子どもががん、親は何をすればいい?診断から療養までにできる5つ

お子さんががんと診断されたとき、親の役目は「治療の中身を自分で組み立てること」ではありません。治療の方針は医療チームが専門の知識で組み立てますが、子どもの毎日を誰よりも知っているのは親で、その知識は病室でも、診察室でも、ちゃんと役に立ちます。

小児がんの治療の多くは、治すことを目指して組み立てられ、入院と通院を行き来しながら長い期間をかけて進むことが少なくありません。だから親の役割も一度に全部こなすものではなく、診断直後・治療中・治療の節目で少しずつ形を変えていきます。病気の種類や治療の進み方によって、必要になることの順番は家庭ごとに違います。

夜にこのページを開いた、お父さん・お母さんへ

  • 病院と家を往復するだけで一日が終わって、親として何もしてあげられていない気がする。
  • 治療のことは先生にお任せするしかなく、自分の役目がどこにあるのか分からない。
  • 子どもが眠ったあと、スマホで調べては不安になり、気づくと外が明るくなっている。

この記事で分かること

  • 親にしかできない5つの役割と、その理由
  • 診断直後・治療中・治療の節目で、親の役割がどう変わるか
  • 「今週やる3つ」と「今は考えなくていいこと」の分け方
  • 小児がんの専門の相談先と、その使い分け

子どもががんと診断されました。親として、今、何をすればいいのでしょうか?

まず決めるのは「情報をまとめる場所」と「説明を一緒に聞く人」の2つで十分です。治療は医療チームに任せ、親は家での様子を伝える係と、子どもの毎日を守る係を引き受けます。

診断を告げられた直後は、病名、検査、治療の予定、同意書と、聞いたことのない言葉が一度に押し寄せます。この時期に「親として何かしなければ」と焦るのは自然なことですが、説明を全部その場で理解しようとしなくてかまいません。一度で頭に入らないのは当たり前で、同じことを二度三度たずねても、親として恥ずかしいことではありません。

そのうえで、親にしかできないことがあります。痛いときにどんな顔をするか、眠れない夜にどんな言葉を口にするか、何を食べると少し元気が戻るか。こうした「いつもの姿」との違いに最初に気づけるのは、毎日そばにいる家族です。医療者は検査や診察で体を見ますが、家族が伝える小さな変化が、ケアを調整する手がかりになることがあります。

もうひとつは、治療が長く続くことを前提に、家の暮らしを組み直すことです。付き添い、きょうだいの世話、仕事、家事を一人で抱え続けると、親の体と心が先に疲れ切ってしまいます。下の図は、親にしかできない5つの役割を、手をつける順に並べたものです。

  1. 1情報を一か所にまとめるノート1冊かスマホのメモ1つに、説明・予定・質問を集める
  2. 2家での様子を伝える食事・眠り・機嫌など、親だから気づける変化を医療者に渡す
  3. 3子どもの毎日を残す学校・友だち・遊びとのつながりを、治療の合間に保つ
  4. 4きょうだいの居場所を守る「あなたのことも大事」が伝わる時間と約束をつくる
  5. 5親自身が休む交代できる人と相談先を持ち、長い治療を走りきる
親にしかできない5つの役割(上から手をつける順)

大人のがんの家族と比べて、親の役割はどこが違いますか?

子どもの治療では、説明を受けて同意する中心が親であること、治療と並行して成長や学校生活が続くこと、きょうだいを含む家族全体の暮らしが大きく動くことが、大人のがんとの違いです。

大人のがんでは、本人が説明を聞き、本人が治療を選ぶのが基本です。子どもの場合は、年齢や理解に合わせて本人にも説明しながら、治療の同意や方針の相談は親が中心になって受けることが多くなります。「この子の代わりに決める」という重さが、診断の直後から親の肩にのしかかるのはこのためです。

治療の目的にも違いがあります。小児がんの治療の多くは、治すこと(治癒)を目指して組み立てられ、治療を終えたあとも、成長に合わせた定期的な診察が長く続きます。親の役割は目の前の看病だけでなく、治療が終わったあとの学校生活や将来の暮らしまで見すえて、子どもの毎日をつないでおくことでもあります。

病院の体制も、大人とは違う部分があります。地域の小児がん医療と支援の中心として、厚生労働大臣が指定した「小児がん拠点病院」があり、そこにあるがん相談支援センターは、その病院にかかっていなくても無料で、電話でも相談できます(国立がん研究センター がん情報サービス「小児がんの相談・病院」)。いま通っている病院が拠点病院でなくても、使ってかまわない窓口です。

診断を聞いた直後の数日、親が先にしておくことは?

