業務委託の看護師が契約で確かめること|フリーランス法で守られること

夕食の片づけを終えたダイニングで、ノートパソコンを開く。在宅の健康相談の業務委託が決まり、会社から契約書が届いた。「甲」「乙」「委託料」「再委託」「秘密保持」。病院で受け取ってきた労働条件の書面とは、言葉も形も違います。

せっかく決まった仕事だから、細かいことを聞いて嫌がられたくない。そう思って、よくわからないまま署名の欄までスクロールしてしまう。けれど業務委託の契約書は、困ったときにいちばん頼りになる約束の記録です。雇われて働く場合のように、就業規則や労働の法律が多くのことを決めてくれるわけではありません。

契約の中身を確かめるのは、相手を疑うからではなく、気持ちよく続けるためです。発注する側にも、取引の条件をはっきり示すことが求められています。質問するのは、ごく当たり前のことなのです。

業務委託の看護師が署名の前に確かめたい7つの項目を、契約書のどこを見ればよいかとあわせて整理しました。フリーランス法で発注事業者に求められることと、困ったときの相談先もまとめています。

業務委託の看護師が契約で気をつけることは?

業務委託の看護師が契約で確かめたいのは、業務の範囲、報酬、支払日、修正や追加の扱い、中途解除、個人情報、損害の責任の7つです。どれも口頭の説明で済ませず、契約書や発注書、メールなど、文字で残る形で受け取ることが基本です。

フリーランス法は、業務委託をする側に、取引の条件をはっきり示すことを求めています(第3条)。この義務は、従業員を使わない発注者にも当てはまります[1]。条件を文字で確かめたいと伝えるのは、法律の考え方にも沿ったことです。

契約書で確かめる7つの項目と、見る場所
項目契約書で見る場所の例確かめたいこと
業務の範囲委託業務の内容何を、何件、どこまで引き受けるか
報酬委託料・報酬計算の単位、税込か、経費の扱い
支払日支払条件締め日と支払日、支払いの方法
修正や追加変更・追加業務追加の仕事の報酬と決め方
中途解除契約期間・解除予告の期間、更新のしかた
個人情報秘密保持・個人情報保管の方法と、返却・消去
損害の責任損害賠償責任の範囲と上限、保険

編集部まとめ

契約書には、病院の書類では見かけない言葉も出てきます。わからない言葉を残したまま署名しないように、よく出る言葉の意味を先にそろえておきましょう。

業務委託の契約書でよく見る言葉
甲・乙
契約する2者の呼び方です。どちらが甲かは、契約書の最初の部分で確かめます。
委託者・受託者
仕事を頼む側と、引き受ける側です。看護師は受託者にあたります。
委託料
業務委託の報酬のことです。計算のしかたと支払日を一緒に確かめます。
再委託
引き受けた仕事を、さらに別の人に頼むことです。認めるかどうかを決める項目です。
秘密保持
仕事で知った情報を外に出さない約束です。契約が終わったあとも続くことがあります。
損害賠償
仕事で相手に損害を与えたときの、責任の取り決めです。
自動更新
期間が終わっても、申し出がなければ同じ条件で続く決まりです。

編集部まとめ

業務の範囲・報酬・追加の仕事は、どう確かめる?

業務の範囲は「何を、何件、どこまで」、報酬は「何を単位に、いくらで、何が含まれるか」まで確かめます。契約にない仕事を頼まれたら、引き受ける前に、報酬と期限を文面で決めます。

業務の範囲:本番の外側の仕事まで

在宅の看護の仕事は、相談や面談の本番の前後に、準備や記録、打ち合わせがつきものです。契約書の業務の内容に、こうした作業が含まれるのか、報酬はどう計算されるのかを確かめます。研修やシステムの操作の練習の時間に報酬が出るかどうかも、始める前に聞いておきたい点です。

業務の範囲は、具体的に書かれているほど安心です。たとえば「チャットでの健康相談への回答(1日10件まで)、回答の記録の入力、月1回・60分のオンライン会議への参加」のように、作業と量がわかる書き方なら、あとで「これも含まれていたはず」と言われる心配が減ります。「健康相談業務一式」とだけ書かれていたら、中身を書き出してもらいましょう。

件数の決まりも見ておきます。「毎月○件以上」のような下限があるか、反対に、件数の上限や受ける枠の選び方はどうなっているか。下限が自分の暮らしに合わない数なら、署名の前に相談しましょう。

