血液のがんで「あとどれくらい」かは、病名の大きな括りでは決まりません。白血病・骨髄腫・リンパ腫は、どれも血液をつくる細胞やリンパの細胞から生まれるがんですが、急に進むものもあれば、長い期間をかけて付き合っていくものもあり、同じ白血病でも、急性か慢性か、どの型かで経過はまったく違います。
抗がん剤が効かなくなった急性白血病では、固形のがんに比べて、状態が変わるまでの時間が短いことがあります。起きやすいのは、白血球が減ることによる感染(発熱)、血小板が減ることによる出血、赤血球が減ることによる貧血(だるさ・息切れ)です。「突然何かが起きるのでは」という怖さの多くは、この三つから来ています。それぞれに、輸血や薬で和らげる手段と、前もって整えておける備えがあります。
この記事では、病型による違い、数字の読み方、治療が難しくなったあとの治療とケア、輸血の考え方、熱や出血のときの連絡の目安、最期が近づいたときの変化と苦痛の和らげ方、ご本人とご家族それぞれが今できることをまとめました。ご本人がこのページを読んでいるなら、夜中に検索してしまう自分を責めないでください。知ろうとするのは、これからの時間を大事にしたいからです。
父の血液のがんのことで、このページを開いた方へ
- 父の白血病に、抗がん剤が効かなくなったと言われた。今は輸血のために通院しているけれど、この先どうなるのか想像がつかない。
- 固形のがんと違って何が起きるのか分からず、「突然何かが起きる」のではないかと、毎日スマホを手放せない。
- 父が苦しまないために、家族は何を知っておけばいいのか。誰に聞けばいいのかも分からない。
父が急性白血病で治療が難しいと言われました。血液のがんはあとどれくらいで、最期はどうなるのですか?
病型や治療への反応で大きく違い、数字で言い切ることはできません。治療が難しくなった急性白血病では、感染・出血・貧血が起きやすく、状態が比較的短い間に変わることもあります。多くの苦痛には和らげる手段があり、熱や出血への備えを今から家族で整えておけます。
急性白血病は、血液をつくる骨髄の中で未熟な細胞(白血病細胞)が増え、正常な血液がつくられにくくなる病気です。治療で白血病細胞を減らせないときは、白血球・赤血球・血小板という三つの血液の細胞が足りない状態が続きます。白血球が少ないと細菌やかびに感染しやすくなり、熱が出ます。血小板が少ないと血が止まりにくくなり、あざや鼻血、歯ぐきからの出血が起きます。赤血球が少ないと、だるさや息切れ、動悸が強くなります。
見通しは、白血病の型や遺伝子の特徴、年齢や体力、感染を起こしているかどうか、輸血でどのくらい持ちこたえられるかなどで変わります。主治医が「月単位」「週単位」といった言い方をすることもあれば、はっきり言わないこともあります。知りたいときは、「正確でなくていいので、どのくらいの幅で考えておけばいいか教えてください」と頼んでかまいません。知りたくないという気持ちも、同じように大事にされてよいものです。
最期が近づいたときには、ほかのがんと共通する変化(眠っている時間が長くなる、食べる量や尿が減る、呼吸のリズムが変わるなど)に、熱や出血、息切れが重なる形をとることがあります。具体的な変化と和らげ方は、この記事の後半でお伝えします。
| 足りなくなる細胞 | 起きやすいこと | 主な手当ての例 |
|---|---|---|
| 白血球 | 感染しやすくなり、熱が出る | 抗菌薬などの薬、感染を防ぐ暮らしの工夫 |
| 血小板 | あざ、鼻血、歯ぐきや尿・便からの出血 | 血小板の輸血、出血を防ぐ工夫 |
| 赤血球 | だるさ、息切れ、動悸、顔色の悪さ | 赤血球の輸血、休み方の工夫 |
白血病・骨髄腫・リンパ腫は、どう違うのですか?
