする |
| 職場への共有 | 急な休みに備えて、味方を作っておく | 上司に事情と使いたい制度を伝える |
| 介護サービスの使い方 | 任せられる時間をつくる | 「自分でなくてもできること」を選ぶ |
| 自分の休み | 介護も仕事もない時間を守る | 来月の予定表に、休む日を先に書く |
編集部まとめ
5つは、上から順に片づける必要はありません。ケアマネジャーとの面談の前に家族の分担を書き出しておけば、話が早く進みます。職場への共有も、介護保険の申請と同じ週に済ませてかまいません。
看護師が、介護を一人で抱え込みやすい理由
看護師は、家族の中で介護を引き受けやすい立場にいます。理由は3つあります。1つ目は、体調の変化に気づいてしまうこと。むくみや息切れ、薬の飲み残しに、ほかの家族より先に目が行きます。2つ目は、医師の説明を聞き取れること。その結果、病院や事業所との窓口が自然と自分になります。3つ目は、周りの期待です。「看護師なんだから」の一言は、断る理由を奪います。
もう1つ見落としやすいのが、自分の中の声です。「私がやったほうが早い」「ほかの人に任せて何かあったら」と思うと、手を離せなくなります。けれど病棟でも、看護師は一人で患者さんを看ているわけではありません。チームで分けているから、昼も夜も看護が回っています。家族の介護も同じです。
介護と仕事の両立は、多くの看護師に関わることです。令和6年末に就業している看護師を年齢階級別に見ると、40〜44歳が11.9%、45〜49歳が13.7%、50〜54歳が12.0%、55〜59歳が9.5%で、この4つの割合を足すと47.1%になります[1]。2025年4月からは、40歳などの早い段階で、会社が介護と仕事の両立を支える制度の情報を提供することも義務になりました[2]。
準備1:ケアマネジャーに「働いていること」を伝える
介護保険のサービスを使うときは、ケアマネジャー(介護支援専門員)が、親の状態や家族の希望をもとにサービスの計画(ケアプラン)を立てます。まだ要介護認定を受けていないなら、親が住む地域の地域包括支援センターが相談の入り口になります。
ケアマネジャーとの最初の面談では、どうしても親の状態の話が中心になります。それも大切ですが、両立のためには、介護する家族が働いていることをはっきり伝えるのがこつです。勤務の曜日や時間が分かれば、ケアマネジャーも、仕事と重ならないサービスの組み方を考えやすくなります。
チェックした数:
看護師の家族は、ここで1つ気をつけたいことがあります。専門用語で話せる分、「この家族は自分でできる人」と見られやすいのです。服薬の確認や体調の見守りを「できます」と引き受けると、その分サービスは少なく組まれます。平日の日中に動けないなら、「看護師ですが、平日の日中は仕事で動けません。服薬の確認は訪問の方にお願いできますか」と、できないことも具体的に伝えましょう。
連絡の取り方も、最初に決めておくと楽になります。勤務中は電話に出られないこと、急ぎでない連絡はメールや連絡帳にほしいこと、本当に急ぐときの連絡先。この3つを伝えておけば、勤務中に鳴り続ける電話に気を取られることが減ります。
ケアマネジャーとは、困ったときだけでなく、うまくいっていることも共有しておくと関係をつくりやすくなります。「デイサービスに行き始めて、父の表情が明るくなりました」という一言も、次の計画を考える材料になります。
準備2:家族の分担を「表」にして話し合う
きょうだいがいるなら、介護の用事は分けられます。ただ、「手伝って」とだけ頼んでも、なかなか動いてもらえません。何を、どのくらいの頻度で頼みたいのかが、相手に見えないからです。そこで役に立つのが、介護の用事を書き出した分担表です。
まず、1か月の介護の用事を、思いつく限り書き出します。通院の付き添い、薬の受け取り、役所や保険の手続き、お金の管理、見守りの電話、買い物、ケアマネジャーとの連絡。書き出してみると、看護の知識が本当に要る用事は、思ったより少ないことに気づくはずです。
| 用事 | 頻度の例 | 担当 | 代わりの手 |
|---|---|---|---|
