看護師がフリーランスで在宅の仕事をするには|仕事の取り方と準備

子どもが寝たあとの台所で、「来年の春に病院を辞めたら、どうやって働こう」と考える。ネットで調べると、「看護師はフリーランスで自由に働ける」という明るい言葉と、「仕事が続かなかった」という話が、同じ画面に並んでいます。

フリーランスは、会社に雇われず、仕事ごとに契約して働く形です。看護師の在宅の仕事にも、業務委託で受ける保健指導の面談や、医療記事の執筆があります。一方で、在宅でもパートとして雇われる形の求人もあり、「在宅の看護の仕事=フリーランス」ではありません。

「どの仕事を業務委託で受けられるか」「どこで最初の1件を取るか」「始める前に何をそろえるか」。この3つが分かれば、フリーランスは遠い話ではなくなります。

仕事の種類と取り方、収入・保険・税金・契約の準備、フリーランス法で守られること、雇われる仕事と組み合わせる選び方まで、順に整理します。

看護師がフリーランスで在宅の仕事をするには?

看護師がフリーランスで在宅の仕事をするには、受ける仕事を決め、3つの入り口から探し、お金・保険・契約を整えてから始めるのが順番です。入り口は、企業の業務委託の募集、クラウドソーシング、知人などからの紹介の3つです。

令和6年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法では、フリーランス(特定受託事業者)を、業務委託の相手方である事業者で、従業員を使用しないもの、としています[1]。一人で業務委託を受けて在宅で働く看護師の多くは、この形に近い働き方です。

フリーランスで在宅の仕事を始めるまでの5つの段階
  1. 1受ける仕事を決める

    資格と経験を生かせる業務委託の仕事を、1〜2つに絞ります。

  2. 2入り口を選ぶ

    業務委託の募集、クラウドソーシング、紹介から探します。

  3. 3お金の見通しを立てる

    報酬、経費、保険料、税金を入れて、月の残りを計算します。

  4. 4保険と届け出を整える

    健康保険と年金の切り替え、税金の手続きを確かめます。

  5. 5契約を確かめて始める

    業務の範囲、報酬、支払日を書面で確かめてから受けます。

いきなり病院を辞める必要はありません。勤めているうちに、規則に沿って業務委託の仕事を1つ受けてみると、自分に合うかどうか、1件にどのくらい時間がかかるかが分かります。雇われて働く場合と業務委託の違いは、看護師の業務委託とは?雇用との違いと向いている人で表にしているので、先に読んでおくと、このあとの話がつかみやすくなります。

フリーランスで受けられる在宅の看護の仕事は?

業務委託で受けることがある在宅の仕事には、オンラインの保健指導、医療記事の執筆、記事の監修、オンラインの講師、医療系の文字起こしなどがあります。どれも、病棟や外来で積み重ねた経験が、そのまま仕事の土台になります。

確かめた募集の例を2つ挙げます。特定保健指導のオンライン面談の募集の例は、業務委託・フルリモートで時給1,845円〜とされる一方、対象の資格は保健師または管理栄養士で、「栄養士と看護師は不可」、特定保健指導の経験が必須でした[2]。医療記事の執筆の例は、2026年6月5日に掲載された体験記事の募集で、文字単価2.0円、1記事1,000〜1,500文字程度で1記事2,000円〜とされていました(応募の条件は20代の看護師または医療職で、募集は終了)[3]。どちらも1件の例で、相場ではありません。

業務委託の募集でも、看護師が応募できないものがあるということです。看護師が特定保健指導にかかわれる条件は、看護師が特定保健指導をできるのはいつまで?で確かめてください。

フリーランスで受ける在宅の仕事と、生かせる経験・必要になりやすいもの
仕事生かせる経験必要になりやすいもの
保健指導の面談保健師の資格、生活指導の経験第三者のいない個室、安定した回線
医療記事の執筆病棟や外来での説明の経験調べる時間、締め切りの管理
記事の監修専門の分野での長い経験確かめる範囲を決めた契約
オンラインの講師後輩や学生の指導の経験教える資料、カメラとマイク
医療系の文字起こし医療用語の知識聞き取りと入力の速さ

