がんの本人が「怖い」と言って泣き出したとき、家族に求められているのは、気のきいた言葉より、その場を離れずに怖さの中身を一緒に確かめていくことです。本人の不安には、痛みや苦しさへの怖さ、この先どうなるかという怖さ、家族に負担をかける怖さ、ひとりになる怖さなどがあり、どれが強いかによって、そばでできることも、つなぐ先も変わってきます。
涙そのものは、張りつめていた気持ちが外に出てきた合図でもあり、安心できる相手の前だからこそ泣ける人もいます。泣いたこと自体を重く受け止めすぎなくてかまいません。ただ、眠れない、食べられない、何にも関心が持てないといった様子が重なって続くときは、気持ちのつらさとして医療者に相談してよい段階です。どこからを「相談の目安」とするかは人によって違うので、迷ったときは伝えるほうを選んでください。
「怖い」と泣く本人の前で、言葉が見つからなかった方へ
- 母が「怖い」と言って泣いた。何も言えず、手を握ることしかできなかった。
- 励ますのも違う、一緒に泣くのも違う気がして、どうすれば正解だったのか分からない。
- そばにいる自分が、本当に母の支えになっているのか、自信が持てない。
この記事で分かること
- 泣いている本人のそばで、家族がまずできること
- 本人の「怖い」の4つの中身と、言葉からの見分け方
- 医療者に伝えたほうがいい変化と、伝えるときの一文
- 本人の涙を受け止めきれないときの、家族自身の相談先
がんの母が怖がって泣いています。本人の不安に、家族はどう寄り添えばいいですか?
泣き止ませようとしなくて大丈夫です。そばを離れずにいること、何が怖いのかを本人の言葉で聞くこと、医療で和らげられるつらさを医療者につなぐこと。家族の寄り添いは、この3つで組み立てられます。
面会時間の終わりが近づき、帰り支度を始めたところで、母が急に「怖い」と泣き出す。夕食のあとの居間で、テレビを見ていたはずの父が、黙って涙を流している。そんな場面に出会うと、家族はとっさに「大丈夫だよ」「先生も頑張ってくれてるじゃない」と言いたくなります。心配する気持ちから出る、自然な言葉です。
ただ、すぐに打ち消す言葉が返ってくると、本人は「この怖さは、家族の前で出してはいけないものだった」と受け取ってしまうことがあります。泣いている人が求めているのは、多くの場合、答えより「一人で怖がらなくていい」という感覚です。
そこで、家族の役割を三つに分けて考えてみてください。一つめは、いること。席を立たず、手を握るか、隣に座り続けます。二つめは、聞くこと。落ち着いてから、何が怖いのかを本人の言葉で受け取ります。三つめは、つなぐこと。痛みや眠れなさ、気持ちの落ち込みのように、医療で和らげられるつらさがあれば、主治医や看護師に伝えます。どれも、正しい言葉を用意できなくてもできることです。
- 1いる席を立たず、隣に座る・手を握る。沈黙を言葉で埋めなくていい
- 2聞く落ち着いてから、何が怖いのかを本人の言葉のまま受け取る
- 3つなぐ痛み・眠れなさ・落ち込みは、主治医や看護師に伝えて和らげる方法を探す
手を握ることしかできなかったのは、足りなかったのでしょうか?
