家族として医師に何を聞く?がんの家族ならではの5つの質問

がんの家族として医師に聞いておきたいことは、「家で一緒に過ごす人が困らないための質問」に絞ると見えてきます。急に具合が悪くなったときの連絡先、毎日の暮らしで気をつけること、家族が手伝えるケア、使える支援の窓口、そしてこれから起こりやすい変化。本人が診察で尋ねる治療の効果や副作用とは、少し違う場所にある5つの質問です。

どれから聞くべきかは、治療の時期や、同居か離れて暮らしているか、家族が仕事を続けているかによって変わります。一度に全部を聞く必要はありません。この記事では、5つの質問それぞれの聞き方と聞く相手、本人の診察時間を削らずに家族の質問を差し込む段取り、聞いた答えを家族で一枚にまとめる形を、順にお伝えします。

診察室で、家族の質問をいつも飲み込んでしまう方へ

  • 本人が治療のことを聞き終わるころには時間切れで、家族として聞きたいことは毎回言いそびれてしまう。
  • 夜中に熱が出たらどこに電話するのか、食事で気をつけることはあるのか、知らないまま家に帰ってきてしまう。
  • 本人の大事な診察の時間に、家族が割り込んで聞いていいのか分からない。

がんの家族の診察で、家族の立場から医師に聞いておくべきことは何ですか?

①時間外の連絡先、②暮らしの注意、③家族ができるケア、④使える支援、⑤今後の見通し、の5つです。本人が聞く「どう治療するか」とは別の、「家でどう支えるか」のための質問だと考えると、聞く中身がはっきりします。

診察室で本人が尋ねるのは、たいてい治療の効果、副作用、次の検査や治療の予定です。けれど、病院にいる時間以外の毎日を一緒に過ごしているのは家族です。夜に熱が出たとき、食欲が落ちたとき、仕事の休みを取るかどうか迷ったとき、判断を迫られるのは家族の側なのに、そのための情報は、診察室でいちばん後回しにされがちです。

5つの質問は、どれも医師だけに聞くものではありません。体の状態に関わる判断は医師に、家での手伝い方は看護師に、制度や窓口のことは医療ソーシャルワーカーに、と相手を分けると、診察の時間を使うのはその一部で済みます。

本人が尋ねることが多い質問

  • 治療の効果と、次に受ける治療
  • 副作用と、その和らげ方
  • 検査の結果と、次の予定

家族が知っておきたいこと

  • 夜や休日に具合が悪くなったときの連絡先
  • 家での暮らしの注意と、家族ができるケア
  • 使える支援の窓口と、これからの備え
本人が診察で尋ねることが多い質問と、家族が知っておきたいこと

① 夜や休日に具合が悪くなったら、どこに連絡すればいいですか?

いちばん先に聞いておきたいのが、時間外の連絡先です。「夜や休日はどこに電話すればいいか」と「どんな変化なら時間外でも連絡するか」の2つを、番号と一緒に書き留めておきます。

病院の連絡先は、時間帯によって変わることがあります。平日の昼は外来の窓口、夜間や休日は病棟や救急の窓口、というように分かれている病院もあり、受け取った書類のどこかに書いてあっても、いざというときに探し出すのは簡単ではありません。医師や看護師の口から番号を聞き、その場でメモに書いておく意味はそこにあります。

もう一つ確かめたいのが、「どんな変化なら連絡するか」です。治療の種類によって、医療者が早めに知らせてほしい変化は違います。「時間外でも電話したほうがいい変化と、次の診察まで様子を見てよい変化を、分けて教えてください」と頼むと、夜中に家族が迷う時間を短くできます。電話をかけたときに伝えること(本人の名前、診察券の番号、主治医の名前、受けている治療)も、同じ欄に書いておくと慌てずに済みます。

命に関わると感じたときは、迷わず119番です。救急車を呼ぶか迷ったときに医師や看護師などへ電話で相談できる「#7119」は、実施していない地域もあるので、お住まいの地域で使えるかどうかを、落ち着いているうちに調べておいてください。

② 毎日の暮らしで、家族が気をつけることはありますか?

