がんの最期は、ドラマの場面のように突然激しく訪れるより、眠っている時間が少しずつ長くなり、呼びかけへの反応が薄れ、やがて呼吸の仕方が変わっていく、という形で近づいてくることが多いものです。その間、痛みや息苦しさを和らげる方法はあり、苦しそうに見えたときは、医療者に伝えて和らげ方を考えてもらえます。
ただし、変化の順番や速さは一人ひとり違い、日数を数える目安にはなりません。この記事では、最期に向けて多く見られる体の変化、苦痛を和らげる手段と、医療用麻薬や鎮静についてよく聞かれる心配、意識が混乱したときや反応がなくなったときの接し方、そして最期の瞬間に立ち会えなかった場合の考え方を、怖さを「準備」に変えるためにまとめました。
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- 母の最期がどんなふうになるのか、まったく想像がつかない。
- ドラマのように苦しむのか、眠るように逝くのか。怖くて、看護師さんにも聞けずにいる。
- そのとき自分が取り乱して、母のそばにいられなくなるのではと不安になる。
がんの母の最期はどんなふうに訪れるのでしょうか。苦しむことになりますか?
多くの場合、眠る時間が増え、反応が薄くなり、呼吸の仕方が変わる、という流れで少しずつ近づいてきます。「苦しまない」と言い切ることはできませんが、痛みや息苦しさを和らげる手段はあり、苦しそうに見えたら伝えることで、和らげ方を医療者と一緒に考えられます。
テレビや映画の看取りの場面は、限られた時間で物語を伝えるために、変化が短く、激しく描かれることがあります。実際の最期は、多くの場合もっと静かに、少しずつ進みます。家族が戸惑うのは、その変化の一つひとつが何を意味しているのか分からないときです。
正直にお伝えしておきたいこともあります。苦痛がまったくない最期を約束することは、医療者にもできません。ただ、和らげ方を選び直したり組み合わせたりする余地は、最期の時期にも残っています。その出発点になるのが、そばにいる家族の「いつもと違う」「苦しそう」という気づきです。
最期に向けて、体にはどんな変化が多く見られますか?
よく見られるのは、眠っている時間が長くなる、食べる量や飲む量が減る、呼びかけへの反応がゆっくりになる、呼吸のリズムや音が変わる、といった変化です。現れる順番や速さには個人差が大きく、日数を数える目安にはなりません。
はじめは、うとうとしている時間が増え、食事が数口で止まるようになります。眠る時間が増えるのは、家族の声かけや世話が足りないからではありません。眠りが増えることの意味は、[gk_link to=”post:sleeping-more-near-end”]眠ってばかりなのは最期が近いから?[/gk_link]でも詳しく扱っています。
そのうち、名前を呼んでも返事が遅れたり、目を開けてもすぐに閉じたりするようになります。さらに進むと、息と息の間があく、下あごを動かすように息をする、のどの奥でゴロゴロと音がする、といった呼吸の変化が見られることがあります。手足が冷たくなる、尿の量が減るといった変化が重なることもあります。
米国とブラジルの緩和ケア病棟で、進行がんの患者さん357人を調べた研究(Hui D ほか、Oncologist 2014年)では、意識の低下や、水分を飲み込みにくくなることは比較的早い時期から現れる一方、下あごを動かすような呼吸(下顎呼吸)、のどのゴロゴロという音(死前喘鳴)、尿の量が減ることなどは、亡くなる直前の時期と強く結びついていました。ただ、これは医療者が見立てに使うための研究で、家族が変化を数えて日数を測るためのものではありません。順番が入れ替わることも、ある段階が長く続くことも、一時的に持ち直すこともあります。
- 1眠る時間が増える起きている時間が短くなり、食べる量や飲む量も減っていく
- 2反応がゆっくりになる呼びかけへの返事が遅れ、うとうとする時間が長くなる
- 3呼吸が変わる息の間があく、下あごを動かす呼吸、のどのゴロゴロという音
- 4人によって違う順番が入れ替わる、長く続く、一時的に持ち直すこともある
のどがゴロゴロ鳴る、息の仕方が変わる。母は苦しいのですか?
