16時50分、その日最後の電話でした。家で介護しているお母さんの息が、いつもより苦しそうだという娘さんからの相談です。手順に沿って様子を聞き取り、救急車を呼ぶようすすめて、電話は終わりました。パソコンを閉じて台所に立っても、包丁を持つ手が止まります。あのお母さんは、病院に着いただろうか。
病棟なら、申し送りで次の勤務の人に引き継ぎ、更衣室で「今日は重かったね」と言い合い、帰りの電車でぼんやりする時間がありました。家には、そのどれもありません。仕事の部屋から台所までは、ほんの数歩です。
電話の仕事で心が疲れるのは、気持ちが弱いからでも、向いていないからでもありません。不安や痛みを抱えた人の声を受け止める仕事をしていれば、心に重さが残るのは自然なことです。大切なのは、その重さを一人の部屋にためこまない工夫を、前もって持っておくことです。
ここでは、心が疲れやすい場面と在宅ならではの理由、疲れのサインの気づき方、ふり返りの型、気がかりを手放す「申し送り」の習慣、話せる相手と休み方の目安を順にまとめます。紹介するのは毎日の工夫で、治療の代わりになるものではありません。
電話の仕事で、心が疲れるのはなぜ?
電話の仕事の心の疲れは、主に重い相談を受け止めること、厳しい言葉を受けること、顔の見えない相手への判断の3つから生まれます。在宅で一人で働くと、その疲れが仕事の終わりに抜けきらず、家の時間にまで持ち越されやすくなります。
3つの疲れは、残る気持ちの種類が違います。悲しさや無力感が残るのか、悔しさが残るのか、心配が残るのか。種類がわかると、どんな手当てが効きやすいかも見えてきます。
| 場面 | 例 | 残りやすい気持ち | 効きやすい手当て |
|---|---|---|---|
| 重い相談 | 看取りが近い家族の涙声 | 悲しさ・無力感 | 気持ちを書き出して閉じる |
| 厳しい言葉 | 「それでも看護師か」と責められる | 悔しさ・自分を責める | 言葉と自分の評価を分ける |
| 判断の不安 | 受診をすすめた相手のその後がわからない | 心配・後悔 | 手順と記録に照らして区切る |
| 在宅で一人 | 話す相手も帰り道もない | 区切りのなさ | 申し送りと話せる相手 |
編集部まとめ
どの疲れも、仕事に真剣に向き合っているからこそ生まれるものです。相談者の気持ちに寄り添おうとするほど、受け止めたものは自分の中に残ります。疲れを感じることを、仕事ができていない証拠と考える必要はありません。
雑談の相手がいない、働きぶりが見えにくいといった、一人で働くことそのものの寂しさは、在宅ワークの孤独の乗り越え方で取り上げています。ここでは、相談の重さから来る疲れに絞って進めます。
重い相談のあと、気持ちが残るのはなぜ?
重い相談のあとに気持ちが残る大きな理由は、電話では、その後を見届けられないことです。病棟なら、翌日の勤務で患者さんの顔を見て、ほっとできる場面がありました。電話の相談は1回のやりとりで終わることが多く、救急車を呼ぶようすすめた相手が無事だったのかを知らないまま、次の電話を取ります。
もう1つは、受け止め方の違いです。病棟では、つらい場面に同僚と一緒に立ち会い、あとで言葉を交わせました。電話では、相談者の涙や怒りを、一人で、耳元で受け止めます。表情や場の空気という手がかりがないぶん、声の震えや沈黙に集中する。その集中が、終わったあとの疲れにつながります。
病棟
- 翌日以降、患者さんのその後を見られることがある
- つらい場面に、同僚と一緒に立ち会える
- 勤務の終わりに、申し送りで次の人に引き継ぐ
在宅の電話
- その後を知らないまま、次の電話を取る
- 涙や怒りを、一人で耳元で受け止める
- 引き継ぐ相手が見えず、気がかりが手元に残る
3つ目の違いは、見落とされがちです。病棟の申し送りは、情報を伝えるだけでなく、「ここから先は次の人が見てくれる」と責任を手渡す区切りでもありました。在宅の電話の仕事では、その手渡しの相手が目の前にいません。だから気がかりが、いつまでも自分の手の中に残ってしまうのです。見届けられない仕事には、見届けられない仕事なりの区切り方が要ります。
厳しい言葉や判断の不安が、頭から離れないときは?