出典:株式会社ベネフィット・ワン(HERP上の採用ページ)「特定保健指導(オンライン面談)の募集ページ」[2]

オンラインの面談では、自宅の環境にも条件がつくことがあります。先ほどの特定保健指導の募集の例では、PCは会社から貸与される一方、自宅のインターネット環境は自分で整える(ポケットWi-Fi不可)、第三者がいない個室で、生活感のない白い背景・雑音のない環境で面談する、といった条件が示されていました[2]。仕事を選ぶときは、資格と経験に加えて、家の環境で受けられるかも確かめます。監修の仕事の中身は看護師の記事監修の仕事で紹介しています。

仕事はどこで見つける? 3つの入り口と、最初の1件の取り方

フリーランスの仕事の入り口は、企業の業務委託の募集、クラウドソーシング、紹介の3つです。どこで探すかと同じくらい、それぞれの入り口で「最初の1件」をどう取るかが、つまずきやすいところです。

企業の業務委託の募集

保健指導や相談の仕事は、企業が自社の採用ページや求人サイトで、業務委託の人を募集していることがあります。職種名に「業務委託」「在宅」を組み合わせて探します。応募では職務経歴書を求められることがあり、在宅で対応できる曜日と時間帯、自宅の環境(個室・回線)も書き添えると、相手が判断しやすくなります。

クラウドソーシング

執筆や文字起こしは、仕事を頼みたい人と受けたい人をつなぐクラウドソーシングで探せます。実績がなくても応募できる募集がある一方、単価や条件の幅は大きく、依頼の中身と発注者の情報をよく読む必要があります。最初は短い記事や少ない量の仕事に応募し、実績を2〜3件つくるところから始めます。書く仕事の探し方は、看護師のライター求人の探し方にまとめています。

紹介

前の職場の同僚、研修や勉強会で知り合った人、以前の取引先からの紹介も、大切な入り口です。講師や監修のように信頼が先に立つ仕事は、紹介から始まることもあります。「こういう仕事なら引き受けられる」と周りに伝えておくだけでも、声がかかるきっかけになります。

紹介の仕事は、条件が口約束になりやすいのが弱点です。フリーランス法では、取引条件の明示は、従業員を使用しない発注者にも求められています[4]。知り合いからの依頼でも、報酬や支払日は文字で確かめておきましょう。

入り口ごとに、最初の1件までに用意するもの
入り口用意するもの最初の一歩
業務委託の募集職務経歴書、自宅の環境の説明対応できる曜日と時間を添えて応募する
クラウドソーシングプロフィール、見本の記事1〜2本短い記事や少ない量の仕事に応募する
紹介できることをまとめた1枚のメモ前の職場や知人に、引き受けられることを伝える

編集部まとめ

どの入り口から始める?

保健指導など、資格や経験の条件を満たす業務委託の募集がありますか?

はい

企業の業務委託の募集から応募し、自宅の環境もあわせて伝えましょう。

いいえ

条件を満たすまでは、ほかの入り口で実績をつくりましょう。次の質問へ。

文章を書く、音声を聞き取って入力する作業に抵抗はありませんか?

