休みの日の午後、洗濯物を取り込みながらスマートフォンを見ると、応募していた医療メディアから返事が届いていました。「ぜひお願いしたいと思います」。うれしくて読み進めると、「業務委託契約書を送りますので、電子署名をお願いします」「納品は月末締め、請求書は翌月5日までにPDFで」と続きます。そこで指が止まってしまった、という方もいるかもしれません。
病院で働いていると、給料は勤務表をもとに計算され、毎月、給与明細が届きます。業務委託のライターは違います。何をいくらで引き受けるのかを確かめ、書いたものを納め、請求書を出し、入金を確かめるところまでが、自分の仕事になります。
流れを知らないまま始めると、修正が何度も続いたり、請求を出し忘れたり、支払日が分からないまま待ったりしがちです。反対に、段階ごとに確かめる点が分かっていれば、1本目から落ち着いて進められます。
ここでは、募集を見つけてから入金されるまでを10の段階に分け、それぞれで確かめることを順に整理します。フリーランス法で発注する側に求められていることや、請求書の書き方、源泉徴収の確かめ方もあわせてまとめました。
看護師がライターを業務委託で受けるときの流れは?
業務委託でライターの仕事を受ける流れは、「募集→応募→条件の確認→契約→執筆→納品→修正→検収→請求→入金」の10の段階です。大きく分けると、仕事を決めるまで、記事を仕上げるまで、お金を受け取るまでの3つの山があります。
そもそも業務委託は、会社に雇われるのではなく、仕事ごとに約束を結んで引き受ける働き方です。勤務時間で給料が決まるのではなく、「記事1本いくら」「1文字いくら」のように、仕上げた成果に対して報酬が支払われます。雇われて働く場合との違いは看護師の業務委託とは?雇用との違いでくわしく比べています。
- 1週目募集を見つける
文字数・報酬・納期・応募の条件を読み、受けられるか考えます。
- 1週目応募する
応募文に、得意なテーマと見本の記事を添えて送ります。
- 1〜2週目条件を確かめる
報酬・納期・修正の回数・支払日などを、文面で確かめます。
- 2週目契約を結ぶ
契約書や発注書を読み、分からない点を質問してから同意します。
- 2〜3週目執筆する
構成案、執筆、出典の確かめ、見直しの順に進めます。
- 3週目納品する
決められた形と期限で送り、送った日を記録します。
- 3〜4週目修正する
指摘に沿って直します。範囲を超える修正は相談します。
- 4週目検収
発注者が内容を確かめ、受け取りが確定します。
- 月末請求する
締め日に合わせて請求書を作り、送ります。
- 翌月末など入金を確かめる
約束の支払日に、口座で金額を確かめます。
編集部まとめ
期間は一つの例です。急ぎの仕事なら1〜2週間で請求の手前まで進むこともあります。継続して受ける仕事では、条件の確認と契約が最初の1回だけで済む場合もあり、そのときは「執筆から入金まで」を毎月くり返します。
段階の名前には、病院ではあまり使わない言葉が出てきます。最初に意味をそろえておくと、発注者とのやりとりで迷いません。医療ライターの仕事の全体像は、看護師の医療ライター・監修の求人にまとめています。
- 業務委託
- 雇われず、仕事ごとに約束を結んで引き受ける働き方です。
- 発注書
- 発注者が、仕事の内容や報酬を書いて渡す書面です。
- レギュレーション
- 表記や文体、出典の書き方など、記事を書くときの決まりです。
- 納品
- 仕上げた記事を、決められた形で発注者に渡すことです。
- 検収
- 発注者が納品された記事を確かめ、受け取りを確定させることです。
- 締め日
- 1か月分の請求をまとめる区切りの日です。
- 源泉徴収
- 支払う側が、税金の一部を差し引いて納める仕組みです。
書き始める前に、何を確かめておけばいい?