説明は一人で聞かない、聞いたことは1冊にまとめる、本人への伝え方は医療者と相談しながら決める、の3つです。仕事や家のことは、当面の数日分だけ手配すれば足ります。

説明の場には、できれば親二人で、難しければ祖父母や信頼できる大人と一緒に入ってください。一人が聞く係、もう一人が書く係になると、帰りの車の中で「さっき先生、何て言ってた?」と確かめ合えます。録音してよいかどうかは、その場で一言たずねてみてください。

ノートは、表紙に病名・主治医の名前・病棟の電話番号を書き、中を「説明されたこと」「次に聞くこと」「家での様子」の3つに分けておくと、あとで探しやすくなります。検査結果の紙や同意書の控えもこのノートに挟んでおけば、説明を思い出したいとき、開く場所は一か所で済みます。

本人にどこまで、どんな言葉で伝えるかは、年齢や性格によって変わります。親だけで答えを出そうとせず、主治医や看護師と相談しながら決めていけます。病院によっては、子どもの心や遊びを支える専門のスタッフがいることもあります。年齢ごとの言葉の例は[gk_link to=”post:explaining-cancer-to-sick-child”]本人への伝え方の記事[/gk_link]にまとめています。

  1. 1診断の直後説明に一緒に入る人を決め、ノートを1冊用意する
  2. 2治療の始まり付き添いの交代表と、きょうだいの預け先を組む
  3. 3治療が続く時期家での様子を伝え、学校や友だちとのつながりを保つ
  4. 4一時退院や外泊熱が出たときの連絡先と受診の流れを、家族で共有する
  5. 5治療の節目治療の終わりや経過観察の予定を聞き、復学の準備を始める
診断から治療の節目まで、親の役割の移り変わり
[gk_cta_mid title=”次の診察で聞くことを、3つに絞ってお送りします”]説明で分からなかった言葉や、気になっていることをフォームにひとことお書きください。担当がお電話で一緒に整理し、次の診察で聞く質問を3つにまとめてお送りします。[/gk_cta_mid]

治療が始まったら、医療者とどう連携すればいいですか?

「家での様子を短く伝える係」になることです。食事、眠り、機嫌、痛がる場所など、親が気づいた変化を一つずつ伝えると、医療者がケアを考えるときの手がかりになります。

朝の回診や検温の時間は、ほんの数分しかないことも多いものです。そこで「昨日の夜は2回起きて、お腹を押さえていました」「プリンなら半分食べられました」のように、見たことを一つずつ渡せば十分です。「大丈夫でしょうか」と聞くよりも、事実をそのまま伝えるほうが、医療者にとって使いやすい情報になります。

痛みや吐き気がつらそうなときは、我慢させずに伝えてください。治療中のつらさを和らげることも、国立がん研究センターのがん情報サービスが「がんと診断されたときから始まります」と説明している緩和ケアの一部で、治療と並行して受けられます。

質問は思いついたときにノートの「次に聞くこと」へ書きため、診察の前に3つに絞ります。主治医に直接聞きにくいことは、病棟の看護師に「先生に聞きたいことがあるのですが、どう伝えたらいいでしょう」と相談すると、伝え方を一緒に考えてもらえることがあります。質問の例は[gk_link to=”post:child-cancer-doctor-question-memo”]主治医への質問メモの記事[/gk_link]に挙げました。

外泊や一時退院の前には、熱が出たときや具合が悪くなったときにどこへ電話するか(病棟か外来か、夜間や休日はどうするか)を確かめ、家族みんなが見える場所に貼っておいてください。命に関わると感じたときは、迷わず119番です。

  • 食べた量と、食べられたもの
  • 眠れた時間と、夜中に起きた回数
  • 熱・吐き気・痛がった場所と、その時刻
  • 機嫌や表情、口数の変化
  • おしっこや便の様子で気になったこと
  • 本人が口にした不安や質問
医療者に伝えると役立つ「家での様子」

学校や友だちとのつながりは、入院中も保てますか?