治療によっては、食事、人混みへの外出、入浴、家族が風邪をひいたときの過ごし方などに注意が出ることがあります。「避けたほうがいいこと」と一緒に「続けてよいこと」も聞いておくと、暮らしが必要以上に窮屈になりません。

インターネットで治療中の食事や生活の注意を調べると、たくさんの情報が出てきます。けれど、それが今の本人の治療に当てはまるかどうかは、読んだだけでは分かりません。家族が気をつけすぎて、本人の好きな食べ物や楽しみにしていた外出まで取り上げてしまうこともあります。

聞き方の例です。「今の治療のあいだ、家族が暮らしの中で気をつけることはありますか」「孫と会うことや、家族で外食することは続けていいですか」「同居の家族が風邪をひいたら、どう過ごせばいいですか」。答えが細かくなりそうなら、「詳しいことは看護師さんに伺ってもいいですか」とつなげれば、診察の時間を延ばさずに済みます。生活の注意を書いた紙を用意している病院もあるので、あれば一部もらっておくと、家族のあいだで同じものを見られます。

③ 家族が手伝えることと、手を出しすぎないほうがいいことは?

家で様子を見るときにどこを見ておけばいいか、家族が手伝ってよいこと、本人に任せたほうがいいことを聞いておきます。手伝いすぎると本人の「自分でできる」が減り、遠慮しすぎると困りごとを見落としやすくなるからです。

家族ができるケアには、薬の飲み忘れがないかを一緒に確かめる、体調を記録する、通院に付き添う、食べやすいものを用意する、といったものがあります。どれも、医療者に「この治療のあいだ、家族はどこまで関わるといいですか」と一度聞いておくと、迷いが減ります。

記録については、「次の診察で役に立つのは、何を書いておくことですか」と聞くのがこつです。体温なのか、食べた量なのか、眠れた時間なのか、つらさの強さなのか。医師が見たいものを先に聞いておけば、毎日の記録が、本人が診察で自分の体調を説明するときの助けになります。

気持ちの面での関わり方も、聞いてかまいません。ふさぎ込んでいるとき、いらいらしているとき、家族はどう接すればいいのか。緩和ケアは、体の痛みだけでなく、心や暮らしのつらさにも早くから気づいて和らげることを目指すものです。「気持ちのつらさを相談できる人はいますか」と聞けば、病院の中の相談先を教えてもらえることがあります。

[gk_cta_mid title=”家族として聞くことを、3つに絞ってお送りします”]今の治療の状況と、家族として気になっていることをフォームにひとことお書きください。担当がお電話で伺い、次の診察で家族として聞く質問を3つにまとめてお送りします。[/gk_cta_mid]

④ 使える支援や制度のことも、医師に聞けばいいですか?

制度の中身や申請の順番は、医療ソーシャルワーカーやがん相談支援センターのほうが詳しいことが多いので、医師には「相談できる人につないでください」と頼むのが近道です。医師に確かめたいのは、支援を考えてよい体の状態かどうかです。

医療ソーシャルワーカーは、病院などで、患者さんや家族が抱えるお金や心理、暮らしの問題を、社会福祉の立場から一緒に整理する専門職です。療養中の不安、入院や退院、療養の場の変化、使える行政のサービスといった相談に応じています。「医療相談室」など、窓口の名前は病院ごとに違うので、受付で「医療ソーシャルワーカーさんに相談したい」と伝えるのが早道です。

家族がよく尋ねる制度に、介護保険があります。65歳以上の方は、要介護・要支援の認定を受ければ、病気の種類を問わず使えます。40〜64歳の方は、がんが特定疾病の一つに含まれていますが、厚生労働省の表記では「医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの」に限られ、要介護認定も必要です。申請は市区町村の窓口で、相談は市区町村の介護保険の窓口か地域包括支援センターでできます。医療費については、ひと月の自己負担に上限がある高額療養費制度があり、2026年8月から上限額の見直しと年間上限の新設が行われました。上限額は年齢や所得によって違うので、ご本人が加入している健康保険に確かめてください。

支える家族自身の仕事も、使える支援に含まれます。勤めている方なら、要介護状態(2週間以上の期間にわたり常に介護を必要とする状態)にある家族1人につき、通算93日まで・3回まで分けて取れる介護休業や、1年に5日(対象の家族が2人以上なら10日)まで時間単位でも取れる介護休暇があります。2025年4月からは、介護に直面した社員への個別の制度の周知と意向の確認が、事業主の義務に加わりました。

⑤ これからの見通しは、家族としてどこまで聞けばいいですか?

