働き方に悩む看護師の決め方|5つの軸で選ぶ

夜勤明けの朝、洗濯機が回る音を聞きながら、スマートフォンで求人アプリを開く。日勤のみのクリニック、在宅の電話相談、訪問看護。どれも少しずつよさそうで、どれも少しずつ不安です。気がつけば30分がたち、何も決めないままアプリを閉じて眠りにつく。

「もう辞めたい」と思う日もあれば、「やっぱりこの仕事が好き」と思う日もある。お給料が下がるのは困るけれど、このまま夜勤を続ける体力にも自信がない。頭の中で「でも」と「だって」が何度も行き来して、疲れだけがたまっていきます。

働き方に悩むのは、情報が足りないからとは限りません。多くの場合、時間・お金・体・家族・やりがいという、種類の違う悩みが一度に絡まっていて、どこから考えればいいのかが見えなくなっているのです。

絡まった糸も、1本ずつ引き出せばほどけます。迷いを5つの軸に分けて、今の働き方と候補を同じ物差しで採点する。そのうえで、自分がいちばん守りたいものを1つ決める。ここでは、その手順と、どうしても決めきれないときの小さな一歩を、順を追って紹介します。

働き方に悩んだら、何を基準に決めればいい?

働き方に悩んだら、時間・お金・体・家族・やりがいの5つの軸を基準にします。今の働き方と候補を、この5つで同じように採点し、自分がいちばん守りたい軸を1つ決めて比べると、迷いの正体が見えてきます。

看護師の働き方の悩みは、たいていこの5つのどれかに当てはまります。夜勤がつらいのは「体」と「時間」、子どもの行事に出られないのは「家族」、昇給が見込めないのは「お金」、患者さんとゆっくり話せないのは「やりがい」。1つの悩みに見えても、2つ以上の軸がからんでいることがよくあります。

1つの軸だけで決めると、ほかの軸で後悔しやすくなります。お給料だけで夜勤の多い職場を選ぶと、半年後に体がついていかなくなる。時間だけで選ぶと、やりがいを感じられずに物足りなくなる。5つを並べて見ることで、「何を得て、何を手放すのか」を自分で選べるようになります。

働き方を決める5つの軸と、考えること
軸考えること数字にするときの例
時間働く時間帯・日数・通勤夜勤の回数、通勤の往復の分数
お金毎月必要な額と、手元に残る額月の手取り、毎月の不足額
体疲れの残り方・睡眠・持病夜勤明けに回復するまでの日数
家族子育て・介護・一緒に過ごす時間家族と夕食をとる日の数
やりがい好きな仕事か、役に立つ実感「よかった」と思えた場面の数

編集部まとめ

働き方を変えるのは、特別なことではありません。日本看護協会の調査(労働政策研究・研修機構の紹介による)では、2024年度の病院の正規雇用看護職員の離職率は11.0%でした[1]。病院に勤める正規の看護職員の、およそ9人に1人が1年のうちに職場を離れている計算です。悩みながら次の働き方を探しているのは、あなただけではありません。

在宅勤務と病院勤務のどちらが合うかを先に知りたい方は、在宅勤務のメリットとデメリットを病院勤務と比べた記事で、6つの面から比べています。ここでは、どんな候補にも使える「決め方」そのものに絞って進めます。

5つの軸で、今の働き方を採点するには?

