画面の向こうで、相手が腕を組んで少し横を向いています。「健診の結果はご覧になりましたか」と聞くと、「まあ、見ましたけど」。食事、お酒、運動と、用意した順に質問を重ねるほど、返事は短くなっていきます。
30分の面談を終えて通話を切ったとき、話していたのはほとんど自分だったと気づく。対面なら、うなずきの深さや椅子に座り直す気配で相手の調子をつかめたのに、画面越しでは沈黙がやけに長く感じられる。オンラインの保健指導を始めたばかりの人が、つまずきやすいところです。
うまくいかないのは、知識や熱意が足りないからではありません。画面は、対面より伝わる情報が少ない窓です。そのぶん、質問の順番と、言葉での確かめ方が、面談の手ごたえを大きく左右します。
ここでは、オンラインの面談を「はじめの関係づくり」「生活を聞く」「小さな目標」「次の約束」の4つに分け、言葉の例と一緒に整理しました。乗り気でない相手への対応や、自宅で働くときの記録の扱いまで、次の面談でそのまま試せる形にしています。
オンラインの面談で相手に話してもらうには、何から変える?
最初に変えたいのは、質問の順番です。最初の5分で「できていないことを責める場ではない」と伝え、健診の数字より先に、相手のふだんの1日を聞く。生活の話が出てから数字に触れ、最後に相手の言葉で小さな目標と次の約束を決めます。この順番にすると、相手が自分から話しやすくなり、目標も「言わされた目標」になりにくくなります。
数字から入ると、相手は採点される側に立たされます。「血圧が高めですね」と言われた瞬間に、言い訳を探し始める人もいるでしょう。ところが「ふだんは何時ごろ起きますか」と聞かれれば、答えに正解も不正解もありません。答えやすい質問で口を開いてもらい、話の中から変えられそうな場面を一緒に探す。これがオンラインの面談の土台です。
画面越しの面談は、対面の面談を軽くしたものではありません。特定保健指導の第4期の見直しでは、ICTを使った遠隔面接は評価の水準や時間の設定が対面と同等とされ、初回面接の最低時間も対面と同じ設定です[1]。オンラインだから手短に、ではなく、対面と同じ中身を、画面に合ったやり方で届ける必要があります。
- 0〜5分はじめの関係づくり
声と画面を確かめ、名前・役割・今日の時間と目的を伝えます。
- 5〜15分相手の生活を聞く
起きてから寝るまでの1日を、相手の言葉で話してもらいます。
- 15〜20分気になることと数字
相手が気にしていることを聞いてから、健診の結果に触れます。
- 20〜27分小さな目標を決める
相手から出た案を、いつ・どこで・どのくらいまで具体的にします。
- 27〜30分次の約束
次の連絡の日時と方法、それまでに相手がすることを確かめます。
編集部まとめ
時間の配分は、委託元の決まりや面談の種類によって変わります。守りたいのは分数よりも「生活の話が先、数字はあと」という順番です。オンラインの保健指導の仕事の全体像は在宅・オンラインの保健指導の看護師求人に、求人の形や自宅の環境の条件はオンラインの保健指導の求人は在宅でできる?にまとめています。
最初の5分で、何を伝えればいい?
