がんで最期が怖い|苦痛・別れ・未知、3つの怖さとの向き合い方

最期のことを考えて眠れない夜があるのは、あなたが弱いからではありません。命に関わる病気と向き合っている人の心に起こる、ごく自然な反応です。そして、その怖さを少し離れて眺めてみると、「苦しいのではないか」「大切な人と別れたくない」「何が起きるのか分からない」という、性質の違う3つの怖さが重なっていると考えることができます。

どの怖さが強く出るかは、人によっても、その日の体調によっても違います。なお、この記事では最期の様子を細かく描くことはしません。知りたくない方が、うっかり怖い場面を読まずに済むようにするためです。詳しく知りたくなったときに読める記事は、途中でご案内します。

布団に入ると、こんな考えが止まらない方へ

  • 布団に入ると「死ぬのが怖い」で頭がいっぱいになり、朝まで天井を見ている。
  • 苦しいのか、痛いのか、意識はあるのか。何も分からないから、余計に怖い。
  • こんなことを誰に聞けばいいのかも分からず、家族にも言えずにいる。

この記事で分かること

  • 「最期が怖い」を、苦痛・別れ・未知の3つに分ける考え方
  • 苦痛への怖さに、緩和ケアが今どう向き合っているか
  • 最期のことを知りたい分だけ知る方法と、聞かない選択
  • 「怖い」と言っても引かれない相手と、今夜つながれる窓口

がんになってから死ぬのが怖くて仕方ありません。最期のことを考えると眠れません。どうしたらいいですか?

怖さを無理に消そうとせず、まず中身を分けてみてください。「苦しさが怖い」「別れが怖い」「分からないことが怖い」のどれが強いかで、聞く相手も、今夜できることも変わります。一人で抱えず、言葉にすることが最初の一歩です。

最期への怖さは、人が自分の命の終わりを意識したときに生まれる、とても根の深い感情です。治療がうまく進んでいるときでさえ、ふとした拍子に顔を出します。怖いと感じること自体は、心が壊れているしるしではありません。

ただ、「怖い」が一つの塊のままだと、どこから手をつければいいか分からず、夜じゅう同じところを回ってしまいます。そこで役に立つのが、怖さを3つに分けることです。苦痛への怖さには医療の手立てがあり、別れへの怖さには人と過ごす時間があり、未知への怖さには「知る量を自分で決める」という道があります。それぞれ、向かう先が違うのです。

家族の前では落ち着いて見せている方も、ここでは泣いて構いません。夜中に最期のことを検索してしまうのも、自分の身に起きることを知っておきたいという、まっとうな気持ちの表れです。

「最期が怖い」には、どんな怖さが含まれていますか?

大きく分けると、体の苦しさや痛みへの「苦痛の怖さ」、家族や大切な人と離れる「別れの怖さ」、何が起きるのか分からない「未知の怖さ」の3つです。これらが重なり合うと、一つの大きな怖さに見えてしまいます。

苦痛の怖さは、「痛みに耐えられるだろうか」「息が苦しくなるのでは」という、体についての怖さです。以前、身近な人のつらそうな姿を見た経験があると、この怖さが強く出ることがあります。別れの怖さは、残していく家族のこと、伝えきれていない思い、見届けられない未来への怖さです。未知の怖さは、意識はどうなるのか、そのとき何を感じるのか、そしてその先はどうなるのか、という答えの出ない問いへの怖さです。

3つを分けてみると、「全部が怖い」と思っていた夜にも、実は一つが大きく、ほかの二つは小さかった、と気づくことがあります。大きい一つが分かれば、明日の朝に誰へ何を聞けばいいかが決まります。

怖さ頭に浮かびやすいこと向かい先
苦痛の怖さ痛み、息苦しさ、つらそうな姿緩和ケアの医療者に、今から相談する
別れの怖さ残す家族、伝えきれていない思い伝えたい相手と、少しずつ言葉にする
未知の怖さ意識はどうなるのか、その先のこと知りたい分だけ、自分のペースで聞く
最期への3つの怖さと、それぞれの向かい先

苦しいのではないか、痛いのではないか。この怖さに、医療は何をしてくれますか?

