午前10時半、処置の合間にポケットの携帯が震える。母が通うデイサービスからだ。折り返すと「熱が37度8分あって、お迎えに来ていただけますか」。今日は日勤のリーダーで、午後には入院が2件入っている。
「すぐ行きます」と言いかけて、言葉を飲み込む。自分が抜けたら、この病棟はどうなるのか。結局、夫に電話をして早退してもらい、迎えを頼んで仕事に戻る。そのあとも母の顔がちらついて、指示の確認にいつもより時間がかかってしまう。
看護師の職場は、決まった人数で回っています。一人が抜ければ、その分を誰かが受け持つ。それを知っているからこそ、介護のために休みたいと言い出せないのです。
けれど、休めない日が続けば、いつか介護か仕事のどちらかが崩れます。「休めない」を、「短く休む」「自分が休まなくて済む」「休み方を先に決めておく」に置きかえていく。ここでは、そのための制度・サービス・働き方の組み合わせ方を整理します。
親の介護で仕事を休めないときは、どうする?
仕事を休めないときは、「短く休む」「代わりの手を増やす」「休み方を先に決める」「通勤のない働き方にする」の4つを組み合わせて回します。どれか1つで乗り切ろうとすると、どこかに無理が出ます。
1つ目は、介護休暇を時間単位で使い、休む時間そのものを小さくすること。2つ目は、ショートステイや家族など、自分の代わりに動ける手を増やすこと。3つ目は、急に休むときの連絡や交代のしかたを、職場と先に決めておくこと。4つ目は、休めない状態が長く続くなら、在宅勤務や在宅の仕事で通勤の時間を減らすことです。
| 手 | 中身の例 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 短く休む | 介護休暇を時間単位で使う | 通院の付き添い・急な呼び出し |
| 代わりの手を増やす | ショートステイ・家族・訪問の事業所 | 自分がどうしても抜けられない日 |
| 休み方を先に決める | 連絡の順番と交代のしかたを決める | 急な休みが月に何度か出るとき |
| 通勤のない働き方 | 在宅勤務・在宅の仕事 | 休めない状態が長く続くとき |
編集部まとめ
4つのうち、今日から動けるのは1つ目と3つ目です。2つ目はケアマネジャーとの相談に少し時間がかかり、4つ目は働き方そのものを変えることになります。急ぎのときは1つ目と3つ目から、長い目で見るときは2つ目と4つ目まで、と考えると整理しやすくなります。制度と働き方の組み合わせ方の全体像は、看護師が介護・子育てと両立する在宅ワークにまとめています。
休めない理由で、最初に打つ手は変わる
「休めない」と一口に言っても、理由は人によって違います。職場の人手が足りない。制度を使ったことがなく、言い出しにくい。自分が行かないと、親の介護が回らない。理由によって、最初に打つ手が変わります。
休めないいちばんの理由は、職場の人手が足りないことですか?
「休み方を先に決める」から始めましょう。上司と、連絡の順番と交代のしかたを話し合います。
次の質問に進みます。
介護休暇などの制度を、まだ使ったことがありませんか?
「短く休む」から始めましょう。就業規則で、申し出の方法を確かめます。
次の質問に進みます。
自分が行かないと、親の介護が回らない状態ですか?
