時給が上がった。うれしいはずなのに、最初に頭に浮かんだのは「じゃあ、来年は働く時間を減らさないと」。扶養の範囲で働いていると、こんな矛盾に出会います。秋が深まると電卓を出し、年末のシフトを減らしてほしいと頼むたびに、少し肩身の狭い思いもします。
同僚からは「扶養内なんてもったいない」と言われ、家族からは「扶養の範囲でね」と言われる。夫の会社の家族手当のこともあって、どちらが本当に得なのか、自分では計算しきれない。そんなもやもやを抱えたまま、何年も同じ働き方を続けている人もいるはずです。
扶養内で働くのが損か得かは、家庭ごとに答えが違います。決め手になるのは、壁を越えたときに増える負担と、そのあと増やせる働く時間の釣り合いです。
2026年分の税の基準と社会保険の壁を整理し、扶養を外れたときに増える負担、勤め先の社会保険に入る場合との違い、将来の年金まで含めて、自分の数字で損得を計算する手順をまとめました。
看護師が扶養内で働くのは、もったいない?
扶養内で働くのがもったいないかどうかは、壁を越えたあとに、働く時間をどれだけ増やせるかで決まります。壁を少しだけ越えると手取りが減ることがあり、大きく越えられるなら手取りが増えることがあります。
いちばん大きな分かれ目は、社会保険の扶養の年収130万円です。厚生労働省は、年収130万円以上になると、週20時間未満で働く場合でも配偶者の扶養(第3号被保険者)から外れ、国民年金と国民健康保険の保険料が発生すると説明しています[1]。勤め先の社会保険に入らないまま130万円を少しだけ超えると、増えた収入より、新しく始まる保険料のほうが大きくなりやすいのです。
一方、働く時間を大きく増やして勤め先の健康保険と厚生年金に入れば、保険料は給与から引かれますが、将来の年金に厚生年金の分が上乗せされます。「もったいない」かどうかは、今年の手取りだけでなく、こうした将来の分も含めて考える必要があります。
出典:厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」、国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」、財務省 主税局総務課「令和8年度 税制改正(国税)等について(『ファイナンス』2026年4月号)」[1][2][3]
「もったいない」と感じやすいのは、時給の高い仕事ほど、壁の手前で働ける時間が短くなるからでもあります。たとえば時給1,800円なら、52週で計算して週に約13.9時間働くと、年130万円に届きます。扶養内にとどまるには、それより短くする必要があります。時給が上がるたびに、働ける時間はさらに短くなります。
4つの壁のうち、越えたとたんに新しい負担が始まるのは、130万円の社会保険の扶養です。税の壁は、越えた分に応じて負担が増える仕組みが中心で、1円越えただけで大きく変わるものではありません。まずは、自分の年収の見込みがどの壁の近くにあるかを確かめましょう。時給と時間から年収の見込みを出す方法は、看護師の在宅ワークの月収シミュレーションにまとめています。
年収の壁を越えると、何が変わる?
壁ごとに、越えたときに変わるものと、手取りへの響き方を並べました。2026年分の基準で、給与収入だけの場合の目安です。
| 壁 | 越えると起きること | 手取りへの響き方 |
|---|---|---|
| 勤め先の加入条件 | 勤め先の健康保険・厚生年金に入る | 保険料が給与から引かれる |
| 130万円 | 配偶者の社会保険の扶養から外れる | 保険料の負担が新しく始まる |
| 136万円 | 配偶者控除から配偶者特別控除に移る | 配偶者の控除が収入に応じて段階的に変わる |
| 178万円 | 自分に所得税がかかり始める | 超えた分にかかる |
| 207万円 | 配偶者特別控除の対象から外れる | 配偶者の税が増える |
出典:厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」、国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」、財務省 主税局総務課「令和8年度 税制改正(国税)等について(『ファイナンス』2026年4月号)」[1][2][3]
1行目の「勤め先の加入条件」は、年収ではなく、週の労働時間や賃金、勤め先の規模などで決まります。短時間で働く人の賃金要件(月額8.8万円以上、いわゆる「106万円の壁」)は、2025年6月13日に成立した法律で撤廃されることになりました[1]。撤廃の時期は、法律の公布から3年以内に、全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断するとされています[1]。企業規模の要件も10年かけて縮小・撤廃され、最終的には週20時間以上働けば、勤め先の企業規模にかかわらず加入するようになります[1]。
130万円の壁は、配偶者の健康保険が判定します。収入が一時的に上がった場合は、事業主の証明によって引き続き扶養に入れる特例もあります[1]。判定の細かいところは、配偶者が加入している健康保険で確かめてください。
136万円と207万円は、自分ではなく、配偶者(夫など)の税金に関わる壁です[2]。配偶者特別控除の額は、自分の収入に応じて段階的に変わり、控除を受ける配偶者の所得によっても変わります。具体的な額は、国税庁の案内や配偶者の勤め先で確かめましょう。178万円は、自分に所得税がかかり始める水準です[3]。
表にない壁もあります。配偶者の勤め先の家族手当(配偶者手当)に、独自の収入の条件がある場合です。会社ごとに決まりが違うので、配偶者の勤め先の規程を確かめておきましょう。思っていたより大きな額のこともあり、損得の計算に欠かせません。
2025年分と2026年分で、税の壁はどう変わった?