意識が低下した時期ののどの音や呼吸の変化について、医療者から「ご本人は苦しさを感じていないことが多い」と説明されることがあります。ただ、今のお母さんがどうなのかは、その場で看護師さんに確かめるのがいちばん確かです。
緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM)が作った看取りのパンフレット『これからの過ごし方について』は、からだに起きてくる変化、苦痛が増えたときの対応(鎮静など)、回復が難しいせん妄、のどのゴロゴロ(たん)、点滴について、家族の心配に沿って説明している冊子です。もともとは、医師や看護師が家族と話すときの手元資料として作られたものです。のどの音が家族の大きな心配ごとの一つとして取り上げられているのは、それだけ多くの家族が、そばで聞いていて胸を締めつけられる思いをしてきたからでしょう。
この冊子を使って説明を受けた家族への調査(山本亮ほか、Palliative Care Research 2012年。10施設の遺族325名に送付し、260名が回答、回収率85%)では、81%が「とても役に立った」「役に立った」と答え、84%が「変化の目安になる」、76%が「症状や変化がなぜ起きているのか分かる」と答えました。協力した施設の遺族の結果で、すべての家族に当てはまるとは限りません。著者らも、冊子を渡すだけでなく、十分に話し合いながら使うことを条件として挙げています。それでも、変化の意味を前もって知ることが、多くの家族の助けになったことはうかがえます。「この病棟に、家族向けの説明の冊子はありますか」と尋ねてみてください。
驚きやすいが、意味を医療者に確かめたい変化
- のどの奥でゴロゴロと音がする
- 息と息の間があく
- 下あごを動かすように息をする
- 手足が冷たくなる
つらさのサインかもしれないので、すぐ伝えたい様子
- 顔をしかめる、うめく
- 体をよじる、落ち着かない
- 肩で息をして、苦しそうにしている
- 「痛い」「苦しい」と口にする
痛みや苦しさは、どうやって和らげてもらえますか?
痛みには医療用麻薬を含む痛み止め、息苦しさや吐き気にもそれぞれの和らげ方があります。それでも取りきれない強い苦痛には、眠ることでつらさを感じにくくする「鎮静」が検討されることもあります。家族の「苦しそう」という一言が、見直しのきっかけになります。
緩和ケアは、世界保健機関(WHO)の定義で、体の痛みだけでなく、心や暮らし、スピリチュアルな問題も含めて、苦痛を予防し和らげることで患者と家族の生活の質を高める取り組みとされています。病院の緩和ケアチームや緩和ケア病棟、自宅での在宅緩和ケアなど、どの場所でも、最期の時期のつらさを和らげることが大きな役目になります。
和らげる方法は、症状ごとに専門の指針があります。日本緩和医療学会は、痛みについて『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』、息苦しさについて『進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン 2023年版』、どうしても取りきれない苦痛と鎮静について『がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き 2023年版』をまとめています。
国立がん研究センターの「遺族調査報告書 2023年度調査」(2025年7月公表、2021年に亡くなった方のがん遺族1,226名が回答)では、遺族が振り返って「からだの苦痛が少なかった」と答えた割合は37%で、前回の42%より低くなっていました。和らげる手段があっても、それが十分に届いていない場面があるということです。だからこそ、家族にできるのは、気づいたことを具体的に伝えることです。「なんとなく苦しそう」より、「夜中に3回、顔をしかめて目を覚ました」「右を下にすると息が楽そう」のほうが、医療者は薬や姿勢の調整を考えやすくなります。
- いつから、どのくらいの間続いているか
- どんな様子か(顔をしかめる、うめく、体をよじる、など)
- どんなときに強くなるか(体の向き、食事、夜など)
- 本人が口にした言葉(「痛い」「だるい」など)
- 家族として、いちばん気がかりなこと
医療用麻薬や鎮静で、命が縮むことはありませんか?