緩和ケアは、がんと診断されたときから、痛みや息苦しさといった体のつらさと、心のつらさを和らげることを目指す医療です。早く伝えるほど評価と対応も早く始まり、薬に限らず、いくつもの手立てを重ねて和らげていきます。

WHO(世界保健機関)は緩和ケアを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を「早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげる」取り組みとして定義しています(日本緩和医療学会の定訳)。国立がん研究センターのがん情報サービスも、緩和ケアは診断されたときから始まるものと位置づけています。苦痛の怖さに向き合う医療は、最期の時期に突然始まるのではなく、今この時点から相談できるものなのです。

日本緩和医療学会は、がんの痛み、呼吸困難、鎮静などについて、それぞれ診療の指針をまとめています。痛みについての『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』は、オピオイド(医療用麻薬)の使用が生命予後を短縮するという根拠はない、としています。「麻薬」という言葉に身構えて、痛みを我慢し続ける必要はありません。

正直にお伝えすると、どんな苦痛もすべて消せると約束できる医療はありません。それでも、つらさを我慢せずに言葉にすれば、それを和らげる手を、医療者と一緒に一つずつ重ねていけます。痛みへの怖さが強い方は、次の診察で「つらくなったとき、どんな方法がありますか」と聞いてみてください。

伝えるときは、いつ、どこが、どんなふうにつらいのか(ずきずきする、重い、息が吸いにくい)と、そのせいでできなくなったこと(眠れない、歩けない)をメモにしておくと、評価がしやすくなります。我慢強い人ほど「このくらいで言っていいのか」と迷いますが、迷った段階で伝えて構いません。自宅で過ごしたい方には、訪問診療や訪問看護の形で受ける在宅緩和ケアという道もあります。亡くなるときの苦しさについてもう少し知りたい方は、[gk_link to=”post:is-the-end-painful-palliative-care”]苦しさと緩和ケアについての記事[/gk_link]が参考になります。

よく聞く心配

  • 緩和ケアは、最期の時期だけのもの
  • 医療用麻薬を使うと、命が縮む
  • 痛みは、ある程度我慢するもの

今の考え方

  • がんと診断されたときから受けられる
  • 適切に使えば、命が縮む根拠はないとされる
  • 早く伝えるほど、評価と対応を早く始められる
苦痛についてよく聞く心配と、今の緩和ケアの考え方
[gk_cta_mid title=”今夜、声で話したくなったら”]最期への怖さを話すためだけに、050-1720-6000へかけていただいて構いません。平日9時〜18時は担当が直接出て、それ以外の時間は自動音声が受け付け、翌朝9時までに担当から折り返します。[/gk_cta_mid]

家族と別れることが怖いとき、どう向き合えばいいですか?

別れの怖さは、それだけ大切な人がいることの裏返しです。消そうとするより、伝えたいことを少しずつ言葉にしたり、これからの過ごし方の希望を話し合ったりすることで、怖さの一部を「今できること」に変えられます。

「家族を残していくのがつらい」「子どもの成長を見届けられないかもしれない」。こうした思いは、怖さであると同時に、深い愛情の形でもあります。だからこそ、考えないように押し込めると、かえって夜に大きくなって戻ってきます。

一つの方法は、伝えたいことを小さく分けて、少しずつ言葉にすることです。改まった手紙でなくても構いません。スマホのメモに「ありがとう」を言いたい相手の名前を書く。夕食のときに「あのとき助かったよ」と言ってみる。改まった言葉が出てこないなら、昔の写真を一緒に眺めながら思い出話をするだけでもいいのです。それだけでも、別れの怖さの中にある「伝えられないまま終わるのでは」という部分が、少しずつ軽くなっていきます。

厚生労働省は、もしものときに望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合って共有する取り組みを「人生会議」と名づけて勧めています。書類を作ることが目的ではなく、気持ちが変われば、そのたびに話し直せるものです。別れの怖さの奥にある「こう過ごしたい」という希望を、周りと少しずつ分け合う方法の一つとして覚えておいてください。

何が起きるか分からない怖さは、どうすれば小さくなりますか?

