家族のがんでかかるお金は、「平均でいくら」より「わが家の上限はいくらか」を確かめるほうが、ずっと確かな見通しになります。医療費には1か月ごとの自己負担の上限があり、その額は年齢と所得で決まるため、同じ治療を受けても、家庭によって支払う額が違うからです。
治療がいつまで続くか、介護がどのくらい必要になるかは病状によって大きく変わり、前もって言い切ることはできません。それでも、使える制度を「医療費」「収入」「介護」「税金」の4つに分けて押さえておけば、どこから先を制度が支えてくれるのかが見えてきます。ネットで見かける金額の表には、2026年8月の高額療養費の見直しより前のものも多く、そのまま当てはめると見通しを誤ります。
請求書を前に、一人で計算している方へ
- 請求書が届くたびに、心臓がぎゅっと縮む。治療がいつまで続くのかも分からない。
- 介護が始まったら、いったいいくらかかるのか見当もつかない。
- 本人には言えず、夜中に一人で通帳とにらめっこしている。
この記事で分かること
- 家族のがんで使えるお金の制度を、4つの層で見渡す方法
- 1か月の自己負担を、わが家の数字で見積もる手順
- 高額療養費、限度額適用認定証、傷病手当金、障害年金、介護保険、医療費控除の要点
- お金の相談を、どこに、どの順番でするか
家族のがんで治療費や介護費がどれくらいかかるのか不安です。使える制度と備え方は何ですか?
使える制度は「医療費の上限」「収入が減ったときの給付」「介護の費用」「税金の控除」の4つの層に分けると整理できます。備えの第一歩は、本人が加入している健康保険の名前と、1か月の上限額を確かめることです。
お金の不安が大きくなるのは、出ていく額の天井が見えないときです。実際には、高額療養費制度があるので、医療費の自己負担がどこまでも増え続けることはありません。収入が止まったときには傷病手当金や障害年金、介護には介護保険、年が明けてからは医療費控除が控えています。ただ、制度ごとに窓口も手続きも別々で、申請しなければ動き出さないものも多くあります。まずは一覧にして、どれがわが家に関係するかを確かめるところから始めます。
- 1医療費の上限高額療養費制度。マイナ保険証なら窓口の支払いも上限までになる
- 2収入が減ったとき本人の傷病手当金・障害年金、家族の介護休業給付金
- 3介護の費用介護保険(要介護認定が必要)。訪問看護は医療保険になる場合もある
- 4税金医療費控除(その年に支払った医療費が一定額を超えたとき)
1か月の自己負担は、どうやって見積もればいいですか?
「医療費の上限額」「上限の外にかかる費用」「介護サービスの自己負担」「家族の交通費や収入の減少」の4つの箱に分けて書き出します。平均額を探すより、この4つを埋めるほうが、わが家に合った目安になります。
1つ目の箱は、医療費の上限額です。加入先の健康保険に問い合わせれば、本人の年齢と所得区分での1か月の上限額を教えてもらえます。2つ目は、上限の計算に入らない費用です。入院中の食事代や、希望して個室に入ったときの費用、病院までの交通費、パジャマや紙おむつなどの日用品がここに入ります。何が上限の計算に含まれないかは、病院の会計窓口で確かめられます。
3つ目は、介護保険のサービスを使うようになったときの自己負担、4つ目は、家族の側の出費と収入の変化です。遠方から通う交通費や、付き添いで仕事を休んだ分の収入の減少も、家計から見れば同じ「がんにかかるお金」です。4つの箱を並べると、制度で抑えられる部分と、家族で工夫が必要な部分が分かれて見えてきます。
| 箱 | 中に入るもの | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 医療費の上限額 | 診察・検査・薬・入院の医療費の自己負担 | 加入先の健康保険 |
| 上限の外の費用 | 入院中の食事代、希望した個室の費用、交通費、日用品 | 病院の会計窓口 |
| 介護の自己負担 | ヘルパーや介護用品など、介護保険のサービスの負担分 | ケアマネジャー、市区町村の窓口 |
| 家族の出費と収入 | 付き添いの交通費、仕事を休んだ分の収入の減少 | 家族の家計簿、勤務先の人事 |
高額療養費制度で、医療費の上限はどう決まりますか?