痛み止めとして医療用麻薬を使うことで命が縮むという根拠は、ないとされています。鎮静についても、学会の手引きは、平均的に命を縮めるような重い影響はないと想定されるとしています。心配なことは、遠慮せずに医療者へ尋ねてください。
痛みの薬物療法について、日本緩和医療学会のガイドライン(2020年版)には「オピオイドの使用が生命予後を短縮するという根拠はない」と書かれています。「麻薬を使い始めたら最期が近い」「使うと眠ったまま起きなくなる」と心配する家族は少なくありませんが、痛みを我慢し続けることのほうが、本人の眠りや食事、家族と話す力を奪ってしまうことがあります。
鎮静の考え方をまとめた同じ学会の手引き(『がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き 2023年版』)にも、「少なくとも鎮静が平均的に生命予後を短縮するといった重篤な安全性に及ぼす影響はないと想定される」という一文があります。
鎮静は、ほかの方法では和らげられない苦痛があるときに検討されるもので、本人の意思や家族との話し合いをふまえて進められます。「眠らせることは、見捨てることでは」と迷うときも、その気持ちをそのまま医療者に話してください。
意味の通らないことを言う、落ち着かない。どう接すればいいですか?
病状が進んだ時期や看取りが近い時期には、せん妄という一時的な意識の混乱が起こりやすくなるとされています。否定や説得はせず、気持ちのほうに返事をして、そばにいることを伝えてください。様子の変化を医療者に知らせることも、家族の大事な役目です。
国立がん研究センターの医師による解説では、せん妄は「一時的」に起こる意識の障害や認知機能の低下で、時間をかけて進む認知症とは別のものとされています。お母さんの人柄が変わってしまったわけではありません。ただ、看取りの時期のせん妄には回復が難しいものもあり、OPTIMのパンフレットでも家族の心配ごとの一つとして説明されています。原因によって医療者の対応が変わることもあるので、気づいた変化はそのまま伝えてください。
お母さんが、亡くなった祖母の名前を呼んだり、「家に帰らなきゃ」と起き上がろうとしたりすることがあるかもしれません。そのとき「違うよ」「ここは病院だよ」と正そうとすると、かえって不安が強くなることがあります。「おばあちゃんに会いたいんだね」「ここにいるから大丈夫だよ」と、気持ちのほうに返事をしてみてください。部屋を明るすぎず暗すぎずに保つこと、聞き慣れた声で名前を呼ぶことも、落ち着くための助けになります。
反応がなくなっても、声は届いていますか?
呼びかけに反応が返ってこなくなっても、耳には声が届いている可能性があるといわれています。どこまで理解しているかは分かりませんが、いつもの声で名前を呼び、話しかけ、手を握ることは、最後までそばでできることです。
手がかりになる研究があります。カナダのブリティッシュコロンビア大学のチームがホスピスの患者さんの脳波を調べたところ、呼びかけに反応しなくなった状態でも、一部の人の脳は音に反応していました(Scientific Reports、2020年)。ただし反応がない状態で記録できたのは5人だけで、言葉の中身まで分かっているかどうかは、この研究からは分かりません。
それでも、声をかけることに遅すぎることはありません。子どもの頃の思い出、家族の近況、ありがとうの一言。好きだった歌を小さな音で流す、遠くにいる孫の声を電話のスピーカーで聞かせる、乾いた唇を湿らせる、布団を整える。言葉が見つからない日は、手を握って黙って座っているだけでも構いません。最期に伝えたい言葉の選び方は、[gk_link to=”post:words-to-convey-at-the-end”]最期に伝える5つの言葉[/gk_link]にもまとめています。
| したいこと | そばでできること | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 声を届けたい | 名前を呼ぶ、思い出や家族の近況を話す | 耳元で大声を出さない |
| 触れていたい | 手を握る、髪をなでる、布団を整える | 痛む場所は看護師さんに確かめる |
| 楽にしてあげたい | 唇や口の中を湿らせる | 無理に飲み込ませない |
| 好きなものを届けたい | 好きだった歌を小さな音で流す | 音量は会話が聞こえる程度に |
最期の瞬間に立ち会えなかったら、どう考えればいいですか?
