わが子ががんと診断されてから眠れなくなった、気づくと泣いている。それは親として弱いからではなく、心と体が昼も夜も「見張り」を続けているときに起こる反応です。病室では笑顔をつくり、家ではきょうだいの世話をし、合間に仕事の連絡を返す。これだけのことを同時に抱えていれば、眠りや食欲が崩れても不思議はありません。
こうした状態がいつまで続くかは、治療の段階や、付き添いを交代できる人がいるかどうかで大きく変わり、決まった期間はありません。だからこそ慣れるのを待つより、今夜から眠りと食事の最低限を守り、泣ける場所と話せる先を用意しておくほうが、長い治療をそばで支える力になります。
病院の駐車場から、このページを開いた方へ
- 子どもの前では笑っていられるのに、駐車場の車に戻ると、毎回ハンドルを握ったまま泣いてしまう。
- 夜は何度も目が覚めて眠れず、朝は体が重くて起き上がれない。
- 親の私が倒れたら、この子の看病は誰がするのか。そう考えると怖くて、余計に眠れなくなる。
この記事で分かること
- 子どものがんに向き合う親に起きやすい心と体の反応と、その理由
- 付き添いの日々でも眠りと食事を守るための、最低限の工夫
- 病院の外に「泣ける場所」をつくり、頼ることを子どものためと考える方法
- 親自身が受診や相談を考えたいサインと、使える相談先
子どもががんで、親の私が不安で眠れず、泣いてばかりです。どうしたらいいですか?
眠れないのも泣いてしまうのも、親として弱いからではありません。今夜は「眠りと食事の最低限」「泣ける場所」「話せる先」の3つだけを用意すれば足ります。全部を立て直そうとしなくてかまいません。
子どもががんと診断されてから、親の頭の中では、いくつもの心配が同時に回り続けています。次の検査の結果、治療の副作用、病室で過ごす子どもの退屈と不安、家に残してきたきょうだい、休んでいる仕事。どれも後回しにできないものばかりで、心が休む隙間がありません。子どもが眠ると、昼のあいだ押さえ込んでいた心配が一斉に戻ってくる。眠れないのは、そのためです。
目標を大きくすると、できない自分を責める材料が増えるだけなので、今夜は3つに絞ります。1つ目は、朝までに数時間でも横になること。2つ目は、明日、座って何かを口にする時間を一度つくること。3つ目は、泣いても誰にも気をつかわなくていい場所と、話を聞いてくれる先をひとつずつ決めておくことです。この3つが整うと、「親の私が倒れたら」という漠然とした怖さが、少しずつ具体的な段取りに変わっていきます。
泣いてばかりの自分を情けなく感じているなら、その涙は、わが子を大事に思う気持ちから生まれていると考えてください。泣いた回数で、親としての力が測れるわけではありません。
| 反応 | よくある場面 | そのとき心と体で起きていること |
|---|---|---|
| 眠れない | 簡易ベッドで、子どもの寝返りや機械の音に何度も目が覚める | 小さな変化も見逃すまいと、体が見張りを続けている |
| 涙が止まらない | 病棟の廊下、エレベーター、駐車場の車の中 | 子どもの前で抑えていた気持ちが、一人になって出てくる |
| 食べられない | 子どもが食べられない日に、自分だけ食べる気になれない | 申し訳なさと緊張で、空腹を感じにくくなっている |
| 集中できない | 説明を聞いても頭に残らない、仕事のメールが読めない | 心配ごとが、頭の中の場所をふさいでいる |
| 朝、起き上がれない | 目覚ましが鳴っても体が動かない | 眠りの不足と気持ちの疲れが重なっている |
なぜ子どもの病気は、親の眠りをここまで奪うのですか?