はい

クラウドソーシングで、短い仕事から実績をつくりましょう。

いいえ

講師や監修など、前の職場や知人の紹介から始まる仕事を考えましょう。

仕事の前にお金を求められたら

「仕事を紹介するので、先に教材を買ってほしい」「登録料を払えば案件がもらえる」といった募集には注意が必要です。仕事を始める前にお金を払う必要があるときは、契約の前に立ち止まりましょう。確かめ方は在宅ワークで初期費用を求められたらにまとめています。

始める前の準備:収入の見通し、保険と年金、税金

収入の見通しを立てる

フリーランスの収入は、受けた件数や時間で決まります。始める前に、確かめた募集の例の単価などを使って、月の見通しを仮に計算しておくと、生活に足りるかが見えてきます。

月の収入の計算例(数字は例)
項目計算のしかた月の金額
保健指導(例)1,845円×4時間×8日59,040円
記事の執筆(例)2,000円×8本16,000円
収入の合計上の2つを足す75,040円
国民年金の保険料令和8年度の月額−17,920円
仕事の経費(仮)通信費など−5,000円
残り税金と国民健康保険料の前52,120円

出典:株式会社ベネフィット・ワン(HERP上の採用ページ)「特定保健指導(オンライン面談)の募集ページ」、クラウドワークス(発注者表示:かとっぽ)「クラウドワークス 案件ページ(20代医療・看護職向け オウンドメディア記事作成)」、日本年金機構「国民年金保険料」[2][3][5]

この表は、確かめた募集の例の単価で仮に計算したもので、同じ収入になるわけではありません。保健指導の単価の例は、保健師か管理栄養士の資格と特定保健指導の経験を条件とする募集のものです[2]。国民年金の保険料は、令和8年度は月額17,920円です[5]。国民健康保険料は市区町村ごとに違うので、この表には入れていません。所得税と住民税も、引かれる前の額です。

入金の時期にも注意します。フリーランス法は、発注事業者に、給付を受け取った日から60日以内に報酬の支払期日を定めて支払うことを求めています[4]。裏を返せば、働き始めてから最初の入金まで、1〜2か月あくこともありえます。最初の2か月分の生活費は、貯金などで別に用意しておくと安心です。

保険と年金を切り替える

病院を辞めてフリーランスになると、勤め先の健康保険と厚生年金から外れ、自分で加入の手続きをします。年金は国民年金に切り替え、健康保険の主な選び方は、国民健康保険、勤めていた健康保険の任意継続、家族の扶養の3つです。任意継続は、協会けんぽの場合、退職日の翌日から20日以内の手続き(必着)が必要です[6]。退職の日が決まったら、すぐに比べ始めましょう。選び方は、業務委託の看護師は社会保険に入れる?でくわしく取り上げています。

けがへの備えも、自分で考えます。令和6年11月1日から、企業等から業務委託を受けているフリーランスは、労災保険の「特別加入」の対象になりました[7]。自動的に入るわけではなく、都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体に、自分で申し込みます。

税金と届け出

給与がなくなると、年末調整もなくなります。1年分の所得は、確定申告で自分で計算して申告するのが基本です。申告が必要かどうかは所得の額などで変わるので、国税庁の案内か税務署で確かめてください。業務委託の報酬が事業所得になるか雑所得になるか、開業届を出すか、青色申告にするかは、フリーランスの看護師が個人事業主になるにはで整理しています。申告の手順は、看護師の確定申告のやり方をどうぞ。

退職からフリーランスで働き始めるまでの準備(例)
  1. 退職の半年前勤めながら小さく試す

    就業規則を確かめ、許可を得て、業務委託の仕事を1つ受けてみます。

  2. 退職の3か月前取引先の候補をつくる

    業務委託の募集に応募し、クラウドソーシングで実績を2〜3件つくります。

  3. 退職の1か月前お金と保険の見込みを出す

    月の収入の見込みと、健康保険・年金の保険料を比べます。

  4. 退職日の翌日から20日以内任意継続を選ぶなら手続き

    協会けんぽの場合、この期限の中で手続きをします(必着)。

  5. 働き始めて1〜2か月最初の入金

    支払期日は、給付を受け取った日から60日以内に定められます。

出典:全国健康保険協会(協会けんぽ)高知支部「退職後の健康保険加入のご案内」、厚生労働省 雇用環境・均等局「特定受託事業者の就業環境の整備に関する検討会 第1回 資料」[6][4]