最期の瞬間にそばにいられるかどうかは、家族がどれだけ努力しても選べるものではありません。席を外したほんの短い間に、ということもあります。立ち会えなかったことは看取りの失敗ではなく、それまでにそばで重ねてきた時間が消えるわけでもありません。
夜中の数時間、家に着替えを取りに帰ったとき、ほかの家族と交代したとき。最期の瞬間は、誰にも選べないタイミングで訪れます。ずっとそばにいようとして、家族のほうが倒れてしまっては、本人も望まないはずです。家族は「第二の患者」ともいわれます。がん情報サービスによれば、家族は本人を思って自分の気持ちを後回しにしがちで、そのうえ自分の暮らしも回していかなければならないからです。休むことは、付き添いをやめることではありません。
それでも、立ち会えなかったことが心に残り続けることはあります。がんで家族を見送った人の心をみる外来として、国立がん研究センター中央病院には「遺族ケア外来」があります。眠れない、何も手につかない日が続くときは、がん相談支援センターや、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556。曜日や時間は都道府県によって違い、通話料がかかります)、24時間・無料のよりそいホットライン(0120-279-338。がん専門の窓口ではありません)にも、気持ちを話すことができます。
「苦しむ最期」を想像して眠れなかった娘さんは、どう動いた?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談の前は、週に5日は午前2時過ぎまで「母親 癌 最期」と検索していた娘さんが、相談のあとは、検索するのが週に1回あるかないかになりました。ある晩、お母さんの息と息の間があくようになったとき、娘さんは固まらずにナースコールを押し、看護師さんが枕の位置を整えながら、今起きている変化を説明してくれました。そのあとは手を握って、お母さんの好きだった歌を小さな音で流しました。「怖いのは変わらない。でも、何が起きるか知っていると、手を握っていられる」と娘さんは話しています。
2. 相談を考えた背景
お母さんは70代。抗がん剤の治療を終え、緩和ケア病棟に移りました。看護師さんから「これから少しずつ、眠る時間が増えていくと思います」と言われた日から、娘さんの頭には、テレビドラマで見た、もがき苦しむ場面ばかりが浮かぶようになりました。
3. 相談する前に困っていたこと
検索すると「下顎呼吸」「死前喘鳴」といった言葉が並び、意味を調べるほど怖くなりました。看護師さんに聞けばいいと分かっていても、「聞いたら、その日が早く来る気がした」といいます。お父さんは「そんな話はするな」と言うばかりで、家族の中で口に出すこともできませんでした。
4. ここを選んだ理由・決め手
病棟の看護師さんたちは忙しそうで、自分の不安で時間を取らせるのは申し訳ないと感じていました。夜中にがんと家族の相談室のLINEを見つけ、「まずは資料だけ」と、看取り前後にやることチェックリストを頼みました。匿名で、資料を頼むだけでもよかったことが、最初の一歩を軽くしました。翌朝いちばんに届いた返事を読んで、昼休みに電話で話す約束をしました。
5. 相談で話したこと・その後
電話の担当は、最期に向けて一般的に見られる変化と、その順番や速さが人によって違うことを説明し、お母さんの病状の見立てや予測はしませんでした。一緒に作ったのは、看護師さんに聞く3つの質問です。「今はどの段階と見ていますか」「苦しそうなとき、どんな様子なら呼んでいいですか」「夜間に変化があったら電話をもらえますか」。翌日に聞いてみると、看護師さんは「遠慮なく呼んでください」と答え、病棟の説明の冊子も渡してくれました。つまずきもありました。お母さんが「お父さん、早く迎えに来て」と言ったとき、娘さんは思わず「何言ってるの」と返してしまい、その晩は眠れませんでした。看護師さんに話すと、せん妄のことを教えてもらい、次からは「お父さん、もうすぐ来るよ」と返せるようになりました。お父さんも、付き添いの交代のたびに、お母さんに新婚旅行の話をするようになったそうです。
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
主治医・看護師に聞く質問例
- 母は今、どの段階にあると見ていらっしゃいますか。
- 苦しそうに見えるとき、どんな様子ならすぐに呼んでいいですか。
- 痛みや息苦しさが強くなったら、どんな方法で和らげていただけますか。
- のどのゴロゴロや呼吸の変化は、今の母にとってつらいものでしょうか。
- 夜間に様子が変わったら、何時でも電話をいただけますか。
とはいえ、その時を思って怖くなる夜に伝えたい2つのこと
① 気持ちのこと──怖いと思うのは、そばにいたいからです
「最期を見るのが怖い」と感じる自分を、冷たいと思わないでください。怖さの正体は、お母さんが苦しむのを見たくない、そのときに何もできない自分でいたくない、という願いです。変化の意味を知り、伝え方を知り、そばでできることを知る。そうして怖さの一部は、準備に形を変えていきます。それでも涙が出る日は、病室の外で泣いて、少し落ち着いてから戻ればいいのです。