候補を考える前に、まず今の働き方を採点します。今の点数がないと、候補がよいのか悪いのかを比べようがないからです。1つの軸に1〜5点をつけ、「5=とても満足」「3=どちらとも言えない」「1=かなりつらい」とします。

点をつけるときは、その日の気分ではなく、最近1か月の出来事を思い出して答えます。軸ごとに、次の質問を自分に聞いてみてください。

  • 時間:勤務表を見て、ため息が出た週は何回あったか
  • お金:今の収入で、毎月の支払いと貯金に足りているか
  • 体:夜勤明けや連勤のあと、何日で疲れが抜けるか
  • 家族:家族の予定に合わせられなかった日は何日あったか
  • やりがい:仕事で「よかった」と思えた場面を3つ挙げられるか
今の働き方の採点の記入例(40代・病棟勤務の場合)
時間5段階中2
お金5段階中4
体5段階中2
家族5段階中2
やりがい5段階中4

この記入例では、お金とやりがいは4点ですが、時間と体と家族が2点です。合計は14点。ただ、合計点を見ただけでは決められません。大事なのは、どの軸が低くて、その低さが自分にとってどれくらいつらいかです。同じ2点でも、「時間の2点」はまだ我慢できて、「体の2点」はもう限界、ということがあります。

採点は、紙に書いて残しておきます。スマートフォンのメモでもかまいませんが、1か月後に見返せる形にしておくと、点数の動きから本音が見えてきます。夜勤明けの日には点が下がり、連休明けには上がる。その揺れも大事な材料です。1週間あけて2回採点し、平均をとると、気分に引っぱられにくくなります。

点数の横には、ひと言の理由を書き添えます。「体2点:夜勤明けに2日寝込む」「家族2点:運動会に出られなかった」。理由があると、あとで候補と比べるときに、何が変われば点が上がるのかがはっきりします。

点がつけにくい軸があるときは

いちばん点をつけにくいのは、やりがいの軸かもしれません。毎日が忙しいと、「好きかどうか」を考える余裕がないからです。そんなときは、最近1か月で心が動いた場面を書き出してみます。退院の日に患者さんから手を握られた、新人さんが一人で処置をできるようになった。場面が3つ以上浮かぶなら4点か5点、1つも浮かばないなら1点か2点が目安です。

お金の軸も、なんとなくで点をつけがちです。毎月の支払い(家賃やローン、教育費、保険)と、貯金にまわしたい額を書き出し、今の手取りと比べてみてください。毎月いくら足りないのか、いくら余裕があるのかが分かると、候補の収入が下がったときに「どこまでなら大丈夫か」の線も引けます。

候補の働き方も、同じ物差しで比べるには?

今の点数が出たら、次は候補です。候補は2〜3つに絞ります。それ以上あると、比べるだけで疲れてしまいます。「今の職場で夜勤を減らす」のように、職場を変えない選択肢も1つ入れておくと、比べるときに視野が狭くなりません。

今の働き方と候補を5つの軸で採点した記入例
軸今の病棟夜勤を減らす日勤の外来在宅の電話相談
時間2345
お金4332
体2344
家族2345
やりがい4433
合計14161819

編集部まとめ

候補の点数は、まだ働いていない分だけ想像が入ります。想像だけで点をつけると、隣の芝生が青く見えて、候補の点が高くなりがちです。点をつけたら、その根拠を1つずつ確かめていきます。

  • 時間:求人票の勤務時間と休日、シフトの決め方
  • お金:時給や月給から計算した、月の収入の目安
  • 体:立ち仕事か座り仕事か、夜間の勤務があるか
  • 家族:急な休みのときに、代わりの人がいるか
  • やりがい:仕事の中身を、働いている人や面接で聞く

お金は、時給×1日の時間×週の日数×4.3(1か月の週の数)で目安が出せます。たとえば時給1,700円で1日6時間、週4日働くと仮定すると、1,700×6×4×4.3で約17万5千円です。税金や社会保険料が引かれる前の額なので、手取りはこれより少なくなります。在宅の仕事の時給で計算してみたいときは、当サイトの月収シミュレーターが使えます。

在宅の仕事を候補に入れる場合は、仕事の種類によって時間帯も収入も大きく変わります。電話健康相談、夜間オンコール代行、オンラインの保健指導などの違いは、看護師が在宅でできる6つの仕事で比べられます。在宅で働くこと自体が自分に向くかどうかは、在宅ワークに向いている人・向いていない人のセルフチェックで確かめておくと安心です。

優先順位は、どうつければいい?