分からないことは、知ることで小さくなる場合と、知ることで大きくなる場合があります。最期のことをどこまで知るかは、あなたが決めてよいことです。知りたいときは、医療者に「一般的な流れ」を、知りたい分だけ聞いてください。

意識はどうなるのか、何を感じるのか。こうした問いに、ネットの体験談は答えてくれそうに見えます。けれど、そこに書かれているのは一人ひとり違う経過で、あなたにそのまま当てはまるとは限りません。夜中に一人で読むと、いちばん怖い場面だけが記憶に残ることもあります。

知りたい気持ちがあるなら、緩和ケアの医師や看護師に「最期の時期に、一般的にどんな変化が起きやすいか」「そのとき、どんな手当てがあるか」を聞くのが確かな方法です。看取りの時期の変化を家族に説明するための冊子として、厚生労働科学研究の「緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM)」が作った『これからの過ごし方について』もあり、医師や看護師が説明に使うことを想定して作られています。一方で、「今は聞きたくない」という気持ちも、同じように尊重されるべきものです。

知りたい度合いを、先に医療者へ伝えておく方法もあります。「全部知りたい」「大まかな流れだけ知りたい」「今は知りたくないが、家族には伝えておいてほしい」。どれを選んでも構いませんし、途中で変えても構いません。

自分がいなくなったあとのことや、生きてきた意味をめぐる問いは、医学だけでは答えられません。けれど、先ほどの緩和ケアの定義にある「スピリチュアルな問題」には、こうした問いから生まれる苦しみも含まれています。宗教を持っているかどうかにかかわらず、医療者に「こういうことを考えてしまう」と話してよいのです。一般的な経過を知りたくなったら、[gk_link to=”post:what-final-days-are-like-cancer”]最期の時期の経過をまとめた記事[/gk_link]を、昼間の明るい時間に、できれば誰かと一緒に読んでみてください。

  1. Q1最期の時期に起きることを、具体的に知りたい気持ちがありますか

    はい緩和ケアの医師や看護師に「一般的な流れ」を、知りたい分だけ聞く

    いいえ今は聞かなくてよい。「今は聞きたくない」と医療者に伝えておく

  2. Q2一人で読んだり聞いたりすると、怖さが大きくなりそうですか

    はい家族や看護師と一緒に、昼間の時間に聞く

    いいえ気持ちが落ち着いている日に、少しずつ読む

最期のことを、どこまで知るか迷ったとき

「怖い」と口にしたら、相手に引かれてしまわないでしょうか?

最期への怖さは、医療や相談の場で話してよいことです。主治医や看護師、がん相談支援センター、夜間につながる電話窓口など、家族とは別に「怖い」を受け止めてくれる相手がいます。

家族に話せないのは、悲しませたくない、弱いところを見せたくない、という思いやりの表れでもあります。その思いを手放す必要はなく、家族ではない相手に先に話してみる、という順番もあります。病院では、診察の最初に「今日は気持ちのことを話したいです」と伝えると、時間をとってもらいやすくなります。外来で言い出しにくければ、処置のときに看護師へ一言でも構いません。待ち時間に看護師へ「先生に、気持ちのことも話したいと伝えてもらえますか」と頼んでおく方法もあります。

全国のがん診療連携拠点病院などにあるがん相談支援センターは、通院していない人も無料・匿名で使えます。布団の中で怖さが限界に近づいた夜は、24時間・無料のよりそいホットライン(0120-279-338)に電話する方法もあります。がん専門の窓口ではありませんが、眠れないほどのつらさを声にして話せます。がんと家族の相談室は、平日9時〜18時は担当が直接電話に出て、それ以外の時間は自動音声で受け付け、翌朝9時までに担当からおかけ直しします。

「早く終わりにしたい」「消えてしまいたい」という思いが浮かぶ夜が続くときは、それを一人で抱えないでください。主治医やがん相談支援センターに伝えるほか、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)にかけると、かけた場所の都道府県などの公的な相談窓口につながります(受付時間は地域で異なり、通話料がかかります)。今まさに命の危険を感じるときは、119番に電話してください。

  • 「消えてしまいたい」という思いが、何度も浮かぶ
  • 眠れない・食べられない日が、もう何日も続いている
  • 怖さで息が苦しくなり、一人でいられない
  • 痛みや息苦しさが急に強くなった(主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わるときは119番)
今夜のうちに、誰かに伝えてほしいサイン

今夜、最期のことが頭から離れないときは、どう過ごせばいいですか?