足りなかったわけではありません。言葉が見つからないとき、手を握る、背中に手を当てる、隣に座り続けるといった体の近さは、「ここにいる」「ひとりにしない」という気持ちを、言葉より先に伝えてくれます。
言葉は、選び方によっては思ってもいない意味で届くことがあります。手のぬくもりは、そうした取り違えが起きにくい伝え方です。何も言えずに手を握っていた時間を、「何もできなかった時間」と数えなくてかまいません。
触れ方には、本人の好みと体の事情があります。泣いているときに触られるのが苦手な人もいますし、点滴の針が入っている腕や、痛みのある背中、むくんでいる足のように、触れないほうがよい場所もあります。迷ったら「手、握っててもいい?」と聞くか、ベッドの上に手のひらを上に向けて置き、本人が握りたければ握れるようにしておきます。
触れないときにも、近くにいることは伝えられます。立ったまま見下ろすのではなく、椅子を引き寄せて目の高さをそろえる。テレビを消し、スマホをかばんにしまう。ティッシュの箱を手の届くところに置き、落ち着いたら少し水を飲んでもらう。こうした小さな動きが、「今はあなたのための時間」という言葉の代わりになります。
- 1泣き始めたとき帰り支度やスマホを置いて椅子に座り、目の高さをそろえる
- 2泣いているあいだ言葉で埋めず、手や背中に触れて待つ。触れられたくなさそうなら隣にいるだけでいい
- 3落ち着いてきたら「いちばん怖いのは、どんなとき?」と一つだけ聞く
- 4帰る前次に来る日や電話する時間を具体的に伝え、ひとりにしないと示す
- 5その夜泣いた時間帯・きっかけ・本人の言葉を、短くメモしておく
- 6翌日体のつらさや眠れなさが話に出ていたら、看護師に伝える
本人の「怖い」には、どんな中身がありますか?
大きく分けると、痛みや苦しさへの怖さ、この先どうなるかという怖さ、家族に負担をかける怖さ、ひとりになる怖さの4つがあります。一つだけのこともあれば、いくつかが重なっていることもあります。
痛みや苦しさへの怖さは、「痛くなったらどうしよう」「息が苦しくなるのでは」という形で口に出やすいものです。今まさに痛みがある場合もあれば、これから起きるかもしれないつらさを先取りして怖がっている場合もあります。
この先への怖さは、「これからどうなるの」「治療が効かなかったら」という言葉になって表れます。検査の結果を待つ時期や、治療が変わる節目に強くなる人もいます。
家族への負担の怖さは、「迷惑ばかりかけて」「みんなの生活を壊してしまう」という言葉に表れます。親として、配偶者として家族を支えてきた人ほど、支えられる側に回ること自体がつらいことがあります。
ひとりになる怖さは、「夜がいや」「誰にも分かってもらえない」という形で出てきます。面会の人が帰ったあとや、病室の明かりが消えたあとに、急に強くなることがあります。
本人の側から怖さを整理した内容は、[gk_link to=”post:feelings”]がんが怖い、先が見えないという気持ちについての記事[/gk_link]にまとめています。家族が知っておきたいのは、同じ「怖い」でも中身によって、そばでできることが違うという点です。
| 怖さの中身 | 本人の口から出やすい言葉 | 家族がそばでできること |
|---|---|---|
| 痛みや苦しさへの怖さ | 「痛くなったらどうしよう」「苦しくなるのが怖い」 | 今のつらさを一緒に言葉にし、主治医や看護師に伝える |
| この先への怖さ | 「これからどうなるの」「治療が効かなかったら」 | 分からないことを質問の形にして、次の診察に持っていく |
| 家族への負担の怖さ | 「迷惑ばかりかけて」「みんなに悪い」 | 打ち消すより、頼ってもらえて助かっていると伝える |
| ひとりになる怖さ | 「夜がいや」「誰も分かってくれない」 | 次に会う日や連絡の時間を決め、夜の様子を病棟に伝える |
何が怖いのかは、どう聞けばいいですか?