募集文に書かれている条件は、仕事のほんの一部です。応募して「お願いします」と返事が来たら、書き始める前に、次の8つを文面(メールやメッセージ)で確かめておきます。ビデオ通話で話した内容も、最後に「本日の確認です」と文字で送っておくと、あとで食い違ったときに見返せます。
募集の探し方や、募集文の読み方は看護師のライター求人の探し方にまとめました。ここでは、応募のあと、契約の前に確かめる条件に絞ります。
| 条件 | 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 仕事の範囲 | 構成案・見出し・画像も含むか | 構成案もこちらで作りますか |
| 文字数 | 目安か、下限があるか | 3,000字は目安でよいですか |
| 報酬 | 1本ごとか文字単価か、税込か | 報酬は税込でしょうか |
| 納期 | 初稿と修正、それぞれの期限 | 修正はいつまでに戻せばよいですか |
| 修正 | 何回まで報酬に含まれるか | 修正は何回まで含まれますか |
| 支払い | 締め日・支払日・振込手数料 | 締め日と支払日を教えてください |
| 名前と実績 | 名前が載るか、実績に使えるか | 応募の見本に使ってもよいですか |
| 書く決まり | 表記・文体・出典の書き方 | レギュレーションはありますか |
編集部まとめ
見落としやすいのは、「修正の回数」「税込か税抜か」「実績として見せてよいか」の3つです。修正の回数が決まっていないと、同じ記事を何度も直すことになり、1時間あたりの報酬が大きく下がります。名前の載らない記事でも、実績として見せてよいかを聞いておくと、次の応募で使えます。見せ方は看護師ライターのポートフォリオの作り方で紹介しています。
報酬の額そのものが見合っているかは、文字単価だけでは判断できません。調べる時間と直す時間も含めて考える方法は、看護師ライターの文字単価と収入の目安の考え方にまとめました。参考までに、確かめた募集の例では、看護師・医療職向けの体験記事で文字単価2.0円、1記事1,000〜1,500文字程度とされていました(2026年6月5日掲載・募集は終了)[1]。1件の例で、相場を示すものではありません。
契約の形はいくつかあります。紙やPDFの契約書に署名する形、電子署名のサービスを使う形、発注書にメールで返信して合意する形、クラウドソーシングのサービスの上で結ぶ形などです。どの形でも、「何を・いつまでに・いくらで・いつ払うか」が文字で残っていれば、あとで確かめられます。
記事の著作権を発注者に渡す(譲渡する)と書かれた契約もあります。その場合、同じ文章を自分のブログに載せてよいかは契約しだいなので、見本として使いたいときは先に聞いておきましょう。契約書で確かめる項目の全体(中途解除・損害の責任・個人情報の扱いなど)は、業務委託の看護師が契約で確かめることにまとめています。
フリーランス法で、発注する側に求められることは?
2024年(令和6年)11月1日から、フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス法)が施行されています[2]。この法律でいうフリーランスは、業務委託を受ける事業者のうち、従業員を使わない人のことです。一人で記事を受けるライターも、これに当たる場合があります[2]。
発注する側のうち、従業員を使う事業者は「発注事業者」と呼ばれます[2]。発注事業者には次のような義務があり、義務によっては、業務委託の期間で対象が変わります[3][4]。
| 求められること | 中身 | 対象になる取引 |
|---|---|---|
| 取引条件の明示(第3条) | 取引の条件をはっきり示す | 従業員のいない発注者も含む |
| 支払期日(第4条) | 受け取った日から60日以内に払う | 従業員を使う発注事業者 |
| 禁止行為(第5条) | 受領拒否・減額・買いたたきなど | 1か月以上の業務委託 |
| 募集情報(第12条) | うそや誤解を招く表示をしない | 発注事業者の募集 |
| 両立への配慮(第13条) | 育児・介護等と仕事の両立 | 6か月以上は義務、未満は努力義務 |
| ハラスメント対策(第14条) | 対策の体制を整える | 従業員を使う発注事業者 |
| 中途解除の予告(第16条) | 30日前までに予告する | 6か月以上の業務委託 |
出典:厚生労働省 雇用環境・均等局「特定受託事業者の就業環境の整備に関する検討会 第1回 資料」、内閣官房・公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット(パンフレットNo.7)」[3][4]
表を読むときのポイントは2つあります。1つ目は、相手が「従業員を使う事業者」かどうかで、守られる範囲が変わることです。従業員のいない個人から受ける仕事では、取引条件の明示のほかは対象にならない場合があります[3]。
2つ目は、支払いの期限です。発注事業者は、記事などを受け取った日から60日以内に支払期日を決め、その日までに支払うことになっています[3]。支払日が書かれていないときや、ずいぶん先の日付になっているときは、契約の前に確かめておきましょう。
なお、この法律は業務委託の取引についてのルールです。パートやアルバイトとして雇われて書く仕事には当てはまりません[2]。雇われて働く人には、労働基準法などの別のルールがあります。
執筆から納品までは、どう進める?