家族の備えに役立つのは、余命の数字より「この先、起こりやすい変化」と「家族が今のうちに整えておくこと」です。数字まで聞くかどうかは、本人の希望を確かめてから決めてかまいません。

見通しの質問は、5つの中でいちばん口にしにくいものです。けれど、家族が本当に知りたいのは、「あと何か月か」そのものより、仕事の休みをいつ取るか、遠方のきょうだいにいつ伝えるか、介護の準備をいつ始めるか、という段取りのための情報であることが多いはずです。それなら、「この先、どんな変化が起こりやすいですか」「家族として、今のうちに整えておくことは何ですか」と聞くほうが、返ってくる答えも段取りに直結します。

医師から数字の話が出たときは、それが同じ状態の大勢の方の経過から出した目安で、本人の先行きを言い当てるものではないことを思い出してください。国立がん研究センターの院内がん登録の生存率を閲覧できるシステムも、表示しているのは過去に診断された方の生存率で、これから治療を受ける人には当てはまらない可能性があると注意しています。重い言葉を使わずに見通しを尋ねる言い回しは、[gk_link to=”post:asking-doctor-about-future”]がんの今後を医師にどう聞く?[/gk_link]で紹介しています。

本人が数字を聞きたくないと言っているなら、その希望を先に医師へ伝えます。家族の中にも「知りたい人」と「知りたくない人」がいて当然なので、知りたい人が聞き役になり、知りたくない人には聞いた中身を無理に渡さない、という分け方もできます。

本人の診察時間を削らずに、家族の質問をするには?

家族の質問は1回の診察で1つと決め、本人の質問が終わってから「家族から1つだけいいですか」と切り出します。残りは看護師や医療ソーシャルワーカーに回すか、紙に書いて預ければ、本人の時間はほとんど減りません。

家族の質問が後回しになるのは、限られた診察の時間を本人のために使ってほしいという遠慮があるからです。もう一つ、家族自身が、自分の困りごとを「相談していいこと」だと思えていないこともあります。がん情報サービスの「家族ががんになったとき」は、家族が本人を気づかって自分の気持ちを我慢しがちなうえ、自分の生活も維持しなければならないことにふれて、「ご家族は、『第二の患者』ともいわれます」と書いています。家族が夜の連絡先を知っていることは、本人を守ることにもつながります。家族の質問は、本人のための質問でもあるのです。

段取りの例を示します。診察の前の日に、本人に「次の診察で、家族からも1つ聞いていい?」と確かめておきます。当日は、本人の質問が終わったところで「家族として1つだけ伺ってもいいですか」と短く切り出し、答えを書き留めます。聞ききれなかった質問は、紙に書いて看護師に預けるか、医療ソーシャルワーカーの窓口に持っていきます。話が長くなりそうなら、家族として別に時間をもらう方法もあり、その頼み方は[gk_link to=”post:family-asking-doctor-privately”]本人の前で聞けない家族へ[/gk_link]にまとめています。

  1. 1前の日本人に「家族からも1つ聞いていい?」と確かめる
  2. 2待合室で聞きたい1つを、メモの一番上に書いておく
  3. 3診察の前半本人の質問が先。家族は答えを書き留める役に回る
  4. 4診察の終わり「家族として1つだけ」と切り出し、答えをその場で書く
  5. 5診察のあと残りの質問を、看護師や相談員に預ける
診察の流れの中に、家族の質問を1つ差し込む段取り
質問医師に確かめること看護師・相談員にも聞けること
①時間外の連絡先どんな変化なら連絡するか番号と、電話がつながったあとの流れ
②暮らしの注意今の治療で特に避けたいこと食事や入浴、外出の具体的な工夫
③家族ができるケア様子のどこを見ておくか家での手伝い方と、記録のつけ方
④使える支援支援を考えてよい体の状態か制度の申請の順番と窓口
⑤今後の見通しこれから起こりやすい変化家族の仕事や暮らしの段取り
5つの質問と、それぞれを聞きやすい相手

聞いた答えは、家族の中でどう残せばいいですか?