「どうして泣いてるの?」と理由を問うより、「いちばん怖いのは、どんなとき?」「痛くなること?それとも先のこと?」と、答えやすい形で一つだけ聞きます。答えたくなさそうなら、聞かずに待ってかまいません。
「どうして」という聞き方は、責めるつもりがなくても、泣いている理由を説明するよう求める形になります。理由をうまく説明できないから涙が出ている、という人も少なくありません。「どんなとき」「どれが」という聞き方なら、本人は場面や言葉のかけらで答えられます。
答えが返ってきたら、言い換えずに、そのままくり返します。「夜がいやなんだね」「痛くなるのが怖いんだね」。くり返すだけで、本人は「伝わった」と感じやすくなります。反対に、「そんなこと考えなくていいよ」「先のことなんて誰にも分からないんだから」と返すと、受け止めたつもりでも、本人には打ち消しに聞こえることがあります。
たとえば、こんなやりとりです。本人「怖い」。家族「うん、怖いね」。少し間をおいて、家族「いちばん怖いのは、どんなとき?」。本人「夜。一人になると、悪いことばかり考える」。家族「夜なんだね。夜のこと、看護師さんにも話してみようか」。家族が答えを出す必要はありません。怖さの居場所が分かれば、次の一手が決まります。
ただし、深く話したくない日もあります。聞かれたくない気持ちも、知らないままでいたいことがある気持ちも、本人のものです。言葉のかけ方全般の工夫は、[gk_link to=”post:words-instead-of-ganbatte”]「頑張って」の代わりに言える言葉の記事[/gk_link]も参考にしてください。
一緒に泣いてしまっても、かまいませんか?
かまいません。家族の涙は、本人の怖さを分け持っている印として届くこともあります。ただ、本人が家族を慰める側に回ってしまうほどなら、少し席を外して呼吸を整え、戻ってくれば十分です。
「家族が泣いたら、本人がもっと不安になる」と考えて、涙をこらえる人は多いものです。けれど、同じ怖さを前にして一緒に泣くことは、本人にとって「怖がっているのは自分だけではない」という安心につながる場合があります。泣いてはいけないと決めて張りつめるより、あふれた涙はそのままでかまいません。
気をつけたいのは、家族の涙が本人の涙を上回ってしまうときです。本人が「泣かないで、私は大丈夫だから」と家族をなだめ始めたら、本人は自分の怖さをしまい込んでしまいます。そんなときは「ちょっと顔を洗ってくるね」と言って席を外し、廊下で深呼吸をしてから戻ります。戻ったら「一緒に泣いちゃったね」と一言添えれば、気まずさは残りにくくなります。
面会のたびに涙が止まらない、帰りの電車でも泣き続けてしまう、という日が続くなら、それは家族の側にも支えが必要だというサインです。家族自身の相談先は、このあとの節で紹介します。
どんな変化があれば、医療者に伝えたほうがいいですか?
眠れない、食べられない、好きだったことに関心を示さないといった様子が重なって続くとき、夜になると混乱したように怖がるとき、「消えてしまいたい」と口にしたときは、早めに主治医や看護師に伝えてください。
怖さや涙は、重い病気に向き合う人の自然な反応です。けれど、気持ちのつらさが長く居座り、眠りや食事、日々の楽しみまで奪っているなら、家族の励ましだけで抱えるものではありません。WHO(2002年)の緩和ケアの定義(日本緩和医療学会の定訳)は、痛みだけでなく心理社会的な問題やスピリチュアルな問題にも早くから向き合うことを含んでいて、国立がん研究センターのがん情報サービスも、緩和ケアはがんと診断されたときから始まると説明しています。病院によっては、がんの患者さんの心のケアを専門にする診療科(精神腫瘍科など)や、心理の専門職につないでもらえることもあります。
夜になると急に怖がる、つじつまの合わないことを言う、いないはずの人が見えると話す、といった変化には、別の理由が隠れていることもあります。せん妄は一時的に現れる意識障害や認知機能の低下で、病状が進んだ人や看取りの時期には起こりやすくなるとされています(国立がん研究センター)。気持ちの問題と決めつけず、その日のうちに看護師に伝えてください。