契約が済んだら書き始めます。医療の記事は、書く時間より調べる時間のほうが長くなりがちです。病棟で当たり前に使っている言葉や数字も、記事にするときは公的な資料や学会の資料で確かめ直します。
発注者によっては、本文の前に「構成案(見出しの並び)」を出して確認を受ける形をとります。構成案の段階でずれを直しておけば、あとで大きく書き直さずにすみます。初めての発注者なら、自分から「先に構成案をお送りしてもよいですか」と聞いてみるのも一つの方法です。
納品は、決められた形(文書のファイル、共有の文書、記事を作る管理画面への入力など)と期限を守ります。送ったら、送った日時と送り先を自分の記録に残しておきます。この日付は、あとで支払いの期限を考えるときの手がかりになります。
チェックした数:
医療や健康の記事には、広告のルールが関わることもあります。効果を言い切らない、体験談の扱いに気をつけるといった基本は、看護師ライターが守る広告のルールで確かめてください。
修正と検収は、どう進む?
納品のあと、発注者から修正の依頼が届くことがあります。誤字や表現の直し、情報の追加、見出しの入れ替えなど、中身はいろいろです。契約で決めた回数と範囲の中なら、期限までに直して戻します。
迷うのは、範囲を超えていそうな依頼です。たとえば納品のあとで「やはりテーマを変えたい」「文字数を倍にしてほしい」と言われたら、最初の約束とは別の仕事と考えられます。その場で引き受ける前に、追加の報酬と期限を相談しましょう。
依頼の内容は、最初に決めた回数と範囲の中ですか?
期限までに直して戻します。直した箇所を一言添えると、確かめが早く進みます。
引き受ける前に、追加の報酬と期限を文面で相談します。
直してほしい理由がはっきり書かれていますか?
理由に沿って直します。迷う点は、直す前に質問します。
「どの点が意図と違ったか」を先に聞くと、やり直しが減ります。
検収は、納品された記事を発注者が確かめ、受け取りを確定させることです。検収が済んでから請求する決まりの発注者もいます。検収の期限が契約に書かれていなければ、「検収はいつごろになりますか」と聞いておくと、請求の予定が立てやすくなります。
フリーランス法では、1か月以上の業務委託について、受領の拒否や報酬の減額などが禁止されています[3][4]。「記事は受け取れない」「報酬を下げたい」と言われて納得できないときは、ひとりで抱えずに相談窓口を使いましょう。記事の内容に問題がある場合の扱いなど、細かい点も相談の中で確かめられます。
請求書はどう書く?
検収が済んだら、締め日に合わせて請求書を出します。請求書の形を発注者が指定していることもあるので、まずは指定があるかを確かめます。指定がない場合は、次の項目をそろえておくと、発注者の支払いの手続きが止まりにくくなります。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 宛先 | 発注者の会社名と担当者名 |
| 請求日・請求番号 | 2026年10月31日、番号 202610-01 |
| 件名 | 10月分 記事作成の報酬 |
| 明細 | 記事のタイトル・本数・単価・金額 |
| 合計金額 | 小計、消費税の扱い、合計 |
| 源泉徴収 | 差し引く場合は、その額と差引の支払額 |
| 振込先 | 銀行名・支店名・口座の種類・番号・名義 |
| 支払期日 | 契約で決めた日 |
| 自分の情報 | 氏名・住所・連絡先 |
編集部まとめ
金額の書き方を例で考えます。1本5,000円の記事を10月に3本納めたなら、明細に3行で記事のタイトルと金額を書き、小計は15,000円です。消費税を別に書くのか、報酬が税込なのかは、契約での約束に合わせます。数字は説明のための例です。
消費税のインボイス(適格請求書)について、発注者から登録番号を聞かれることもあります。登録するかどうかは、収入の見通しや取引先によって考え方が変わるので、税務署で相談してから決めると安心です。
クラウドソーシングのサービスを通して受けた仕事は、サービスの仕組みに沿って支払いが進み、請求書がいらないこともあります。サービスの手数料が報酬から差し引かれる場合もあるので、受け取る額は応募の前に確かめておきましょう。
毎月の請求で迷わないこつは、請求書そのものより、記事1本ごとの記録を先に作っておくことです。記録があれば、請求書は記録を写すだけになり、入金の確かめや確定申告にもそのまま使えます。
| 記事 | 納品日 | 金額 | 請求日 | 入金日 |
|---|---|---|---|---|
| 退院前の住まいの整え方 | 10月8日 | 6,000円 | 10月31日 | 11月30日 |
| 介護保険の申請の流れ | 10月20日 | 6,000円 | 10月31日 | 11月30日 |
| 杖の選び方 | 10月27日 | 5,000円 | 10月31日 | 11月30日 |
編集部まとめ
源泉徴収と確定申告は、どう確かめる?