5つの質問を見出しにした一枚の紙を作り、聞いた日付と聞いた人の名前を添えて書き込んでいきます。空いている欄が、次の診察で聞く質問になります。

医師の答えは、その場では分かったつもりでも、帰りの車の中で半分ほど抜け落ちてしまうものです。しかも、家族のあいだで口づてに伝わるうちに、「様子を見ていいって」が「何もしなくていいって」に変わってしまうこともあります。紙に書いた同じ言葉を家族みんなが見られるようにしておくと、こうしたずれが起きにくくなります。

紙は冷蔵庫の扉など家族の目に入る場所に貼り、写真を撮って離れて暮らす家族にも送ります。治療が変わったり新しい薬が出たりしたら、その欄だけ書き直して日付を新しくします。「見通し」の欄は、本人と話して空けたままにしておく家族もあります。空欄は、まだ聞いていないという印であって、手落ちではありません。

  • ①夜や休日の連絡先と、時間外でも電話する変化
  • ②暮らしで避けたいことと、続けてよいこと
  • ③家族が見ておくところと、手伝い方
  • ④相談できる人の名前と窓口
  • ⑤起こりやすい変化と、家族の備え
  • 聞いた日付と、聞いた人
  • 次の診察で聞くこと(1つだけ)
家族の一枚に設けておく欄

医師のほかに、家族の質問を聞いてもらえる人はいますか?

病棟や外来の看護師、医療ソーシャルワーカー、がん相談支援センターがあります。がん相談支援センターは、患者さん本人でなくても、その病院に通っていなくても、無料・匿名で相談できます。

がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などに置かれている相談窓口で、主に面談か電話で相談できます。相談の中身は、相談した人が同意しない限り、担当医などには伝えられません。近くのセンターは、国立がん研究センター がん情報サービスの「相談支援センターを探す」で探せます。電話で話したいときは、がん情報サービスサポートセンター(0570-02-3410〈ナビダイヤル〉または03-6706-7797、平日10時〜15時、土日祝日・年末年始を除く)も使えます。相談は無料で、通話料はかかります。どんなことを相談できるかは、[gk_link to=”post:cancer-support-center-what-to-ask”]がん相談支援センターで何を相談できる?[/gk_link]にまとめています。

がんと家族の相談室に届く相談も、ご家族からのものが多くを占めます。2026年9月の実績(運営者集計)で、ご家族からの電話相談・問い合わせは800件(全体は1,200件)でした。医療機関ではないので、診断や見通しの予測はしませんが、先生の言葉の一般的な意味をお伝えし、次の診察で聞く質問を3つにまとめてお送りしています。

家族として聞きたいこと

  • 主治医体の状態に関わる判断と、時間外に連絡する変化
  • 病棟・外来の看護師家での手伝い方、生活の注意、医師への取り次ぎ
  • 医療ソーシャルワーカー介護保険や医療費、仕事、療養の場所の相談
  • がん相談支援センター家族だけでも無料・匿名。面談か電話で
  • がんと家族の相談室先生の言葉の意味を伝え、聞く質問を3つにまとめる
家族の質問の持っていき先

家族の質問を言いそびれていた妻は、どう変わった?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
40代・妻の立場(夫が通院で抗がん剤治療中。小学生の子どもが2人、義母が近くに住む)
相談のあとに変わったこと
診察のたびに家族の質問を1つずつ聞くようになり、3回の診察で5つの欄のうち4つが埋まった。夜間の連絡先と「電話する変化」を冷蔵庫に貼り、義母とも同じ紙を持てるようになった。

1. 相談のあとに変わったこと

相談したあとの3回の診察で、妻は毎回、最後の1〜2分に家族の質問を1つだけ聞きました。1回目は夜や休日の連絡先と、時間外でも電話する変化。2回目は、子どもが風邪をひいたときの家での過ごし方。3回目は、介護や仕事の相談を誰にすればいいか。答えは5つの欄を作った紙に日付と一緒に書き込み、冷蔵庫の扉に貼りました。写真は義母にも送り、義母が子どもを預かる日にも同じ紙を見られるようにしています。「見通し」の欄だけは、夫と話して、今は空けておくことにしました。