わが子の病気では、「代わってあげられない」無力感と、「この子のために決めなければ」という責任を、親が同時に背負うからです。体が見張りの状態を解けないまま夜を迎えるので、眠りが浅くなりやすくなります。
大人の家族の病気と違い、子どもの治療では、説明を聞いて同意するのも、毎日の様子を見守るのも、多くの場合は親です。病院によっては親が病室に泊まって付き添い、子どもが夜中に吐いたり、痛がったり、怖い夢で泣いたりするたびに起きることになります。子どもが眠ったあとも、呼吸の音を確かめずにはいられない。そんな夜が続けば、眠りが細切れになるのは当然です。
がんの家族について、国立がん研究センターのがん情報サービスは「ご家族は、『第二の患者』ともいわれます」と書いています。その理由として挙げられているのは、家族が「本人はもっとつらいのだから」と自分の気持ちを我慢しがちなことと、自分の日常生活も保たなければならないことです。子どもの病気を支える親は、この我慢と日常の両方を、いちばん重い形で抱えやすい立場にいます。
子どもが眠ったあと、スマホで病気のことを調べ続けてしまうのも、少しでも先を見通したいという親の自然な動きで、責める必要はありません。ただ、夜中の検索は不安をふくらませやすいので、浮かんだ心配は紙に書いて朝に持ち越すほうが眠りを守れます。書き出し方は[gk_link to=”post:child-cancer-family-night-worry”]子どものがんの不安を書き出して整理する方法[/gk_link]で詳しく紹介しています。
子どもの前では、いつも笑っていなければいけませんか?
いつも笑顔でいる必要はありません。子どもは親の表情の変化に敏感で、無理に作った笑顔に気づくこともあります。「心配だけど、そばにいるよ」と短く本当の気持ちを伝えるほうが、安心につながる場面もあります。
「親が泣いたら、この子が不安になる」と考えて、病室では明るい声を出し続けている親は少なくありません。その気づかいは、子どもを守ろうとする大事な力です。ただ、親が笑顔で守り、子どもも親を心配させまいと平気なふりをする。そうして親子がお互いに笑顔で守り合うと、どちらも本当の気持ちを出せる場所を失ってしまうことがあります。
涙ぐんでいるのに気づかれたら、「ちょっと心配になったの。でも、ずっとそばにいるからね」と、短く本当のことを言えば十分です。小さな子には「あなたのせいじゃないよ」と添えると、自分が悪いことをしたから親が泣いている、という思い込みを防げます。中学生や高校生なら、「お母さんも怖くなるときがある。あなたも怖かったら言っていいからね」と、気持ちを出していい合図にすることもできます。
そして親には、子どもの前で見せる顔とは別に、素の顔に戻れる場所が要ります。
[gk_cta_mid title=”駐車場で泣いたあとに、ひとことだけ送ってください”]相談室のLINEには、「今日もつらかった」のひとことでも、スタンプひとつでも送っていただけます。夜に届いたものは翌朝いちばんに読んでお返事し、お電話を希望される方には、評価も助言もしないでただ聞く20分をご用意します。[/gk_cta_mid]病院の駐車場で、毎回泣いてしまいます。おかしいことですか?
おかしくありません。車の中は、付き添いの親が誰の目も気にせず素の顔に戻れる、数少ない場所です。そこで泣けているから、病室では子どものそばで落ち着いていられる、という面もあります。
小児病棟の中で、親が一人になれる場所はなかなか見つかりません。廊下ではほかの家族とすれ違い、談話室にはきょうだい連れの親子がいて、トイレの個室にも長くはいられない。駐車場の車のドアを閉めた瞬間に涙があふれるのは、そこが病院の中でようやく見つかった「誰の親でもいなくていい場所」だからです。
気をつけたいのは、泣いた直後の運転です。涙で視界がにじんだまま、手が震えたまま車を出すのは危険です。エンジンをかける前の数分を、下のような「泣いたあとの手順」に使ってください。
- 1泣ききる声が出てもかまわない。止めようとしない
- 2水を一口飲む呼吸が少しずつ落ち着いてくるのを待つ
- 3ひとこと送る「今日もつらかった」を、信頼できる人か相談室のLINEに
- 4運転できるか確かめる視界がにじむ、手が震えるときは、もう少し待つ
- 5家に着いたらきょうだいや家族には「ただいま」だけでいい
泣いたあとに送るひとことの相手は、助言をしない人がいちばんです。「元気出して」「お母さんがしっかりしないと」と返ってくると、せっかく出せた気持ちがまた閉じてしまいます。家族や友人に適任が見つからないときは、相談窓口を「涙のあとの送り先」にしてかまいません。家族の涙の受け止め方は、[gk_link to=”post:family-member-breaking-down-tears”]看病の涙を責めない考え方[/gk_link]でも扱っています。
付き添いの日々でも、眠りと食事を守る方法はありますか?