税の壁は、2025年分と2026年分で続けて見直されました。古い数字のまま計算すると、判断を誤ります。配偶者控除などの基準を、年ごとに並べてみます。
| 基準 | 2025年分 | 2026年分 |
|---|---|---|
| 配偶者控除(合計所得金額) | 58万円以下 | 62万円以下 |
| 配偶者控除(給与収入だけなら) | 123万円以下 | 136万円以下 |
| 配偶者特別控除(給与収入だけなら) | 123万円超201万5,999円以下 | 136万円超207万円以下 |
出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」、国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」[4][2]
2025年分は、扶養親族・同一生計配偶者の所得の要件が合計所得金額58万円以下(給与収入だけなら123万円以下)でした[4]。令和8年度の税制改正で、2026年分からは62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)に引き上げられました[2]。配偶者特別控除の対象も、給与収入だけなら136万円超207万円以下になっています[2]。
同じ改正で、自分に所得税がかかり始める水準(課税最低限)は178万円になりました[3]。国税庁によると、この改正は原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます[5]。11月までの毎月の源泉徴収は変わらず、12月の年末調整などから反映されます[5]。
気をつけたいのは、給与収入に直した「136万円」などの額が、2026年分と2027年分の給与所得控除の最低保障額74万円をもとにした額だということです[2]。2028年分以後もそのままとは限らないので、毎年、その年の基準を確かめ直す習慣をつけましょう。業務委託の報酬がある人は、報酬から経費を引いた所得で考えるため、給与収入の目安はそのまま使えません。
扶養を外れたら、手取りはどう変わる?
損得は、年収の額面ではなく、世帯の手取りで比べます。扶養内で働く場合と、扶養を外れて働く時間を増やした場合の2通りを、同じ表に書き込んでみましょう。
| 項目 | 扶養内の場合 | 扶養を外れた場合 | どこで確かめる |
|---|---|---|---|
| ①年収(額面) | 例:120万円 | 例:200万円 | 時給×時間×52週 |
| ②自分の社会保険料 | 0円 | 試算の額 | 勤め先・市区町村 |
| ③自分の所得税・住民税 | 見込みの額 | 見込みの額 | 作成コーナー・市区町村 |
| ④配偶者の税の増加 | 0円 | 見込みの額 | 配偶者の勤め先 |
| ⑤家族手当の減少 | 0円 | 規程の額 | 配偶者の勤め先の規程 |
| ⑥世帯で見た差 | 基準 | ①−②−③−④−⑤ | 自分で計算 |
編集部まとめ
②は、勤め先の社会保険に入るなら勤め先の担当者に、国民健康保険と国民年金になるなら市区町村の窓口と国民年金の額で見積もります。国民年金の保険料は、令和8年度は月額17,920円で、12か月分を足すと215,040円です[6]。国民健康保険料は市区町村ごとに違うので、見込みの所得を伝えて試算してもらいましょう。
国民健康保険と国民年金になる場合、扶養を外れた年収が、おおよそ「130万円+保険料+増える税金」を上回らないと、扶養内のときより手取りが減ります。配偶者の税や家族手当が変わるなら、その分も足して考えます。国民年金の分だけでも、取り戻すのに必要な時間を時給ごとに計算すると、次のようになります。
出典:日本年金機構「国民年金保険料」[6]