「代わりの手を増やす」から始めましょう。ケアマネジャーに、急な用事のときの相談先を聞きます。
4つの手を組み合わせて、休む回数そのものを減らしていきましょう。
看護師の場合、職場の人手の足りなさと、介護で自分しか動けない事情が重なっていることがよくあります。そんなときは、職場の側と介護の側の両方に手を打つ必要があります。どちらか片方だけを整えても、もう片方で無理が出るからです。
介護休暇は、時間単位で「短く休む」
雇われて働く人には、介護休暇という制度があります。要介護状態にある家族の介護その他の世話をする労働者(日々雇用を除く)が、1年度に5労働日まで、対象家族が2人以上なら10労働日まで取れる休みです[1]。休めない人にとってのポイントは、時間単位でも取れることです[1]。
1日まるごと休まなくても、通院の付き添いに必要な時間だけ休めます。たとえば朝の3時間だけ休んで親の通院に付き添い、そのあと出勤する。半日の休みより短く、職場への影響も小さくできます。
2025年4月1日からは、勤続6か月未満の人を労使協定で対象外にする仕組みもなくなりました[1]。ただし、週の所定労働日数が2日以下の人などは、労使協定で対象外とされることがあります[1]。自分が対象になるか、申し出の方法や時間単位の扱いがどうなっているかは、勤め先の就業規則で確かめておきましょう。
介護休暇で足りないときは、介護休業という選択肢もあります。対象家族1人につき3回まで、通算93日まで取れるまとまった休みです[1]。休めない日々を続けるより、一度まとまって休んで、サービスや家族の分担の態勢を整えるほうが、結果として早く楽になることもあります。介護休業の使い方は、親の介護で仕事を辞める前に確かめることでくわしく整理しています。
自分が休まずに済むように、代わりの手を増やす
休み方を工夫しても、休める回数には限りがあります。もう1つの方向は、自分が行かなくても回る形をつくることです。介護の側で代わりに動ける手を増やせば、急な呼び出しそのものが減っていきます。
代表的なのが、ショートステイ(短期入所)です。介護する家族が仕事や体調で介護できない日に、施設に泊まって介護を受けられるサービスで、介護保険で使えます。ただし、急に頼んでも空きがあるとは限りません。夜勤のように前もって分かる日は早めに予約し、急な場合の相談先は、ケアマネジャーに先に聞いておきましょう。
| 急な用事 | 代わりに動ける手の例 | 前もってしておくこと |
|---|---|---|
| デイサービスでの発熱 | 近くの家族・事業所の送迎 | 迎えの順番を事業所と決める |
| 通院の付き添い | 家族の交代・自費の付き添い | 通院日を月の初めに共有する |
| 夜の見守り | ショートステイ・家族の泊まり | 勤務表が出たらすぐ共有する |
| 体調の急な変化 | 訪問看護・かかりつけ医 | 連絡先と相談の順番を貼っておく |
| 自分が体調を崩した日 | ショートステイ・きょうだい | 頼める人を2人決めておく |
編集部まとめ
事業所との約束ごとも、休めない人には大きな助けになります。デイサービスで体調が変わったとき、まず誰に連絡するのか。迎えが必要なのはどんなときか。近くに住む家族を1番目の連絡先にしておけば、勤務中の自分に電話が来るのは、その人が動けないときだけになります。
夜勤がある人は、夜の手を先に決めておく
夜勤のある看護師は、昼だけでなく夜の介護の手も考えておく必要があります。一人暮らしの親や、夜中にトイレの介助が要る親を、夜勤の日にどうするか。勤務表が出たらすぐに夜勤の日を家族と事業所に知らせ、ショートステイや家族の泊まりで埋めていきます。
埋まらない夜が多い月は、それ自体が大事な情報です。夜勤の回数を減らせないか、上司に相談するときの具体的な材料になります。
判断を求める電話を減らす
看護師の家族は、事業所から「どうしましょうか」と判断を求められやすいものです。電話のたびに持ち場を離れなくて済むよう、体調が変わったときの受診の目安を、かかりつけ医や事業所と前もって話し合っておくと安心です。どんなときは迎えに行き、どんなときは送迎の時間まで様子を見てもらうのか。かかりつけ医の意見を聞いたうえで線を引き、事業所と共有しておきます。
家族の分担の決め方は、親の介護と仕事の両立|一人で抱え込まないための5つの準備にまとめています。親と離れて暮らしている場合の備えは、遠距離介護と看護師の仕事で整理しています。
職場とは、休み方を「先に」決めておく
人手の足りない職場で急に休むと、周りの負担は大きくなります。けれど、休み方が前もって決まっていれば、職場の側も備えられます。急な休みをゼロにはできなくても、急な休みでも慌てない形はつくれます。
2025年4月からは、介護に直面したことを申し出た労働者に、会社が両立支援の制度を個別に知らせ、利用の意向を確かめることが義務になりました[2]。制度を利用しやすい職場の環境を整えることも、会社の義務です[2]。事情を話すことはわがままではなく、制度を使うための最初の手続きだと考えましょう。
チェックした数:
通院の予定は、勤務表ができる前に伝えるのがこつです。勤務表ができてからの変更には交代の調整が要りますが、作る前なら最初から外してもらえます。月に1回、「来月の介護の予定です」とメモを渡す習慣をつくると、上司も勤務を組みやすくなります。
上司への切り出し方の例
「母の介護のことで、5分だけお時間をいただけますか。デイサービスから急に呼ばれることが、月に1〜2回ありそうです。そのときの連絡の順番と交代のしかたを、先に決めておきたいです。」
勤務表をつくる上司にとって、いちばん困るのは「いつ、どれくらい休むか分からない」ことです。月に何回くらい、どの曜日に、何時間くらい。見通しを数字で伝えるだけで、上司は前もって人を手当てできます。「この日なら代わりに入れます」と、交代できる日を添えるのも効きます。介護の状況が変わったら、そのつど短く伝え直しましょう。
同僚との関係も大切です。急な交代を受けてもらったら、次は自分が誰かの急な休みを受ける。そうした持ちつ持たれつの関係があると、言い出しにくさは少しずつ和らぎます。介護の事情は人に話しにくいものですが、交代をお願いする可能性のある人には、短く伝えておきましょう。
在宅勤務は、看護師でも使える?