面談の相手は、健診のあとに届いた案内を受けて、仕事の合間や家事の手を止めて画面の前に座っています。「何か注意されるのではないか」と身構えている人もいます。最初の5分は、その身構えをほどく時間です。
| 伝えること | 言い方の例 | ねらい |
|---|---|---|
| 声と画面の確認 | 「声は途切れずに聞こえていますか」 | 通信の不安を先に消す |
| 名前と役割 | 「保健指導を担当する看護師の◯◯です」 | 誰と話すのかを示す |
| 時間と目的 | 「30分ほど、ふだんの生活を伺います」 | 終わりが見えて安心する |
| 責める場ではないこと | 「できていないことを責める時間ではありません」 | 身構えをほどく |
| 話さない自由 | 「話しにくいことは飛ばして大丈夫です」 | 主導権を相手に返す |
編集部まとめ
周りの環境も、最初に確かめておきたいことの1つです。「今いる場所は、ご家族や同僚の方に声が聞こえませんか」とひとこと聞くだけで、相手は体重やお酒の話をしてよいかを判断できます。聞こえる場所しかないときは、話しにくい項目をあとに回すか、日をあらためる提案もできます。
もう1つ気をつけたいのが、画面に映る相手の部屋です。本棚や子どものおもちゃが見えても、相手から話題にしない限り、こちらからは触れないほうが無難です。家の中を見られている、と感じさせないことも、オンラインならではの配慮です。
自分の側の環境も、相手の安心につながります。求人の中には、第三者がいない個室で、生活感のない白い背景、雑音のない環境で面談することを条件にしている例もあります[2]。カメラの高さや明るさなど機器の整え方は、オンライン診療の補助について書いた画面越しの観察のコツが参考になります。
相手の生活は、どんな順番で聞けば話が広がる?
生活を聞くときの基本は、「はい」「いいえ」で終わらない質問から始めることです。「運動していますか」と聞けば、答えは一言で終わります。「ふだん、体を動かすのはどんな時ですか」と聞けば、通勤の階段や休日の買い物の話が出てきます。
質問の順番は、起きてから寝るまでの時間の流れに沿うと迷いません。朝起きる時刻、朝食、通勤、昼食、仕事が終わってから、夕食、寝る前。この順に聞くと、相手は自分の1日を思い浮かべながら話せます。「なぜ」で始まる質問は責められているように聞こえやすいので、「いつ」「どこで」「誰と」に置きかえます。
| 話が止まりやすい聞き方 | 話が広がりやすい聞き方 |
|---|---|
| 運動はしていますか? | ふだん、体を動かすのはどんな時ですか? |
| お酒は毎日飲みますか? | 仕事が終わってから寝るまで、どう過ごしますか? |
| なぜ間食をするのですか? | 甘いものが欲しくなるのは、1日のどのあたりですか? |
| 朝ごはんは食べていますか? | 起きてから家を出るまで、何をしていますか? |
| 体重は減らせそうですか? | 健診の結果で、気になったところはありますか? |
編集部まとめ
相手が話し始めたら、相手の言葉を短く繰り返す「聞き返し」と、5分に1回ほどの「まとめ」を入れます。「夜は疲れて、何もしたくないんですね」「ここまでのお話だと、平日は21時からがご自分の時間なんですね」。聞いていることが伝わると、相手はもう一歩深く話してくれます。
聞いた生活は、メモの上で1日の帯にしてみると、変えられそうな場面が見えてきます。
この例なら、昼休みの後半と、21時から寝るまでの時間が、変えられそうな「すき間」です。こちらから「ここを変えましょう」と言う前に、「この1日の中で、変えられそうなところはありますか」と相手に聞いてみます。自分で見つけた場所なら、続ける理由も相手自身が持てます。
小さな目標は、どうやって一緒に決める?