| 通院の付き添い | 月2回 | 自分・妹(交代) | 介護タクシーなど |
| 薬の受け取り | 月2回 | 妹 | 薬局の配達など |
| 服薬の確認 | 毎日 | 訪問の介護・看護 | 夜の電話で声かけ |
| 役所・保険の手続き | 月1回ほど | 兄 | 郵送・オンライン |
| お金の管理 | 月1回 | 兄 | 決めた口座で自動払い |
| 見守りの電話 | 毎晩 | 3人で曜日を交代 | 見守りサービス |
| ケアマネジャーとの連絡 | 月1回ほど | 自分 | 兄(自分の夜勤の週) |
編集部まとめ
表には「代わりの手」の列も作っておきます。担当の人が動けない日に、誰が、または何が代わるのかを決めておけば、急な用事のたびに自分に回ってくることを防げます。
遠くに住むきょうだいにも、できることはあります。手続きやお金の管理、見守りの電話は、離れていても受け持てる用事です。介護の費用をどう分けるかも、このときに話し合っておきましょう。時間を出せる人と、お金を出せる人がいて当然です。離れて暮らす家族の関わり方は、遠距離介護と看護師の仕事でも考え方をまとめています。
家族会議は、全員が集まれなくてもかまいません。ビデオ通話で30分でも、表を画面に映しながら話せば十分です。親が話せる状態なら、親の希望も聞いておきます。決めたことは家族で見られるメモやカレンダーに残し、3か月に1度くらい見直します。
準備3:職場に早めに共有する
介護のことを職場に話すのは、勇気がいります。人手の少ない病棟ならなおさら、「迷惑をかけたくない」と黙っていたくなるでしょう。けれど、事情を知らないまま急な休みが重なると、周りは戸惑います。先に共有しておけば、休み方を一緒に考えてもらえます。
伝えるときは、気持ちより事実を中心にします。誰の介護か、どのくらいの頻度で何があるか、使いたい制度は何か。この3つが分かれば、上司も勤務表を作るときに配慮しやすくなります。
以前
家のことで、これから急に休むことがあるかもしれません。すみません。
いま
父の通院の付き添いが月2回、平日の午前にあります。その日は介護休暇を時間単位で使い、午後から出勤させてください。
雇われて働く人には、介護のための休みの制度があります。介護休暇は、要介護状態にある家族の介護その他の世話をする労働者が、1年度に5労働日まで(対象家族が2人以上なら10労働日まで)取れる休みで、時間単位でも取れます[3]。まとまった休みが必要なときは、対象家族1人につき3回まで、通算93日まで取れる介護休業もあります[3]。
2025年4月からは、介護に直面したことを申し出た労働者に、会社が制度を個別に知らせ、利用の意向を確かめることが義務になりました[2]。話すことで、自分では知らなかった社内の制度を教えてもらえることもあります。制度の使い方や、辞める前に確かめたいことは、親の介護で仕事を辞める前に確かめることでくわしく整理しています。
同僚への伝え方も考えておきましょう。全員に詳しく話す必要はありません。勤務の交代をお願いすることがある人には、「父の通院で、月に2回ほど午前に休むことがあります」と一言伝えておくだけで、急なお願いのときの空気が変わります。
準備4:介護サービスに「任せる」ことを決める
看護師は、介護の多くを自分でできてしまいます。だからこそ、意識して任せることを決めないと、サービスを使う理由が見えなくなります。考え方は単純です。看護師の目が本当に要る役割は自分に残し、自分でなくてもできることは任せる先を探します。
| 用事 | 任せられる先の例 | 自分に残したい役割 |
|---|---|---|
| 入浴 | デイサービス・訪問介護 | 皮膚の様子を聞いておく |
| 服薬の確認 | 訪問看護・訪問介護 | 薬の変更を把握しておく |
| 日中の見守り | デイサービス・見守りサービス | 様子を連絡帳で受け取る |
| 食事の用意 | 配食サービス・訪問介護 | 好みや食べる量を伝える |
| 家族が休みたい日 | ショートステイ | 早めに利用の相談をする |
編集部まとめ