1日から月末までの1か月に、医療機関や薬局の窓口で払った額が上限を超えた場合、超えた分が支給される仕組みです。上限額は年齢と所得区分で決まり、2026年8月から月の上限額が見直され、8月から翌年7月までの年間上限も新しく設けられました。
同じ健康保険に入っている家族(被保険者と被扶養者)の、同じ月の自己負担を合わせて計算する「世帯合算」もあります。70歳未満の方は、一定額以上の負担だけが合算の対象です。また、直近12か月のうち3か月以上上限に達していると、4か月目から上限が下がる「多数回該当」という仕組みがあり、治療が長く続く家庭の支えになります。多数回該当の金額は、2026年8月の見直しでも据え置かれました。
新しくできた年間上限を超えた分の払い戻しの手続きは加入先ごとに違い、協会けんぽでは申請の受け付けが2027年8月から始まる予定です。2027年8月からは、所得区分の細分化なども予定されています。上限額はこの先も変わっていくので、ネットで見つけた表の金額を当てにせず、加入先に直接尋ねるのが確実です。
- 2026年8月以降の、本人の1か月の上限額
- 8月から翌年7月までの年間上限と、払い戻しを受ける手続き
- 同じ保険に入っている家族と合算できるか(世帯合算)
- 多数回該当になる条件と、そのときの上限額
- 窓口での支払いを上限までにするために、別の手続きが要るか
- 会社員などの場合、傷病手当金の条件と申請書の取り寄せ方
窓口で高い金額を払わずに済む方法はありますか?
マイナ保険証で受診すれば、限度額適用認定証がなくても、窓口の支払いは月の上限額までになります。ただし、マイナ保険証に対応していない医療機関や、所得の低い区分の方、資格確認書で受診する方は、事前の手続きが要る場合があります。
2025年12月1日をもって従来の健康保険証の有効期限は終わり、受診にはマイナ保険証か資格確認書を使います。資格確認書は、マイナ保険証を持っていない人などに、当分の間、申請なしで無償で交付されています。マイナ保険証で受診する場合について、協会けんぽは限度額適用認定証の申請を「不要」としています。一方で、マイナ保険証に対応していない医療機関では認定証が必要になり、所得の低い区分の方は、マイナ保険証でも「限度額適用・標準負担額減額認定証」の申請が必要です。
資格確認書で受診している方は、事前に加入先へ申請して認定証を受けるか、資格確認書に所得区分を記載してもらう手続きが必要になる場合があり、どちらの方法かは加入先によって違います。認定証は「もう要らない」と思い込まず、入院や高額な治療の予定が分かった時点で、本人の受診のしかたに合わせて確かめておきます。協会けんぽが2026年8月以降に交付する認定証の有効期限は、最長で2027年7月31日です。
| 受診のしかた | 必要な手続き | 確かめる先 |
|---|---|---|
| マイナ保険証(対応している医療機関) | 原則として不要(協会けんぽは申請不要) | 加入先の健康保険 |
| マイナ保険証に対応していない医療機関 | 限度額適用認定証が必要 | 加入先の健康保険 |
| 資格確認書で受診 | 認定証の申請か、資格確認書への所得区分の記載が必要な場合がある | 加入先(方法は保険者で異なる) |
| 所得の低い区分の方 | マイナ保険証でも減額認定証の申請が必要 | 加入先の健康保険 |
働けなくなって収入が減ったときは、どんな支えがありますか?
本人が会社員などで健康保険に入っていれば、療養のために働けず給与が出ない日に傷病手当金が出ます。病気が長引いて生活や仕事への支障が続く場合は、障害年金の対象になることもあります。家族が介護で休むときは、雇用保険の介護休業給付金があります。
傷病手当金は、業務外の病気やけがの療養で仕事に就けず、給与が出ないときの給付です。受け取るには、待期と呼ばれる連続3日間を含めて、4日以上仕事に就けなかったことが条件になります。待期の3日間には、有給休暇を使った日や土日祝日も数えられます。1日あたりの額は、標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2、支給期間は支給を始めた日から通算して1年6か月です。任意継続の期間中に発生した病気は対象外で、退職したあとも受け取り続けるには条件があるため、退職を考えたときは、手続きの前に勤務先と加入先に相談してください。
障害年金は、がんも対象になり得る年金で、障害認定基準には「悪性新生物による障害」の節があります。手がかりになるのは、初診日(その病気で初めて医師の診療を受けた日)と障害認定日(原則として初診日から1年6か月後)で、保険料の納付要件もあります。がんだからといって必ず受け取れるものではないので、対象になるかは年金事務所や街角の年金相談センターで相談します。初診日を確かめる書類が必要になることがあるため、最初にかかった医療機関の名前と時期を、今のうちに家族でメモしておくと後で慌てません。
家族が介護のために仕事を休む場合は、介護休業(要介護状態の家族1人につき通算93日まで、3回まで分割できる)の期間に、条件を満たせば雇用保険から介護休業給付金が出て、その額は原則「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算されます。休みの組み立て方は[gk_link to=”post:caregiving-leave-work-balance”]介護休業の使い方と会社への伝え方[/gk_link]で詳しく扱っています。
本人が働けないとき
- 傷病手当金(会社員などの健康保険。国民健康保険は原則なし)
- 障害年金(初診日・障害認定日・保険料の納付要件が手がかり)
家族が介護で休むとき
- 介護休業給付金(雇用保険。介護休業の期間)
- 有給や介護休暇(介護休暇の給与の扱いは就業規則で確認)
介護が必要になったら、費用の負担はどうなりますか?
