週5日の勤務を終えて玄関に入ると、靴を脱ぐ前に、しばらく上がり口に座りこんでしまう。若いころは夜勤明けでも買い物に寄れたのに、いまは夕食の支度を始めるまでに一息が要る。看護の仕事そのものは好きなのに、このペースのまま60代を走りきれる気はしない。
テーブルの上には、年金のお知らせの封筒。働く日を減らしたら、暮らしは回るのだろうか。働きながら年金を受け取ると、減らされてしまうのではないか。考えることが多すぎて、結局いつもと同じ週5日の勤務表に名前を書いている。そんな方もいるかもしれません。
60代の働き方に、誰にでも当てはまる正解はありません。けれど、考える順番はあります。体力、収入、年金、そして生きがい。この4つの物差しで今の暮らしを測り直すと、自分にとってちょうどよい日数と、仕事の組み合わせが見えてきます。
ここでは、4つの物差しの使い方から始め、年金で足りない額から働く時間を逆算する計算、2026年4月に基準が変わった在職老齢年金の考え方、在宅の仕事の取り入れ方へと進みます。
60代の看護師に合う働き方は?
60代の看護師に合う働き方は、体力・収入・年金・生きがいの4つの物差しで、自分にとってのちょうどよさを決めるところから見えてきます。目安になるのは、週2〜4日の短い勤務や、自宅で働く在宅の仕事を組み合わせて、働く量を体に合わせる形です。
4つの物差しは、どれか1つだけでは決められません。体力に合わせて日数を減らせば収入が減り、収入を増やそうと時間を延ばせば体と年金の両方に響くことがあります。まずは4つを並べて、自分への問いの形にしてみましょう。
| 物差し | 自分に聞く問い | 在宅の仕事での考え方 |
|---|---|---|
| 体力 | 翌日に疲れを残さず働けるのは週何日か | 通勤がなく、座って働ける |
| 収入 | 年金だけでは毎月いくら足りないか | 時給×時間で月の額を見積もりやすい |
| 年金 | 働く収入で年金の受け取りは変わるか | 働き方の形で確かめることが変わる |
| 生きがい | 誰と、どんな形で関わり続けたいか | 声や画面越しに人と話す仕事がある |
編集部まとめ
考える順番は、体力から始めるのが近道です。体が続かなければ、収入の計画も年金の計算も成り立たないからです。次に、年金で足りない額を出して収入の目標を決め、その収入で年金がどう扱われるかを確かめます。最後に、残った選択肢の中から、生きがいに合う仕事を選びます。
60代で応募できる求人の種類と、求人票の年齢の読み方は60代の看護師が応募できる求人にまとめています。この記事では、その手前の「どのくらい、どんな形で働くか」を決めることに絞ります。50代から60代へと、年齢を重ねながら在宅の仕事を育てていく流れは、40代・50代からの看護師の在宅ワークの後半で紹介しています。
体力:週の日数と1日の時間は、どう決める?
体力の物差しで大切なのは、「何日働けるか」より「何日なら翌日に疲れを残さないか」で考えることです。60代は、同じ仕事量でも回復にかかる時間が人によって大きく違います。
決め方の手がかりになるのは、自分の記録です。2週間だけ、働いた日の翌朝に「すっきり」「少し疲れ」「重い」の3段階でメモをつけてみてください。「重い」が週に2回以上ある働き方は、日数か1日の時間のどちらかを減らすサインです。
1日の時間は、時間帯とセットで決めます。朝のほうが頭がさえる人は午前中心に、朝がゆっくりな人は昼からの勤務に。通勤がある仕事なら、往復の時間も「働く時間」に数えておくと、疲れの見積もりが現実に近づきます。片道40分の通勤なら、5時間の勤務でも家を出てから戻るまでは6時間を超えます。
- 働いてみる
- 翌朝の疲れを記録する
- 日数か時間を1つだけ調整する
- 家族と予定を合わせ直す
調整するときは、日数と時間を同時に変えないのがこつです。どちらか1つだけ変えれば、疲れが減った理由がはっきりします。始めるときも、少なめの日数から増やすほうが、多めから減らすより気持ちの負担が小さくてすみます。