優先順位は、5つの軸を「守る軸」1つ、「調整する軸」2つ、「今は手放す軸」2つに分けてつけます。全部を同じように大事にしたい気持ちは自然ですが、5つすべてが満点の働き方は、まずありません。分けることで、合計点では見えなかった差が出てきます。

5つの軸に優先順位をつける(上ほど大事)
  1. 守る軸(1つ):ここが下がる働き方は選ばない
  2. 調整する軸(2つ):少し下がっても、工夫で補う
  3. 今は手放す軸(2つ):この時期は低くてもよしとする

守る軸は、今の暮らしでいちばん削れないものです。子どもが小さい時期なら家族、体調を崩しかけているなら体、住宅ローンや学費の支払いが重いならお金。ここは1つだけ選びます。2つ選ぶと、どちらも守れない候補ばかりが残りがちです。

優先順位が決まったら、軸ごとに重みをつけて計算し直します。守る軸の点は3倍、調整する軸は2倍、手放す軸はそのままです。先ほどの記入例で、家族を守る軸、時間と体を調整する軸にすると、今の病棟は2×3+(2+2)×2+4+4で22点、在宅の電話相談は5×3+(5+4)×2+2+3で38点になります。合計点では5点しかなかった差が、16点まで広がりました。

守る軸を変えると、点数の差も変わります。調整する軸は時間と体のまま、守る軸をお金に替えて計算し直すと、在宅の電話相談は38点から32点に下がり、日勤の外来と同じ点に並びます。どちらが正しいということはなく、点数の差は、そのまま「自分が何を大事にしているか」の表れです。

守る軸を変えたときの、重みつきの点数(記入例)
候補家族を守る軸にした場合お金を守る軸にした場合
今の病棟2226
夜勤を減らす2828
日勤の外来3432
在宅の電話相談3832

編集部まとめ

守る軸を決めかねているときは、2通りで計算して見比べるのも1つの方法です。どちらの計算でも上位に残る候補は、自分にとって外れにくい選択肢だと考えられます。

守る軸を1つに決める

今の働き方を続けると、半年以内に体や心の不調が出そうですか?

はい

体を守る軸にします。すでに不調があるなら、働き方を考える前に受診や休養を優先してください。

いいえ

次の質問へ進みます。

子育てや介護など、時間を合わせなければならない家族の予定がありますか?

はい

家族を守る軸にし、時間を調整する軸に入れましょう。

いいえ

次の質問へ進みます。

収入が月に数万円下がると、毎月の支払いが回らなくなりますか?

はい

お金を守る軸にして、ほかの軸は工夫で補う道を探しましょう。

いいえ

時間とやりがいのうち、満たされていないほうを守る軸にしましょう。

人間関係のつらさは、5つの軸のうち「体」と「やりがい」の点を下げます。ただ、人間関係は職場を変えなくても、部署の異動や距離の取り方で変わることがあります。環境を変える前にできることは、看護師の人間関係に疲れたときにまとめました。

優先順位は、暮らしの時期によって変わってかまいません。子どもが小学校に上がる、親の介護が始まる、自分が更年期にさしかかる。そのたびに守る軸は動きます。年に1回、誕生日や年度の変わり目に採点し直すと、働き方を見直すきっかけになります。40代で転職を考えている方は、40代の看護師の転職先の選び方で、10年後から逆算する考え方も紹介しています。

決めきれないときは、どうする?