どれも血液やリンパの細胞から生まれるがんですが、増える細胞も、進み方も、見通しの考え方も違います。急性骨髄性白血病の解説ではステージを使わず、多発性骨髄腫は血液検査の値などでⅠ〜Ⅲ期に分け、リンパ腫は型によって進み方が大きく異なります。
白血病は、血液をつくる細胞ががん化する病気で、急に進む「急性」と、ゆっくり進む「慢性」に大きく分かれます。国立がん研究センターのがん情報サービスでは、急性骨髄性白血病の解説にステージ(病期)は使われず、細胞の種類や遺伝子の特徴などによる「型」で考えます。慢性骨髄性白血病は、飲み薬で長い期間、病気を抑えられることが多い病気です。
多発性骨髄腫は、体を守る抗体をつくる細胞(形質細胞)ががん化する病気です。血液検査の値などに基づいてⅠ〜Ⅲ期に分ける分類が使われます。骨が弱くなって痛みや骨折が起きる、腎臓の働きが落ちる、貧血や感染が起きやすい、といった特徴があり、治療を順につなぎながら長く付き合う方もいます。
悪性リンパ腫は、リンパの細胞ががん化する病気で、たくさんの型があります。速く進む型もあれば、ゆっくり進む型もあり、治療で治すことを目指せる型もあります。どの型かで、見通しも治療の進め方も大きく変わります。だからこそ、「血液のがん」でひとまとめにした情報は、お父さまの状況を考える手がかりにはなりにくいのです。
血液のがん
- 急性白血病急に進むことが多く、細胞の型や遺伝子の特徴、治療への反応で考える
- 慢性骨髄性白血病ゆっくり進むことが多く、飲み薬の効き方が手がかりになる
- 多発性骨髄腫血液検査の値などでⅠ〜Ⅲ期に分け、治療を重ねながら付き合うことが多い
- 悪性リンパ腫型によって進む速さが大きく違い、治すことを目指せる型もある
検索で見る血液のがんの数字は、父に当てはまりますか?
そのままは当てはまりません。「血液のがん」や「白血病」でまとめた数字には進み方の違う病気が混ざっていますし、公開されている生存率は過去に診断された方の集団の数字で、治療が難しくなった今のお父さまの見通しを示すものではありません。
公開されている生存率は、ある時期に診断された方々を何年も追いかけ、決まった時点で生存していた割合をまとめたものです。国立がん研究センターの院内がん登録の閲覧システムも、表示しているのは過去の期間に診断された方の数字で、これから治療を受ける方には当てはまらない可能性があると断っています。
もう一つ大事なのは、その数字が「診断されたとき」から数えたものだという点です。最初の治療がよく効いた方も、効かなかった方も、同じ表に入っています。抗がん剤が効かなくなった今の時点から先のことは、その表からは読み取れません。今のお父さまに起きやすいことは、数字よりも、主治医や看護師の具体的な説明のほうがずっと確かです。「これから、どんな変化が起きやすいですか」「そのとき、家族は何をすればいいですか」と、変化と行動の言葉で聞いてみてください。
[gk_cta_mid title=”熱が出た夜・出血した夜の連絡の順番を、一緒に整理します”]フォームに今のご様子をひとことお書きください。担当がお電話で、熱や出血のときに誰へどう連絡するかを一緒に整理し、次の通院で聞く質問を3つにまとめてお送りします。[/gk_cta_mid]抗がん剤が効かなくなったあと、どんな治療やケアがありますか?
体への負担が軽めの薬が検討されることもありますが、中心になるのは、輸血や感染の治療、痛みや息苦しさを和らげる緩和ケアで、つらさを減らしながら過ごす時間を支えることです。何を続け、何を控えるかは、お父さまの希望を軸に主治医と決めていきます。
強い抗がん剤が効かなくなったり、体力的に続けられなくなったりしたあとも、状態によっては、体への負担が比較的軽い薬で病気の勢いを少しでも抑えることを目指す場合があります。一方で、病気を抑える治療をこれ以上続けないことを選ぶ方もいます。どちらを選んでも、輸血、感染の治療、痛みや息苦しさを和らげる手当ては続きます。
緩和ケアは、がんと診断されたときから受けられるもので、受ける場には、緩和ケアチーム、緩和ケア外来、緩和ケア病棟、在宅緩和ケアがあります。血液のがんでは輸血が必要な時期が長く続くことがあるため、通院や入院を続けながら、緩和ケアチームが関わる形もあります。
家で過ごしたいときは、訪問診療や訪問看護を使う方法があります。がんが「末期の悪性腫瘍」にあたる場合、訪問看護は要介護認定の有無にかかわらず医療保険で受けることになり、医療保険の訪問看護の日数制限もかかりません(主治医の指示が前提です)。ただ、家で輸血を受けられるかどうかは、地域や医療機関によって違います。輸血のための通院をどう続けるかも含めて、主治医や病院の医療ソーシャルワーカーに相談してください。
輸血は、いつまで続けるのですか?