全部を整えようとせず、「家で眠る夜を交代でつくる」「子どもが眠った時間に自分も横になる」「一日一度は座って温かいものを口にする」の3つを最低限の目標にします。
眠り──見張りの番を、一人で続けない
付き添いの夜は、親にとって見張りの番です。一人で毎晩続ければ、どこかで体がもたなくなります。まず病棟の看護師に、親がそばにいたほうがよい時間帯と、家に帰って休んでもよい夜があるかを聞いてみてください。付き添いの決まりは病院によって違い、聞いてみて初めて「この時間なら離れても大丈夫」と分かることもあります。
そのうえで、パートナーや祖父母と、泊まりの夜を曜日で分けます。週に一度でも家の布団で眠る夜があると、体の休まり方は大きく違います。日中に子どもが昼寝をしたら、その時間を洗濯や調べものに使わず、自分も横になる。眠れなくても、目を閉じて体を横にしているだけで休息の時間になります。眠りのリズムの整え方は、[gk_link to=”post:caregiver-cant-sleep-or-eat”]看病中の家族の体の守り方[/gk_link]にもまとめています。
食事──「この子が食べられないのに」を脇に置く
治療の副作用で子どもが食べられない日に、親だけが食べるのは気が引けるものです。食べ物のにおいが子どもの吐き気につながりそうで、病室では食べにくいこともあります。そんな日は、売店や病院の食堂、車の中など、病室の外で食べてかまいません。カバンには、片手で食べられるおにぎりやゼリー飲料を一つ入れておきます。
「この子が食べられないのに」と思う気持ちは自然です。ただ、子どもにとっては、親が倒れずに明日もそばにいることのほうが、ずっと大きな意味を持ちます。親が食べるのは、自分のためであると同時に、病室のドアをまた開けるための準備です。
- 1家で眠る夜をつくる看護師に離れてよい夜を聞き、泊まりを曜日で交代する
- 2子どもの昼寝に合わせて横になる家事や調べものより、目を閉じる時間を先にとる
- 3一日一度、座って食べる病室の外で、温かいものを口にする時間をつくる
- 4寝る前の検索をやめる浮かんだ心配は紙に書き、朝に持ち越す
「親なんだから、しっかりしなきゃ」と思うほど苦しくなるのは、なぜですか?
「しっかりする」の中身が、いつの間にか「一人で全部を引き受けること」にすり替わっているからです。子どもに必要なのは、倒れずにそばにいられる親で、そのために周りを頼るのは、子どもを守る方法の一つです。
「お母さんがしっかりしないと」「父親が弱音を吐いてどうする」。親戚から、あるいは自分の内側から聞こえてくるこの言葉は、親を励ますどころか、休むことや頼ることを禁じる呪文のように働きます。けれど、親が一人で抱え込んだ結果、眠れずに体を壊せば、いちばん困るのは子どもです。
頼ることを「自分のため」と考えると気が引けても、「子どものため」と置き直すと、頼み方が見えてきます。パートナーに泊まりを代わってもらえば、子どもは両方の親と過ごす時間が持てます。祖父母にきょうだいの送り迎えを頼めば、きょうだいの毎日が崩れにくくなります。看護師に親のつらさを伝えれば、休んだ親がまた落ち着いて病室に戻ってこられます。
頼むときは、内容と日付を具体的にします。「何かあったら言って」と声をかけてくれる人には、「来週の火曜の夜、病院に泊まってもらえる?」と返すほうが、相手も動きやすくなります。家族の中で役割をどう分けるかは、[gk_link to=”post:child-cancer-family-support”]家族の役割分担と親の心のケア[/gk_link]で詳しく扱っています。
どんなときに、親自身が受診や相談を考えればいいですか?