2. 相談を考えた背景

夫は会社員で、治療を受けながら仕事を続けていました。妻はパートの休みをやりくりして、通院に付き添っていました。ある夜、夫が熱を出したとき、どこに電話すればいいか分からず、書類の束をめくって番号を探すのに30分ほどかかったことがあります。そのとき初めて、診察には毎回行っているのに、家族として必要なことは何も聞けていないと気づいたそうです。

3. 相談する前に困っていたこと

診察では、夫が副作用や次の治療のことを尋ね、それだけで時間が終わっていました。妻は待合室でスマホを開き、治療中の家族の注意を検索しましたが、出てくるのは一般的な注意ばかりで、夫の治療に当てはまるのかどうかが分かりません。医師に聞こうとしても、「夫の大事な時間を削っていいのか」と思うと、口が開きませんでした。

4. ここを選んだ理由・決め手

病院のがん相談支援センターのことは知っていましたが、平日の昼は仕事と子どもの送り迎えで、窓口に行く時間がありませんでした。子どもが寝たあとの夜11時ごろ、フォームにニックネームで今の状況を書いて送り、折り返しの時間には翌日の昼休みを選びました。医療機関ではなく、病状の判断をしない窓口だと書かれていたことが、かえって送る決め手になったといいます。

5. 相談で話したこと・その後

電話では、担当がまず「家族として、夜にいちばん困ったことは何でしたか」と尋ね、熱の夜の話から5つの質問を一緒に並べました。そのうえで、次の診察で医師に聞く1つと、看護師に回すものを分け、「家族として1つだけ伺ってもいいですか」という切り出し方を決めました。担当は夫の治療や見通しについて意見を言わず、気になることは「先生に聞く質問」の形に置き換えていきました。その晩、夫に「次の診察で、家族からも1つ聞いていい?」と尋ねると、「むしろ助かる」と返ってきたそうです。妻は「家族の質問は、最後の2分でいいんだと思えた」と話しています。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医師・看護師に聞く質問例

  • 夜間や休日に急に具合が悪くなったときの連絡先を、番号と一緒に教えていただけますか。
  • 時間外でも連絡したほうがいい変化と、次の診察まで様子を見てよい変化を、分けて教えてください。
  • 今の治療のあいだ、家族が暮らしの中で気をつけることは何ですか。続けてよいことも知りたいです。
  • 家で様子を見るとき、家族はどこを見て、何を記録しておけばいいですか。
  • 介護や仕事、お金のことを相談できる人に、つないでいただけますか。
  • これから起こりやすい変化と、家族が今のうちに整えておくことを教えてください。

とはいえ、家族の質問について伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──言いそびれた日があっても、そばにいたことは変わらない

診察室で口を開けなかった日は、帰り道に自分を責めたくなるかもしれません。けれど、聞けなかった質問は消えたわけではなく、次の診察に回っただけです。本人の隣に座り、同じ説明を一緒に聞いていたこと自体が、本人にとっては支えになっています。そして、家族自身が眠れない、食べられないといった心配も、看護師や相談窓口に話してよいことの一つです。支える人が倒れないことも、家族の大事な役目です。

② 実務のこと──「聞く人」「書く人」「預ける人」を家族で分ける

付き添う家族が、質問をして、答えを書いて、本人の様子にも気を配る。これを一人で全部こなすのは難しいものです。付き添いが2人なら、一人が聞き、もう一人が書く。付き添いが1人なら、診察中は聞くことに集中し、終わったら待合室で5分だけ座って、覚えているうちにメモにまとめます。付き添えない家族は、聞いてほしい質問を1つずつ預ける役に回ります。役割が決まっていると、診察室の数分を落ち着いて使えます。

今日できること

[gk_howto name=”今日できること” description=”次の診察に向けて、家族が今夜から始められる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”5つの欄の紙を作る”]連絡先、暮らしの注意、家族ができること、支援の窓口、見通しの5つの欄を書き、今分かっていることだけを埋めます。空いた欄が次に聞く候補です。[/gk_step][gk_step title=”本人にひと言たずねる”]「次の診察で、家族からも1つ聞いていい?」と、今夜か明日の朝に聞いておきます。[/gk_step][gk_step title=”病院の番号を登録する”]診察券や病院の案内に書かれた電話番号を確かめ、スマホに病院の名前で登録しておきます。[/gk_step][/gk_howto]