目標は、相手の口から出た言葉をもとに決めます。こちらが用意した「毎日1万歩」より、相手が言った「昼休みに少し歩くくらいなら」のほうが、相手にとって自分の約束になります。
案が出たら、「0から10で言うと、できそうな気持ちはどのくらいですか」と聞いてみます。目安として7に届かないときは、目標を一回り小さくします。「毎日」を「週3日」に、「やめる」を「減らす」に。小さくしすぎかな、と思うくらいで始めると、次の面談で「できた」を確かめやすくなります。
目標は「結果」ではなく「行動」で決めるのがこつです。「2kgやせる」は結果で、どう動けばよいかは書かれていません。「昼休みに会社の周りを10分歩く、週3日」なら、いつ・どこで・何を・どのくらいがそろっていて、次の面談で一緒にふり返れます。
| 最初に出た目標 | 小さな行動の目標 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| やせたい | 夕食後のお菓子を週3日やめる | カレンダーに丸をつける |
| 運動を始めたい | 昼休みに会社の周りを10分歩く(週3日) | スマートフォンの歩数を見る |
| お酒を減らしたい | 平日の缶ビールを2本から1本に | 買い置きを1本にする |
| 食事に気をつけたい | 昼食に野菜のおかずを1品足す | 昼食の写真を1枚撮る |
編集部まとめ
行動を目標にすることは、制度の上でも意味があります。第4期の特定保健指導では、腹囲2cm・体重2kg減が主な目標とされる一方、達成できなかった場合も、食習慣や運動などの生活習慣の改善が評価の対象になります[1]。体重が動かなかった月にも、続けられた行動を一緒に確かめられる。小さな行動の目標は、相手にとっても面談する側にとっても足場になります。第4期で変わった点は第4期の特定保健指導で変わったことにまとめています。
次の約束は、何を決めておけばいい?
面談の最後の3分は、次につなぐための時間です。ここをあいまいにすると、せっかく決めた目標が、画面を閉じた瞬間に遠のいてしまいます。
まず、決めた目標を相手に読み上げてもらいます。こちらが言い直すのではなく、相手が自分の言葉で言えるかを確かめるためです。次に、次の連絡の日時と方法を決めます。第4期のプロセス評価では、支援の方法ごとに配点が分かれ、介入1回ごとに評価する形になりました(個別支援〈ICTを含む〉は70ポイント、電話は30ポイント、電子メール・チャット等は30ポイント)[1]。どの方法で連絡するかは、委託元の計画と手順に沿って決めましょう。細かい扱いは、厚生労働省の手引きの最新版や委託元の資料で確かめておくと安心です。
最後に、次までに相手がすることと、こちらがすることを分けて確かめます。相手は歩数を記録する、こちらは歩き方の資料を送る、というように役割を分けると、次の面談で何を話すかがはっきりします。
チェックした数:
画面越しで伝わりにくいことは、どう補う?
画面越しでは、うなずきのタイミングや体の向き、沈黙の意味が伝わりにくくなります。通信のわずかな遅れで、話の頭がかぶることもあります。伝わらないぶんは、言葉と動きを少し大きくして補います。
具体的には、相づちを声に出し、うなずきを対面のときより大きくします。大事なことを伝えるときは、画面の中の相手の顔ではなく、カメラを見て話します。相手が話し終えたら、ひと呼吸おいてから話し始めます。説明のあとは「ここまでで、分かりにくいところはありましたか」と聞き、表情で読み取れないぶんを言葉で確かめます。
沈黙が続いたときは、「少し考えていただいて大丈夫ですよ」と声をかけ、5秒ほど待ちます。対面なら考えている顔が見えますが、画面では沈黙が「拒否」に見えがちです。待つと決めておくだけで、言いかけた本音を遮らずにすみます。
対面なら自然に伝わる
- うなずきや相づちのタイミング
- 体の向きや、座り直す気配
- 沈黙が「考え中」か「拒否」か
- 資料を一緒にのぞきこむ距離
画面越しでは言葉で補う
- 相づちを声に出し、うなずきを大きく
- 「考えていただいて大丈夫です」と伝えて待つ
- 「分かりにくいところはありましたか」と聞く
- 画面共有で、図を1枚だけ見せる
資料を見せるときは、画面共有で何枚も続けるより、図を1枚に絞るほうが伝わります。共有しているあいだは相手の顔が小さくなるので、見せ終わったら共有を止め、相手の表情が見える画面に戻ってから話を続けましょう。
相手が乗り気でないときは、どう対応する?