眠れない・食べられない状態が続き、子どもの説明が頭に入らない、運転でひやりとするなど、生活に危うさが出てきたときが目安です。消えてしまいたい気持ちがよぎるときは、すぐに誰かへ伝えてください。
何日続いたら受診、という決まった線はありません。日数より、生活に出ている変化を見てください。次のうち当てはまるものが続いているなら、親自身の体と心を医師や相談窓口に見てもらってよい状態です。
- 横になっても眠れない夜が続き、昼間も頭がぼんやりしている
- 主治医の説明が、聞いたそばから頭に残らなくなった
- 食欲が戻らず、服がゆるくなるほど体重が減ってきた
- 運転中や仕事中に、ひやりとする場面が増えた
- きょうだいにきつく当たってしまい、あとで自分を責めることが増えた
- 子どものそばにいても、何も感じられない時間がある
- 消えてしまいたい、という考えが頭をよぎる
受診先は、まずかかりつけ医や内科で大丈夫です。気持ちの落ち込みや不安が強いなら、心療内科や精神科も選べます。受診のときは「子どもががんで入院していて、付き添いで夜中に起きることがあります」と伝えると、医師も生活の事情を踏まえて考えやすくなります。子どもの病棟の看護師にも、「親の私がほとんど眠れていません」と伝えてかまいません。親の状態を知っておくことは、病棟が子どもの療養を支えるうえでも手がかりになります。
消えてしまいたいという気持ちが強いとき、自分を傷つけてしまいそうなときは、一人で夜を越そうとしないでください。命の危険が差し迫っているときは119番です。今すぐ誰かと話したいときは、よりそいホットライン(0120-279-338)に24時間、無料で電話できます。がん専門の窓口ではありませんが、眠れない深夜にもつながる電話です。
親の気持ちを聞いてもらえる相談先は、どこにありますか?
親自身の気持ちは、小児がん拠点病院にあるがん相談支援センターで、通っている病院でなくても無料で、電話でも話せます。公益財団法人がんの子どもを守る会でも、小児がん専門のソーシャルワーカーが親の相談を受けています。
がん相談支援センターは、患者さん本人だけでなく家族も、名前を明かさずに使える窓口です。話した内容が、話したあなたの同意なしに子どもの担当医などへ伝わることはないので、「親がこんなに弱っていると知られたら」と心配せずに話せます。お住まいの近くのセンターは、がん情報サービスのサイトにある「相談支援センターを探す」のページから見つけられます。
がんの子どもを守る会の相談は、東京(03-5825-6312)と大阪(06-6263-2666)で、平日の10時から17時まで受け付けています(年末年始を除く)。子どものがんに詳しい専門職に、親としての迷いや疲れをそのまま話せる先です。
気持ちの落ち込みが中心なら、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)にかけると、かけた場所の都道府県や政令指定都市が行う、公的な心の電話相談につながります。受付の曜日と時間は地域によって違い、通話料がかかります。
がんと家族の相談室は医療機関ではないので、診断や治療の判断はしません。そのかわり、評価も助言もしないでただ聞く20分や、交代の夜の決め方、会社への伝え方の整理など、親の今夜と今週の段取りを一緒に考えられます。
お父さん・お母さん自身
- 病棟の看護師親が離れてよい時間や、院内で話せる人を聞ける
- 小児がん拠点病院のがん相談支援センターかかっていなくても、無料で電話相談できる
- がんの子どもを守る会小児がん専門のソーシャルワーカーが相談に応じる
- かかりつけ医・心療内科続く不眠や落ち込みを、親自身の不調として診てもらう
- こころの健康相談統一ダイヤル地域の公的な心の電話相談につながる
- がんと家族の相談室ただ聞く20分と、今夜の段取りの整理
駐車場で泣いていたお母さんは、どう動いた?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談から3週間ほどで、病院に泊まる夜は毎晩から週5日になった。火曜と土曜の夜は夫が泊まり、母親は家で2歳の息子と同じ布団で眠る。駐車場で泣く日はまだある。けれど今は、泣いたあとに車の中からLINEで「今日もだめでした」と送り、水を一口飲んでから車を出すと決めている。主治医の説明がある日は、夫が仕事を半日休んで一緒に入るようになった。「泣く回数は減っていないんです。でも、泣いたあとに自分を責める時間は、ほとんどなくなりました」