報酬:単位と、手元に残る額

報酬は、1件・1時間・1か月など、何を単位に計算するのかを確かめます。税込か税抜か、振込手数料はどちらが持つか、通信費などの経費は報酬に含まれるのかも、書面で見ておきたいところです。報酬によっては、支払う側が所得税を差し引いて支払う(源泉徴収)こともあるので、差し引かれるかどうかも聞いておきましょう。

受け取った報酬の申告は、自分ですることが多くなります。申告の進め方は看護師の確定申告のやり方に、仕事で使った費用の考え方は看護師が確定申告で経費にできるものにまとめています。

見落としやすいのが、取り消しになった仕事の扱いです。面談や相談の予約が取り消されたとき、報酬が出るのか出ないのかで、月の受け取りは大きく変わります。

1件3,000円・月12件の予定で、取り消しの扱いによる受け取りの違い(計算例)
36,000円予定どおり12件
30,000円取り消し2件が報酬なし
24,000円取り消し4件が報酬なし

金額は計算のための仮の数字で、相場ではありません。取り消しの扱いは、「前日までの取り消しは報酬なし、当日の取り消しは報酬の半額」のように、時期で分けて取り決める方法もあります。何も書かれていなければ、署名の前に聞いておきましょう。

契約にない仕事を頼まれたら

働き始めると、「ついでに、こちらもお願いできますか」と頼まれることがあります。小さな頼まれごとでも、引き受ける前に、契約の範囲かどうかを確かめる習慣をつけておくと、仕事が少しずつ増えていくのを防げます。

契約にない仕事を頼まれたら

頼まれた仕事は、契約書の業務の範囲に書かれていますか?

はい

契約どおりの仕事です。期限と手順を確かめて進めましょう。

いいえ

引き受ける前に、報酬・期限・やり方を文面で確かめます。

追加の仕事の報酬と期限について、文面で合意できましたか?

はい

合意したメールを保存してから、取りかかりましょう。

いいえ

その場で引き受けず、契約の見直しとして話し合いましょう。

支払日は、どう確かめる? 空欄のときは?

支払日は、契約書の「支払条件」などの欄で、締め日と支払日、支払いの方法を確かめます。空欄のときや「別途協議」とだけ書かれているときは、署名の前に文面で質問しましょう。

フリーランス法では、発注事業者は、仕事の成果(給付)を受け取った日から60日以内に支払期日を決め、その日までに支払うことが求められています[1]。ここでいう発注事業者は、業務委託をする事業者のうち、従業員を使うものを指します[2]。

支払日がわかったら、入金までの日数も数えておきます。病院の給料のように、働いた翌月に必ず入るとは限らないからです。

月の初めに納めた仕事が、入金されるまでの日数(計算例)
  • 月末締め・翌月15日払い約45日
  • 月末締め・翌月末払い約60日
  • 月末締め・翌々月末払い約90日

10月1日に仕事を納めたと仮定して数えると、締め日と支払日の決め方によって、入金まで1か月半から3か月ほどの差が出ます。在宅の仕事を始めたばかりの月は、収入がまだ入らない期間があると考えて、家計の見通しを立てておきましょう。

締め日がある場合の日数の数え方など、法律の細かい扱いは、この記事では確かめていません。支払日がずいぶん先に設定されているときは理由を聞き、納得できなければ、後で紹介する相談窓口で確かめてください。支払いの方法では、請求書が必要か、必要なら締め切りはいつかも確かめます。請求書の出し方の例は、看護師がライターを業務委託で受ける流れで紹介しています。

中途解除・個人情報・損害の責任は、どこを読む?

契約の終わり方は「契約期間」「解除」の欄、個人情報は「秘密保持」「個人情報」の欄、損害の責任は「損害賠償」の欄で確かめます。どれも、困ったときに初めて読むことが多い項目です。だからこそ、署名の前に一度読んでおきます。

中途解除と契約の終わり方

6か月以上の業務委託では、発注事業者が契約を途中で解除するときや、更新しないときに、30日前までに予告することが求められています[3]。6か月未満の委託には、この予告のルールはかからないので、契約書の定めがよりどころになります。契約期間が何か月なのかは、守られる範囲にもかかわる大事な数字です。

自分の都合でやめるときの決まりも見ておきます。何日前までに伝えるのか、受けている仕事の引き継ぎはどうするのか、違約金のような定めはないか。自動更新の契約なら、更新しないと伝える期限も確かめておきます。

契約が終わるとき:発注者の都合と、自分の都合

発注者の都合で終わるとき

  • 6か月以上の委託なら、30日前までの予告が求められる
  • 6か月未満の委託は、契約書の定めがよりどころ
  • 予告の方法(書面・メール)と時期を確かめる