保つ方法はあります。入院先によっては病院の中に学級(院内学級)があり、もとの学校の先生やクラスとの連絡も続けられます。治療の予定に合わせて、無理のない形を医療者や先生と相談していけます。

長い入院になると、子どもにとっての不安は「勉強が遅れる」ことより「友だちに忘れられる」ことのほうが大きいかもしれません。クラスからの手紙、先生との短いビデオ通話、行事のプリントを届けてもらうなど、病院の決まりの範囲でつながりの形はいくつもあります。クラスに病名をどこまで伝えるかは、本人の気持ちを聞いたうえで、親と学校で決めてよいことです。

院内学級に通うには、学籍の手続きが必要になる場合があります。流れは自治体や学校によって違うので、病棟の担当者か、もとの学校の先生に「入院中の勉強はどうなりますか」と聞くところから始めてください。退院後に教室へ戻るときは、体力のこと、感染を防ぐための配慮、見た目の変化への接し方などを先生と共有しておくと、子どもが戻りやすい空気をつくってもらえます。

きょうだいには、何をしてあげればいいですか?

「あなたのことも同じように大事」と伝わる時間を、短くても決まった形でつくることです。生活の中で変わることと変わらないことを、年齢に合わせた言葉で伝えておくと、見通しを持ちやすくなります。

病気の子に親の時間が集まると、きょうだいは寂しさを言葉にできず、急に甘えたり、反対に聞き分けのよい子になりすぎたりすることがあります。下の子が「ぼくが風邪をうつしたから?」と、ひとりで思い込んでいることもあります。

国立がん研究センターのがん情報サービスは、親ががんになったときに子どもと話す場面について、子どものせいで病気になったわけではないこと、うつらないことを伝え、発達に合った言葉で段階的に話し、生活で「変わること」と「変わらないこと」を伝えるよう勧めています。病気の子のきょうだいに話すときにも、そのまま生かせる考え方です。

たとえば「お兄ちゃんはしばらく病院でお薬の治療をするよ。ママは病院に泊まる日があるけれど、日曜の夜はあなたと一緒に寝るよ」のように、変わらない約束をひとつ決めておきます。祖父母の家に預ける日が続くときは、きょうだいの保育園や学校の先生にも事情を伝えておくと、様子の変化に気づいてもらいやすくなります。

親が休むのは、子どもを置いていくことになりませんか?

なりません。治療は長い道のりになることが多く、親が倒れずにいることそのものが子どもを守る力になります。休むのは子どもから離れることではなく、明日もそばにいるための準備です。

国立がん研究センターのがん情報サービスは、家族は「本人はもっとつらいのだから」と気持ちを我慢しがちで、自分の日常生活も維持しなければならないことから、「ご家族は、『第二の患者』ともいわれます」と説明しています。病気の子を支える親は、まさにその立場にいます。

付き添いの簡易ベッドで、点滴のアラームに何度も起こされる夜が続くと、判断する力も気力も少しずつすり減っていきます。交代の人に任せて朝まで眠る、家のお風呂にゆっくり入る、病院の外で温かいものを食べる。そうした時間を「わがまま」と感じる必要はありません。

眠れない、食欲が戻らない、涙が止まらないといった状態が続くときは、親自身が相談してよいサインです。病院のがん相談支援センターのほか、公益財団法人がんの子どもを守る会では小児がん専門のソーシャルワーカーが相談に応じています(東京03-5825-6312/大阪06-6263-2666、平日10時〜17時、年末年始を除く)。気持ちの落ち込みが強いときは、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)にかければ、電話をかけた場所の都道府県や政令指定都市が行う公的な電話相談につながります。曜日と時間は自治体によって異なり、通話料はかけた側の負担です。

医療費や仕事、気持ちのことは、どこに相談すればいいですか?