今夜の目標は、怖さを解決することではなく、朝まで自分を守ることです。部屋を少し明るくする、怖さの名前を一行書く、誰かに一言送る。この3つで十分です。答えの出ない問いは、明るい時間に回してください。

真っ暗な部屋で天井を見ていると、想像はいちばん怖い方向へ進みがちです。小さな明かりをつけて体を起こし、背中に枕を当てて座るだけでも、頭の中の映像から少し距離がとれます。

そのうえで、紙に「苦痛」「別れ」「未知」と書き、今夜いちばん強いものに丸をつけてください。苦痛に丸がついたなら、次の診察で聞く質問を一つ書き足す。別れなら、伝えたい人の名前を一人書く。未知なら、「今は知らなくていい」と書いて閉じる。怖さに、明日の朝へつながる小さな行き先をつけておくのです。それでも眠れないときは、眠れないまま横になって体を休めるだけで構いません。眠れない夜が続くときの過ごし方は、[gk_link to=”post:cant-sleep-cancer-anxiety”]不安で眠れないときの記事[/gk_link]で詳しく扱っています。

最期のことで眠れなかった方は、何を変えた?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
60代・本人の立場(通院で治療中。配偶者と二人暮らし)
相談のあとに変わったこと
怖さの中心が「苦痛」だと分かり、緩和ケア外来を受診する段取りがついた。天井を見て朝を待つ夜が、週に5日ほどから1〜2日に減った。

1. 相談のあとに変わったこと

相談から1か月ほどたったころ、この方は主治医の紹介で緩和ケア外来を受診し、「つらくなったら、こういう手があります」という説明を30分ほどかけて聞きました。夜中に目が覚めても、枕元のメモに書いた外来の連絡先を見ると、「あそこに聞けばいい」と思えるようになったそうです。天井を見たまま朝を待つ夜は、週に5日ほどから1〜2日に減りました。「怖さが消えたわけじゃない。でも、聞く先があるだけで、夜の長さが違う」と話しています。

2. 相談を考えた背景

十数年前に親を見送ったとき、苦しそうだった姿がずっと心に残っていました。自分の治療が長引くにつれて、布団に入るとその場面がよみがえり、「自分もああなるのか」という思いが離れなくなったことが、相談を考えたきっかけです。

3. 相談する前に困っていたこと

夜中に最期の様子を検索しては体験談を読み、さらに眠れなくなっていました。主治医には治療の話しかしてはいけない気がして、怖さのことは一度も口にしていません。配偶者にも「心配させたくない」と、何も話していませんでした。

4. ここを選んだ理由・決め手

24時間対応の電話相談があることは知っていましたが、がんの治療を受けている前提で話を聞いてもらえる場所がいい、と考えたそうです。夜でも電話を受け付け、翌朝には担当からかけ直してくれると知ってからも、番号を押しかけてはやめる夜が三晩続きました。四日目の夜11時すぎにようやく電話をかけ、自動音声の案内に沿って受け付けを済ませました。

5. 相談で話したこと・その後

翌朝9時前に担当から電話があり、最初は評価も助言もせずに話を聞く時間になりました。話すうちに、怖さの大部分は「親のような苦しみ方をするのでは」という苦痛の怖さだと、本人が言葉にできました。担当は病状や最期の見通しについては何も判断せず、緩和ケアについて主治医に聞く質問を3つに整えて送りました。次の診察で「親の最期がつらそうだったので、怖いんです」と伝えると、主治医は緩和ケア外来へつないでくれたそうです。その晩、配偶者にも初めて「実は怖かった」と打ち明け、「一緒に聞きに行こう」と言われたと話しています。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医療者に聞く質問例

  • 痛みや息苦しさが強くなったとき、どんな和らげ方がありますか。
  • 緩和ケアの相談は、今の治療と並行してできますか。どこに申し込めばよいですか。
  • 夜につらくなったときは、どこに連絡すればよいですか。
  • 最期の時期のことを、知りたい分だけ少しずつ教えていただけますか。
  • 気持ちのつらさを相談できる専門の人はいますか。

とはいえ、最期を思うあなたに伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──怖いのは、生きていたいからです

最期が怖いのは、まだ見たいもの、一緒にいたい人、やりたいことがあるからです。その怖さは、あなたが生きることを大切にしているしるしでもあります。怖がる自分を情けなく思う必要はありません。怖さを抱えたまま、今日の食事や会話を味わうことは、少しも矛盾しないのです。