痛みが怖くて、痛み止めを我慢している人もいます。医療用麻薬を使うと命が縮むのではと心配する声もありますが、日本緩和医療学会の『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』は、オピオイドの使用が生命予後を短縮するという根拠はないとしています。本人がその不安を口にしたら、主治医から直接説明してもらう場を頼めます。痛みや苦しさを和らげる方法は、[gk_link to=”post:is-the-end-painful-palliative-care”]緩和ケアでできることの記事[/gk_link]でも紹介しています。
伝えるときは、長い説明より、見たことをそのまま話すのが近道です。「母が夜になると『怖い』と言って泣きます。痛みのせいなのか、気持ちのことなのか、家族には分かりません。一度、本人の話を聞いていただけますか」。この一文があれば、看護師はどこから確かめればよいか見当をつけやすくなります。
Q1痛み・息苦しさ・吐き気など、体のつらさを口にしていますか
はい我慢させず、次の診察を待たずに看護師や主治医へ伝える
いいえ気持ちの様子に目を向けて、次の問いへ
Q2眠れない・食べられない・何にも関心が持てない様子が、重なって続いていますか
はい気持ちのつらさとして伝え、心の専門家につないでもらえるか聞く
いいえそばで聞きながら、気づいたことをメモに残す
Q3夜になると混乱したり、いないはずのものが見えると言ったりしますか
はいせん妄のこともあるため、その日のうちに看護師へ伝える
いいえ次の診察で、泣いた場面とあわせて様子を伝える
Q4「消えてしまいたい」など、自分を傷つけるような言葉がありますか
はいその日のうちに主治医か看護師へ。差し迫った危険を感じたら119番
いいえ家族だけで抱えず、気がかりは次の受診でまとめて伝える
本人の涙を受け止めきれないとき、家族はどうすればいいですか?
受け止めきれないと感じるのは、家族が冷たいからでも、弱いからでもありません。本人の怖さを一人で抱え込まず、看護師や相談窓口に、家族自身の気持ちも話してください。
国立がん研究センターのがん情報サービスは、家族が「本人はもっとつらいのだから」と自分の気持ちを我慢しがちなことにふれ、ご家族は「第二の患者」ともいわれると紹介しています。泣いている本人を支える人にも、気持ちを下ろす場所が要ります。
病院のがん相談支援センターは、患者さん本人だけでなく家族も、その病院に通っていない人も、無料・匿名で使える窓口です。相談した内容が、相談した人の同意なく担当医などに伝わることはないので、「母の涙を見るのがつらい」という家族の本音もそのまま話せます。夜中に気持ちが追いつかないときは、24時間・無料のよりそいホットライン(0120-279-338)があります。気持ちの沈みが長引くときは、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)に電話すると、かけた場所の都道府県・政令指定都市が行う公的な相談窓口につながります。曜日と時間帯は地域で異なり、通話料がかかります。
がんと家族の相談室では、評価も助言もしない20分で、本人の涙を見た日の話をそのまま聞きます。希望があれば記録も残しません。LINEは匿名のままでも使えて、夜に届いたものは翌朝いちばんに読んで、担当からお返事します。眠れない日や食べられない日が続いているなら、家族自身も、かかりつけの医師に相談してください。
「怖い」と泣く母の前で固まっていた娘さんは、どう動いた?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談のあと、娘さんは母が泣き出しても「大丈夫だよ」と言うのをやめ、椅子に座って手を握り、落ち着くまで待つようにしました。泣きやんだところで「いちばん怖いのは、どんなとき?」と一つだけ聞くと、母は「消灯のあと。背中が痛くなると、このまま悪くなるんじゃないかと思う」と答えました。娘さんはその言葉をメモし、翌日、病棟の看護師に伝えました。主治医と看護師が夜の痛みへの対応を見直し、夜勤の看護師が声をかけてくれるようになってから、面会中に母が泣く日は、週3回の面会のほぼ毎回だったのが、週に1回ほどになったそうです。「泣かれるのが怖くなくなった。泣いたら座ればいいと分かったから」と娘さんは話しています。
2. 相談を考えた背景