2025年4月から、要介護状態の家族を介護する労働者がテレワーク(在宅勤務)を選べるようにすることが、事業主の努力義務になりました[2]。努力義務なので、すべての職場で選べるわけではありません。
病院の看護の仕事の多くは、患者さんのそばにいることが前提です。病棟の勤務を在宅勤務に切りかえるのは、現実には難しいことがほとんどでしょう。在宅勤務を選びやすいのは、電話相談や企業の健康管理など、仕事の中身が在宅に向く職場です。
参考までに、総務省の令和7年通信利用動向調査では、テレワークを導入している企業は50.1%でした[3]。業種を問わない企業単位の数字で、医療・福祉に限った値ではありません。病院の外には、在宅勤務を取り入れている職場もある、ということです。
病棟の勤務
- 休むと、その日の人数が足りなくなりやすい
- 職場まで移動する時間がかかる
- 勤務中は電話に出にくい
在宅勤務(雇われて働く場合)
- 通勤がなく、休憩時間に家の様子を見やすい
- 勤務中は、シフトどおりに仕事を続ける
- 介護休暇などの制度は同じように使える
在宅勤務でも、勤務時間中は仕事の時間です。家にいるからといって、介護をしながら働けるわけではありません。それでも、通勤の往復がなくなるだけで、デイサービスの迎えに間に合う、休憩時間に親の様子を見られる、といった余裕が生まれます。
今の職場の中で、変えられることもある
在宅勤務が難しくても、今の職場の中で勤務の形を変えられることがあります。夜勤の回数を減らす、日勤だけの勤務に切りかえる、外来など夜勤のない部署に移る、勤務時間を短くする。どの形を選べるかは職場によって違います。介護の事情を伝えるときに、「介護のために選べる勤務の形はありますか」と、上司や人事に聞いてみましょう。
在宅の仕事に移ったら、休みの扱いはどう変わる?
休めない状態が長く続くなら、働き方そのものを変える道もあります。在宅の仕事に移る場合は、雇われて働くか、業務委託で受けるかで、急な休みの扱いが大きく変わります。
雇われて働くパートや社員なら、在宅でも介護休暇や介護休業の対象になりえます。ただし、介護休業は、雇用された期間が1年未満の人などが労使協定で対象外とされる場合があります[1]。介護休暇も、週の所定労働日数が2日以下の人などは対象外とされることがあります[1]。移ったばかりの時期や、週の日数が少ない働き方では、使えるかどうかを先に確かめましょう。
業務委託は雇用ではないので、介護休暇などの労働者の制度は使えません。その代わり、フリーランス法では、6か月以上の業務委託について、発注する事業者に育児や介護との両立への配慮が義務づけられています。6か月未満なら努力義務です[4]。
| 働き方 | 介護休暇・介護休業 | 急に休むときの決まり | 確かめたいこと |
|---|---|---|---|
| パート・社員(雇われて働く) | ◯あり 対象になりうる | シフトの交代と欠勤の連絡 | 週の日数と勤め始めの時期 |
| 業務委託(6か月以上) | ×なし 労働者の制度はない | 契約で決めた方法で相談 | 両立への配慮を相談する窓口 |
| 業務委託(単発・短期) | ×なし 労働者の制度はない | 案件ごとに納期を相談 | 納期を延ばせるか |
出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし「育児・介護休業法における制度の概要」」、内閣官房・公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット(パンフレットNo.7)」[1][4]
新しい仕事の始めの時期にも、注意が要ります。在宅の夜間オンコールの求人の一例では、研修は平日10:00〜15:00の参加が必須で、待機を始めてから1〜2か月は19:00〜22:00のシフトが必須とされていました[5]。研修や最初のシフトが決まっている時期は、ショートステイや家族の手配を厚めにしておくと安心です。