お金と制度のことは病院の医療ソーシャルワーカーかがん相談支援センターへ、治療と体調のことは主治医と看護師へ、が基本の分け方です。気持ちを聞いてほしいときの窓口も、別に持っておくと安心です。

子どもの医療費には、小児慢性特定疾病の医療費助成のように、大人とは別の仕組みがあります。厚生労働省の説明では、小児慢性特定疾病にかかっている子どもの家庭の医療費の負担を軽くするため、自己負担分の一部を助成する制度で、対象の疾患群の一つに「悪性新生物」があります。お子さんの病気が対象になるか、自己負担の上限や申請の手続きは、小児慢性特定疾病情報センターの一覧と、住んでいる自治体の窓口で確かめます。病院の医療ソーシャルワーカーに聞けば、手続きの順番を一緒に確かめられます。医療ソーシャルワーカーは、病院などで患者や家族の経済的・心理的・社会的な困りごとの解決や調整を援助する専門職です(日本医療ソーシャルワーカー協会)。相談室の名前は病院ごとに違うので、看護師に「お金や制度の相談はどこでできますか」と聞くのが近道です。

子どもの医療費にも関わる健康保険の高額療養費制度は、2026年8月から、月の上限額の見直しと、8月〜翌年7月の「年間上限」の新設が行われています。ご家庭の上限額は、加入している健康保険に確かめてください。

仕事については、休み方や会社への伝え方を、急いで一つに決める必要はありません。まずは上司に「子どもが病気で入院し、しばらく付き添いが必要になります。今後の働き方を相談させてください」と一報を入れるだけで、当面の調整は始められます。退職のような元に戻しにくい決断は、治療の予定が見えてくるまで急がないでください。休み方の制度は[gk_link to=”post:child-cancer-parent-work-support”]親の仕事と医療費助成の記事[/gk_link]で詳しく扱っています。

お子さんとご家族

  • 主治医・病棟の看護師治療と体調、家での様子の相談
  • 小児がん拠点病院のがん相談支援センターかかっていなくても無料で、電話でも相談できる
  • 病院の医療ソーシャルワーカー医療費の助成、制度、仕事と暮らしの調整
  • がんの子どもを守る会小児がん専門のソーシャルワーカーに相談できる
  • 学校・院内学級の先生学習と友だちとのつながり、復学の準備
  • がんと家族の相談室気持ちを聞く、言葉を整理する、相談先へつなぐ
親子を支える相談先の地図

今週やる3つと、今は考えなくていいことは何ですか?

今週やるのは「ノートを1冊つくる」「説明を一緒に聞く人を決める」「相談窓口に一度つながる」の3つです。ネットの数字、原因探し、数年先の心配は、いったん脇に置いてかまいません。

「考えなくていい」は「考えてはいけない」という意味ではありません。右側に並べたことは、どれも今の時点では答えが出ないか、答えが出ても今週の行動は変わらないものです。原因については、国立がん研究センターのがん情報サービスも、子どものがんは大人のがんとは異なり、生活習慣に原因があると考えられるものは少ないと説明しています。食事や育て方を振り返って、親が自分を責める必要はありません。特にネットで目にする数字は、過去に診断された大勢の人をまとめた統計で、目の前のお子さんの先を示すものではありません。数字との距離の取り方は、[gk_link to=”post:child-cancer-how-long-search”]数字を見る前に知ってほしいことの記事[/gk_link]に書いています。

今週やる3つ

  • ノートかスマホのメモを1つ決め、説明と質問をそこに集める
  • 次の説明に一緒に入ってくれる人を決める
  • がん相談支援センターか医療ソーシャルワーカーに一度つながる

今は脇に置いていいこと

  • ネットに出てくる余命や生存率の数字
  • 「何が原因だったのか」「誰のせいか」という問い
  • 進学や将来のことなど、数年先の心配
  • 制度を全部いっぺんに理解すること
今週やる3つと、今は脇に置いていいこと

同じように迷ったお母さんは、どう動いた?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
40代・母親の立場(小学3年の息子が入院して治療中、4歳の娘がいる)
相談のあとに変わったこと
「全部ひとりで」を「交代表と1冊のノート」に置き換えた。病院で過ごす夜は毎晩から週4日になり、娘と家で眠る約束の日を週に1日つくれた。