保健指導の相手が、みな自分から望んで面談を受けているわけではありません。仕事が忙しい、体に自信がある、前に挑戦してうまくいかなかった。乗り気でない理由は人それぞれです。説得しようとするほど、相手は「やらない理由」を固めていきます。
まずは、相手の気持ちをそのまま言葉にして返します。「今は、変えるつもりはないというお気持ちなんですね」。否定も説得もされないと分かると、相手は少し肩の力を抜きます。そのうえで、困っていないことと、気になっていることを分けて聞きます。
情報を伝えたいときは、先に許可をもらいます。「健診の結果について、少しだけお伝えしてもいいですか」。押しつけられた情報は聞き流されがちですが、自分で「いいですよ」と言ったあとの話は、耳に入りやすくなります。
保健指導の研修では、相手の気持ちの段階に合わせて関わる「行動変容ステージ」の考え方や、相手自身の変えたい理由を引き出す「動機づけ面接」の考え方が紹介されることがあります。名前を覚えるより、「決めるのは相手」という姿勢を1つ持っておくことが、乗り気でない人との面談では役に立ちます。
相手は、面談を受けている理由を知っていますか?
理由の説明は短くして、「今日はどんなことなら話せそうですか」と相手に選んでもらいます。
健診の結果から案内が届いた流れを、責める言葉を使わずに1分ほどで伝えます。
「変えるつもりはない」と言われましたか?
説得はせず「そう思われるんですね」と受け止め、困っていないことと気になることを分けて聞きます。
迷う気持ちを聞き、「変えるとしたら、どこからなら始められそうですか」と尋ねます。
それでも気持ちが動かないときは、目標を「記録だけ」にするのも1つの方法です。体重を週に1回量って書くだけ、でもかまいません。今回は変えない、と相手が決めることも尊重しつつ、次の連絡の約束だけは残しておきます。扉を閉めずにおくことが、次の面談につながります。
面談の記録には、何をどう残す?
記録は、次の面談の自分や、引き継ぐ人に宛てた手紙のようなものです。相手の言葉、決めた目標、次の約束の3つは、面談が終わったらすぐに残します。時間がたつと、相手がどんな言葉で言ったのかが、自分の言葉に置きかわってしまうからです。
| 残すこと | 書き方の例 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 相手の言葉 | 「夜は疲れて何もしたくない」 | 言い換えずにそのまま書く |
| 生活の事実 | 平日は21時から晩酌(缶ビール2本) | 聞いた事実と解釈を分ける |
| 決めた目標 | 平日は1本にする(相手の案) | 誰の案かを書いておく |
| 次の約束 | 2週間後の木曜19時に電話 | 日時と方法をそろえる |
| 気になった点 | 胸の痛みの話あり、受診をすすめた | すすめた内容と反応を書く |
編集部まとめ
記録の様式やシステムは、委託元の決まりに合わせます。看護記録で使い慣れた、相手の言葉・測った数字・見立て・次の計画を分けて書く形は、ここでも役に立ちます。
自宅で働くときは、記録の扱いにもう一段の注意が要ります。保健師・看護師・准看護師は、業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならないと法律で定められていて、資格を失った後も同じです[3]。病歴は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」の1つと定められ、事業者がこれを取得するには、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です[4]。手書きのメモはなるべく作らず、作るなら委託元の決まりどおりに保管し、処分します。画面を家族がのぞける位置に置かない、声が漏れない部屋で話すといった家の中の工夫は、在宅で働く看護師の個人情報と守秘義務でくわしく取り上げています。
モデルケース:質問の順番を変えて、相手が話す面談が増えたEさん
モデルケース(架空の例)
質問の順番を変えて、30分の面談で相手が話す時間が10分ほどから20分ほどに
- 10分ほど20分ほど相手が話している時間(30分の面談)
- 10件中2件10件中7件目標を相手の言葉で決めた面談
- 月4人月1人次の約束の日に連絡がつかない人
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Eさんは、オンラインの保健指導で質問の順番を変え、相手が自分から話す面談を増やしました。30分の面談で相手が話している時間は、10分ほどから20分ほどに。目標を相手の言葉で決められる面談も、10件中2件から7件ほどになりました。