厳しい言葉や判断の不安が頭から離れないときは、考えごとに「置き場所」を決めると、少し楽になります。頭の中で何度も再生していると、同じ場面を何度も体験し直すことになるからです。
電話の最中の受け答えや、厳しい言葉を受けたときの対応は、看護師のコールセンターはきつい?でくわしく取り上げています。夜間のオンコールで一人で判断する重さについては、夜間オンコール代行の看護師の仕事はきつい?が参考になります。ここでは、電話を切ったあとに考えが離れないときの置き場所を整理します。
| 気になっていること | 置き場所 | 置き方の例 |
|---|---|---|
| 判断が合っていたか | 手順書と記録 | 手順どおりなら、そこで一度区切る |
| 相手のその後 | 上司・会社 | 気になる点は報告し、自分では確かめない |
| 言われた言葉 | ふり返りのノート | 書き出して、ノートを閉じる |
| 次に同じ場面が来たら | 先輩・研修 | 使う言い回しを1つ用意しておく |
編集部まとめ
判断の不安は、手順と記録に照らすのが基本です。手順に沿って聞き取り、必要なことを伝え、記録に残していれば、それがその時点でできたことのすべてです。手順から外れたかもしれないと思うなら、ひとりで抱えずに上司に伝えましょう。報告は相談者のためであり、自分を守ることでもあります。
相手のその後を、自分で確かめに行かないことも大切です。個人のスマートフォンで調べたり、かけ直したりするのは、会社の決まりからも、相談者の情報を守る点からも外れます。家で個人情報を扱うときの決まりは、在宅で働く看護師の個人情報と守秘義務にまとめています。
厳しい言葉は、自分の価値を測ったものではなく、相手の不安や痛みから出たものであることも少なくありません。頭ではわかっていても、心は傷つきます。だからこそ、言葉を書き出して外に置き、自分の中に住まわせない工夫が役に立ちます。
心の疲れのサインに、どう気づく?
心の疲れは、自分ではなかなか気づけません。病棟なら、同僚が「顔色が悪いよ」「最近元気ないね」と声をかけてくれたかもしれません。在宅で一人で働いていると、その役目を自分で引き受けることになります。
気づくための手がかりは、体・気持ち・ふるまいの3つです。週に1回、たとえば金曜日の終業後に、次の項目を見直してみてください。診断のためのものではなく、自分の変化に気づくきっかけとして使います。
チェックした数:
当てはまる項目が増えてきたら、それは休み方や働き方を見直す合図です。あとで紹介する話せる相手や休みの目安と合わせて、早めに手を打ちましょう。眠りや食欲、気分の変化が続くときは、セルフケアだけで乗り切ろうとせず、医療機関に相談してください。
家族に「最近の私、どう見える?」と聞いてみるのも1つの方法です。自分では気づかない変化を、身近な人が先に感じ取っていることがあります。
ふり返りの型:1件5分で、気持ちを外に出す
重かった相談のあとは、5分だけふり返りの時間をとります。ポイントは、決まった型で書き、書き終えたらノートを閉じることです。型があると、考えが同じところをぐるぐる回らずにすみます。
- 1事実を1行で書く
相談の種類と、自分がしたことだけを書きます。名前や年齢など、相手が分かることは書きません。
- 2気持ちに名前をつける
「悲しい」「悔しい」「怖かった」と、一言で書きます。
- 3できたことを1つ書く
最後まで聴けた、手順どおりに確かめた、など小さなことで十分です。
- 4気がかりの置き場所を決める
上司に伝える、研修で聞く、など1つだけ決めます。
- 5ノートを閉じる
閉じる動作を、その1件の区切りにします。
「できたことを1つ書く」は、飛ばさないでください。重い相談のあとは、うまくいかなかったことばかりが頭に浮かびます。最後まで相手の話を聴けた。あわてずに救急車を呼ぶようすすめられた。そうした事実を書き残すことで、自分への見方の偏りを少し戻せます。
ふり返りのノートは、会社の記録とは別のものです。相談者が特定できることは書かず、自分の気持ちと次の一手だけを書きます。ノートは、家族の目に触れない場所にしまいましょう。
毎件書く必要はありません。重いと感じた相談だけ、あるいは1日の終わりにまとめて1回でもかまいません。続けやすい形を選んでください。
仕事の終わりは「申し送り」で手放す