② 実務のこと──つらくなったときの連絡先を、一本の線にしておく

苦痛への怖さの一部は、「つらくなったとき、どこに言えばいいのか分からない」という心細さから来ています。昼の外来、夜間の病棟や救急の窓口、自宅で療養しているなら訪問看護や在宅医の夜間の連絡先。それぞれの番号と、どんなときにかけるのかを、紙一枚かスマホのメモ一つにまとめておいてください。分からない番号は、病院の案内やがん相談支援センターで確かめられます。同じメモを家族とも共有しておけば、あなたが話しにくい状態のときにも、誰かが迷わずに動けます。

今日できること

[gk_howto name=”今日できること” description=”最期への怖さを一人で抱えないための3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”怖さに丸をつける”]紙に「苦痛・別れ・未知」と書き、今夜いちばん強いものに丸をつけて、その横に明日できることを一つ書く。[/gk_step][gk_step title=”質問を一つ用意する”]次の診察で聞くことを一つだけ決める。「つらくなったとき、どんな方法がありますか」でも十分。[/gk_step][gk_step title=”声かLINEで一言”]眠れないときは、電話相談やLINEに「怖い」とだけ残す。相談室のLINEなら、夜に届いたものを翌朝いちばんに読んで返事をする。[/gk_step][/gk_howto]

よくある質問

[gk_faq][gk_q q=”緩和ケアを頼むと、治療をあきらめたことになりますか?”]なりません。がん情報サービスは、緩和ケアは診断されたときから始まると説明しており、治療と並行して受けることもできます。入院中に病棟を回る緩和ケアチーム、外来で相談できる緩和ケア外来など、受けられる場所もいくつかあります。「まだ早い」と遠慮せず、つらさがあれば今から相談してください。[/gk_q][gk_q q=”どうしても和らがない苦しさがあったら、どうなるのですか?”]手を尽くしても和らがない強い苦痛に対しては、薬で眠ることで苦痛を感じにくくする「鎮静」を、本人や家族と話し合いながら検討することがあります。日本緩和医療学会の『がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き 2023年版』は、少なくとも鎮静が平均的に命を縮めるといった重い影響はないと考えられる、としています。どんな場合に検討されるのかは、主治医や緩和ケアチームに聞くことができます。[/gk_q][gk_q q=”最期のとき、意識はあるのでしょうか?”]最期の時期の意識や感じ方の変化は人によって違い、一概には言えません。知りたい気持ちがあるときは、緩和ケアの医師や看護師に「一般的にどんな変化が起きやすいか」を聞くのが確かです。今は知りたくないなら、聞かなくて構いません。知る量とタイミングは、あなたが決めてよいことです。[/gk_q][gk_q q=”「早く楽になりたい」と考えてしまう自分が怖いです。”]「楽になりたい」の中身を、そっと分けてみてください。体の苦しさから逃れたいのなら、それは和らげる方法を主治医に相談するサインです。怖さから逃れたいのなら、誰かに話すことで軽くなる部分があります。「消えてしまいたい」という思いが続くのなら、今夜のうちに相談窓口や主治医に伝えてほしい気持ちです。どれであっても、考えてしまう自分を責める必要はありません。[/gk_q][gk_q q=”家族に「怖い」と言うと、悲しませてしまいそうです。”]家族もまた、言葉にされないまま様子の変化だけを感じ取り、どう声をかければいいか迷っていることがあります。いきなり全部を話さなくても、「最近、夜に怖くなることがある」と一言だけ伝える方法があります。先に家族以外の人に話して言葉を整えてから伝える、という順番でも構いません。[/gk_q][gk_q q=”主治医に最期のことを聞くのは、失礼になりませんか?”]失礼にはなりません。自分の体のこれからを知りたいと思うのは当然のことです。聞きにくければ、「今すぐではなくてもいいので、最期の時期のことを少しずつ教えてほしい」と、時期を相手に預ける聞き方もできます。反対に「今は聞きたくない」と伝えておくことも、同じように立派な意思表示です。[/gk_q][gk_q q=”怖さを感じない日もあります。こんなに平気でいいのでしょうか?”]いいのです。怖さには波があり、まったく気にならない日があるのも自然なことです。平気な日は、現実から目をそらしているのではなく、心が休んでいる日だと考えてください。その日は、好きなものを食べ、会いたい人に会い、普段どおりに過ごして構いません。また怖さが来たら、そのときに名前をつけて向き合えば十分です。[/gk_q][/gk_faq]

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ほいくの相談室 編集部。保育士の方からの相談で多く聞かれる悩みをもとに、公的な資料で確認できる情報をまとめています。