自分の都合でやめるとき

  • 契約書の「解除」「解約」の欄を読む
  • 何日前までに伝えるか、引き継ぎはどうするか
  • 違約金や損害の定めがないかを確かめる

出典:厚生労働省 雇用環境・均等局「特定受託事業者の就業環境の整備に関する検討会 第1回 資料」、内閣官房・公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット(パンフレットNo.7)」[1][3]

個人情報と秘密保持

在宅の看護の仕事では、相談者の体調や病歴を扱うことがあります。病歴が含まれる個人情報は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」とされ、個人情報取扱事業者が取得するには、法令に基づく場合などを除き、あらかじめ本人の同意が必要です[4]。委託元の会社はこうした情報を扱う立場にあるので、契約書の秘密保持や個人情報の欄で、受託者として守る決まりを確かめましょう。

あわせて、看護師自身にも守秘義務があります。仕事で知った人の秘密を、正当な理由なく漏らしてはならない義務で、資格を失った後も同じです[5]。契約書の秘密保持の決まりと、看護師としての義務の両方を守る、と考えておきましょう。

自宅で働く場合の条件が細かく決められていることもあります。確かめた面談の求人の例では、重要書類を施錠して保管できる場所があることや、第三者のいない個室で面談することなどが条件とされていました[6]。自宅の環境の工夫は在宅で働く看護師の個人情報と守秘義務にまとめています。

損害の責任と、自分のけが

損害賠償の欄では、どんなときに責任を負うのか、上限はあるのかを確かめます。「一切の損害を賠償する」のように範囲が広すぎる書き方なら、どこまでの責任なのかを質問しましょう。仕事のための賠償の保険に入ることを求められるか、その費用はどちらが持つのかも、始める前に聞いておきたい点です。

自分のけがへの備えも、雇われて働く場合とは違います。企業などから業務委託を受けるフリーランスは、2024年11月1日から労災保険の特別加入の対象になりましたが、特別加入団体を通じて自分で申し込む任意の制度です[7]。

個人情報と損害の責任で、契約書に書いてあるとよいこと
項目書いてあるとよいこと確かめ方の例
扱う情報どんな情報を扱うか病歴などを含むかを聞く
保管保管の場所と方法自宅での保管の決まりを確かめる
終わったあと返却・消去の方法と期限返し方を書面で残す
損害の責任責任を負う場合と上限範囲が広すぎないかを見る
保険賠償の保険が要るか費用はどちらが持つかを聞く
自分のけが労災の扱い特別加入を自分で考える

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)「個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第2条第3項・第20条第2項」、厚生労働省「令和6年11月1日から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となりました」[4][7]

フリーランス法で、発注事業者に求められることは?

フリーランス法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)は、2024年11月1日に施行された、業務委託で働く人の取引を守る法律です。この法律でいうフリーランスは、業務委託を受ける事業者で従業員を使わない人、発注事業者は、フリーランスに業務委託をする事業者で従業員を使う人をいいます[2]。

発注事業者に求められる主なことは、7つあります。条件をはっきり示すこと、受け取りから60日以内に支払日を決めて払うこと、受け取りを拒んだり報酬を減らしたり不当に安く買いたたいたりしないこと、募集でうそや誤解を招く書き方をしないこと、育児や介護との両立に配慮すること、ハラスメントの対策の体制を整えること、継続的な契約を途中でやめるときは30日前までに知らせることです[1]。そのうち、禁止行為は1か月以上、両立への配慮と予告は6か月以上の委託が対象です[3]。契約書の7つの項目と照らすと、次のようになります。

契約書の項目と、フリーランス法のかかわり
契約書の項目かかわるルール対象になる委託
業務の範囲・報酬取引条件の明示(第3条)期間を問わない
支払日受け取りから60日以内(第4条)期間を問わない
受け取り・報酬の額受領拒否・減額などの禁止(第5条)1か月以上
募集の内容うそ・誤解を生む表示の禁止(第12条)期間を問わない
休み・家族の事情両立への配慮(第13条)6か月以上(未満は努力義務)
中途解除・更新30日前までの予告(第16条)6か月以上
個人情報・損害の責任主な義務には含まれない契約書で取り決める

出典:厚生労働省 雇用環境・均等局「特定受託事業者の就業環境の整備に関する検討会 第1回 資料」、内閣官房・公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット(パンフレットNo.7)」[1][3]