Eさん:「それならできるかも」と言ってもらえた瞬間、画面越しでもちゃんと届くんだと思えて、うれしかったです。
背景
Eさんは看護師と保健師の資格を持ち、健診センターで長く対面の保健指導を担当してきました。母親の通院の付き添いが週2回になり、通勤の時間を減らしたいと考えて、自宅からオンラインで保健指導を受け持つ働き方に移りました。いまは週3日、1日3〜4件の面談を担当しています。
困っていたこと
始めて3か月、画面の向こうの相手は返事が短く、「特にないです」で終わる面談が続きました。健診の数字、食事、お酒、運動と、用意した項目を順に聞くほど、尋問のような空気になっていきました。面談のあとはぐったりして、夕食の支度に取りかかれない日もありました。
選んだ理由
委託元の先輩の保健師に相談すると、「最初の10分は、相手の1日を聞くだけでいい」と助言されました。面談のメモを読み返したEさんは、自分の質問のほとんどが「はい」「いいえ」で答えられる形だったことに気づき、数字の話をあとに回すと決めました。
Eさん:対面のころは、表情で補えていたんだと思います。画面だと、聞き方の癖がそのまま出ていました。
始め方と工夫
最初の質問を「健診の結果、どう思われましたか」から「ふだんは何時ごろ起きますか」に変えました。相づちは声に出し、質問のあとは5秒待ちます。目標は相手の言葉のままメモし、最後に読み上げてもらって確かめます。次の連絡の日時は通話を切る前に決め、相手のスマートフォンの予定表に入れてもらうようにしました。困ったときに先輩へ相談できる安心感も、続けられている理由の1つです。
Eさんの例で変わったのは、保健指導の知識の量ではありませんでした。最初の質問を1つ変え、待つ時間を決め、目標を相手の言葉で書く。画面越しの面談では、こうした小さな型の違いが、対面のとき以上に手ごたえの差になって表れます。
気をつけたいこと:話し方だけでは越えられないこと
話し方を整えても、面談の仕事には越えられない線がいくつかあります。先に知っておくと、無理な引き受け方や、ひとりで抱え込むことを防げます。
まず確かめたいのは、資格の条件です。特定保健指導の初回面接や計画の作成、実績評価は医師・保健師・管理栄養士が行うものとされ、看護師は「保健指導に関する一定の実務の経験を有する」場合に、2030年3月31日までの経過措置で行えます[5]。求人の中には、対象資格を保健師または管理栄養士とし、看護師は不可としている例もあります[2]。期限と条件の確かめ方は看護師が特定保健指導をできるのはいつまで?にまとめています。
面談の途中で、保健指導の範囲を超える話が出ることもあります。胸の痛みや強いめまいなど、受診が必要かもしれない訴えを聞いたら、目標づくりより先に、委託元の手順に沿って受診をすすめます。画面越しで判断を急がず、迷ったら委託元に相談する。これはオンラインの面談でいちばん守りたい決まりです。
見落としやすいのが、面談する側の疲れです。画面越しの面談は、目と耳に集中し続ける仕事です。1日に何件も続けると、対面のとき以上に疲れを感じることもあります。面談と面談の間に10分の区切りを入れるなど、自分を守る工夫も仕事のうちです。体の整え方は在宅勤務で体調を崩さない工夫を参考にしてください。
面談の技術で引き受けないこと
- 病気の診断や、薬の飲み方の変更についての判断
- 委託元の手順にない、個人的な連絡先でのやりとり
- 相手の家族など、面談の対象ではない人の健康相談
今日からできること
次の面談で試せることを、5つに絞りました。一度に全部を変える必要はありません。次の面談では1つ目だけ、その次は2つ目も、と1つずつ足していけば十分です。
- 1最初の質問を1つ変える
「健診の結果をどう思いましたか」より先に、「ふだんは何時ごろ起きますか」と聞きます。
- 2相づちを声に出す
うなずきに「ええ」「なるほど」を添え、画面越しでも聞いていることを伝えます。
- 3質問のあとに5秒待つ
沈黙をすぐに埋めず、相手が考える時間を残します。
- 4目標は相手の言葉で書く
言った言葉をそのまま記録し、最後に読み上げてもらいます。
- 5次の約束をその場で決める
日時と方法を決めてから、通話を終えます。
業務委託でオンラインの保健指導を受ける場合の契約や報酬の形は、特定保健指導を業務委託・在宅で受けるにはで整理しています。保健師の資格を生かせるほかの在宅の仕事は、保健師資格を活かせる在宅の仕事もあわせてどうぞ。
よくある質問
面談の時間が足りなくなったら、どこを短くすればいいですか?