日数を減らすか、1日の時間を短くするかで迷ったら、疲れの出方で選びます。日数を減らすと、通勤と身支度の回数が減ります。1日の時間を短くすると、その日の疲れの山が低くなります。朝の支度や通勤がこたえる人は日数を、夕方になると集中が切れる人は1日の時間を減らすと、同じ収入でも楽になることがあります。
血圧や関節など、通院中の持病があるなら、働く日数を決める前に主治医の意見を聞いておきましょう。在宅勤務で体調を崩さないための姿勢や休憩のとり方は、在宅勤務で体調を崩さない工夫で紹介しています。
収入:年金で足りない額から、働く時間を逆算する
収入の物差しは、「いくら稼ぐか」ではなく「年金で毎月いくら足りないか」から考えると、働きすぎを防げます。手順は4つです。毎月の生活費を出す、年金の手取りの見込みを確かめる、差額を出す、差額を時給で割って週の時間に直す。
年金の額の見込みは、日本年金機構から届くお知らせで確かめられ、読み方がわからないところは年金事務所の窓口で教えてもらえます。生活費は、固定費(住まい・保険・通信など)と、食費などの変わる費用に分けて書き出すと、漏れが減ります。
計算の例を挙げます。年金で足りない額が月8万円で、時給1,600円の仕事をすると仮定します。1か月を4.3週として、80,000÷(1,600×4.3)で約11.6。週に12時間ほど働けば届く計算です。週3日・1日4時間の形なら、ちょうどこのくらいになります。
| 働き方の例 | 週の時間 | 月の収入(計算例) | 確かめたいこと |
|---|---|---|---|
| 週2日・1日4時間 | 8時間 | 約5万5千円 | 足りない額に届くか |
| 週3日・1日4時間 | 12時間 | 約8万3千円 | 翌日に疲れが残らないか |
| 週3日・1日5時間 | 15時間 | 約10万3千円 | 対面と在宅を組み合わせるか |
| 週4日・1日5時間 | 20時間 | 約13万8千円 | 社会保険の加入の対象になるか |
編集部の計算例
計算は、時給×1日の時間×週の日数×4.3です。税金や社会保険料を引く前の額で、深夜手当なども含みません。在宅の仕事の時給は求人ごとに違うので、応募を考えている会社の条件で計算し直してください。月収シミュレーターを使うと、掲載企業の時給で試算できます。計算の考え方は看護師の在宅ワークの月収シミュレーションでもくわしく紹介しています。
表の最後の行の「週20時間」は、覚えておきたい区切りです。厚生労働省の説明では、短時間で働く人の社会保険の加入の要件のうち、勤め先の企業の規模についての条件は10年かけて縮小・撤廃されます[1]。その先は、週20時間以上働く人なら、どの規模の職場でも加入する形になります[1]。いまの時点で自分が加入の対象になるかは、ほかの条件もあるので勤め先で確かめましょう。
収入の安定を重く見るなら、毎週の勤務が決まっているパートが、働く日を選びたいなら単発の仕事が向きます。単発の仕事だけで足りない額を埋めようとすると、月によって働く日が増えすぎることがあります。軸になる仕事を1つ決め、単発はその上に足すくらいの気持ちで組むと安心です。
年金と貯蓄の取り崩しで、毎月の生活費をまかなえますか?
収入より体力と生きがいを優先し、週2〜3日から考えましょう。
足りない額を出し、時給と1日の時間から週の時間を逆算しましょう。
週20時間以上、働く必要がありそうですか?
社会保険の加入と年金との関係を、勤め先と年金事務所で確かめましょう。
短い時間の仕事を、1つか2つ組み合わせる形を考えましょう。
家の外で人と会う日も、週に1日はほしいですか?
対面の仕事を週1日、在宅の仕事をほかの日に置きましょう。
在宅の仕事を中心にして、散歩や趣味で外に出る日を決めましょう。
年金:働きながら受け取ると、年金は減る?