1. 相談のあとに変わったこと

付き添いの夜を、夫と祖母との3人で分ける交代表ができた。それまでは毎晩病院に泊まっていたが、相談から2週間ほどで、病院で過ごす夜は週4日になった。空いた夜のうち1日は、4歳の娘と家で眠る日と決めた。主治医への質問はノートの1ページに3つまで書いてから診察に入るようにしたところ、説明のあとに「また聞き忘れた」と落ち込む日がなくなったという。「やることが減ったんじゃなくて、やらなくていいことが分かったんです」

2. 相談を考えた背景

息子の病名を告げられてから3週間、母親は仕事を休み、ほとんど毎晩、病室の簡易ベッドで眠っていた。娘は祖母の家に預けたまま。ある夜、娘から電話で「ママ、いつ帰ってくるの」と聞かれ、何も答えられなかった。その夜、病棟の廊下の長いすで、初めて相談先を調べたという。

3. 相談する前に困っていたこと

病気のことは、病院でもらった冊子とネットで調べていた。調べるほど知らない言葉が増え、何を先生に聞けばいいのか分からなくなった。夫は仕事の都合で説明の場に来られないことが多く、聞いた内容を伝え直すたびに、自分の理解があいまいなことに気づいて焦った。「親なのに何もできていない」という思いが、日に日に強くなっていた。

4. ここを選んだ理由・決め手

病院にがん相談支援センターがあることは知っていたが、日中は病室を離れにくく、電話をかける時間がとれなかった。子どもが眠ったあとにLINEで「何から手をつければいいのか分かりません」とだけ送ると、翌朝に返事が届き、平日の昼休みに折り返しの電話をもらう約束になった。病名や治療のことを判断する場所ではないと、はじめに説明があったことで、かえって気負わずに話せたという。

5. 相談で話したこと・その後

電話では、はじめの20分ほど、担当は母親の話をただ聞いた。そのうえで困りごとを「付き添い」「娘」「仕事」「先生への質問」の4つに分け、今週やることを3つに絞った。担当は治療の見通しについては何も言わず、説明で分からなかった言葉の一般的な意味を伝えて、次の診察で聞く質問を3つにまとめて送った。医療費の助成は、病院の医療ソーシャルワーカーに聞く順番を一緒に確かめた。最初の交代表は1週間で崩れたが、2回目の電話で組み直した。「完璧な表じゃなくていいと言われて、肩の力が抜けました」

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

主治医・看護師に聞く質問例

  • 今の治療は、どんな目的で、どのくらいの期間続く予定ですか。
  • 家での様子で、特に知らせてほしい変化はどんなことですか。
  • 熱が出たときや夜間・休日は、どこに連絡すればいいですか。
  • 本人には、どんな言葉で、どこまで説明するのがよいと思われますか。
  • きょうだいや学校に伝えるとき、気をつけたほうがいいことはありますか。
  • 親が相談できる窓口や専門のスタッフは、院内にいますか。

とはいえ、親だけで背負わなくていい2つのこと

① 気持ちのこと──「何もできていない」は、事実とは違います

病院と家を往復し、説明を聞き、子どもの手を握り、夜中に調べものをする。外から見ると何も進んでいないようでも、それは全部、親にしかできない仕事です。治療を代わってあげられない無力感は、子どもを大切に思う気持ちの裏返しとして生まれます。泣いてしまう日も、笑えない日もあってかまいません。それで親として足りないことにはなりません。

② 実務のこと──役割分担は、治療の節目ごとに組み直す

親のどちらか一人が、付き添いも、きょうだいの世話も、親戚への連絡も、お金の手続きも抱える形は、長い治療の途中でどこかに無理が出やすくなります。「病院の付き添い」「きょうだいと家のこと」「親戚や学校への連絡」「お金と制度の手続き」と役割を書き出し、それぞれに担当の名前を入れてみてください。祖父母や親戚に頼めるのは、付き添いの交代だけではありません。きょうだいの送り迎えや、親戚への近況報告の係も、立派な支えになります。入院から通院に移るときなど、治療の段階が変われば必要な手も変わるので、節目ごとに分担を見直します。