在宅で働くときの区切りは、病棟の申し送りを、自分で再現するつもりでつくると、手放しやすくなります。気がかりを「渡すべき人に渡した」と確かめてから、仕事を終えるのです。
申し送りは2つあります。1つは、会社への申し送りです。気になる相談があれば、その日のうちに決められた方法で上司に報告します。報告した時点で、その気がかりは会社と分け合ったものになります。もう1つは、自分への申し送りです。明日の自分に残しておきたいことを1行だけメモし、それ以外は「今日の受け持ちはここまで」と区切ります。
申し送りのあとに、仕事を終えた合図を1つ入れます。看護師にとってなじみのある、手を洗うという動作は、区切りの合図にしやすいものです。温かい飲み物を座って飲む、好きな曲を1曲聴く、といった五感に届く合図も向いています。
- 14:45最後の電話を終える
記録を仕上げ、書き漏れがないかを確かめます。
- 14:50会社への申し送り
気になる相談があれば、決められた方法で上司に報告します。
- 14:55自分への申し送り
明日に残すことを1行だけ書き、ノートを閉じます。
- 15:00手を洗う
「今日の受け持ちはここまで」と心の中で区切ります。
- 15:05座って一息つく
温かい飲み物を飲み、家の時間に戻ります。
夜間オンコールのように夜遅くまで働く仕事では、終わったあとすぐ布団に入ることもあります。その場合も、申し送りと手洗いだけは省かずに入れてみてください。区切りがないまま眠ろうとすると、頭は電話を待っていたときの緊張を引きずりがちです。
パソコンを片づける、着替えるといった、仕事の始まりと終わりの合図や、生活のリズムの整え方は、在宅勤務で体調を崩さない工夫でも紹介しています。
話せる相手と、休みの取り方
話せる相手を3つの層で持つ
心の疲れを一人で抱えないために、話せる相手を3つの層で持っておくと安心です。職場の上司や先輩、家族や友人、そして外の相談窓口です。どこに何を話せるかは、相手によって違います。
| 相手 | 話せること | 気をつけること |
|---|---|---|
| 職場の上司・先輩 | 相談の中身、判断の迷い | 決められた連絡の方法で話す |
| 家族・友人 | 「今日は重かった」という気持ち | 相談者のことは話さない |
| こころの耳の相談窓口 | 働くうえでの心の悩み | 受付の時間を確かめておく |
| 医療機関 | 眠りや食欲、気分の変化が続くこと | 早めに受診する |
出典:厚生労働省(こころの耳)「こころの耳 相談窓口(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)」[1]
職場の上司や先輩には、相談の中身を話せます。在宅の仕事でも、チャットや定期の面談など、話せる場を用意している会社があります。面接や研修のときに「重い相談のあと、話を聞いてもらえる場はありますか」と聞いておくと、いざというときに迷いません。答えが具体的かどうかは、その会社が一人で働く人をどう支えているかを知る手がかりにもなります。
家族や友人には、守秘の範囲で、気持ちだけを話します。看護師には、正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない義務があるからです[2]。「今日はつらい電話があって、少し疲れた」。それだけでも、言葉にすると気持ちは軽くなります。中身を話さなくても、聞いてもらえることには意味があります。
外の窓口としては、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」が、働く人やその家族などからの相談を、電話・SNS・メールで受け付けています[1]。匿名・無料で利用でき、利用規約への同意が必要です[1]。電話相談は平日17:00〜22:00(受付は21:50まで)と土日10:00〜16:00(受付は15:50まで)、SNS相談は平日17:00〜22:00(受付は21:30まで)と土日10:00〜16:00(受付は15:30まで)で、祝日・振替休日・年末年始(12月29日〜1月3日)は除かれます[1]。メール相談は24時間受け付けで、1週間以内に返信するとされています[1]。いずれも2026年10月8日に確かめた時点の内容なので、使う前に公式のページで確かめてください。