決まった終わりはなく、輸血で何が楽になっているか、通院や体への負担はどうか、お父さまがどう過ごしたいかを見ながら、主治医とご本人が相談して決めていきます。続けることも、間隔をあけることも、やめることも、選びうる選択です。
赤血球の輸血は、だるさや息切れを和らげ、血小板の輸血は、出血を防いだり止めたりする助けになります。病気が進むと、輸血の効果が続く期間が短くなり、通院や入院の回数が増えていくことがあります。輸血のための通院が、お父さまにとって「楽になるための外出」なのか、「つらい負担」なのかは、本人に聞いてみないと分かりません。
輸血を減らしたり、やめたりする話が出ると、家族は「見捨てることになるのでは」と感じるかもしれません。けれど、それは苦痛を和らげる手当てをやめることではありません。息苦しさには酸素や薬、だるさには休み方の工夫、出血には止血の処置など、ほかの手段で支え続けます。輸血を続けるか、減らすか、やめるかは、医師とご本人が相談して決めるものです。ご家族は、お父さまの希望を医師に伝える橋渡し役になれます。
Q1輸血のあと、だるさや息切れが楽になっていますか
はい楽になる期間と通院の負担を比べながら、続け方を主治医と相談する
いいえ輸血の目的と、ほかの和らげ方を主治医に確かめる
Q2通院そのものが、お父さまにとって大きな負担になっていますか
はい間隔や、入院・在宅での過ごし方を含めて相談する
いいえお父さまが望む過ごし方に合わせて、今の続け方を確認する
熱や出血は、どんなときに急いで連絡すればいいですか?
熱が出たとき(主治医に言われた体温の目安を超えたとき)、鼻血や歯ぐきの出血が止まらないとき、血を吐いた・黒い便や血尿が出たとき、急に強い頭痛や吐き気、意識のにぶさが出たときは、すぐに病院へ連絡してください。命に関わると感じたら119番です。
白血球、とくに細菌と戦う好中球が少ない時期の熱は、感染が急に重くなることがあるため、様子をみずに連絡することが勧められます。何度を目安に、どこへ電話するかは、病院や状態によって違います。主治医や看護師に前もって確かめて、紙に書いておいてください。
血小板が少ない時期には、ぶつけていないのにあざができる、鼻血が止まりにくい、歯みがきで歯ぐきから血が出る、といったことが起きます。鼻血は、座って少し前かがみになり、小鼻を指でつまんで押さえると止まりやすくなります。それでも止まらないとき、量が多いとき、吐いたものや便・尿に血が混じるときは連絡してください。急に強い頭痛や吐き気、ろれつが回らない、意識がぼんやりするといった変化は、頭の中の出血の可能性があり、ためらわず119番です。
出血が起きたときにそばの人が慌てないよう、病棟や訪問看護の看護師に「出血したら、まず何をすればいいか」を聞いておくと安心です。濃い色のタオルを手の届くところに用意しておくと、血の色を見たときの動揺が少し和らぐ、という工夫もあります。救急車を呼ぶか迷う場面に備えて、お住まいの地域に救急電話相談(#7119など)があるかも調べておくと心強いはずです。#7119は実施していない地域があり、別の番号で相談を受けている地域もあります。
- 熱が出た、寒気がしてふるえる
- 鼻血や歯ぐきの出血が、押さえても止まらない
- 血を吐いた、便が黒い、尿が赤い
- 急に強い頭痛や吐き気がある、ろれつが回らない
- 息切れが急に強くなった、胸が苦しい
- 呼びかけへの反応がいつもよりにぶい
- 1体温を測って書く時刻と体温、寒気やふるえがあるかをメモする
- 2病院の夜間の番号に電話血液のがんで治療中であることと、体温を伝える
- 3指示に従って動く受診するか、家で様子をみるかは病院の指示で決める
- 4迷ったら相談救急車を呼ぶか迷うときは、地域の救急電話相談も使える
最期が近づくと、どんな変化がありますか?苦しくないですか?