点数が近くて決めきれないときは、大きく決めずに、小さく試してから決めます。試すと、候補の点数の根拠が「想像」から「経験」に変わり、迷いが減ります。試し方は、副業で試す、話を聞く、期限を決めて今の職場で試す、の3つです。

大きく決める場合と、小さく試してから決める場合

先に大きく決める

  • 今の職場を辞めてから、次を探す
  • 合わなかったときに戻りにくい
  • 想像の点数のまま決めることになる

小さく試してから決める

  • 今の仕事を続けながら、候補を少し体験する
  • 合わなければ、やめて別の候補へ移れる
  • 点数の根拠が、想像から経験に変わる

副業で試す

候補が在宅の仕事なら、今の仕事を続けたまま、休みの日に少しだけ試す方法があります。医療の体験記事を1本だけ書いてみる、短時間の在宅の仕事に月に数回だけ入ってみる、といった形です(最低の勤務日数を決めている求人もあるので、条件は先に確かめます)。実際にやってみると、採点した点数が想像と合っていたかどうかがはっきりします。どんな副業があるかは、看護師が副業でできる在宅ワークで整理しています。

副業を始める前に、勤め先の就業規則を確かめてください。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、原則として副業・兼業を認める方向とすることが適当としつつ、労務提供上の支障がある場合などは企業が制限できる例も挙げています[2]。ガイドラインは法律ではないので、最後は勤め先のルールに従い、許可が必要なら手続きをとります。公務員として働いている場合は、許可や承認の仕組みが法律で決められています[3][4]。

勤め先から給与を1か所で受けている人は、給与所得・退職所得以外の所得(業務委託の副業なら、収入から経費などを引いた額)の合計が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります[5]。副業でも給与を受ける場合など、副業の形によって条件が変わるので、くわしくは看護師が副業すると確定申告は必要?で確かめてください。

副業で試すときのよいところ・気をつけたいところ

よいところ

  • 今の収入を保ったまま、候補を体験できる
  • 合わなければ、やめるだけで済む
  • 採点の根拠が、想像から経験に変わる

気をつけたいところ

  • 就業規則で禁止や許可制になっていることがある
  • 休みが減り、体の点がさらに下がることがある
  • 所得によっては確定申告が必要になる

話を聞く

試す時間がとれないときは、話を聞くだけでも点数の確かさが上がります。聞く相手は、その働き方をしている人、求人を出している会社、働き方の相談を受ける窓口の3つです。

その働き方をしている元同僚や知人がいれば、「1日の流れ」「つらいこと」「続けている理由」の3つを聞いてみてください。会社には、応募の前に問い合わせたり、面接で質問したりできます。面接は選ばれる場であると同時に、自分が確かめる場でもあります。

相談の窓口には、都道府県ナースセンターがあります。都道府県知事が指定するナースセンターは、無料の職業紹介のほか、研修や情報提供、相談などのサービスを行っています[6]。在宅の仕事の選び方については、当サイトでも無料で相談を受け付けています。

期限を決めて、今の職場で試す

候補に「今の職場で夜勤を減らす」が入っているなら、上司に相談して、期間を区切って試す方法もあります。3か月試したら、5つの軸でもう一度採点し、体と家族の点が上がったかを確かめる。上がらなければ、次の候補へ進む。採点し直す日を先に決めておくと、「もう少し様子を見よう」が何年も続くのを防げます。

子育てや介護をしながら雇われて働く人には、仕事と両立するための制度もあります。どんな制度があるかは、在宅勤務のメリットとデメリットの中で一覧にしています。制度を使って点が上がるなら、職場を変えずに済むこともあります。

モデルケース:5つの軸で採点し、収入より時間を優先すると決めたBさん

モデルケース(架空の例)

5つの軸で採点し、収入より時間を優先。夜勤をやめて在宅の電話相談へ

  • 月4回0回夜勤の回数
  • 週2日週5日家族と夕食をとる日
  • 1年以上迷った採点から6週間働き方を決めるまでの期間

このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。

成果

Bさんは、今の働き方と3つの候補を5つの軸で採点し、「家族」を守る軸に決めました。採点から6週間で心が決まり、引き継ぎを終えた半年後に外科病棟を退職しました。いまは在宅の電話健康相談のパートとして、平日の日中に週4日働いています。月の収入はおよそ8万円下がりましたが、それは家族との時間を選ぶと自分で決めたうえでの変化です。