介護保険を使えば、サービスの費用の一部を自己負担する形になります。65歳以上は原因を問わず、40〜64歳はがん(医師が回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの)が原因のときに、要介護認定を受けて使えます。負担の割合は所得などで決まります。
介護保険の申請は市区町村の窓口で行い、認定の結果は原則30日以内に届きます。40〜64歳の方の対象になる「がん」について、厚生労働省は「医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る」と表記しています。どちらの年齢でも、要介護・要支援の認定を受けることが前提です。
自宅で療養する場合は、訪問看護をどの保険で受けるかにも注意が要ります。要介護認定を受けている人の訪問看護は基本的には介護保険からですが、末期の悪性腫瘍の方は医療保険で受け、医療保険の訪問看護の日数制限(原則週3日以内)もかかりません。どちらの保険になるかは、利用者の希望では選べません。介護保険にも、1か月の自己負担が高くなったときの仕組みや、医療と介護の自己負担を合わせて軽くする仕組みがあるので、対象になるかを市区町村の窓口やケアマネジャーに尋ねてください。在宅療養で使えるサービスの組み立て方は、[gk_link to=”post:home-care-family-burden”]在宅療養で家族の負担を減らす仕組み[/gk_link]にまとめています。
介護保険の2割負担の対象を広げるかどうかは議論が続いていますが、2026年9月の時点では結論が出ておらず、政府の方針では「2026年度中に結論を得る」とされています。「もう負担が上がった」という話を見かけても、まだ決まっていない段階です。
Q1本人は65歳以上ですか
はい要介護・要支援と認定されれば、原因を問わず使える
いいえ次の問いへ進む
Q2本人は40〜64歳で、医師が回復の見込みがない状態に至ったと判断したがんですか
はい特定疾病として、要介護認定を受けて使える
いいえ状態が変わったら改めて相談する。医療保険の訪問診療や訪問看護は年齢にかかわらず使える
医療費控除は、家族が払った分も使えますか?
使えます。自分や、生計を一にする配偶者・親族のために、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が一定額を超えると、確定申告で所得控除を受けられます。高額療養費などで戻った分は差し引いて計算します。
控除額は、支払った医療費から、保険金などで補てんされる金額と一定の額を差し引いたもので、上限があります。差し引く一定の額は所得によって変わり、所得が一定より少ない人は、その人の所得の5%が基準になります。「決まった額を超えないと使えない」と思い込んでいる方もいますが、所得の少ない家族が支払って申告する場合などは、基準が下がることがあります。
誰の申告で控除を受けるかは、生計を一にしているかどうかと、誰が支払ったかで変わります。たとえば、親の医療費を同居の子どもが払っているなら、その子どもの確定申告で使える場合があります。どれが控除の対象になるかは、国税庁の説明や税務署で確かめてください。市販薬などを対象にしたセルフメディケーション税制とは、どちらか一方を選ぶ仕組みです。領収書は月ごとにまとめ、高額療養費の支給の通知や民間の保険の給付の通知と一緒に保管しておくと、申告のときに慌てません。
お金の相談は、どこに、どの順番ですればいいですか?