今日できること

[gk_howto name=”今日できること” description=”今夜から明日のうちに、親が手をつけられる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”ノートを1冊決める”]表紙に病名・主治医の名前・病棟の電話番号を書き、中を「説明されたこと」「次に聞くこと」「家での様子」に分けます。[/gk_step][gk_step title=”一緒に聞く人に声をかける”]次の説明の日時を確かめ、パートナーや祖父母など、同席してくれる人に今夜のうちに連絡しておきます。[/gk_step][gk_step title=”相談先を1つ登録する”]病院のがん相談支援センターか医療ソーシャルワーカーの窓口をスマホに登録します。話を聞いてほしい夜は、相談室のLINEにひとこと送るだけでもかまいません。[/gk_step][/gk_howto]

よくある質問

[gk_faq][gk_q q=”付き添いは、ずっと親がしなければいけませんか?”]付き添いの決まりは病院によって違います。親が毎晩泊まり続けるしかないと思い込まず、祖父母や親戚と交代できるか、付き添いのない日をつくれるかを、病棟の看護師に相談してみてください。親が休む日をつくるのは、長い治療を続けていくための準備です。[/gk_q][gk_q q=”子どもの前で泣いてしまいました。よくなかったでしょうか?”]自然なことです。親の涙は、子どもを大切に思う気持ちの表れです。子どもが不安そうな顔をしたら「心配で泣いちゃった。でも先生たちと一緒にがんばるからね」と言葉を添えると、子どもも親の気持ちを受け取りやすくなります。泣くのを我慢し続けるより、短く言葉にするほうが、親子ともに楽になることもあります。[/gk_q][gk_q q=”夜に子どもの様子がいつもと違うとき、どこに電話すればいいですか?”]治療中なら、まず病院から伝えられている連絡先(病棟や外来)に電話してください。命に関わると感じたときは119番です。子どもの急な症状について一般的な相談をしたいときは、休日・夜間に小児科医や看護師に相談できる「子ども医療電話相談(#8000)」があり、住んでいる都道府県の窓口につながります。受付時間は都道府県ごとに違います。[/gk_q][gk_q q=”小児がん拠点病院ではない病院に通っています。拠点病院の相談支援センターを使ってもいいですか?”]使えます。その病院に通っていなくても、小児がん拠点病院にあるがん相談支援センターには無料で相談でき、電話での相談も受けています。がん相談支援センターは家族だけでも利用でき、相談した内容が、相談した人の同意なく担当医などに伝わることはありません。近くのセンターは、国立がん研究センターのがん情報サービスの「相談支援センターを探す」で調べられます。[/gk_q][gk_q q=”家族として、何から考えればいいのか分かりません。”]考える順番を「今日と今週のこと」「治療の区切りまでのこと」「その先のこと」の3つに分けてみてください。今日と今週は、ノート、一緒に説明を聞く人、相談先の3つだけです。治療の区切りまでのことは主治医に予定を聞きながら決め、その先のことは、今は箱にしまっておいてかまいません。[/gk_q][gk_q q=”祖父母や親戚には、どこまで話せばいいですか?”]全員に同じ量を話す必要はありません。付き添いやきょうだいの世話を頼む人には、治療の予定と頼みたいことを具体的に伝え、それ以外の人には「入院して治療中です。落ち着いたら連絡します」と短く伝えるだけでも十分です。励ましの言葉や体験談がつらく感じるときは、連絡の窓口を一人に決めて任せる方法もあります。[/gk_q][gk_q q=”がんと家族の相談室では、どんなことを相談できますか?”]医療機関ではないため、診断や治療の判断はしません。評価も助言もせずにただ話を聞く20分、医療者の言葉の一般的な意味を伝えて次の診察で聞く質問を3つにまとめること、会社への伝え方やお金の見通しの整理、小児がん拠点病院の相談支援センターなど、その先の相談先へのご案内ができます。ご案内した医療機関から紹介料を受け取ることはありません。[/gk_q][/gk_faq]

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今週やることを、電話で一緒に3つに絞りませんか

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ほいくの相談室 編集部。保育士の方からの相談で多く聞かれる悩みをもとに、公的な資料で確認できる情報をまとめています。