Bさん:点数にしてみて、初めて「私はお金より時間がほしかったんだ」と分かりました。

背景

Bさんは看護師になって20年、そのうち15年を外科病棟で働いてきました。夫は営業職で帰りが遅く、中学1年の長男と小学4年の長女がいます。2交代の夜勤は月4回。夜勤の日は、子どもたちが2人だけで夕食をとっていました。

困っていたこと

40代に入ってから、夜勤明けの疲れが2日抜けなくなりました。休みの日も寝て終わることが増え、長女の授業参観には2回続けて行けませんでした。辞めることも考えましたが、夜勤手当がなくなると家計が苦しくなる。日勤のクリニックか、在宅の仕事か、今の病棟で夜勤を減らすか。求人を見ては閉じる日が、1年以上続いていました。

Bさん:どれを選んでも何かをあきらめる気がして、選べなかったんです。

選んだ理由

採点の結果、合計点では日勤の外来と在宅の電話相談がほぼ同じでした。ところが、家族を守る軸にして重みをつけると、平日の日中だけ働ける在宅の電話相談がはっきり上になりました。お金の点は夫と話し合い、「子どもが高校に上がるまでは、月8万円の差を支出の見直しと貯金で埋める」と決めました。夫も「夕方に誰かが家にいるなら、そのほうがいい」と賛成してくれました。

始め方と工夫

すぐには辞めず、まず話を聞くことから始めました。在宅の電話相談で働く元同僚に1日の流れを聞き、応募先の面接では研修の形と、子どもの急な発熱のときの休み方を質問しました。働き始めて3か月後にもう一度採点すると、家族は5点、体は4点になりました。やりがいは3点のままですが、相談の電話で「話せてよかった」と言われる日は、やっぱりこの仕事が好きだと感じています。

Bさんの例で決め手になったのは、点数の高さそのものより、「何を手放すか」を自分で決めたことでした。収入が下がることを、夫と数字で見通しておいたことも、決めたあとに揺れないための支えになりました。

Bさんの優先順位の変化(モデルケース)

以前

お金を手放せず、5つの軸を全部守ろうとして決められない

いま

家族を守る軸に。時間と体は調整、お金とやりがいは今は手放す

気をつけたいこと:点数だけで決めない

5つの軸の採点は、考えを整理するための道具です。点数が高い候補が、いつも自分に合うとは限りません。採点を使うときに気をつけたいことを、3つ挙げます。

1つ目は、体や心が限界に近いときは、採点より先に休むことです。眠れない、食欲がない、出勤しようとすると涙が出る。そんな状態のときは冷静に点をつけられず、どの候補も低く見えてしまいます。まずは医療機関を受診し、休むことを優先してください。働く人の悩みは、厚生労働省の「こころの耳」で、電話・SNS・メールで相談できます(匿名・無料)[7]。

採点より先に休みたいサイン

  • 2週間以上、眠れない日や食欲のない日が続いている
  • 出勤の前に、動悸や涙が止まらなくなる
  • 休みの日も、仕事のことが頭から離れない

2つ目は、点数に表れないものを見落とさないことです。通勤の安全、職場の雰囲気、10年後の自分の姿。5つの軸に入りきらない心配があれば、採点表の下に「メモ」の欄を作って書き足しておきます。メモの中に、点数より大事なことが隠れている場合もあります。

3つ目は、候補の弱いところも同じだけ調べることです。在宅の仕事にも、相談相手が近くにいない、体を動かす機会が減る、収入に上限があるといったデメリットがあります。始める前に知っておきたい点は、看護師の在宅ワークのデメリットにまとめています。よいところだけを見て採点すると、働き始めてから点数が下がってしまいます。