契約の準備と、フリーランス法で守られること

業務委託で受けるときは、業務の範囲、報酬、支払日などを、書面で確かめてから始めます。令和6年11月1日に施行されたフリーランス法は、発注事業者に、取引条件の明示や60日以内の支払いなどを求めています[1][4]。

フリーランス法で発注事業者に求められることと、在宅で働くときの意味
求められること対象になる業務委託在宅で働くときの意味
取引条件の明示(第3条)期間の条件なし報酬や支払日などの条件が示される
60日以内の支払期日の設定と支払い(第4条)期間の条件なし最初の入金の時期の目安になる
受領拒否・報酬の減額などの禁止(第5条)1か月以上一方的な受け取り拒否や減額が禁じられる
募集情報の虚偽・誤解を生む表示の禁止(第12条)期間の条件なしうその募集や誤解を招く募集が禁じられる
育児・介護などとの両立への配慮(第13条)6か月以上(未満は努力義務)子どもの発熱などへの配慮を求めやすい
ハラスメント対策の体制整備(第14条)期間の条件なし相談の体制などが発注側に求められる
中途解除などの30日前までの予告(第16条)6か月以上急な打ち切りに備えやすい

出典:厚生労働省 雇用環境・均等局「特定受託事業者の就業環境の整備に関する検討会 第1回 資料」、内閣官房・公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット(パンフレットNo.7)」[4][8]

取引条件の明示は、従業員を使用しない発注者にも求められます。それ以外は、従業員を使用する発注事業者に求められるものです[1][4]。期間の条件があるのは3つで、受領拒否などの禁止は1か月以上、両立への配慮と中途解除などの予告は6か月以上の業務委託が対象です。6か月未満の業務委託では、両立への配慮は努力義務とされています[8]。

この法律は、業務委託で働く人の取引のためのものです。雇われて働く人(パート・アルバイトを含む)には、労働の法律が別にあります。契約の前に確かめたい項目は、業務の範囲(何をどこまでするか)、報酬と計算のしかた、支払日、修正や追加の扱い、途中でやめるときの決まり、個人情報の扱いです。項目ごとの確かめ方は、業務委託の看護師が契約で確かめることにまとめています。

取引でトラブルになったときは、「フリーランス・トラブル110番」があります。厚生労働省から第二東京弁護士会が受託して運営する相談窓口で、フリーランスが取引上のトラブルなどについて、弁護士に無料で相談できます[9]。電話は0120-532-110(受付時間9:30〜16:30、土日祝日を除く)で、メールやWeb(ビデオ通話)での相談もあります[9]。受付時間などは変わることがあるので、公式サイトで確かめてから連絡してください。

雇われる仕事と組み合わせるという選び方

いきなりすべてをフリーランスにせず、パートなど雇われる仕事を1つ残して、業務委託の仕事を足していく選び方もあります。

組み合わせのよいところは、給与が収入の土台になり、業務委託の件数が少ない月も家計が崩れにくいことです。守りの面でも違いがあります。雇われて働く人のテレワーク中のけがは、業務上の災害として労災保険給付の対象となりえます[10]。雇用保険は、いまは週の所定労働時間が20時間以上などが要件ですが、令和10年10月1日からは10時間以上に変わることになっています(厚生労働省の審議会の資料による)[11]。

一方で、雇われる仕事の勤め先に兼業の決まりがあれば、それに沿って手続きをする必要があります。確かめ方は、看護師の副業が禁止される理由で整理しています。

フリーランスだけで働く場合と、雇われる仕事と組み合わせる場合

フリーランスだけで働く

  • 時間と仕事を、すべて自分で選べる
  • 収入の波を、自分ひとりで受け止める
  • 保険・年金・税金の手続きを、自分で整える

雇われる仕事と組み合わせる

  • 給与が、収入の土台になる
  • 雇われる仕事の分は、労災保険などの守りがある
  • 勤め先の兼業の決まりと、時間の調整が要る

モデルケース:保健指導と執筆を組み合わせ、フリーランスとして在宅で働くUさん

モデルケース(架空の例)