ここに国民健康保険料と、増える税金の分が加わります。130万円を少しだけ超えるくらいでは、こうした負担を取り戻せないことが多いのは、このためです。反対に、週に何時間も増やせる人なら、負担を上回る収入になることがあります。
計算例:時給1,800円で、3つの働き方を比べる
具体的な数字で確かめてみます。時給1,800円で、1年を52週として計算しました。仮の数字で、保険料や税金のすべてを入れたものではありません。
| 働き方 | 年収(額面) | 新しく始まる負担 | 扶養内と比べると |
|---|---|---|---|
| 週12時間(扶養内) | 約112万円 | なし | 基準 |
| 週14時間(国保・国民年金) | 約131万円 | 国民年金215,040円+国保など | 国民年金の分だけで下回る |
| 週24時間(勤め先の保険) | 約225万円 | 勤め先の保険料など | 試算で確かめる |
出典:日本年金機構「国民年金保険料」[6]
週14時間に増やすと、年収は約131.0万円になり、130万円を超えます。ここから国民年金の215,040円を引くだけで約109.5万円になり、週12時間の約112.3万円を下回ります。国民健康保険料を引けば、差はさらに広がります。週に2時間多く働いて、手取りが減る計算です。
週24時間まで増やすと、年収は約225万円です。勤め先の社会保険に入る条件を満たす場合は、保険料を勤め先の試算で確かめます。扶養内との差が保険料と税金、配偶者の税や家族手当の変化を上回れば、扶養を外れたほうが手取りは増えます。2つ目と3つ目のあいだのどこかに、損と得が入れかわる線があります。
記入表を埋めるときは、1年を通した見込みで考えます。時給が上がる予定があれば、上がったあとの額で計算し直します。月ごとの額の目安は、当サイトの月収シミュレーターでも出せます。
勤め先の社会保険に入る場合と、国保・国民年金の場合はどう違う?
扶養を外れたあとの道は、大きく2つです。働く時間を増やして勤め先の社会保険に入るか、勤め先の社会保険には入らずに国民健康保険と国民年金に入るか。同じ「扶養を外れる」でも、中身はかなり違います。
勤め先の社会保険に入る
- 健康保険と厚生年金の保険料は、会社も一部を負担する
- 将来の年金に、厚生年金の分が上乗せされる
- 病気で休んだときの傷病手当金などの保障がある
- 小さな会社では、本人の負担を軽くできる特例が設けられる
国民健康保険と国民年金に入る
- 保険料は全額を自分で納める
- 国民年金は2026年度で月17,920円
- 将来の年金は、扶養のときと同じ基礎年金だけ
- 国民健康保険料は前の年の所得などで計算
勤め先の社会保険に入ると、保険料は給与から引かれますが、会社も保険料の一部を負担します。従業員50人以下の企業などで働き、新たに加入の対象になる標準報酬月額12.6万円以下の短時間労働者には、特例的・時限的な措置が設けられます。3年間、事業主が保険料の負担割合を増やして、本人の負担を軽くできるというものです[1]。開始の時期や負担の割合は、この記事では確かめきれていないので、勤め先に確かめてください。
雇用保険も、雇われて働く人の制度です。いまは週の所定労働時間20時間以上が要件の1つで、2028年10月1日からは10時間以上に変わる予定です(2025年8月の厚生労働省の資料による)[7]。週の時間を増やすと、雇用保険にも入ることがあります。
国民健康保険と国民年金の場合は、保険料を全額自分で納めます。国民健康保険には、会社の健康保険にある傷病手当金が原則としてありません。業務委託で働く人の保険の考え方は、業務委託の看護師は社会保険に入れる?にまとめています。
扶養を外れるなら勤め先の社会保険に入りたい、と考える人は、求人を探す段階で、週の時間と加入の条件を確かめておきます。在宅で働けるパートの求人の見方は、在宅勤務できる看護師のパート求人で整理しています。
将来の年金まで入れると、どう考える?