眠っている時間が長くなる、食べる量や尿が減る、呼吸のリズムが変わるといった多くのがんに共通する変化に、熱や出血、息切れが重なることがあります。苦痛には、酸素や医療用麻薬、必要なときの鎮静など和らげる手段があり、医療者と一緒に整えていけます。
病状が進むと、眠っている時間が長くなり、話しかけても反応がゆっくりになっていきます。時間や場所が分からなくなる、つじつまの合わないことを言うといった「せん妄」も、亡くなる前の時期には起こりやすくなるとされています。せん妄は一時的に現れる意識の乱れや認知機能の低下で、徐々に進む認知症とは違います。お父さまらしくない言動に驚いたときは、看護師に伝えてください。体の変化全体については、[gk_link to=”post:signs”]最期が近いときの体の変化[/gk_link]にまとめています。
痛みの治療に使う医療用麻薬について、日本緩和医療学会の『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』は、使用が生命予後を短縮するという根拠はない、としています。息苦しさの緩和には、同じ学会の『進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン 2023年版』があります。ほかの方法で和らげられない強い苦痛があるときには、薬で意識を下げて苦痛を感じにくくする「鎮静」が検討されることもあり、『がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き 2023年版』は、「少なくとも鎮静が平均的に生命予後を短縮するといった重篤な安全性に及ぼす影響はないと想定される」としています。看取りの時期の体の変化や苦痛への対応を家族向けに説明した冊子として、緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM)の『これからの過ごし方について』があり、医師や看護師が説明に使うことを想定して作られています。病棟で尋ねてみてください。
反応が少なくなっても、声をかけることには意味があります。ホスピスの患者さんの脳波を調べたカナダの大学の研究(2020年)では、反応がなくなった状態でも、一部の人の脳が音に反応していたと報告されています。反応がない状態で記録できたのは5人で、内容を理解しているかまでは分かりませんが、耳は聞こえている可能性があるといわれています。いつもの呼び方で話しかけ、手を握ってあげてください。詳しくは、[gk_link to=”post:unresponsive-can-still-hear”]反応がなくても聞こえているのか[/gk_link]で紹介しています。
ご本人とご家族は、今のうちに何をしておけばいいですか?
ご本人の方は、これからどこで、誰と、どう過ごしたいかを、言える範囲で家族や医療者に伝えておくこと。ご家族の方は、熱や出血のときの連絡先と手順を一枚にまとめ、会っておきたい人に声をかけるかどうかを考え始めることが、今できる備えです。
ご本人の方へ。治療が難しいと聞いたあとで、これからのことを考えるのはつらい作業です。全部を一度に決める必要はありません。「家で過ごす日を増やしたい」「輸血の通院が負担なら減らしたい」「会っておきたい人がいる」。一つでも言葉にして伝えておくと、家族も医療者も、その希望に沿って動きやすくなります。望む医療やケアを前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合って共有することを、厚生労働省は「人生会議」と名づけて勧めています。
ご家族の方へ。まず、熱や出血のときに連絡する先(病院の日中と夜間の番号、病棟、訪問看護があればその番号)と手順を一枚の紙にまとめ、家族のスマホにも写真で共有しておきます。感染を防ぐための注意(手洗い、人混みを避ける、面会の決まりなど)は、主治医や看護師から言われたものを家族全員でそろえます。遠方の家族に会ってもらいたいときは、「会わせたい人がいるなら、いつごろ声をかけるのがよいでしょうか」と、医師や看護師に率直に聞いてかまいません。
「突然何かが起きる」と身構えていた娘は、どう備えた?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談から10日後、娘さんは両親の家の冷蔵庫に、A4の紙を一枚貼りました。書いてあるのは、病院の日中と夜間の電話番号、主治医と病棟の名前、「熱が出たら何度で電話するか」「鼻血が止まらないときにすること」。どれも、次の通院で看護師に聞いて書き足したものです。同じ紙を写真に撮って、母と弟のスマホにも送りました。輸血の日には、父が「家で過ごす日を増やしたい」と話していたことを主治医に伝え、輸血の間隔や、つらくなったときの相談先を話し合えたそうです。毎晩3時間近く続けていた検索は、紙を見直す数分になりました。「何が起きても、まず何をするかは分かっている。それだけで眠れるようになった」。