介護と両立しやすい在宅の仕事の選び方と、介護サービスの時間に仕事を置く組み方は、介護をしながらできる在宅ワークにまとめています。雇用と業務委託の違いは看護師の業務委託とは?雇用との違い、休みを調整しやすい求人の見分け方は時間と日数を調整しやすい在宅の看護師求人が参考になります。
モデルケース:代わりの手配を決めてから、在宅勤務のある職場へ移ったAさん
モデルケース(架空の例)
急な呼び出しの手配を決めてから在宅勤務の職場へ。同僚に交代を頼む回数が月3回から0回に
- 3回0回同僚に勤務の交代を頼んだ回数(月)
- 0時間4時間ほど介護休暇を使った時間(月)
- 往復80分0分通勤の時間(1日)
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Aさんは、急な呼び出しのときの手配を家族と事業所で決め、そのうえで在宅勤務が中心の職場に移りました。いまは平日の日中、自宅で企業の従業員からの健康相談に応じています。父の通院の日は、介護休暇を時間単位で使っています。
Aさん:前は、休むことは同僚に借りをつくることだと思っていました。いまは、制度を使うのも段取りのうちだと思えます。
背景
Aさんは外科病棟で、リーダーを任されることの多いベテランでした。一人暮らしの父が要介護の認定を受け、週3回デイサービスに通い始めました。妹は車で1時間ほどの町に住み、パートで働いています。
困っていたこと
病棟は人手が足りず、デイサービスから発熱の連絡があっても、Aさんは持ち場を離れられませんでした。妹に何度も電話をかけて迎えを頼み込み、間に合わない日は、父が夕方まで事業所で待つこともありました。介護休暇の制度があることは知っていましたが、病棟で使っている人を見たことがなく、言い出せずにいました。
選んだ理由
Aさんはまずケアマネジャーに相談し、緊急時のショートステイの相談先と、事業所からの連絡の順番を決めました。1番目は妹、2番目がAさんです。師長にも事情を話し、通院の日は介護休暇を時間単位で使えることを確かめました。それでも、夜勤のある勤務では、父の夜の様子を見に行けない不安が残りました。Aさんは、日中だけ働けて通勤のない職場に移ることを決めました。
Aさん:段取りを先に決めてから動いたので、職場を移る間も、父の介護が止まりませんでした。
始め方と工夫
Aさんは、在宅勤務が中心で、日中のシフトがはっきりした求人に絞って応募しました。出社が必要な研修の期間は、デイサービスの日を増やせないかケアマネジャーに相談し、妹にも見守りの電話を頼みました。いまは仕事部屋の机の横に、事業所と家族の連絡の順番を書いた紙を貼っています。
Aさんの例で大切だったのは、職場を移る前に、介護の側の段取りを決めたことでした。働き方を変えても、急な呼び出しの手配がなければ、同じ悩みが別の職場で続きます。反対に、段取りが決まっていれば、病棟に残る道を選んだとしても、休めない日は減らせたはずです。職場を移るときに、面接で介護の事情をどう伝えるかは、親の介護がある看護師の転職を参考にしてください。
気をつけたいこと:「休めない」が続くときは、立ち止まる
休めない日が続くと、介護をする人の体と心が先にすり減っていきます。勤務中も介護の電話が気になり、休みの日は介護で埋まる。そんな状態が何か月も続いているなら、一人で踏ん張り続けるのは危ないサインです。
在宅の仕事に移れば、すべてが解決するわけでもありません。在宅勤務でも、勤務中は介護の用事に応じられません。業務委託では、休んだ分だけ収入が減ります。働き方を変えるのは、介護の側の段取りと、職場の制度を確かめてからでも遅くありません。
介護の事情を伏せて、自分の体調不良として休む人もいます。その場はしのげても、介護休暇のような制度は使えず、休みの理由が重なるほど説明もしにくくなります。事実を短く伝えておくほうが、長い目で見て自分を守ることにつながります。