年金は、扶養を外れるかどうかを考えるときに、見落とされやすいところです。ポイントは、扶養を外れたあとにどの年金に入るかです。
配偶者の扶養(第3号被保険者)の期間も、扶養を外れて自分で国民年金の保険料を納めた期間も、将来の老齢基礎年金では同じように数えられます。そのため、国民年金に切り替えて保険料を納めるだけでは、将来の年金は増えません。月額400円の付加保険料を納めると、老齢基礎年金の額を増やせます[6]。
一方、勤め先の厚生年金に入ると、老齢基礎年金に厚生年金の分が上乗せされます。上乗せの額は、加入した期間と、その間の給与の額によって決まります。厚生年金には、老後の年金だけでなく、病気やけがで障害が残ったときや、亡くなったときに家族が受け取る年金の上乗せもあります。今年の手取りでは少し損に見えても、長く働くほど、将来の年金で取り戻せる部分があります。自分の場合にどれくらい増えるかは、年金事務所で見込みを確かめられます。
増やしたあとの働き方で、勤め先の社会保険に入る条件を満たせますか?
保険料は引かれますが、厚生年金の上乗せや保障が加わります。今の手取りと将来の年金の両方で比べましょう。
年収130万円以上になると、国民健康保険と国民年金の保険料を自分で納めることになります。次の質問に進みます。
130万円を越えたあと、保険料と税金の増加分を上回るほど働く時間を増やせますか?
扶養を外れて働く選択肢があります。記入表で、世帯の手取りを確かめてから決めましょう。
130万円のすぐ上は手取りが減りやすいので、扶養内にとどめるのも筋の通った選び方です。
出典:厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」[1]
モデルケース:計算してから、扶養を外れて働く時間を増やしたEさん
モデルケース(架空の例)
3つの試算を記入表に並べ、扶養を外れて週24時間へ。年収の見込みはおよそ2倍に
- 12時間24時間1週間に働く時間
- 約106万円約212万円年収の見込み(額面)
- 0件3件損得の計算に集めた試算
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Eさんは、扶養を外れたときに増える負担と、増える収入を自分の数字で計算し、週24時間の働き方に切り替えました。勤め先の社会保険に入り、保険料が引かれても、Eさんの家庭では世帯の手取りが扶養内のときより増える見込みだと確かめてから決めました。
Eさん:「もったいない」と言われても動けなかったのは、数字がなかったからでした。
背景
Eさんは病棟と外来で17年働いたあと、在宅の電話相談のパートに移って4年になります。時給は1,700円です。会社員の夫の扶養に入り、年末には時間を調整して働いてきました。下の子どもが中学生になり、平日の昼間に使える時間が増えていました。
困っていたこと
時給が上がるたびに、扶養の範囲に収めるため働く時間を減らしていました。もう少し働きたい気持ちはあっても、扶養を外れると損をすると聞き、どのくらい働けば損をしないのかがわかりませんでした。夫の会社の家族手当に、収入の条件があることも気になっていました。
選んだ理由
Eさんは、勤め先に社会保険料の見込みを、夫の勤め先に家族手当と配偶者の控除の扱いを、年金事務所に将来の年金の見込みを聞き、3つの試算を記入表に並べました。130万円を少し超えるだけの働き方では手取りが減る一方、週24時間まで増やせば、保険料と夫の税金の増加、家族手当の減少を差し引いても、Eさんの家庭では手取りが増える計算でした。
Eさん:損か得かは、壁の金額ではなく、そのあと何時間働けるかで決まるんですね。
始め方と工夫
勤め先と相談し、週4日・1日6時間のシフトに変えました。家計表の収入の欄は額面ではなく手取りで書き、保険料の額は最初の給与明細で確かめて書き直しています。年末にシフトを減らすお願いをしなくてよくなり、同じ時間帯の同僚とも、気兼ねなく予定を組めるようになりました。夫も「計算を見たら納得した」と、家事の分担を一緒に見直してくれました。
Eさんの例で決め手になったのは、「扶養内か、外れるか」の二択ではなく、「外れるなら週に何時間まで増やせるか」を先に考えたことでした。増やせる時間が少なければ、扶養内にとどめるのが合う家庭もあります。答えは、記入表の数字が教えてくれます。
気をつけたいこと:扶養内が合う人もいる