働きながら年金を受け取るときに知っておきたいのが、在職老齢年金のしくみです。日本年金機構によると、年金の「基本月額」と、働いて得る給与などをもとにした「総報酬月額相当額」の合計が、「支給停止調整額」を超える場合に、年金の月額が調整されます[2]。
この支給停止調整額は、2025年度(令和7年度)は51万円でした[2]。令和7年の年金制度改正法によって、2026年4月以降は65万円に引き上げられています[2]。60代で働く看護師にとって、2026年の大きな変化の1つです。
出典:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」[2]
合計が支給停止調整額を超えると、年金の月額は「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-支給停止調整額)÷2」で計算されます[2]。つまり、超えた分の半分が差し引かれる形です。合計が65万円を超えなければ、この式による調整はかかりません[2]。仮の数字で計算してみます。
| 例 | 基本月額 | 総報酬月額相当額 | 合計 | 2026年4月以降の年金の月額 |
|---|---|---|---|---|
| 例1 | 10万円 | 18万円 | 28万円 | 10万円(調整なし) |
| 例2 | 10万円 | 45万円 | 55万円 | 10万円(調整なし) |
| 例3 | 12万円 | 58万円 | 70万円 | 9万5千円(超えた5万円の半分を引く) |
出典:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」[2]
例2は、2025年度の51万円の基準で計算すると、超えた4万円の半分の2万円が差し引かれ、年金の月額は8万円になる計算でした[2]。同じ働き方でも、基準の額しだいで結果が変わることがわかります。支給停止調整額は年度ごとに見直される額なので、調べるときは何年度の額かを必ず確かめてください。
このしくみの対象になるのは、厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金を受け取る人などです。基本月額や総報酬月額相当額が自分の場合いくらになるか、業務委託のように厚生年金に入らない働き方ではどうなるかは、日本年金機構のページや年金事務所で確かめましょう。
年金事務所で相談するときは、予約ができるか、持っていくものは何かを、事前に日本年金機構のページで確かめておくと安心です。「週3日・1日5時間のパートで、給与は月10万円ほど」「業務委託で月8万円ほど」のように、候補の働き方を数字で書いたメモを持っていくと、自分の場合の答えを具体的に聞けます。
生きがい:誰と、どんな形で関わりたい?
60代で働き続ける理由は、お金だけではありません。人と話す時間、誰かの役に立っている手ごたえ、生活のリズム、学び続ける楽しさ。どれを大切にしたいかで、選ぶ仕事は変わります。
生きがいの物差しを使うときは、「誰と、どんな形で関わりたいか」を考えると選びやすくなります。1人の相手とじっくり向き合いたいのか、短い時間でたくさんの人と接したいのか。体を動かすことも楽しみの1つなのか、座ってできるほうがよいのか。2つの物差しで、60代が選びやすい仕事を分けてみました。
左上の在宅の相談は、1人の話を聞いて受け答えする時間が長く、体はあまり動かしません。右下の単発の健診は、たくさんの人と短く接し、立ち仕事が続きます。どこがよいかではなく、今の自分が欲しい関わり方と、許せる体の負担が重なるところを探すのがこつです。
看護の経験を「教える」形で生かす道もあります。後輩の指導や、オンラインの研修講師のように、積み重ねてきた経験そのものが役に立つ仕事です。画面越しにできる看護の仕事の種類は、看護師がオンラインでできる仕事で一覧にしています。
人と話すことが生きがいの人には、在宅の相談の仕事は向きやすい一方で、家から出る機会が減ることには注意が要ります。週に1日は外に出る予定を入れる、地域の活動に参加するなど、仕事以外の人とのつながりも一緒に考えておきましょう。在宅で一人で働く寂しさとの付き合い方は、在宅ワークの孤独の乗り越え方で紹介しています。
在宅の仕事は、60代の働き方にどう取り入れる?