2. 相談を考えた背景
父が急性白血病と診断されてから、入院して抗がん剤の治療を受けてきました。けれど白血病細胞が減らず、主治医から「これ以上の強い治療は難しい」と説明されたのがひと月前。今は輸血のために週に2回、母の付き添いで通院しています。
3. 相談する前に困っていたこと
「白血病 治療 効かない 余命」と検索しても、出てくるのは病型の違う話や、何年も前の数字ばかり。「突然、大出血するのでは」「熱が出たら、もう間に合わないのでは」と考え始めると止まらず、会社でもスマホを手放せませんでした。母に聞いても「先生は様子をみましょうって」と言うだけで、何に備えればいいのかが分かりませんでした。
4. ここを選んだ理由・決め手
病院のがん相談支援センターも調べましたが、平日は仕事で、両親の住む町の病院まで行く時間が取れません。このサイトのフォームなら、平日の夕方、仕事の合間に話せる時間帯を選んで電話をもらえる。ニックネームでいいと知り、「何に備えればいいのか分からない」とだけ書いて送りました。決め手は、「今夜の判断を一緒に整理する」と書かれていたことでした。
5. 相談で話したこと・その後
担当は、血液のがんで治療が難しくなったときに起きやすいこと(感染・出血・貧血)と、それぞれで医療者に確かめておくとよいことを、一般的な話として説明しました。お父さまの病状の見立てや、残りの時間の予測はしていません。話しながら、娘さんが不安だったのは「何が起きるか」より「起きたときに何をすればいいか分からないこと」だと整理できました。そこで、次の通院で看護師に聞くことを3つの質問にまとめて送り、もしもの夜に電話する先を一つ決めておく方法も伝えました。
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
主治医・看護師に聞く質問例
- 父の白血病の型と今の状態から、これからどんな変化が起きやすいですか。
- 熱が出たとき、何度を目安に、どこへ連絡すればいいですか。夜間や休日はどうなりますか。
- 輸血は、何を目的に、どのくらいの間隔で続ける予定ですか。父がつらくなったときは、どう相談すればいいですか。
- 出血が起きたとき、家族がその場でできることを教えてください。
- 家で過ごしたい場合、訪問診療や訪問看護、輸血はどうなりますか。
- 会わせたい家族がいる場合、いつごろ声をかけるのがよいか、相談できますか。
とはいえ、気を張り続けているご家族に伝えたい2つのこと
① 気持ちのこと──いつも身構えている疲れを、ひとりで抱えない
「いつ何が起きてもおかしくない」と思いながら過ごす毎日は、体も心も休まりません。電話が鳴るたびに胸が苦しくなる、仕事中も上の空になる。そんな状態が続くのは、あなたが弱いからではありません。家族は、本人のほうがつらいのだからと自分の気持ちを我慢しがちで、そのうえ自分の生活も回していかなければなりません。がん情報サービスで、ご家族は「第二の患者」ともいわれます、と紹介されているのはそのためです。まだ起きていない別れを思って悲しくなるのも、自然なことです。こうした気持ちは「予期悲嘆」と呼ばれ、「喪失が現実となる以前に起こる悲嘆」と説明されています。ご家族自身のつらさも、担当医や看護師、がん相談支援センターに相談してかまいません。
② 実務のこと──家で過ごすなら、夜間の連絡体制を先に確かめておく
家で過ごす時間を増やすなら、夜間や休日に誰へ連絡するかを、始める前に決めておくことが欠かせません。在宅医の中でも在宅療養支援診療所には、24時間連絡を受ける体制や往診の体制などが施設の基準として求められていますが、実際にどこまで対応できるかは医療機関ごとに違います。「夜中に熱が出たら、どこに電話して、どう動けばいいですか」と、最初に確かめておいてください。介護する家族が仕事を続けるための制度もあります。介護休暇は1年に5日(対象家族が2人以上なら10日)まで時間単位でも取れ、介護休業は要介護状態の家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取れます。誰が日中の付き添いをし、誰が夜の電話番をし、誰が遠方の親族への連絡係になるか。