2. 相談を考えた背景
娘の入院から1か月半、母親は毎晩病室の簡易ベッドで眠り、娘が夜中に吐くたびに起きていた。朝は体が鉛のように重い。それでも娘の前では明るい声を出し、昼に駐車場の車へ戻ると涙が止まらなくなる。ある日、帰り道の交差点で信号を見落としかけた。「私が事故を起こしたら、この子はどうなるんだろう」。その怖さが、相談を考えたきっかけだった。
3. 相談する前に困っていたこと
娘が眠ったあと、スマホで「子ども がん 親 眠れない」と検索した。出てくるのは病気そのものの情報ばかりで、親の眠れなさに触れたものは見つけにくかった。夫は仕事を休めず、実家の母には電話で「あなたがしっかりしないと」と言われた。病棟の看護師は忙しそうで、自分の体のことを話すのは気が引けた。弱音を吐ける相手が、どこにもいなかった。
4. ここを選んだ理由・決め手
病院のがん相談支援センターのことは、入院のときに渡された案内で知っていた。ただ、日中は娘のそばを離れにくく、窓口まで足を運ぶ時間がとれなかった。相談室のLINEなら、娘が眠ったあとの病室で、声を出さずに送れる。スタンプひとつでもいいと書かれていたことが、最後のひと押しになった。最初に送ったのは「眠れません」の一言だけだった。
5. 相談で話したこと・その後
翌朝に返事が届き、平日の昼、娘が検査に行っているあいだに折り返しの電話を受けた。担当は名前を名乗り、はじめの20分ほどは、母親の話をさえぎらずに聞いた。そのうえで、夫に頼む夜を曜日で決めること、看護師に家へ帰ってよい夜を聞くこと、続く不眠はかかりつけ医に相談することを、母親が紙に書きとめながら一緒に整理した。娘の病状について、担当は何も判断しなかった。母親の不眠についても診断はせず、受診先を一緒に確かめただけだった。最初の交代の夜は、家に帰っても眠れなかった。2回目の夜、朝まで一度も起きなかったと、母親はLINEで知らせてきた。「娘の顔が、前よりちゃんと見える気がします」
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
医療者に聞く質問例
- 親がそばにいたほうがよい時間帯と、家に帰って休んでもよい夜を教えていただけますか。
- 親がいない夜に、この子が不安になったり目を覚ましたりしたときは、どう対応していただけますか。
- 親の私がほとんど眠れていません。院内に、親の気持ちや体調を相談できる窓口はありますか。
- これからの治療の予定で、親がそばにいたほうがよい時期と、交代しやすい時期を教えてください。
- (ご自身の受診先で)子どもの付き添いで夜中に起きることがあります。その事情を踏まえて、眠りの相談にのっていただけますか。
とはいえ、眠れない夜を過ごすお父さん・お母さんに伝えたい2つのこと
① 気持ちのこと──親が自分を守ることは、子どもを守ることの一部です
「親の私が壊れたら」という怖さは、それだけ子どもの毎日を背負っている証拠です。ただ、その怖さへの答えは、もっと我慢することではありません。休む夜を先に決め、泣ける場所を持ち、話せる相手をつくること。そうして親が自分の体と心を手当てするのは、子どもを置いていくことではなく、明日の朝も同じ顔で病室のドアを開けるための準備です。眠れなかった夜も、泣いてしまった日も、あなたはちゃんと親です。
② 実務のこと──治療の段階ごとに、親の休み方を組み直す