母が入院して3週間たった日の面会の終わりに、母が初めて「怖い」と泣きました。それまでの母は、看護師さんにも娘さんにも「平気よ」と笑ってみせる人でした。娘さんは何も言えず、手を握ったまま面会時間が終わり、帰りの電車で涙が止まりませんでした。県外に住む兄には、心配をかけると思って話せずにいました。
3. 相談する前に困っていたこと
その夜、「がん 母 泣いている 何て言えば」と検索し、記事を何本も読みました。励ましてはいけないと書いた記事もあれば、前向きな言葉をかけようと書いた記事もあり、かえって分からなくなりました。次の面会では「先生もよくなるって言ってたじゃない」と言ってしまい、母は黙って窓のほうを向いてしまいました。
4. ここを選んだ理由・決め手
病院のがん相談支援センターも考えましたが、平日の昼は仕事で抜けられません。電話の相談窓口も調べたものの、何から話せばいいのか分からず、番号を押せませんでした。母の病状を聞きたいのではなく、自分の接し方を誰かに聞いてほしかった娘さんにとって、夜にLINEで送っておけば翌朝に返事が来ることが決め手になりました。
5. 相談で話したこと・その後
最初は夜中に「母が泣いた。何て言えばよかったのか分からない」とだけ送り、翌朝の返事を読んでから、昼休みに20分、電話で話しました。担当は母の病状や見通しには触れず、泣いた場面を順にたどって、看護師に伝える一文を一緒にまとめました。つまずきもありました。看護師に話したことを知った母が、最初は「余計なこと言わないで」と怒ったのです。娘さんが「夜につらいのを、私ひとりで抱えたくなかった」と伝えると、母はしばらく黙ってから「そうね」とうなずきました。
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
医療者に聞く質問例
- 母が夜になると「怖い」と言って泣きます。病棟での夜の様子を教えていただけますか。
- 痛みへの不安が強いようです。痛みが出たときの対処を、本人にもう一度説明していただけますか。
- 気持ちのつらさについて、話を聞いてくれる専門のスタッフや診療科はありますか。
- 本人が泣いたとき、家族がそばで気をつけたほうがいいことはありますか。
- 夜の混乱や、いつもと違う言動に気づいたら、誰に、どう連絡すればいいですか。
とはいえ、泣いている本人のそばにいる家族に伝えたい2つのこと
① 気持ちのこと──怖さを消せなくても、ひとりにしなかった時間は残る
本人の怖さを、家族が消してあげることはできません。重い病気を前にして怖いと感じるのは、生きていたいと願う人の自然な反応だからです。家族にできるのは、怖さをなくすことではなく、怖さの中に本人をひとりで置いておかないことです。泣きやませられたかどうかで、自分の寄り添いの値打ちを測らなくてかまいません。手を握っていた数分も、黙って隣にいた夜も、本人の側にはちゃんと残っています。
ご本人の方がこのページを読んでいたら、家族の前で泣いてしまったことを申し訳なく思わなくて大丈夫です。怖いと言えたのは、その人を信頼しているからです。家族に言いにくい怖さは、主治医や看護師、がん相談支援センター、こころの健康相談の窓口に話してもかまいません。
② 実務のこと──泣いた日の記録を、家族で一つにまとめておく
面会する家族が複数いるなら、本人が泣いた日のことを一冊のノートか、家族のグループのメッセージにまとめておくと役に立ちます。書くのは、日付と時間帯、きっかけ、本人の言葉、何をしたら落ち着いたかの四つだけです。並べてみると、「夕方から夜に多い」「検査の前の日に多い」といった傾向が見えてくることがあります。傾向が分かれば、面会の時間帯を夕方に寄せる、検査の前日は誰かが電話をする、といった分担を家族で組めます。病棟や訪問看護との連絡役を一人に決めておけば、医療者にも同じ情報がまとまって届きます。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”本人の涙を見た日に、今夜から明日にかけてできる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”次の約束を一つ伝える”]「明日の夕方また来るね」「夜9時に電話するね」と、次に会う日か連絡の時間を一つだけ伝えます。