どのサービスをどのくらい使えるかは、親の要介護度やケアプランによって変わります。介護保険の対象にならない用事は、自費で使える民間のサービスで補う方法もあります。使いたいサービスがあれば、「仕事を続けたいので、この時間を任せたい」と、理由と一緒にケアマネジャーに伝えましょう。
親がサービスを嫌がることもあります。「家族に看てもらいたい」「知らない人が家に来るのは嫌だ」。そんなとき、看護師の娘や息子が説得役になると、かえってこじれることがあります。ケアマネジャーや主治医から勧めてもらう、まずは見学だけしてみる、など、親が受け入れやすい入り方を一緒に考えてもらいましょう。
任せたあとは、手を出しすぎないことも大切です。訪問の人のやり方が自分の手順と違っても、危ないことでなければ、まずは見守ります。気になることは責めるのではなく、「こうしてもらえると助かります」と伝えるほうが、よい関係が長く続きます。
準備5:自分の休みを「先に」予定に入れる
5つのうち、いちばん後回しにされやすいのが自分の休みです。仕事の休みは介護の用事で埋まり、介護の合間は家事で埋まる。気づけば、自分のための時間が1時間もないまま、ひと月が過ぎている。
休みは、空いたら取るものではなく、先に予定に入れるものです。来月の予定表を作るとき、仕事と介護の予定より先に、介護も仕事もない日を1日書き込みます。その日は、きょうだいに見守りを頼むか、ショートステイを使う日にします。自分の受診や健診も、この日に入れておくと後回しになりません。
休みを守るのは、自分のためだけではありません。介護する人が倒れれば、介護も仕事も一度に止まります。長く続けるためのいちばん確かな備えが、休みです。
- 来月の休みを予定表に先に書く
- 1か月の用事と分担を見返す
- 困ったことを1つだけ選ぶ
- ケアマネジャーや家族と話す
- 分担表とサービスを直す
気持ちの疲れがたまったときの相談先も、知っておきましょう。働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」は、働く人やその家族からの相談を、電話・SNS・メールで受け付けています(匿名・無料)[4]。眠れない日や気分の落ち込みが続くときは、ためらわずに医療機関に相談してください。
働きながら親の介護を続けるコツは?
準備が整ったら、あとは毎日の回し方です。働きながら介護を続けるためのコツを、4つにまとめました。どれも特別なことではありませんが、続けるほど効いてきます。
1つ目は、連絡の窓口と時間を決めることです。家族や事業所からの連絡を、勤務中はメールやメモで受け、急ぐときだけ電話にしてもらいます。2つ目は、予定を1枚にまとめることです。通院、デイサービス、自分の勤務、きょうだいの担当日を同じカレンダーに書けば、重なりがすぐに見えます。
3つ目は、記録を家族で共有することです。体調の変化や受診の結果を共有のメモに残せば、自分がいない日も、ほかの家族が同じ情報で動けます。4つ目は、完璧な介護を目指さないことです。看護師の目で見ると気になることも、家族の介護としては十分なことがあります。
もう1つ、働き方の選択肢を知っておくと、気持ちに余裕が生まれます。今の職場で続けられなくなっても、ほかの道があると分かっているからです。介護サービスの時間に仕事を置く、在宅の働き方もあります。
一人で抱える回し方
- 連絡はすべて自分の携帯に来る
- 予定は自分の頭の中にだけある
- 休みの日は介護の用事で埋まる
分けて回す回し方
- 連絡の窓口と時間を決めてある
- 予定は家族の共有カレンダーにある
- 月に1日は介護も仕事もない日がある
在宅の仕事の選び方と時間の組み方は介護をしながらできる在宅ワークに、急に休めないときの対処は親の介護で仕事を休めないときの対処にまとめています。制度と働き方の組み合わせの全体像は、看護師が介護・子育てと両立する在宅ワークで確かめられます。
モデルケース:分担表を作って家族会議を開いたHさん
モデルケース(架空の例)
分担表を作って家族会議を開き、一人で受け持っていた介護の用事が月14件から6件に
- 14件6件Hさんが受け持つ介護の用事(月)