よくある質問

[gk_faq][gk_q q=”本人に「家族は口を出さないで」と言われています。それでも質問していいですか?”]治療を選ぶのは本人なので、治療の中身に関わる質問は、本人の気持ちを尊重して控えてかまいません。ただ、夜や休日の連絡先のように、家で本人を守るために家族が知っておきたいこともあります。「治療に口を出すためではなく、家で困らないために1つだけ聞かせて」と伝えるか、診察のあとで看護師に尋ねる方法もあります。[/gk_q][gk_q q=”毎回は付き添えません。家族の質問はどうすればいいですか?”]本人に質問を書いた紙を託す、付き添える家族に1つ預ける、という方法があります。本人の負担を増やしたくないときは、質問を1つに絞ってメモの一番上に書いておくと、本人も渡しやすくなります。家族自身の相談として、がん相談支援センターに電話で話を聞いてもらう方法もあります。[/gk_q][gk_q q=”遠方に住んでいます。離れて暮らす家族が聞いておくことはありますか?”]離れて暮らす家族にとって特に役立つのは、①の連絡先と、⑤の「家族が整えておくこと」です。急な知らせが誰から、どの順番で届くのかを、近くに住む家族と決めておくと、知らせを待つ不安が少し小さくなります。もしもの夜に電話する先をひとつ決めておくだけでも、心の準備になります。[/gk_q][gk_q q=”40代の夫ががんです。介護保険は使えますか?”]40〜64歳の方は、がんが介護保険の特定疾病に含まれているので、使える可能性があります。ただし、医師が回復の見込みがない状態に至ったと判断した場合に限るという条件があり、要介護認定を受けることも必要です。使えるかどうかは、市区町村の介護保険の窓口か地域包括支援センター、病院の医療ソーシャルワーカーに相談してください。[/gk_q][gk_q q=”同じことを何度も聞いてしまいます。迷惑ではありませんか?”]治療の説明は、一度で覚えきれないのが普通です。何度も聞くことになるのは、前回の答えを書き留める余裕がなかっただけで、遠慮する理由にはなりません。「前にも伺ったかもしれませんが、もう一度確かめさせてください」と前置きすれば、医師も答えやすくなります。今回の答えは紙に書き、次からはそれを見返せるようにしておきます。[/gk_q][gk_q q=”家族の質問を整理するのを、手伝ってもらえるところはありますか?”]がん相談支援センターは、家族だけでも、その病院に通っていなくても相談できる窓口です。がんと家族の相談室では、お電話で状況を伺い、先生の言葉の一般的な意味をお伝えしたうえで、次の診察で聞く質問を3つにまとめてお送りしています。どちらも、相談したからといって何かを決めなければならないわけではありません。[/gk_q][/gk_faq]

次に読むなら

  • [gk_link to=”post:ask-doctor”]次の診察で聞くことを、3つまでに減らすには?[/gk_link]
  • [gk_link to=”post:family-asking-doctor-privately”]本人のいないところで、家族だけで医師の話を聞くには?[/gk_link]
  • [gk_link to=”post:what-to-ask-patient”]本人には、何をどんな順番で聞けばいいですか?[/gk_link]
  • [gk_link to=”post:what-happens”]治療が終わってから看取りまで、全体はどう進みますか?[/gk_link]
  • [gk_link to=”post:family-caregiver-exhausted-second-patient”]支える家族が限界に近いとき、自分をどう守ればいいですか?[/gk_link]
  • [gk_link to=”page:night-number”]もしもの夜に電話する先を、先に決めておくには?[/gk_link]

家族として聞く1つを、一緒に決めませんか

[gk_form_cta]本人の今の治療の状況と、家族として気になっていることをひとこと、折り返しのお電話番号をお書きください。送信のあとすぐに受付確認のメールが届き、ご希望の時間帯に担当からお電話します。5つの質問のうち、次の診察で医師に聞く1つと、看護師や相談員に回すものを一緒に分けます。[/gk_form_cta]

zaitakuwork

ほいくの相談室 編集部。保育士の方からの相談で多く聞かれる悩みをもとに、公的な資料で確認できる情報をまとめています。