在宅の仕事は、60代の働き方の「調整役」として使うと力を発揮します。取り入れ方は大きく3つです。
1つ目は、週の全部を在宅にして通勤をなくす形です。雨や雪の日、猛暑の日に駅まで歩く負担がなくなります。2つ目は、対面の仕事と組み合わせて、体を動かす日と座って働く日を分ける形です。3つ目は、再雇用などで働きながら、休みの日に少しだけ在宅の仕事を試す形です。3つ目の場合は、勤め先の就業規則で副業の決まりを先に確かめてください。
2つ目の組み合わせなら、たとえば「月曜は在宅の相談、水曜は健診の会場、金曜はまた在宅の相談」のように曜日で分けると、体を動かす日の前後に座って働く日が来るので、疲れがたまりにくくなります。予定は1か月分をまとめて手帳に書き、勤務が重ならないかを先に確かめましょう。2か所から給与を受け取ると税金の手続きが変わることもあるので、気になるときは税務署で確かめてください。
在宅の仕事には、年齢ではなく、経験の年数や研修への参加、自宅の環境を条件にする求人があります。たとえば介護施設向けの夜間オンコールの求人の一例では、正看護師の資格と看護師の実務経験丸5年以上が応募の条件でした(2026年10月8日に確認)[3]。画面越しに面談する仕事では、第三者のいない個室で、生活感のない白い背景・雑音のない環境で面談することを条件にした求人もありました[4]。応募の前に、自宅のどの部屋なら働けるかを考えておきましょう。
よいところ
- 雨や雪、猛暑の日も通勤の負担がない
- 座って働けるので、膝や腰の負担が小さい
- 長い経験を、話して伝える形で生かせる
気をつけたいところ
- 画面と音に向き合う時間が増え、目や耳が疲れやすい
- 家から出る機会が減り、人と会う日が少なくなる
- パソコンや回線、部屋の準備に手間がかかる
パソコンや回線の準備は、在宅ワークに必要なパソコンとネット環境のセルフチェックで今の状態を確かめられます。在宅の仕事を何歳まで続けられるかは一律には決まっていないので、続けるための条件を看護師の在宅ワークは何歳まで続けられる?で確かめておくと安心です。
モデルケース:訪問入浴の週5日から、在宅の相談の週3日へ移ったHさん
モデルケース(架空の例)
週5日の訪問入浴から、在宅のオンライン健康相談の週3日へ。働かない日には合唱の練習に
- 5日3日働く日(週)
- 約3時間0時間車で移動する時間(1日)
- 0日4日合唱の練習に出る日(月)
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Hさんは、週5日の訪問入浴の仕事から、自宅でビデオ通話を使って健康相談に応じるパートに移りました。働くのは週3日で、1日5時間です。働かない日の朝は畑に出て、週に1回は地域の合唱サークルの練習に通っています。
Hさん:歌の日があると思うと、仕事の日も気持ちよく画面の前に座れるんです。
背景
Hさんは病棟で25年働いたあと、訪問入浴サービスの看護師として16年、利用者の家を車で回ってきました。入浴の前に血圧や体調を確かめ、入ってよいかを判断するのが役目です。63歳になり、夫は年金で暮らし、2人の子どもは独立しています。
困っていたこと
62歳を過ぎたころから、1日に何軒もの家を車で回り、浴槽の準備を手伝う仕事が体にこたえるようになりました。夏は汗が引かず、週5日の勤務を終えると夕食の支度がやっとでした。日数を減らしたくても、働きながら年金を受け取ると減らされるのではと気になって、決めきれずにいました。
選んだ理由
Hさんは、4つの物差しを紙に書き出しました。体力は「車の移動と立ち仕事を減らしたい」。収入は「年金で足りない月7万円を補いたい」。年金は「自分の場合を年金事務所で確かめる」。生きがいは「顔を見て話し、安心してもらう仕事を続けたい」。年金事務所で働き方の候補を見せて確かめたうえで、顔を見ながら話せるオンラインの健康相談を選びました。
Hさん:入浴の前に顔色を見て「今日は大丈夫ね」と声をかけてきたことが、画面越しでも生きています。
始め方と工夫
子ども部屋だった6畳を仕事部屋にし、白い壁を背に机を置きました。回線は固定回線に替え、ビデオ通話の操作は孫に練習相手を頼みました。足りない月7万円に少しゆとりを足して週15時間を目安にし、最初の3か月は週2日で始めてから週3日に増やしました。仕事の日の昼食は、夫が用意してくれるようになりました。
Hさんの例でよかったのは、4つの物差しを1枚の紙に並べ、年金の心配をそのままにせず年金事務所で確かめたことです。気がかりが1つ消えたことで、日数を減らす決心がつきました。
気をつけたいこと:60代で無理をしないための3つの注意
60代の働き方には、40代・50代とは違う注意点があります。
1つ目は、体調の変化に早めに気づくことです。疲れが抜けにくい、夜に何度も目が覚める、目や耳の衰えを感じる。こうした変化があるときは、働き方を変える前に医療機関で相談してください。在宅の仕事でも、画面の文字が見えにくい、声が聞き取りにくいといった変化は、仕事の続けやすさに直結します。
2つ目は、年金・税金・保険の扱いを、自分で決めつけないことです。働く収入と年金の関係、税金の申告、健康保険の加入は、年齢や働き方の形、家族の状況で変わります。年金は年金事務所、税金は税務署、住民税や国民健康保険は住んでいる市区町村と、それぞれの窓口で確かめるのが確実です。
3つ目は、一人で抱え込まないことです。在宅で一人で働いていると、仕事の悩みを話す相手が身近にいないこともあります。厚生労働省の「こころの耳」では、働く人やその家族の相談を、電話・SNS・メールで受け付けています。匿名・無料で利用でき、利用規約への同意が必要です[5]。受付の時間は変わることがあるので、公式のページで確かめてください。
働くのをやめる、という選択も、もちろん1つの道です。働き方の見直しは「続ける」か「やめる」かの二択ではなく、日数や時間、仕事の種類を少しずつ変えていく選択肢がたくさんあります。
今日からできること
60代の働き方は、数字を2つ手に入れるだけで、ぐっと決めやすくなります。年金の見込み額と、毎月の生活費です。まずはそこから始めましょう。
- 1年金の見込み額を確かめる
日本年金機構からのお知らせや年金事務所で、受け取れる年金の月額を確かめます。
- 2毎月の生活費を書き出す
固定費と変わる費用を合わせ、年金で足りない額を出します。
- 3働く時間を逆算する
足りない額を「時給×4.3」で割り、週に何時間働けばよいかを出します。
- 4疲れの出方を2週間記録する
働いた翌朝の疲れを、3段階でメモします。
- 5年金事務所で確かめる
働き方の候補を持って、自分の場合の年金との関係を聞きます。
よくある質問
60代でも、週2日だけ働ける仕事はありますか?