- 5回ほど1回ほど勤務中にかかってくる家族からの電話(週)
- 0日2日介護も仕事もない休みの日(月)
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Hさんは、1か月の介護の用事を書き出した分担表をもとに家族会議を開き、兄と妹と受け持ちを分けました。外来の勤務はそのまま続け、自分が受け持つ用事は月6件ほどになりました。月に2日は、介護も仕事も入れない日として、予定表に先に書き込んでいます。
Hさん:全部を自分でやるのが、看護師の娘の役目だと思い込んでいました。分けてみたら、兄も妹も、できることがたくさんありました。
背景
Hさんは3人きょうだいの真ん中で、看護師は自分だけです。母が自宅で転んで骨折し、退院後に要介護の認定を受けました。兄は県外で会社員をしていて、妹は母の家の近くでパートをしています。退院の説明を聞いたのがHさんだったこともあり、通院の付き添いも、薬の管理も、ケアマネジャーとの連絡も、自然とHさんの担当になりました。
困っていたこと
外来の勤務中にも、母や妹からの電話が週に5回ほどかかってきました。休みの日は通院と買い物で埋まり、自分の健診は半年先に延ばしたままでした。兄に相談すると「看護師のおまえがいちばん安心だから」と言われ、それ以上は頼めずにいました。ある日、電話に気を取られて、患者さんへの説明の順番を間違えかけました。Hさんは、このままではいけないと感じました。
選んだ理由
Hさんは、仕事を辞めたり減らしたりする前に、まず用事の分け方を変えることにしました。1か月の用事を書き出すと14件あり、そのうち看護の知識が本当に要るものは、主治医の説明を聞くことと、薬の変更を確かめることの2件だけでした。残りの12件は、兄や妹、介護サービスでも受け持てる用事でした。
Hさん:表にしてみて初めて、「看護師だから」を理由に全部を抱えていたと気づきました。
始め方と工夫
Hさんは分担表を作り、日曜の夜にビデオ通話で家族会議を開きました。手続きとお金の管理は兄、薬の受け取りは妹、通院の付き添いは妹と交代で受け持つことに決めました。ケアマネジャーには外来の勤務の曜日を伝え、服薬の確認を訪問介護にお願いしています。急ぎでない連絡は、家族の共有メモに書いてもらう約束にしました。母の通院の日は、師長に相談したうえで、介護休暇を時間単位で使っています。
Hさんの例で効いたのは、用事を「看護の知識が要るかどうか」で分けたことでした。全部を自分が受け持つ理由は、実はわずかだったのです。ただ、きょうだいの協力が得られなかったり、親の状態が変わったりして、分担だけでは回らない時期もあります。そのときは、働き方の見直しも含めて考えていきましょう。
気をつけたいこと:限界のサインと、頼れる家族がいないとき
5つの準備をしても、介護の負担がなくなるわけではありません。親の状態が変われば、必要な手も変わります。準備は負担をゼロにするものではなく、一人に集まらないようにするものだと考えておきましょう。
頼れるきょうだいがいない人もいます。一人っ子の人、きょうだいが遠方で動けない人、協力を断られた人。その場合は、家族で分ける代わりに、介護サービスと地域の手を増やす考え方になります。ケアマネジャーには「家族は自分一人で、仕事も続けたい」とはっきり伝えましょう。それを前提に、計画を考えてもらえます。
無理が限界に近づくと、体と心にサインが出ます。眠れない日が続く。自分の受診を先送りしている。勤務中に介護のことが頭から離れず、確認もれが増える。親にきつい言葉をかけてしまい、あとで落ち込む。どれか1つでも続いているなら、立ち止まる時期です。
眠れない日や、自分の受診の先送りが続いていますか?
まず自分の体を優先し、医療機関に相談しましょう。介護はケアマネジャーに相談し、一時的にサービスを増やせないか聞きます。
次の質問に進みます。
分担とサービスを見直しても、介護も仕事もない日が月に1日もとれませんか?
上司に相談し、介護休暇や介護休業で態勢を整えることを考えましょう。
次の質問に進みます。
勤務中も介護のことが頭から離れず、確認もれが増えていますか?