表の最後の行が示すとおり、個人情報や損害の責任は、契約書で取り決めるしかない項目です。法律が守ってくれる部分と、自分で確かめて決める部分を分けて考えると、契約書のどこに時間をかけて読めばよいかが見えてきます。

相手が従業員のいない個人の事業者の場合は、注意が要ります。主な義務のうち、従業員のいない発注者にも求められるのは取引条件の明示で、支払期日などのほかの義務は、従業員を使う発注事業者に向けたものだからです[1]。個人から仕事を受けるときほど、条件を文字で残しておきましょう。なお、パートやアルバイトとして雇われる場合は、この法律ではなく、労働の法律のルールで守られます。

困ったときの相談先

支払いが遅れる、報酬を減らされたなど、業務委託の取引で困ったときは、フリーランス・トラブル110番で弁護士に無料で相談できます。厚生労働省から第二東京弁護士会が受けて運営している窓口で、電話は0120-532-110、受付は9:30〜16:30(土日祝日を除く)です。メールやWeb(ビデオ通話)での相談もあります[8]。受付の時間や方法は変わることがあるので、連絡の前に公式サイトを見ておきましょう。

相談の前にそろえておくもの

  • 契約書、または条件が書かれた発注書やメール
  • 募集の画面を保存したもの
  • 納品や作業の日付がわかる記録
  • 請求書と、入金の記録

契約は業務委託なのに、働き方が雇われる人と変わらないと感じるときは、総合労働相談コーナーでも相談できます。予約不要・無料で、労働問題の相談に応じています。開設時間は場所によって違うので、事前に電話で確かめてください[9]。困りごと別の窓口は在宅ワークのトラブルの相談先に、契約と働き方のずれが問題になりうる場面は看護師の業務委託は違法にならない?にまとめています。

モデルケース:支払日の欄が空いていた契約書を、書面で確かめてから始めたSさん

モデルケース(架空の例)

支払日の空欄に気づき、署名の前にメールで確認。初めての報酬を予定どおりに受け取れた

  • 2項目7項目署名の前に確かめた項目
  • 0件4件契約について送った質問
  • 約90日最長で約45日仕事を終えてから入金までの日数

このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。

成果

Sさんは、届いた業務委託の契約書の支払日の欄が空いていることに気づき、署名の前にメールで確かめました。返ってきた「月末締め・翌月15日払い」を契約書に書き加えてもらってから署名し、初めての報酬を予定どおりに受け取りました。

Sさん:前は「聞いたら失礼かな」と思っていました。いまは、聞かないほうがお互いのためにならないと思えます。

背景

Sさんは、急性期の病棟で22年働いてきました。40代後半になって夜勤の疲れが抜けにくくなり、在宅で働ける仕事を探していました。1年前には、単発の業務委託で模擬試験の採点を引き受けたことがあります。

困っていたこと

そのときは契約書をよく読まずに署名し、入金まで3か月近く待つことになりました。支払日を確かめていなかったので、催促してよいのかもわかりませんでした。今回届いた契約書も、「支払条件」の欄が空いたままで、委託料の計算の単位もはっきりしませんでした。

選んだ理由

同じ思いをくり返したくないと考えました。フリーランス法で、発注する側に取引の条件をはっきり示すことが求められていると知り、質問するのは当たり前のことだと思えるようになりました。

始め方と工夫

Sさんは、7つの項目のチェック表を作り、契約書の該当する欄に印をつけていきました。質問は、支払日、委託料の単位、取り消しの扱い、契約期間の4つに絞ってメールで送り、返事を保存しました。入金の予定日はカレンダーに書き込み、最初の2か月は収入が入らない時期があることを家族にも伝えて、家計の予定を一緒に組み直しました。約束どおりの日に入金を確かめたとき、Sさんは在宅で働く暮らしが始まったことを、ようやく実感しました。

Sさんが送った質問は、次のような短いメールでした。責める言葉を使わず、確かめたい点だけを並べています。

Sさんが送った質問のメール(モデルケース)

「契約書をお送りいただき、ありがとうございます。署名の前に、4点確認させてください。1.報酬の締め日と支払日。2.委託料は1件ごとの計算か、1時間ごとの計算か。3.相談が取り消しになった場合の扱い。4.契約期間と、更新のしかた。お手数ですが、ご回答をお願いいたします。」

気をつけたいこと:契約書だけではわからないこと

契約書を読み込んでも、わからないことは残ります。書かれた条件が実際にどう運用されるのか、ある条項が法律上どう扱われるのかは、書面だけでは判断できません。とくに、契約の名前は業務委託でも働き方が雇われる人と変わらない場合は、契約書の項目を確かめるだけでは足りないことがあります。