扶養内で働くことは、損な選び方ではありません。子育てや介護、自分の体調などで、働く時間をこれ以上増やせない人にとっては、扶養内にとどめるのが理にかなった選び方です。130万円のすぐ上にしか届かないなら、無理に越えないほうが手取りを守れることもあります。
よいところ
- 時給が上がっても、働く時間を減らさずにすむ
- 勤め先の社会保険に入れば、将来の年金に厚生年金の分が加わる
- 年末にシフトを調整する気づかいが減る
気をつけたいところ
- 130万円を少し超えるだけだと、手取りが減りやすい
- 働く時間が増え、家事や休む時間の配分を見直す必要がある
- 配偶者の税や家族手当が変わり、世帯で計算し直す必要がある
制度がこれからも動いていくことにも、気をつけてください。社会保険の賃金要件の撤廃や、企業規模の要件の縮小は、時期を見ながら進められます[1]。今年の計算で扶養内が合っていても、数年後には答えが変わることがあります。年の初めに、その年の基準で計算し直しましょう。
個別の判断に迷うときは、税金は税務署、年金は年金事務所、扶養の判定は配偶者が加入している健康保険、勤め先での社会保険の加入は勤め先の担当者が窓口です。扶養の範囲で働く時間の決め方と求人の探し方は、看護師が扶養内で働ける求人の探し方で整理しています。
今日からできること
損得は、家族で同じ数字を見ながら決めるのがいちばんです。次の5つの手順で進めてみてください。
- 1働ける時間の上限を決める
家事・育児・介護・体調から、無理なく増やせる時間を出します。
- 2年収の見込みを2通り出す
扶養内の場合と、時間を増やした場合の額面を計算します。
- 3負担の見込みを集める
社会保険料は勤め先か市区町村、配偶者の税と家族手当は配偶者の勤め先で確かめます。
- 4記入表で手取りを比べる
世帯の手取りで、どちらが多いかを見ます。
- 5数年先も含めて決める
子どもの成長、制度の見直し、将来の年金も入れて話し合います。
編集部まとめ
数字がそろったら、記入表を家族と一緒に見てください。「なんとなく扶養内」から「計算したうえで扶養内」に変わるだけでも、年末の電卓の重さは違ってきます。在宅の仕事を始める準備から働き始めるまでの全体の流れは、看護師の在宅ワークの始め方ガイドにまとめています。
よくある質問
扶養内で働くのと外れるのとでは、どちらが得ですか?
家庭によって違います。壁を越えたときに増える保険料や税金、家族手当の減少と、増やせる働く時間の釣り合いで決まります。記入表に自分の数字を入れて、世帯の手取りで比べてみてください。
130万円を少しだけ超えたら、どうなりますか?
2026年分から、配偶者控除の基準は変わりましたか?
106万円の壁は、なくなりましたか?
扶養を外れて国民年金を納めると、将来の年金は増えますか?
扶養の期間も、自分で国民年金を納めた期間も、老齢基礎年金では同じように数えられるため、それだけでは増えません。月400円の付加保険料を納めると、老齢基礎年金の額を増やせます[6]。勤め先の厚生年金に入ると、厚生年金の分が上乗せされます。
夫の会社の家族手当は、どうなりますか?
家族手当(配偶者手当)に収入の条件があるかどうかや、その金額は、会社ごとに違います。夫の勤め先の規程や担当者に確かめ、記入表の⑤に入れてください。思っていたより大きな額のこともあるので、損得の計算に欠かせません。
業務委託で働く場合も、同じ壁で考えますか?
税の基準は所得で決まるため、業務委託の報酬は経費を引いた所得で考え、給与収入の目安はそのまま使えません。社会保険の扶養での数え方は、配偶者の健康保険に確かめてください。くわしくは業務委託の看護師は社会保険に入れる?をご覧ください。
扶養内で働くなら、働く時間はどう決めればいいですか?
年間の上限を先に決め、時給から週の時間を逆算します。手順と求人の探し方は看護師が扶養内で働ける求人の探し方にまとめています。
まとめ
扶養内で働くのがもったいないかどうかは、壁の金額ではなく、壁を越えたあとに働く時間をどれだけ増やせるかで決まります。損得は、年収の額面ではなく、世帯の手取りと将来の年金で比べます。
- 130万円を少し超えて国保・国民年金になると、手取りが減りやすい
- 勤め先の社会保険に入るなら、保険料とあわせて将来の年金と保障も比べる
- 2026年分の税の基準(配偶者控除は給与収入だけなら136万円以下など)は年末調整から反映される[2]
扶養の内か外か、自分に合う働く時間と在宅の仕事を一緒に考えたいときは、LINEやフォームから気軽に相談してください。