職場で介護のための休みを申し出にくい、申し出たのにきちんと扱ってもらえない、と感じるときは、外の窓口にも相談できます。総合労働相談コーナーは、各都道府県労働局や全国の労働基準監督署内などにあり、労働問題の相談を予約不要・無料で受け付けています[6]。開設時間は場所によって違うので、事前に電話で確かめてから出かけましょう。気持ちの疲れが続くときは、働く人と家族の相談窓口「こころの耳」も使えます[7]。
今日からできること
休めない日への備えは、急な電話が来る前にしか進められません。今週のうちに、1つずつ手をつけてみてください。
- 1就業規則を読む
介護休暇の対象になるかと、時間単位で使うときの申し出の方法を確かめます。
- 2ケアマネジャーに聞く
急な用事のときの相談先と、ショートステイの探し方を聞きます。
- 3連絡の順番を決める
デイサービスなどの事業所に、家族の誰に先に連絡するかを伝えます。
- 4上司と話す
来月の通院の予定と、急に休むときの連絡のしかたを伝えます。
- 5働き方の候補を調べる
在宅勤務のある職場や在宅の仕事の求人を、1件だけ保存します。
5つ全部が整わなくても、連絡の順番が1つ決まるだけで、勤務中の電話はぐっと減ります。在宅の求人を比べるときは、看護師を在宅で雇う企業の比較で、時給や勤務日数、研修の形を同じ項目で見られます。
よくある質問
介護休暇は、パートでも使えますか?
介護休暇は労働者(日々雇用を除く)の制度で、パートで働く人も対象になりえます。ただし、週の所定労働日数が2日以下の人などは、労使協定で対象外とされる場合があります[1]。勤め先の就業規則で、自分が対象になるかを確かめてください。
介護休暇と介護休業は、どう使い分けますか?
職場に介護の事情を話しにくいです。
気持ちではなく、頻度と使いたい制度を中心に話すと切り出しやすくなります。2025年4月から、介護に直面したことを申し出た労働者には、会社が制度を個別に知らせ、利用の意向を確かめることが義務になりました[2]。話すことが、制度を使う最初の手続きになります。
ショートステイは、急に頼んでも使えますか?
空きがあれば使えることもありますが、すぐに見つかるとは限りません。夜勤など前もって分かる日は早めに予約し、急な場合の相談先は、ケアマネジャーに先に聞いておきましょう。
病院の看護師でも、介護のために在宅勤務を頼めますか?
要介護状態の家族を介護する労働者がテレワークを選べるようにすることは、2025年4月から事業主の努力義務になりました[2]。ただ、病棟の看護の仕事は患者さんのそばにいることが前提で、在宅勤務に切りかえるのは難しいことがほとんどです。在宅勤務を望むなら、仕事の中身が在宅に向く職場へ移ることも含めて考えましょう。
業務委託の在宅の仕事なら、介護で休みやすいですか?
働く時間を自分で決めやすい一方で、介護休暇などの労働者の制度は使えず、休んだ分だけ収入も減ります。6か月以上の業務委託では、発注する事業者に育児や介護との両立への配慮が義務づけられています[4]。契約の前に、休みや納期の扱いを確かめておきましょう。
休めない状態が続いて、もう限界です。
一人で踏ん張り続けず、まず上司や人事に、介護の状況と困っていることを伝えてください。職場で話しにくいときは、総合労働相談コーナーに予約不要・無料で相談できます[6]。眠れない、気分が落ち込むなどの症状があるときは、医療機関にも相談しましょう。
まとめ
親の介護で仕事を休めないときは、「休む」か「休まない」かの二択で考えないことが大切です。介護休暇を時間単位で使って短く休む。代わりに動ける手を増やす。休み方を職場と先に決める。休めない状態が長く続くなら、在宅勤務や在宅の仕事も選択肢に入れる。この4つを組み合わせれば、急な呼び出しにも慌てずにすむ形をつくれます。
- 介護休暇は時間単位でも取れる。対象になるかは就業規則で確かめる
- 事業所には、家族の連絡の順番を伝えておく
- 通院の予定は、勤務表ができる前に上司へ伝える
どの手から始めればいいか迷ったら、ひとりで抱えずに相談してください。LINEでも、下のフォームからでも受け付けています。