削りたくなるのは生活を聞く時間ですが、ここを短くすると、目標が相手のものになりにくくなります。短くするなら数字の説明のほうです。詳しい資料はあとで送ると伝え、面談の中では要点を1つに絞りましょう。時間の決まりは委託元の手順に従ってください。
相手がカメラをオフにしたいと言ったら、どうすればいいですか?
理由を責めずに聞き、委託元の決まりを確かめましょう。映像のない面談をどう扱うかは、委託元の手順や契約で決まっていることがあります。決まりの範囲で、相づちや確かめの言葉を増やして補います。
相手の横に家族がいるときは、どうしますか?
「ご家族に聞こえても大丈夫な話から始めますね」と伝え、体重や病気の話に入る前に、場所を移れるかを聞きます。難しければ、話しにくい項目だけ日をあらためる提案もできます。
動機づけ面接などの研修は、受けたほうがいいですか?
必須ではありませんが、相手自身の「変えたい理由」を引き出す考え方は、オンラインの面談でも役に立ちます。委託元の研修や、職能団体・学会の研修などで学べる場があります。学んだことは、まず質問を1つ変えるところから試すと身につきやすくなります。
看護師でも、特定保健指導の面談をしてよいのですか?
特定保健指導の初回面接や計画の作成、実績評価は医師・保健師・管理栄養士が行うものとされ、保健指導に関する一定の実務の経験を有する看護師も、2030年3月31日までは行える経過措置があります[5]。自分が当てはまるかの確かめ方は、看護師でも特定保健指導の在宅の仕事はできる?で整理しています。
体重が増えてしまった相手には、何と声をかければいいですか?
結果を責める前に、続けられた行動を聞きます。「記録は続けてくださったんですね」と、できたことを言葉にしてから、増えた時期の生活を一緒にふり返ります。目標が大きすぎたなら、相手と相談して小さくし直しましょう。
面談のメモは、自宅でどう扱えばいいですか?
記録は委託元のシステムや様式に残し、手書きのメモはなるべく作らないようにします。紙を使う場合は、保管と処分の方法を委託元の決まりに合わせます。求人によっては、重要書類を施錠保管できる場所があることを条件にしている例もあります[2]。
まとめ
オンラインの保健指導で相手の行動につなげる鍵は、話のうまさより、質問の順番と確かめ方にあります。最初の5分で身構えをほどき、数字より先に生活を聞き、相手の言葉で小さな目標と次の約束を決める。画面越しで伝わりにくいぶんは、声と言葉で補います。行動を変えるかどうかを決めるのは相手で、面談する側にできるのは、決めやすい場を整えることです。
- 最初の質問は、答えに正解のない「ふだんの1日」から
- 目標は結果ではなく行動で、相手の言葉のまま記録する
- 次の連絡の日時と方法は、画面を閉じる前に決める
面談の進め方や、オンラインの保健指導の仕事の探し方で迷ったときは、ひとりで抱え込まずに声をかけてください。LINEでも、下のフォームからでも、無料で相談を受け付けています。