病院を辞めて1年。オンラインの保健指導と執筆を組み合わせ、夜勤も通勤もない在宅の働き方に

  • 5回0回夜勤の回数(月)
  • 往復100分0分通勤の時間(1日)
  • 1か所(病院)3か所仕事の取引先

このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。

成果

Uさんが病院を辞めて、1年がたちました。いまはオンラインの保健指導を業務委託で受け、空いた時間に医療記事を書いています。取引先は3か所で、収入は月12万円ほど。病棟のころより減りましたが、夜勤と通勤がなくなり、子どもが帰る時間には家にいられるようになりました。

Uさん:収入の数字だけ見ると減りました。でも、夕方に「おかえり」と言える毎日は、何にも代えがたいと思っています。

背景

内科病棟で18年。Uさんは保健師の資格も持っていて、退院前の生活指導が得意でした。小学生の子どもが2人いて、月5回の夜勤のたびに、夫と実家の母に頼る生活が続いていました。家計は夫の収入が中心で、夫婦で計算すると、月10万円ほどあれば暮らしは回ると分かりました。

困っていたこと

辞めることは考えても、フリーランスの仕事がどこにあるのか分かりませんでした。国民年金や健康保険の切り替え、確定申告のこともよく知らず、「業務委託」の契約書を読んだこともありません。勢いで辞めて収入が途切れるのが怖く、動けずにいました。

選んだ理由

Uさんは、辞める前に小さく試すことにしました。病院の就業規則を確かめて兼業の許可を得てから、クラウドソーシングで短い記事の仕事を受け、週末に1本ずつ書いて実績をつくりました。そのうちの1本を読んだ元同僚の紹介で、医療系のメディアから続けて記事を頼まれるようになりました。保健指導は、企業の採用ページで業務委託の募集を見つけ、面談に使える個室と回線を整えてから応募しました。

Uさん:最初から全部を決めず、まず週末の1本から始めたのがよかったと思います。

始め方と工夫

退職の前に、任意継続と国民健康保険の保険料の見込みを比べて健康保険を選び、年金は国民年金に切り替えました。契約書では、支払日と、途中で契約をやめるときの決まりを必ず確かめています。最初の入金が2か月後になることも見込んで、2か月分の生活費を別の口座に分けてから辞めました。夫は「夕方に家にいてくれるなら」と賛成し、保健指導の面談がある日の朝は、子どもを学校に送り出してくれます。

Uさんの月の収入の内訳(モデルケースの例)
  • オンラインの保健指導約8万円
  • 医療系メディアの記事(継続)約3万円
  • クラウドソーシングの記事約1万円

Uさんの収入は、7割近くが保健指導で、残りの3割ほどが執筆です。1つの取引先に頼りすぎると、その契約が終わったときに収入が大きく減るため、Uさんは執筆の取引先を少しずつ増やしています。

気をつけたいこと:フリーランスが合わない人・時期もある

フリーランスは、仕事の量と時間を自分で選べる反面、その結果も自分で受け止める働き方です。合わない人や、時期をずらしたほうがよい場合もあります。

毎月決まった額が必要な時期は、注意が必要です。家計の柱になっている、教育費の支払いが重なっているといった時期に、収入の波と入金までの時間差を抱えるのは負担が大きくなります。業務委託の募集には、特定保健指導の経験が必須とされる例もあり[2]、経験や資格の条件に届くまで時間がかかることもあります。

仕事を探したり、条件を確かめたりするのが大きな負担になる人や、一人で判断する場面が続くと気持ちがすり減る人も、まずは雇われる仕事と組み合わせる形から始めるほうが安心です。在宅で一人で働く工夫は、在宅ワークの孤独の乗り越え方でも取り上げています。