最初の入口は、病院の医療ソーシャルワーカーか、がん相談支援センターです。そこで関係する制度を絞り込んでから、上限額は加入先の健康保険、障害年金は年金事務所、介護保険は市区町村の窓口と、個別の窓口に進むと、あちこち回らずに済みます。
医療ソーシャルワーカーは、病院などで、患者さんや家族が抱える経済的・心理的・社会的な問題の解決や調整を援助する専門職で、使える行政サービスの相談にも応じます。相談室の名前は病院ごとに違うので、会計窓口や病棟で「お金のことを相談できる窓口はどこですか」と尋ねてください。がん診療連携拠点病院などにあるがん相談支援センターも、家族だけでも、その病院に通っていなくても、無料・匿名で話を聞いてくれます。
障害年金の手続きは、年金事務所や街角の年金相談センターのほか、社会保険労務士に相談する家族もいます。がんと家族の相談室は、医療機関や士業から紹介料を受け取っていません。介護などの専門サービスを紹介した場合には、提携事業者から紹介手数料を受け取ることがあり、そのことは運営者情報で開示しています。相談室が電話でできるのは、お金の見通しについて、どの窓口に何を聞けばいいかを一緒に整理することで、紹介を断っても費用はかかりません。
家族のがんとお金
- 加入先の健康保険上限額、限度額適用認定証、世帯合算、傷病手当金の条件
- 勤務先の人事傷病手当金の申請書、介護休業と給付金の手続き
- 年金事務所・街角の年金相談センター障害年金の要件と、初診日の確かめ方
- 市区町村の窓口・地域包括支援センター介護保険の申請と、自己負担の確認
- 税務署医療費控除の対象と、誰の申告で使うか
- 医療ソーシャルワーカー・がん相談支援センターどの制度から手をつけるかの整理
請求書を前に眠れなかった娘は、どう動いた?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談のあと、彼女は母と二人で、ノートの見開きに4つの箱を書きました。父の加入する健康保険に電話して2026年8月以降の上限額を確かめ、父は資格確認書で受診していたため、限度額適用認定証の申請のしかたも尋ねて、次の入院の前に手続きを済ませました。上限の外にかかる費用は、病院の会計窓口で聞いて書き込みました。父の勤務先には傷病手当金の申請書を頼み、医療ソーシャルワーカーとの面談の予約も取れました。毎晩のように通帳を開いていた母は、月に一度、第1日曜に娘と一緒に見ることにしてから、夜に電話をかけてこなくなったといいます。「数字が見えたら、怖さが半分になった」と彼女は話します。
2. 相談を考えた背景
父のがんが分かったのは去年の冬でした。最初の入院のあとに届いた請求書を見て、母が夜中に電話をかけてきました。「こんなの、払い続けられない」。父は「お金のことは心配するな」と言うばかりで、どの保険に入っているのかも話そうとしません。入院のたびに仕事を休み、給与も減っていました。
3. 相談する前に困っていたこと
彼女は「がん 治療費 平均」と検索し、記事ごとに違う金額を見比べては不安を募らせていました。高額療養費という言葉は知っていても、記事に載っている上限額の表が古いのか新しいのか分からない。傷病手当金も、父が対象になるのか見当がつかない。母の前では落ち着いたふりをして、帰りの電車で同じ検索をくり返していたそうです。
4. ここを選んだ理由・決め手
病院の相談窓口は平日の日中しか開いておらず、仕事を抜けられませんでした。最初は夜中にLINEで「父のお金のことで、母が泣いています」とだけ送り、翌朝に届いた返事を読んでから、フォームで平日の昼休みの折り返しを頼みました。名前を出さずに、まず文字で送れたことが、一歩目の背中を押したといいます。
5. 相談で話したこと・その後
電話では、担当が彼女の話を聞いたあと、4つの箱の考え方と、制度の一般的な仕組みを伝えました。父の治療がいつまで続くか、総額がいくらになるかについて、担当は予測していません。加入先に聞くことは電話の中で一緒に書き出し、医療ソーシャルワーカーとの面談で聞く質問は3つにまとめて、メモで送りました。加入先の電話は2日続けて混み合ってつながりませんでしたが、3日目の朝につながりました。父には「治療に集中してもらいたいから、保険の名前だけ教えて」と頼み、その夜、父は黙って財布から資格確認書を出してくれたそうです。
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
病院のスタッフに聞く質問例
- この病院で、お金や制度のことを相談できる窓口はどこですか。
- 入院中にかかる費用のうち、高額療養費の上限の計算に含まれないものを教えてください。
- 今後の治療は入院と通院のどちらが中心になりそうですか。費用の見通しを立てたいです。
- 障害年金の相談をするときに、病院でお願いできる書類はありますか。
- 家で療養することになったら、医療費と介護の費用の見通しを相談できる人はいますか。
とはいえ、お金の不安を抱えるご家族に伝えたい2つのこと
① 気持ちのこと──お金を心配するのは、冷たいことではない