報酬から一部が差し引かれて振り込まれることがあります。これが源泉徴収で、報酬を支払う側が税金の一部を前もって差し引き、国に納める仕組みです。差し引くかどうかや額は支払う側が計算するので、契約の前に「源泉徴収はありますか」と聞き、請求書の書き方を発注者の指定に合わせます。
差し引かれた額は、確定申告のときに、すでに納めた税金として計算に入れます。どの発注者から、いくら差し引かれたかを記録の表に書いておきましょう。源泉徴収の対象になる報酬や計算のしかたなどの細かい決まりは、国税庁のホームページや税務署で確かめてください。
本業の給与を1か所から受けている人は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です[5]。この20万円は収入ではなく、収入から経費などを引いた「所得」の額です[5]。また、たとえば横浜市は、20万円以下の場合も市民税・県民税の申告は必要と案内しています[6]。住んでいる市区町村で確かめましょう。
ライターの原稿料は、国税庁が「業務に係る雑所得」の例として挙げています[7]。ただし、活動の規模や実態によっては事業所得に当たることもあり、判断は一律ではありません[8]。迷うときは、税務署に相談すると確実です。申告の手順は看護師の確定申告のやり方、経費の考え方は確定申告で経費にできるものにまとめています。
モデルケース:初めての請求書で戸惑い、ひな形で毎月の請求を整えたCさん
モデルケース(架空の例)
初めての請求書に1時間かかったCさん。ひな形と記録の表で、毎月の請求が10分に
- 約60分約10分請求書づくりの時間(1回)
- 2回0回請求の出し忘れ(半年)
- 決めていない毎月10日入金を確かめる日
このモデルケースは、在宅ワークを考える看護師が抱えやすい状況を想定して、編集部が作成した架空の例です。実在の人物・団体とは関係ありません。数字は説明のための例で、同じ結果になることを約束するものではありません。
成果
Cさんは、医療メディア2社から業務委託で記事を受けて1年になります。請求書のひな形と、受けた仕事を1行ずつ記録する表を作ってから、月末の請求は10分ほどで終わるようになりました。出し忘れもなくなり、入金の確かめは毎月10日と決めています。
Cさん:最初の請求書は、何を書けばいいのか分からなくて、画面の前で1時間固まっていました。
背景
Cさんは男性の看護師で、回復期リハビリ病棟で16年働いてきました。腰を痛めたのをきっかけにクリニックの外来パートに移り、空いた日にできる在宅の仕事を探しました。選んだのは、退院前の住まいの整え方や介護保険の申請の流れなど、患者さんや家族によく聞かれたことを一般向けの記事にする仕事です。
困っていたこと
1社目から継続の依頼を受けたとき、「月末締め、請求書はPDFで翌月5日まで」と言われ、請求書を一度も書いたことがないと気づきました。2社目は締め日が20日で、どちらの記事をいつ納めたのか、すぐに分からなくなりました。半年で2回、請求を出し忘れ、口座の種類を書き漏らして確かめの連絡を受けたこともありました。
選んだ理由
Cさんは、毎回ゼロから請求書を作るのをやめ、ひな形と記録の表を作ることにしました。看護記録と同じで、決まった型に書けば抜けが減ると考えたからです。担当者に必要な項目と源泉徴収の有無をたずねると、見本の請求書をすぐに送ってくれました。
Cさん:看護記録と同じで、あとから誰が見ても分かるように書いておけば、迷わないんだと気づきました。
始め方と工夫
表計算ソフトで、発注者ごとの請求書のひな形を作りました。宛先・振込先・支払条件は固定し、毎月変わるのは日付と明細だけです。別の表には、記事1本ごとに受注日・納品日・検収日・金額・請求日・入金日を記録しています。締め日の前日にスマートフォンの通知が鳴るようにし、源泉徴収された額も同じ表に書き足して、確定申告の準備にも使っています。
Cさんの工夫で効いたのは、請求書を上手に作ることより、記事ごとの日付を残す習慣でした。納品日・検収日・入金日がそろっていれば、支払いが遅れたときも、いつから数えて何日たったのかをすぐに示せます。
業務委託でライターをする前に知っておきたいこと
業務委託のライターは、時間の自由がききやすい一方で、雇われて働くときには職場がしてくれていたことを、自分で引き受ける働き方です。始める前に、よいところと気をつけたいところを並べておきます。
よいところ
- 書く量と時間帯を、自分で決めやすい
- 看護の経験を、文章で多くの人に届けられる
- 本業やパートと組み合わせて、少しずつ始められる
気をつけたいところ
- 報酬は記事ごとで、毎月の収入が安定しにくい
- 契約・請求・入金の確かめを自分で行う