ひとりにしないという合図になります。[/gk_step][gk_step title=”看護師に渡すメモを書く”]泣いた時間帯、きっかけ、本人の言葉を三行で書いておきます。明日の面会のときに、そのまま看護師に見せられます。[/gk_step][gk_step title=”自分の気持ちをひとこと外に出す”]今夜のうちに、信頼できる人か相談窓口に「今日、母が泣いた」とだけ伝えます。相談室のLINEなら、スタンプひとつでもかまいません。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”つい「泣かないで」と言ってしまいました。本人を傷つけたでしょうか?”]「泣かないで」は、相手のつらさを見ていられないほど大切に思う気持ちから出る言葉で、それだけで関係が壊れるものではありません。気になるなら、次に会ったときに「この前は泣かないでなんて言ったけど、泣いてもいいんだよ。そばにいるから」と一言添えれば十分です。言い直せる機会は、これから何度もあります。[/gk_q][gk_q q=”面会の帰りぎわに「帰らないで」と泣かれました。泊まったほうがいいですか?”]付き添って泊まれるかどうかは、病院や病棟のルールと、家族の体力や仕事の事情で決まります。泊まれない日は、次に来る日時を具体的に伝え、帰る前にナースステーションで「さっき母が泣いていました」と一声かけておくと、看護師が様子を見に行きやすくなります。家族の写真や短い手紙を枕元に置いていく方法もあります。会う回数や連絡のリズムの決め方は、[gk_link to=”post:how-often-to-visit”]会う頻度と連絡のリズムの記事[/gk_link]にまとめています。帰ることは見捨てることではなく、また来るための休息です。[/gk_q][gk_q q=”本人が泣くのは、病気が進んでいるサインですか?”]涙だけで病状を判断することはできません。気持ちは日によって大きく揺れ、検査の結果を待つ時期や治療の節目、体調がすぐれない日に不安が強くなる人もいます。ただ、痛みや息苦しさ、食事や眠りの変化など、体の様子の変化を伴っているときは、主治医や看護師に伝えてください。急に具合が悪くなったときは病棟や主治医、訪問看護に連絡し、命に関わると感じたら119番に電話します。[/gk_q][gk_q q=”孫の前で本人が泣いてしまいました。子どもには何と伝えればいいですか?”]親のがんを子どもに伝えるときの考え方として、国立がん研究センターのがん情報サービスは、話すかどうかに正解はなく、周りの大人が方針を共有しておくこと、子どものせいではないこと、うつらないことを伝えることを紹介しています。祖父母の場合も同じ考え方が手がかりになります。「おばあちゃんは病気のことで少し怖くなっちゃったんだって。あなたのせいじゃないよ。来てくれて、うれしかったと思うよ」のように、その子に分かる言葉で、変わらないことも一緒に伝えてください。[/gk_q][gk_q q=”「家族の前では泣きたくない」と本人に言われました。”]その気持ちも尊重してかまいません。家族を心配させたくない、弱った姿を見せたくないという思いから、泣く場所を選びたい人もいます。「分かった。泣きたいときは看護師さんに話してもいいし、私が少し席を外してもいいからね」と、家族以外の相手や一人になれる時間があることを伝えておきます。病院のがん相談支援センターは、本人ひとりでも、名前を言わずに相談できる窓口です。[/gk_q][gk_q q=”本人が泣いていたことを、ほかの家族に話してもいいですか?”]本人に一度確かめてからにすると安心です。「お兄ちゃんにも、夜がつらいって伝えておいてもいい?」と聞けば、多くの場合、話してよい範囲を本人が決められます。面会の時間帯を分け合うなど、ほかの家族の協力が要る場面では、泣いた事実より「夜が心細いらしい」という困りごとの形で伝えると、本人の気持ちを守りやすくなります。ただし、自分を傷つけるような言葉があったときは、本人を守るために医療者へ伝えることを優先してください。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
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