役割を書き出して分けておくと、一人に負担が集まるのを防げます。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”「突然」が怖い今夜から、明日までにできる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”連絡先を一枚にまとめる”]病院の日中と夜間の番号、主治医と病棟の名前、訪問看護があればその番号を一枚に書き、家の電話のそばに貼って家族にも写真で送る。[/gk_step][gk_step title=”体温を測って書く習慣を始める”]毎日だいたい同じ時間に体温を測り、日付と一緒に記録する。熱の出始めに気づきやすくなります。[/gk_step][gk_step title=”もしもの夜の電話先を決める”]相談室の「もしもの夜の備え」で、もしもの夜に電話する先をひとつ決めておく(無料・3分。治療や今後のことを何か決める必要はありません)。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”血小板が少ないと言われました。家でどんなことに気をつければいいですか?”]やわらかい歯ブラシを使う、ひげそりは電気かみそりにする、家具の角にぶつからないよう通り道を片づける、便秘でいきみすぎないようにする、といった工夫が一般に勧められます。鼻を強くかむ、重い物を持つといった動作も控えめにします。どこまで気をつければよいかは血小板の数や状態で違うので、看護師に具体的に確かめてください。[/gk_q][gk_q q=”骨髄腫は、どんな経過をたどりますか?”]治療を順につなぎながら長く付き合う方もいる病気で、骨の痛みや骨折、腎臓の働きの低下、貧血、感染などに気をつけながら過ごします。Ⅰ〜Ⅲ期の分類は血液検査の値などによるもので、固形のがんのステージとは考え方が違います。今の治療の目標と、効き目を確かめる検査の値を主治医に聞いておくと、経過をつかみやすくなります。[/gk_q][gk_q q=”リンパ腫は、治ることもありますか?”]型によっては、治療で治すことを目指せるものがあります。一方、ゆっくり進む型では、治療と経過観察を繰り返しながら長く付き合うことが多く、速く進む型では、治療への反応がその後を大きく左右します。「この型は、治すことを目指す治療ですか、付き合っていく治療ですか」と主治医に確かめてください。[/gk_q][gk_q q=”面会のときに、気をつけることはありますか?”]白血球が少ない時期は、感染を防ぐことが何より優先されます。面会の前後の手洗い、かぜの症状があるときは面会を控える、といった注意のほか、食べ物や花の持ち込みに決まりがある病院もあります。決まりは病院や病状で違うので、病棟の看護師に確かめてから訪ねてください。会えない日は、電話や短い手紙で声を届ける方法もあります。[/gk_q][gk_q q=”ひとりで抱えきれないとき、誰に話せますか?”]全国のがん診療連携拠点病院などにあるがん相談支援センターは、患者さんの家族だけでも、通っていない病院のセンターでも、無料・匿名で使えます。がんについて詳しい看護師や、生活全般の相談ができるソーシャルワーカーなどが対応し、相談した人の同意なく、その内容が担当医などに伝わることはありません。がんと家族の相談室では、今夜、遠方の家族を呼ぶか、泊まるかといった判断を、お電話で一緒に整理することもできます。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
- [gk_link to=”post:metastatic-cancer-prognosis-by-type”]がんの種類によって、余命の読み方はなぜ違うのですか?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:signs”]最期が近づいたとき、体にはどんな変化が現れますか?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:unresponsive-can-still-hear”]反応がなくなっても、声は届いているのですか?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:last-month-changes-family-prep”]最後の1か月に起きやすい変化と、家族の備えは?[/gk_link]
- [gk_link to=”page:night-number”]夜中に何かあったときの電話先を、今のうちに決めておくには?[/gk_link]