- 会社の社会保険や有給休暇の仕組みはない
毎月決まった額の収入が必要な時期や、請求や記録の管理が大きな負担に感じる人には、雇われて働く在宅の仕事のほうが合うこともあります。職種ごとの違いは看護師が在宅でできる仕事で比べられます。業務委託で働くときの保険の考え方は、業務委託の看護師の社会保険をご覧ください。
業務委託なのに、毎日決まった時間にオンラインでいることや、細かな作業の手順まで指示され続ける場合は、契約の形が働き方に合っているかを確かめる必要があります。考え方は看護師の業務委託は違法にならない?で取り上げています。
報酬が払われない、一方的に減らされたなど、取引のトラブルで困ったときは、厚生労働省の委託事業「フリーランス・トラブル110番」で、弁護士に無料で相談できます。電話は0120-532-110(9:30〜16:30、土日祝日を除く)で、メールやビデオ通話での相談もあります[9]。受付の時間は変わることがあるので、公式サイトで確かめてから連絡してください。困りごと別の窓口は在宅ワークのトラブルの相談先にまとめています。
今日からできること
1本目の依頼が来る前に、準備できることがあります。どれも30分ほどで終わる作業です。先に済ませておけば、依頼が来た日に慌てずにすみます。
- 1記録の表を作る
記事ごとに受注日・納品日・検収日・金額・請求日・入金日の欄を用意します。
- 2請求書のひな形を作る
宛先・明細・振込先・支払期日の欄を入れた型を1つ作ります。
- 3確かめる条件を文にしておく
8つの条件を、そのまま送れる質問の文にしてメモに保存します。
- 4相談先を控える
フリーランス・トラブル110番と、近くの税務署の連絡先を保存します。
- 51本目をふり返る
調べる・書く・直すにかかった時間を記録し、次の条件の確かめに使います。
よくある質問
業務委託のライターは、契約書がなくても始めてよいですか?
契約書という形でなくても、メールやメッセージで「仕事の内容・報酬・納期・支払日」が文字で残っていれば、あとで確かめられます。フリーランス法でも、発注者には取引の条件をはっきり示すことが求められています[3]。何も文字で残っていないまま書き始めるのは避けましょう。
報酬は、納品からどのくらいで払われるものですか?
従業員を使う発注事業者は、記事などを受け取った日から60日以内に支払期日を決めて払うことになっています[3]。具体的な日付は取引ごとに違うので、締め日と支払日を書き始める前に確かめてください。
修正が何度も続くときは、どうすればいいですか?
契約で決めた回数を超えたら、追加の報酬と期限を相談してよい場面です。直してほしい理由をたずね、意図のずれを早めに確かめると、やり直しが減ります。話し合いで解決しないときは、フリーランス・トラブル110番で弁護士に無料で相談できます[9]。
入金額が請求額より少なかったのはなぜですか?
源泉徴収や振込手数料が差し引かれていることが考えられます。発注者に内訳をたずね、差し引かれた額を記録の表に書いておきましょう。源泉徴収の額は、確定申告のときに使います。
病院に勤めながら、業務委託でライターを受けてもいいですか?
受けられる場合もありますが、まず本業の就業規則で副業の扱いを確かめてください。許可の申請が必要な職場もあります。本業との時間の分け方は看護師の副業ライターにまとめています。
業務委託の収入が少なくても、確定申告は必要ですか?
本業の給与を1か所から受けている人は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です[5]。20万円は収入ではなく所得の額です。20万円以下でも住民税の申告が必要とされる場合があるので、くわしくは副業すると確定申告は必要?をご覧ください。
監修の仕事も、同じ流れで受けるのですか?
契約から請求までの流れは似ていますが、監修は記事の内容を確かめて名前を出す仕事なので、責任の範囲を契約で決めることがより大切になります。くわしくは看護師の記事監修の仕事をご覧ください。
まとめ
業務委託のライターの仕事は、応募から入金までの10の段階を、自分で一つずつ進めていく働き方です。最初の1本で流れをつかめば、2本目からは同じ型のくり返しになります。
- 書き始める前に、報酬・納期・修正の回数・支払日を文面で確かめる
- 納品日と検収日を、記事ごとに記録する
- 請求書はひな形を作り、締め日に合わせて出す
- 困ったときは、フリーランス・トラブル110番や税務署に相談する
ライターの仕事の探し方や始め方から考えたい方は、看護師の医療ライター・監修の求人もあわせてご覧ください。在宅の仕事の選び方で迷ったときは、LINEかフォームから気軽にご相談ください。