働く時間や働き方を見直す時期です。在宅の仕事も含めて、選択肢を比べましょう。
月1回の見直しを続け、変化があれば早めに分担を直しましょう。
働き方を変えると決めたとき、次の職場の面接で介護の事情をどう伝えるかに迷う人もいます。伝え方の例は親の介護がある看護師の転職で整理しています。家族に仕事の時間を分かってもらう話し方は、在宅で働くことを家族にわかってもらうも参考になります。
今日からできること
準備は、紙とペンがあれば今週から始められます。全部を一度にやる必要はありません。1つ目の「書き出す」だけでも、抱えているものの大きさが見えてきます。
- 1介護の用事を書き出す
1か月分の用事を、頻度と今の担当と一緒に書き出します。
- 2看護の知識が要る用事に印をつける
印のない用事は、家族やサービスに任せる候補です。
- 3ケアマネジャーに勤務を伝える
働く曜日と時間、連絡のつく時間を伝えます。
- 4家族会議の日を決める
分担表を共有し、ビデオ通話でも話す場を持ちます。
- 5休む日を先に書く
来月の予定表に、介護も仕事も入れない日を1日書きます。
書き出した用事の数が多いほど、分けられる余地も大きいということです。1件でも誰かに任せられたら、それが両立を続けるための最初の一歩になります。
よくある質問
親の介護が始まったら、最初に何をすればいいですか?
まだ介護保険のサービスを使っていないなら、親が住む地域の地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請から始めます。あわせて1か月の介護の用事を書き出しておくと、ケアマネジャーや家族との話し合いが進めやすくなります。介護保険のサービスを使い始めるまでの流れは、親の介護で仕事を辞める前に確かめることにまとめています。
きょうだいが介護に協力してくれません。どう頼めばいいですか?
「手伝って」ではなく、分担表の中の具体的な用事を1つ頼むと、引き受けてもらいやすくなります。遠くに住むきょうだいには、手続きやお金の管理、見守りの電話など、離れていてもできる用事を任せましょう。時間を出せない代わりに費用を多めに出す、という分け方もあります。
看護師なので、介護は自分でやったほうが安心なのですが。
看護の知識が生きる場面は、たしかにあります。ただ、すべてを受け持つと、仕事や自分の体が先に限界を迎えがちです。主治医の説明を聞く、体調の変化に気づいて伝えるなど、看護師の目が要る役割に絞り、ほかはサービスや家族に任せましょう。
職場に介護のことを話すと、評価が下がりませんか?
評価への影響は職場によって違い、言い切ることはできません。ただ、気持ちより、頻度や使いたい制度などの事実を中心に伝えると、受け止めてもらいやすくなります。2025年4月から、介護に直面したことを申し出た労働者には、会社が制度を個別に知らせ、利用の意向を確かめることが義務になりました[2]。早めに話しておくほうが、急な休みのときにも助けを得やすくなります。
介護休暇は、何日まで取れますか?
1年度に5労働日まで(対象家族が2人以上なら10労働日まで)で、時間単位でも取れます[3]。雇われて働く労働者の制度なので、業務委託で働く場合は使えません。急に休めないときの使い方は親の介護で仕事を休めないときの対処をご覧ください。
一人っ子で、介護を分けられる家族がいません。
家族で分ける代わりに、介護サービスや地域の手を増やす考え方になります。ケアマネジャーに「家族は自分一人で、仕事も続けたい」とはっきり伝え、それを前提に計画を考えてもらいましょう。困ったときに頼れる友人や近所の人を、1人でも決めておくと安心です。
介護と両立しやすい在宅の仕事はありますか?
日中のシフトで働く電話健康相談やチャット相談、締め切りまでに進める医療ライターなどが候補です。デイサービスなどの時間に仕事を置くと、両立しやすくなります。仕事の選び方と時間の組み方は介護をしながらできる在宅ワークにまとめています。
まとめ
親の介護と仕事の両立は、介護の量よりも、誰がどれだけ受け持つかで続けやすさが変わります。看護師は気づける分だけ頼られやすく、一人で抱え込みがちです。だからこそ、始まったばかりのうちに分け方を決めておきましょう。
- ケアマネジャーに、働いていることと、できないことを伝える
- 介護の用事を書き出し、分担表をもとに家族で話し合う
- 職場には事実と使いたい制度を伝え、休みは予定表に先に書く
一人で抱えているかもしれないと感じたら、話すだけでも気持ちが整理できます。働き方のことも含めて、LINEか下のフォームから気軽にご相談ください。