子どもの治療は、入院、一時退院、通院と形を変えながら進むことが多く、そのたびに親に必要な体力の使い方も変わります。入院が続く時期は泊まりの交代を、家で過ごす時期は夜中の体調の変化に備えた連絡の分担を、というように、段階ごとに休み方を組み直してください。主治医から次の治療の予定を聞いたら、同じカレンダーに「親が休む日」も書き込みます。子どもの予定だけで埋まった表は、親の体調が崩れた瞬間に回らなくなります。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”眠れない夜から明日にかけて、親が自分を守るための3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”泣ける場所を一つ決める”]駐車場の車や家の浴室など、誰にも気をつかわずに泣ける場所を決め、泣いたあとに飲む水をカバンに入れておきます。[/gk_step][gk_step title=”交代の夜を一つ頼む”]パートナーや祖父母に「来週の火曜の夜だけ泊まってほしい」と曜日を入れて頼むか、看護師に家へ帰ってよい夜があるかを聞きます。[/gk_step][gk_step title=”ひとことの送り先を登録する”]眠れない夜に「眠れません」とだけ送れる相手を一人決めるか、相談室のLINEを登録しておきます。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”子どもに「どうして泣いてるの?」と聞かれたら、何と答えればいいですか?”]短く、本当のことを伝えれば十分です。「あなたの病気のことを考えて、心配になったの」と言い、「でも、あなたのせいじゃないよ」と添えてください。子どもは親の涙の理由を自分に結びつけやすいので、この一言があると自分を責めずにすみます。そのあと、いつものように手を握ったり絵本を読んだりすれば、「心配していても、親はここにいる」と受け取れます。[/gk_q][gk_q q=”夫は平気そうに見えて、泣いてばかりの私だけが弱いように感じます。”]不安の出方は人によって違います。涙に出る人もいれば、仕事に打ち込む、口数が減る、細かいことに口を出すといった形で出る人もいます。平気そうに見えても、抱えている重さが軽いとは限りません。「どちらが弱いか」ではなく「お互いの出方が違う」と分かるだけで、責め合う気持ちが少しゆるみます。[/gk_q][gk_q q=”きょうだいの前でも泣いてしまい、上の子に気をつかわせているようでつらいです。”]きょうだいは、親の様子をよく見ています。泣いてしまったら「心配で涙が出たけど、あなたが悪いんじゃないよ」と伝え、そのあとで一緒にご飯を食べる、寝る前に少し話すなど、いつもの時間を一つ守ってください。上の子が親を気づかって聞き分けがよくなりすぎているときは、「あなたも甘えていいんだよ」と言葉にして伝えることが助けになります。[/gk_q][gk_q q=”同じ病棟の親御さんと話したいのですが、迷惑でしょうか?”]同じ立場の親だからこそ通じる話があり、廊下や談話室での短い会話に救われることもあります。一方で、子どもの病気や治療の進み方はそれぞれ違うので、比べて落ち込んだり、相手の話を背負いすぎたりすることもあります。最初は「昨日は眠れました?」くらいの一言から始め、重い話を聞いた日は、自分の気持ちを別の場所で下ろすようにしてください。[/gk_q][gk_q q=”夜中、どうしても誰かと話したくなったら、どこに連絡できますか?”]今すぐ声で話したいなら、よりそいホットライン(0120-279-338)が無料で、24時間対応しています。がんと家族の相談室の電話(050-1720-6000)は、平日9:00〜18:00以外の時間は自動音声で受け付け、翌朝9時までに担当から折り返します。声を出せない病室からなら、LINEにひとこと送っておけば、翌朝いちばんに読んでお返事します。子どもの体調が急に変わったときは、相談窓口ではなく、ナースコールや病院から伝えられている連絡先へ。命に関わると感じたら119番です。[/gk_q][gk_q q=”親が休んでいるあいだに、子どもに何かあったらと思うと休めません。”]その心配があるのは当然です。休む前に看護師へ「何かあったら、この番号に連絡をください」と伝えておけば、離れている時間の不安は少し小さくなります。病棟には夜も医療者がいて、子どもの様子を見守っています。親が休む夜は、医療者に任せる夜でもあります。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
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