今日からできること

採点に必要なのは、紙とペンと30分だけです。今夜すべてを決める必要はありません。今の働き方を採点するところまで進めば、それだけで迷いの形が見えてきます。

今夜からできる、5つの軸の採点
  1. 1紙を1枚用意する

    5つの軸を縦に、今の働き方と候補を横に並べた表を書きます。

  2. 2今の働き方を採点する

    最近1か月を思い出し、1〜5点とひと言の理由を書きます。

  3. 3候補を2〜3つ書く

    職場を変えない選択肢も、1つ入れておきます。

  4. 4守る軸を1つ選ぶ

    分かれ道の図を使い、守る・調整する・手放すに分けます。

  5. 5小さな一歩を1つ決める

    話を聞く人か、試してみる仕事を1つだけ決めます。

採点表を作るときの確認

チェックした数:

候補に在宅の仕事が入ったら、準備から働き始めるまでの流れを看護師の在宅ワークの始め方ガイドで確かめておくと、次の一歩が具体的になります。

よくある質問

働き方に悩んで、何から考えればいいか分かりません。

まず、今の働き方を時間・お金・体・家族・やりがいの5つの軸で、1〜5点で採点してみてください。点の低い軸が、悩みの中心です。候補を探すのは、そのあとで十分です。

どの候補も、合計点が同じくらいになってしまいます。

守る軸を1つ決めて、その軸の点を3倍にして計算し直すと差が出ます。それでも決まらないときは、副業で試す、働いている人に話を聞くなど、小さく試して点数の根拠を確かめましょう。

家族と自分で、大事にしたい軸が違います。

家族の軸は、家族と一緒に採点するのがいちばんです。お互いが守りたいものを1つずつ出し合うと、どこまでなら譲れるかが話しやすくなります。在宅で働く場合の家族との約束は、在宅で働くことを家族にわかってもらう方法にまとめています。

今の職場に、働き方を変えたいと相談してもいいですか?

相談してかまいません。夜勤の回数や部署の異動など、職場を変えずに点が上がることもあります。採点表を持っていくと、何に困っていて、何が変われば続けられるのかを具体的に伝えられます。

一度決めた働き方が合わなかったら、どうすればいいですか?

働き方は、また変えることができます。在宅の仕事を経て、病院などの臨床に戻る道もあります。戻るときの準備は在宅から臨床に戻るときの準備で紹介しています。

年齢を考えると、今から働き方を変えるのは遅いですか?

遅いかどうかは、年齢より、守りたい軸と候補の条件で決まります。働いている看護師の年齢は45〜49歳が13.7%でいちばん多く、40〜59歳の各年齢階級の割合を足すと47.1%になります(令和6年末)[8]。40代・50代は、働く看護師のおよそ半分を占める年代です。経験が条件になる仕事もあり、在宅の夜間オンコールの求人の一例(2026年10月8日に確認)では、看護師の実務経験丸5年以上が応募の条件でした[9]。50代の方は50代からの看護師の働き方も参考にしてください。

働き方の相談は、どこでできますか?

都道府県ナースセンターでは、無料の職業紹介や相談を受け付けています[6]。在宅の仕事について聞きたいときは、当サイトの無料相談も使えます。

まとめ

働き方に悩むのは、時間・お金・体・家族・やりがいという、種類の違う悩みが一度に絡まっているからです。5つの軸で今の働き方と候補を同じ物差しで採点し、守る軸を1つ決めると、何を得て何を手放すのかを自分で選べるようになります。

  • 今の働き方を、最近1か月の出来事をもとに1〜5点で採点する
  • 候補は2〜3つ。職場を変えない選択肢も入れておく
  • 守る軸を1つ決め、重みをつけて比べ直す
  • 決めきれないときは、副業で試す・話を聞くで小さく確かめる

採点した表を見ながら、誰かと一緒に考えたくなったら、LINEや下のフォームから気軽にご相談ください。

zaitakuwork

ほいくの相談室 編集部。保育士の方からの相談で多く聞かれる悩みをもとに、公的な資料で確認できる情報をまとめています。