② 実務のこと──付き添いは「交代」を前提に組み立てる
看取りの時期の付き添いは、思っているより長く続くことも、急に終わることもあります。一人がずっと付き添う形は、その人が先に倒れてしまいます。家族の中で、泊まる人と家に帰って休む人を日ごとに分け、病棟には「変化があったら、この順番で電話をください」と連絡の順番を伝えておくと、休んでいる家族も安心して眠れます。仕事を続けながら付き添う人は、親御さんが要介護状態(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にあれば、介護休暇(1年に5日まで、時間単位でも取れる)や、通算93日まで3回に分けて取れる介護休業を使える場合があります。交代表を作る前に、勤務先に確かめておいてください。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”怖さを準備に変えるために、今夜と明日できる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”看護師さんに1つだけ聞く”]明日の面会で「苦しそうなとき、どんな様子なら呼んでいいですか」と尋ね、答えをメモしておく。[/gk_step][gk_step title=”かけたい言葉を1つ決める”]「ありがとう」「ここにいるよ」など、反応が薄れても届けたい言葉を1つ、今夜のうちに決めておく。[/gk_step][gk_step title=”チェックリストを受け取る”]がんと家族の相談室のLINEで「看取り前後にやることチェックリスト」を頼み、読める日に目を通す。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”最期が近いサインが出てから、どれくらいで亡くなるのですか?”]日数を予測することはできません。研究で亡くなる直前の時期と結びつきが強いとされた変化もありますが、それは医療者が見立てに使うためのもので、同じ変化が出ても、その後の時間は人によって違います。今の段階が気になるときは、「今はどの段階と見ていますか」と医師や看護師に尋ねてください。[/gk_q][gk_q q=”食べられなくなってきました。点滴をしてもらったほうがいいのでしょうか?”]最期の時期の点滴については、日本緩和医療学会の『終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン 2013年版』があり、医療者は体の状態に合わせて必要性や量を考えます。点滴をする・しない、量を減らすといった判断は、主治医に「今の母にとって、点滴にはどんな役割がありますか」と尋ね、家族の気持ちも伝えたうえで一緒に決めてください。[/gk_q][gk_q q=”急に目を開けて、はっきり話せる日がありました。持ち直したのでしょうか?”]最期が近い時期にも、一時的に意識がはっきりして会話ができたり、少し食べられたりする日が訪れることがあります。回復の兆しなのかどうかは、医療者に「今日の様子をどう見ますか」と確かめてください。そのうえで、話せる時間があるなら、伝えたいことを伝える時間として使ってください。[/gk_q][gk_q q=”小学生の孫を、最期の場に連れて行ってもいいでしょうか?”]決まった正解はありません。子どもが会いたいと言っているか、そばに付き添える大人がいるかで考えます。連れて行くなら、「おばあちゃんは眠っている時間が長くて、お返事はできないけれど、声は届くかもしれないよ」と、前もって分かりやすい言葉で伝えておくと、子どもが受け止めやすくなります。連れて行かないことも、間違いではありません。[/gk_q][gk_q q=”自宅で看ています。夜中に息が止まったように見えたら、どうすればいいですか?”]あらかじめ在宅医や訪問看護と、そのときに最初に電話する先を決めておくのが基本です。まだ決めていないまま今その状態にあるなら、まず訪問看護か在宅医の夜間の連絡先に電話し、連絡がつかないときは119番に電話してください。在宅療養支援診療所には24時間連絡を受ける体制などが求められていますが、対応は医療機関によって違うので、「夜中に呼吸が止まったように見えたら、どこに電話すればいいですか」と事前に確かめておいてください。[/gk_q][gk_q q=”付き添いで疲れ切っています。家に帰って休んでもいいですか?”]休んで構いません。国立がん研究センターの遺族調査(2022年3月公表、2017・2018年にがんで亡くなった方の遺族54,167名が回答)でも、介護の負担感が大きかったと答えた人は38.9%いました。疲れ切ってしまうのは、あなたが弱いからではありません。眠ることは、明日もそばにいるための準備です。休んでいる間に変化があっても、それは付き添いが足りなかったからではありません。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
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