契約書を読み込んでから始めるよいところ・気をつけたいところ

よいところ

  • 支払日や報酬の行き違いを、始める前に防げる
  • 困ったとき、書面を見ながら落ち着いて話し合える
  • 質問へのやりとりで、相手の対応の様子も見えてくる

気をつけたいところ

  • 署名までに数日かかり、始めるのが少し遅くなる
  • なじみのない言葉が多く、読むのに時間がかかる
  • 書面だけでは、法律上の扱いまでは判断できない

質問への答えがあいまいなまま署名を急かされるときは、立ち止まる合図です。すぐに返事をせず、持ち帰って考える時間をもらいましょう。業務委託と雇用の違いをもう一度整理したいときは、看護師の業務委託とは?雇用との違いと向いている人を、報酬から保険料や税金を引いた手取りの考え方はフリーランス看護師の年収をご覧ください。

今日からできること

契約書が届いたら、署名の前に、次のチェックリストで1つずつ確かめてみてください。全部に印がつかなくても大丈夫です。印がつかなかった項目が、そのまま質問の候補になります。

署名の前のチェックリスト

チェックした数:

在宅で働き始めるまでの全体の流れの中で、契約がどの段階にあたるかは看護師の在宅ワークの始め方ガイドで確かめられます。

よくある質問

契約書がなく、メールだけで仕事が始まりそうです。大丈夫ですか?

契約書という形でなくても、メールや発注書で条件が文字で残っていれば、あとで確かめられます。フリーランス法は、発注する側に取引条件の明示を求めています[1]。業務の範囲・報酬・支払日が書かれていなければ、文面で送ってもらうよう頼みましょう。

契約書の中身を、こちらから直してもらうことはできますか?

相談することはできます。わからない点や気になる点を文面で伝え、こう書いてほしいという案を出してみましょう。直してもらえないときは、その条件で受けるかどうかを、あらためて考えます。

支払日が契約書に書かれていません。どうすればいいですか?

署名の前に、締め日と支払日を文面で確かめましょう。従業員を使う発注事業者は、成果を受け取った日から60日以内に支払期日を決めて支払うことが求められています[1]。返事は保存し、できれば契約書にも書き加えてもらいます。

契約を途中で打ち切られたら、どうなりますか?

6か月以上の業務委託では、発注事業者が契約を途中で解除するときや更新しないときに、30日前までの予告が求められています[3]。6か月未満なら、契約書の定めがよりどころになります。納得できないときは、フリーランス・トラブル110番に相談できます。

従業員のいない個人の事業者から仕事を受けるときも、フリーランス法で守られますか?

一部だけです。取引条件の明示は、従業員を使わない発注者にも求められますが[1]、ほかの主な義務は従業員を使う発注事業者が対象です[2]。個人から受けるときほど、条件を書面で残しておきましょう。

パートとして雇われる場合も、この記事の項目を確かめればいいですか?

雇われて働く場合は、フリーランス法ではなく労働の法律のルールで守られます。労働契約を結ぶときは労働条件が明示され、2024年4月からは就業場所・業務の変更の範囲も明示することになりました[10]。受け取った書面で、時間や賃金を確かめましょう。

契約のトラブルは、どこに相談できますか?

支払いの遅れや報酬の減額など、業務委託の取引の困りごとは、フリーランス・トラブル110番が窓口です。弁護士に無料で相談でき、電話(0120-532-110)の受付は、土日祝日を除く9:30〜16:30です[8]。契約書ややりとりの記録を手元にそろえてから相談すると、話が早く進みます。

まとめ

業務委託の看護師が契約で確かめたいのは、業務の範囲、報酬、支払日、修正や追加の扱い、中途解除、個人情報、損害の責任の7つです。フリーランス法は取引条件の明示や60日以内の支払期日などを発注事業者に求めていますが、個人情報や損害の責任のように、契約書で決めるしかない項目もあります。

  • 7つの項目を、契約書のどの欄に書かれているか印をつけて読む
  • 空欄やあいまいな点は、署名の前に文面で質問して返事を残す
  • 支払日から入金までの日数を数え、家計の見通しを立てる
  • 困ったら、記録をそろえてフリーランス・トラブル110番へ

契約書の読み方や、業務委託で働くかどうかで迷ったら、LINEでも下のフォームからでも、気軽に相談してください。

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ほいくの相談室 編集部。保育士の方からの相談で多く聞かれる悩みをもとに、公的な資料で確認できる情報をまとめています。