休みは、疲れの重さと続く長さで考える
休みの取り方は、疲れの重さと、それが続いている長さで考えると決めやすくなります。一時的な疲れなら、ふり返りや申し送りで戻ることもあります。重い疲れが続くときは、習慣だけで何とかしようとしないことが大切です。
休むといっても、まるごと休むだけが方法ではありません。1日の勤務時間を短くする、週の勤務日を1日減らす、夜の時間帯に重い相談が続いてつらいなら、その時間帯のシフトを減らしてもらう。選べる形は会社によって違うので、自分に合う調整の仕方を相談してみましょう。
雇われて働く場合、テレワークをしている人にも、労働基準法や労働安全衛生法などの労働基準関係法令が適用されます[3]。在宅だからといって、心や体の不調を一人で抱える必要はありません。シフトを減らしたい、重い相談が続いて休みたい、といったことは、遠慮せずに上司に伝えましょう。
モデルケース:重い相談のあとに沈む日が続き、終業後の切り替えの習慣を作ったYさん
モデルケース(架空の例)
重い相談のあと、夜まで引きずっていたYさん。終業後15分の「申し送り」を習慣にして、寝つけない夜が週4日から週1日に
- 4日1日寝つけなかった夜(1週間)
- 1時間ほど15分ほど終業後に相談を思い返していた時間(1日)
- 数日ためこむその日のうちに気になる相談を上司に伝えるまで
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Yさんは、在宅の電話健康相談を続けながら、終業後の15分で気がかりを手放す習慣をつくりました。重い相談があった日も、上司への報告とふり返りを済ませて手を洗うと、夕食のころには家の時間に戻れるようになっています。
Yさん:電話の向こうのことは、もう私には見えない。そう思って閉じるのはさみしかったけれど、閉じないと次の人の話を聴けないと気づきました。
背景
Yさんは循環器の病棟で20年働いてきました。父親の通院の付き添いが増えたことをきっかけに、自宅で働ける電話健康相談の仕事に移りました。病棟で身につけた聞き取りの力が生きる仕事で、やりがいも感じていました。
困っていたこと
働き始めて半年がたつころ、重い相談のあとに気持ちが沈む日が増えました。家で家族を看取ろうとしている人からの、涙まじりの相談が続いた週もありました。パソコンを閉じたあとも相談者の声が頭の中で繰り返され、寝つけない夜が週に4日ほどありました。気になる相談があっても「これくらいで報告するのは」とためこみ、夫から「最近、上の空だね」と言われて、自分の変化に気づきました。
選んだ理由
仕事を辞めることも考えましたが、Yさんはこの仕事が好きでした。上司との面談で正直に話すと、「気になる相談は、その日のうちに教えてほしい。報告は迷惑じゃない」と言われました。病棟では申し送りが区切りになっていたのだと思い当たり、家の中に申し送りの時間をつくることにしました。
Yさん:困ったときに聞ける人がいる、とわかっただけで、ずいぶん楽になりました。
始め方と工夫
Yさんは終業後の15分を、上司への報告、ふり返りのノート、手洗いの順にあてました。ノートには相談者のことは書かず、自分の気持ちとできたことだけを書きます。手を洗いながら「今日の受け持ちはここまで」と心の中で区切り、温かいお茶を座って飲みます。夫には「今日は重い電話があった」とだけ伝えると、夫は黙ってお茶の湯をわかしてくれるようになりました。
Yさんの例で効いたのは、気持ちを「消す」ことではなく、「渡すべき人に渡してから家に戻る」ことでした。報告をためこまなくなったことで、気がかりを一人で抱える時間そのものが短くなっています。
気をつけたいこと:セルフケアだけで抱え込まない
セルフケアは、心の疲れを軽くするための道具で、すべてを解決するものではありません。次のような場合は、工夫を続けるより先に、人に相談することを優先してください。
- 眠りや食欲の変化、気分の落ち込みが続いている
- 電話の着信音を聞くだけで、動悸がしたり涙が出たりする
- 休みの日も、相談のことが頭から離れない日が続く
- 職場で、上司や同僚からの厳しい言動が続いている
体や気持ちの変化が続くときは、かかりつけの医師や、心療内科・精神科などの医療機関に相談してください。この記事で紹介した工夫は一般的なセルフケアで、個別の症状への助言ではありません。