大切な人が病気と向き合っているのに、お金のことばかり考えてしまう。そんな自分を責める方は少なくありません。けれど、お金の見通しを立てることは、本人が治療や療養に気持ちを向けられる環境を守ることでもあります。本人が「お金のことは心配するな」と言うときは、家族に負担をかけたくない気持ちの表れかもしれません。預金の額まで聞かなくても、加入している保険の名前と、届いた請求書の置き場所が分かれば、制度の確認は始められます。お金の不安で眠れない夜が続くときは、がん相談支援センターなどで、気持ちのほうも話してください。
② 実務のこと──制度は待っていても届かない。申請の係と期限を家族で決める
お金の制度の多くは、こちらから手続きをして初めて動き出します。傷病手当金も、障害年金も、医療費控除も、黙っていて振り込まれることはありません。手続きには期限があるものもあり、後回しにしているうちに過ぎてしまうこともあります。そこで、制度ごとに「誰が手続きをするか」「いつまでにするか」を家族で決め、一つの表にしておきます。本人が自分で手続きしたいと望むなら、家族は書類をそろえる係に回ります。表には窓口に問い合わせるたびに日付と答えを書き足し、きょうだいとも共有しておくと、同じ問い合わせを二度する手間が省けます。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”お金の不安が強い今夜から明日までに、家族ができる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”書類を一か所に集める”]今ある領収書と、病院や保険から届いた書類を、すべて一つの封筒かファイルに入れます。仕分けは明日以降で構いません。[/gk_step][gk_step title=”加入先に聞くことを3つ書く”]「2026年8月以降の上限額」「窓口の支払いを上限までにする手続き」「傷病手当金の条件」の3つを、電話の前にメモしておきます。[/gk_step][gk_step title=”相談窓口の場所を尋ねる”]次の通院や面会で、会計窓口か病棟の看護師に、医療ソーシャルワーカーに会える場所と時間を聞きます。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”本人が入っている民間の保険が分かりません。どうやって調べればいいですか?”]保険証券や、毎年届く契約内容のお知らせ、口座からの保険料の引き落としの記録が手がかりになります。本人の同意を得たうえで、保険会社に、がんの診断や入院、通院が給付の対象になるかを問い合わせてください。給付の中身は契約ごとに違います。民間の保険から受け取った給付は、医療費控除を計算するときに差し引く必要があるので、通知を捨てずに残しておきます。[/gk_q][gk_q q=”リビング・ニーズ特約とは何ですか?”]原因にかかわらず、医師から余命6か月以内と判断された場合に、将来の死亡保険金の代わりに、所定の範囲内で保険金の一部または全部を生前に受け取れる特約です。特約の保険料は不要とされ、前払いになるため、利息と半年分の保険料に当たる額が差し引かれます。受け取った保険金そのものは非課税です。ただし、本人が亡くなった時点で使い切らずに残っていた分は、相続税の対象として扱われます。上限や手続きは契約によって違い、本人の気持ちにも深く関わる話なので、請求するかどうかは本人と相談しながら決めてください。[/gk_q][gk_q q=”国民健康保険に入っています。傷病手当金はありますか?”]国民健康保険の傷病手当金は、条例を定めた場合にだけ支給できる「任意給付」なので、原則としてはないものと考えてください。念のため加入先に確かめつつ、療養が長引く場合に障害年金の対象にならないかを、年金事務所や街角の年金相談センターで相談しておくと、収入の見通しを立てやすくなります。[/gk_q][gk_q q=”介護保険の自己負担が2割に上がると聞きました。本当ですか?”]2割を負担する人の範囲を広げるかどうかは、2026年9月の時点ではまだ結論が出ていません。政府の「経済財政運営と改革の基本方針2026」では、「2026年度中に結論を得る」とされています。今の負担の割合は所得などによって決まっているので、本人の場合はケアマネジャーや市区町村の窓口で確かめてください。[/gk_q][gk_q q=”医療費の支払いが、どうしても厳しいときはどうすればいいですか?”]支払いが難しくなりそうだと分かった時点で、早めに病院の医療ソーシャルワーカーに相談してください。経済的な困りごとの相談に応じる専門職で、使える行政サービスを一緒に探してもらえます。会計窓口に事情を伝えると、支払い方を相談できる場合もあります。がん相談支援センターでも、家族だけでお金の相談ができます。[/gk_q][gk_q q=”高額療養費の払い戻しは、自動的に振り込まれますか?”]手続きの方法は加入先によって違い、申請が必要な場合もあります。2026年8月に新しくできた年間上限の払い戻しも、手続きは加入先ごとで、協会けんぽでは申請の受け付けが2027年8月から始まる予定です。本人の加入先に「払い戻しを受けるには、何をすればいいですか」と尋ね、届いた通知は領収書と一緒に保管してください。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
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