求人によって違いますが、週2日や短い時間から働ける仕事もあります。健診などの単発の仕事、介護施設のパート、在宅の相談の仕事など、職場ごとの条件は60代の看護師が応募できる求人で比べています。
働きながら年金を受け取ると、年金は減りますか?
厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金を受け取る人などは、基本月額と総報酬月額相当額の合計が支給停止調整額を超えると、年金の月額が調整されます。2026年4月以降の支給停止調整額は65万円です[2]。自分の場合にどうなるかは、年金事務所で確かめてください。
65万円という基準は、これから先も同じですか?
支給停止調整額は年度ごとに見直される額で、2025年度は51万円、2026年4月以降は65万円です[2]。インターネットで調べるときは、何年度の額が書かれているかを必ず確かめましょう。
パートで週20時間以上働くと、どうなりますか?
パートの社会保険は、勤め先の企業の規模による区切りがなくなっていく途中で、最終的には週20時間以上働く人が、規模を問わず加入する形になります[1]。厚生年金に加入して年金を受け取る場合は、在職老齢年金のしくみも関係してくるので、勤め先と年金事務所で確かめてください。
60代でも雇用保険に入れますか?
60代から在宅の仕事を始めても、間に合いますか?
間に合います。在宅の仕事の求人には、年齢より経験の年数や研修への参加、自宅の環境を条件にするものがあります。始める前に、パソコンの操作と部屋の準備を少しずつ進めておくと安心です。目や耳の疲れなど、続けるうえで気をつけたい点は看護師の在宅ワークは何歳まで続けられる?で確かめておきましょう。
夫婦の年金と自分の収入は、どう考えればいいですか?
夫婦それぞれの年金と働く収入を合わせて、家計全体で足りない額を出すのが出発点です。税金や健康保険の扶養の扱いは、年齢や働き方で変わるので、税務署や加入している健康保険で確かめてください。
体力が落ちてきて、続けるか迷っています。
続けるか、やめるかの二択にしなくても大丈夫です。日数を1日減らす、時間帯を変える、座ってできる仕事に移るなど、量と形を変える道があります。体調の変化が気になるときは、まず医療機関で相談してください。50代のうちから働き方を変えた例は50代からの看護師の働き方で紹介しています。
まとめ
60代の看護師に合う働き方は、体力・収入・年金・生きがいの4つの物差しで、自分にとってのちょうどよさを決めることから見えてきます。体力から考え始め、年金で足りない額から働く時間を逆算し、年金との関係を確かめてから、生きがいに合う仕事を選ぶ。この順番で考えると、無理のない組み合わせにたどり着きやすくなります。
- 働く日数は「翌日に疲れを残さないか」で決め、3か月ごとに見直す
- 在職老齢年金の支給停止調整額は2026年4月以降65万円[2]。自分の場合は年金事務所で確かめる
- 在宅の仕事は、通勤をなくしたり、対面の仕事と組み合わせたりする調整役に使う
長年積み重ねてきた経験は、働く日数が減っても色あせません。どんな組み合わせが自分に合うか迷ったら、LINEか下のフォームから、気軽に相談してください。