職場での厳しい言動は、セルフケアで解決する問題ではありません。雇われて働く人の、いじめ・嫌がらせやパワハラなどの職場の問題は、各都道府県労働局や労働基準監督署内などにある総合労働相談コーナーで、予約不要・無料で相談できます[4]。開設時間は場所によって違うので、事前に電話で確かめてから訪ねましょう。
業務委託で働いている人は、相談できる上司がいないことがあります。発注元の担当者に、重い相談のあとの対応を相談できるかを、契約の前に確かめておくと安心です。こころの耳のような外の窓口も、一人で働く人の支えになります。
電話の仕事が自分に合わないと感じたら、それは失敗ではありません。文字でやりとりする仕事や、人と話す量の少ない仕事を選ぶ道もあります。働き方を軸ごとに見直すときは、働き方に悩む看護師の決め方が役に立ちます。ただ、疲れ切っているときに大きな決断をする必要はありません。まず休んでから考える順番で十分です。
今日からできること
全部を一度に始める必要はありません。今夜は1つ目だけ、明日は2つ目、というように進めてみてください。
- 1ふり返りのノートを1冊決める
会社の記録とは別の、自分だけのノートを用意します。
- 2報告の方法を確かめる
気になる相談を、誰に、どの方法で伝えるかを確かめておきます。
- 3終わりの合図を1つ決める
手を洗う、温かい飲み物を飲むなど、五感に届くものを選びます。
- 4話せる相手を書き出す
職場で話せる人、気持ちを話せる家族、外の窓口を1つずつ。
- 51週間後に見直す
心の疲れの見直しの項目を確かめ、続かなかった習慣は入れ替えます。
在宅で働く準備から働き始めるまでの流れは、看護師の在宅ワークの始め方ガイドで全体を確かめられます。
よくある質問
重い相談のあと、涙が出てしまうのはおかしいですか?
おかしなことではありません。相手の気持ちに寄り添って聴いたからこそ、心が動くのは自然なことです。ただ、涙が止まらない日が続く、眠れないなどの変化が続くときは、ひとりで抱えずに医療機関に相談してください。
相談の内容を、家族に聞いてもらってもいいですか?
相談者のことは、名前を出さなくても話さないのが基本です。家族には「今日は重い電話があった」と、自分の気持ちだけを伝えましょう。仕事の中身を話したいときは、職場の上司や先輩に相談します。
ふり返りのノートには、何を書いてもいいですか?
相談者が特定できることは書かず、自分の気持ちと、できたこと、次の一手だけを書きます。会社の記録とは分け、家族の目に触れない場所にしまいましょう。家で情報を扱う決まりは在宅で働く看護師の個人情報と守秘義務にまとめています。
こころの耳は、どんなときに使えますか?
業務委託で働いていて、相談できる上司がいません。
発注元の担当者に、仕事の進め方や重い相談のあとの対応を相談できるかを確かめてみましょう。同じ仕事をしている人とつながれる場があるかも、聞いてみる価値があります。こころの耳は、働く人やその家族からの相談を受け付けています[1]。
電話の仕事は向いていないのかもしれません。辞めたほうがいいですか?
疲れ切っているときに、大きな決断をする必要はありません。まず休み、ふり返りや申し送りの習慣を試してから考えても遅くありません。それでも合わないと感じたら、文字でやりとりする仕事など、別の働き方を選ぶ道もあります。
夜間オンコールのあと、なかなか眠れません。
夜の仕事のあとも、申し送りと手洗いなど、区切りの動きを決めておくと切り替えやすくなります。眠れない日が続くときは、医療機関に相談してください。夜のオンコールのきつさについては、夜間オンコール代行の看護師の仕事はきつい?も参考になります。
まとめ
電話の仕事の心の疲れは、重い相談・厳しい言葉・判断の不安が、区切りのない家の中に残ることで深まります。疲れを感じるのは、相談者に真剣に向き合っている証でもあります。
- 心の疲れのサインを、週に1回、自分で見直す
- 重かった相談は、1件5分の型でふり返り、ノートを閉じて区切る
- 仕事の終わりは、会社と自分への「申し送り」で気がかりを手放す
- 職場・家族・外の窓口の3つに、話せる相手を持っておく
- 疲れが重く続くときは、セルフケアだけで抱えず、職場や医療機関に相談する
在宅での働き方や仕事選びに迷ったら、ひとりで抱えずに、LINEやフォームから気軽に相談してください。