フリーランスで在宅で働くよいところ・気をつけたいところ

よいところ

  • 仕事の量と時間を、自分で選べる
  • 複数の取引先を組み合わせて、得意を生かせる
  • 通勤がなく、家族の予定に合わせやすい

気をつけたいところ

  • 収入が月ごとに変わり、最初の入金まで時間がかかる
  • 保険・年金・税金の手続きを、自分で行う
  • 仕事を探し、条件を確かめる手間がかかる

今日からできること

フリーランスは、辞める日を決めてから考えるより、勤めているうちに準備を始めるほうが、ずっと落ち着いて進められます。今週できることから始めましょう。

フリーランスを考え始めたら、今週できること

チェックした数:

在宅の仕事を始めるまでの全体の流れは、看護師の在宅ワークの始め方ガイドで段階ごとにまとめています。

よくある質問

看護師の資格だけで、フリーランスの在宅の仕事はありますか?

記事の執筆や監修、オンラインの講師などは、看護師の経験を生かせる業務委託の仕事です。ただ、特定保健指導のオンライン面談のように、保健師か管理栄養士に限る募集の例もあります[2]。応募の条件は、募集ごとに確かめてください。

フリーランスと個人事業主は違いますか?

フリーランスは働き方の呼び方、個人事業主は個人で事業をしている人の立場を指して使われることが多い言葉です。開業届や青色申告の手続きは、フリーランスの看護師が個人事業主になるにはにまとめています。

業務委託でも、労災保険に入れますか?

令和6年11月1日から、企業等から業務委託を受けているフリーランスが、労災保険の特別加入の対象になりました[7]。自動的に入るわけではなく、都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体に、自分で申し込みます。

経験が浅くても、フリーランスで在宅の仕事はできますか?

経験を条件にする募集があります。たとえば確かめた特定保健指導の募集の例では、特定保健指導の経験が必須でした[2]。経験が浅いうちは、雇われる仕事で経験を積みながら、短い記事の執筆など小さな業務委託から始める方法もあります。

フリーランスになったら、国民年金の保険料はいくらですか?

令和8年度(2026年4月〜2027年3月)は、月額17,920円です[5]。国民健康保険料は市区町村ごとに違うので、住んでいる市区町村で確かめてください。

病院を辞める前に、確かめておくことはありますか?

健康保険の任意継続を考えるなら、協会けんぽの場合、退職日の翌日から20日以内に手続きが必要です[6]。勤めながら業務委託を試すなら、就業規則で兼業の扱いも確かめておきましょう。最初の入金までの生活費も、あわせて用意しておきます。

業務委託の報酬は、いつ振り込まれますか?

契約で決めた支払日です。フリーランス法は、発注事業者に、給付を受け取った日から60日以内に支払期日を定めて支払うことを求めています[4]。契約の前に、支払日が書かれているかを必ず確かめてください。

取引先とトラブルになったら、どこに相談できますか?

「フリーランス・トラブル110番」で、弁護士に無料で相談できます[9]。電話のほか、メールやWebでの相談もあります。受付時間などは変わることがあるので、公式サイトで確かめてください。

まとめ

看護師がフリーランスで在宅の仕事をするには、受ける仕事を決め、業務委託の募集・クラウドソーシング・紹介の3つの入り口から最初の1件を取り、お金・保険・契約を整えてから始めるのが順番です。いきなり独立せず、勤めているうちに小さく試したり、雇われる仕事と組み合わせたりする選び方もあります。

  • 仕事は、資格・経験・家の環境の3つで受けられるかを確かめる
  • 最初の入金まで1〜2か月あくことを見込み、生活費を分けておく
  • 契約は書面で確かめ、困ったら専門の相談窓口を使う

どの仕事から始めるか、辞める時期をどう決めるかで迷ったら、LINEかフォームから気軽にご相談ください。

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ほいくの相談室 編集部。保育士の方からの相談で多く聞かれる悩みをもとに、公的な資料で確認できる情報をまとめています。