親や子どものがんが心配で夜に眠れなくなるのは、支える立場にいる人にとって、めずらしいことではありません。昼のあいだ本人の前で明るくふるまい、仕事や家のことを回してきた人ほど、夜にひとりになったとたん、置いてきた気持ちがあふれてきます。こんな時間に家族の病気のことを検索している自分を、責めなくて大丈夫です。
心配の強さは、人によっても日によっても違います。面会のあった日、検査の結果を待っている週、本人の様子が変わった日には、とくに強くなりやすいものです。眠れない夜の一般的な過ごし方は[gk_link to=”post:cancer-anxiety-cant-sleep-at-night”]朝まで自分を守る6つの方法[/gk_link]にまとめているので、この記事では「支える側の夜」に絞ります。心配が夜に強まる仕組み、親ががんの子どもと、子どもががんの親、それぞれの夜の過ごし方、そして家族のあなたが自分のために使える相談先を、順にお伝えします。
面会から帰った夜に、このページを開いた方へ
- 昼は母の前で笑っていられるのに、家に帰ると、母のやせた手や先生の言葉が頭から離れない。
- 泣いているのを家族に知られたくなくて、布団の中で声を殺している。
- 本人のほうがずっとつらいのに、私が眠れないなんて、誰に言えばいいのか分からない。
親ががんで、夜になると心配で眠れません。家族の私はどうすればいいですか?
今夜は、昼のあいだ担ってきた「支える役」をいったん降りてください。頭に浮かぶ場面は無理に消さず、明日の小さな行動か、誰かに聞く質問に置き換えて手放します。それだけでも、心配は抱えやすい形に変わります。
面会のあいだ、あなたはずっと「支える人」だったはずです。母の前では明るい声を出し、医師の説明は顔色を変えずに聞き、帰りの電車では明日の段取りを考える。そのあいだ、自分の怖さや悲しみを感じている暇は、ほとんどありません。家に着き、家族が寝静まって、ようやく役目から解放されたとき、置いてきた気持ちがまとめて追いついてきます。夜に心配が押し寄せるのは、昼にきちんと支えてきたことの裏返しでもあります。
そのうえで、今夜の目標を「心配しないこと」ではなく「心配を明日に渡すこと」にしてみてください。頭から離れない母の手の細さは、「明日の面会でハンドクリームを塗りながら、手をさする」に。先生が言った「少し様子を見ましょう」は、「何の様子を、どのくらい見ていればいいのか、看護師さんに聞く」に。場面を行動や質問に変えると、夜の頭は「何もしてあげられない」という感覚から、少しだけ離れられます。
役を降りる合図を、体の動きで作るのも助けになります。病院に持っていったかばんは寝室に持ち込まず、玄関の決まった場所に置く。服を着替え、顔を洗う。小さな区切りですが、「ここから先は、支える人ではなく、家族のひとりとして休む時間」と自分に知らせる合図になります。
| 夜に浮かぶ場面 | 明日の小さな行動 | 聞く先・頼む先 |
|---|---|---|
| 母の手がやせていた | 面会でハンドクリームを塗りながら手をさする | 肌のケアで気をつけることを病棟の看護師に |
| 先生の「様子を見ましょう」 | 何を、どのくらい見ていればよいかをメモする | 次の説明の場で、主治医か看護師に |
| 母が「大丈夫」としか言わない | 病気と関係のない話題を一つ持っていく | 本音は急いで聞き出さず、母のペースに任せる |
| 食事が半分残っていた | 好きなものを持ち込んでよいか確かめる | 病棟の看護師に |
| 夜中に電話が鳴ったらと思う | 夜に家族へ連絡が来るのはどんなときかを聞く | 病棟の看護師に(連絡先の登録もあわせて) |
昼は平気なのに、なぜ夜になると家族のがんのことが頭から離れないのですか?
家族の心配には、気持ちを後回しにしやすい立場、自分の体ではないので手を打てないもどかしさ、断片でしか分からない病状、の3つが重なっています。昼は役目に押されて隠れていたこの3つが、夜は一度に表に出てくるからです。
一つめは、後回しにしやすい立場です。国立がん研究センターのがん情報サービス「家族ががんになったとき」は、家族が「本人はもっとつらいのだから」と自分の気持ちを我慢しがちで、そのうえ自分の日常生活も維持しなければならないことにふれ、「ご家族は、『第二の患者』ともいわれます」と書いています。昼の我慢は消えたわけではなく、夜まで保留されているだけです。
二つめは、手を打てないもどかしさです。ご本人は、つらくても治療を受け、薬を飲み、医師に質問することができます。家族の側は、どれだけ心配しても代わりに治療を受けることはできず、夜は面会も電話もためらわれる時間です。体を動かせないぶん頭だけが動き続け、「何かしなければ」という焦りが、考えごとに姿を変えていきます。
三つめは、断片でしか分からない病状です。家族が知っている病状は、本人から聞いた話や、短い説明の場で耳にした言葉のかけらであることが少なくありません。昼なら「明日聞けばいい」と思える空白も、確かめる手段のない夜には、悪いほうの想像で埋まりやすくなります。
さらに、失うかもしれない未来を前にして、心が先に悲しみ始めることもあります。この反応には「予期悲嘆」という名前があり、日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団の機関誌(Foundation News Vol.48、2025年4月)では「喪失が現実となる以前に起こる悲嘆」と説明されています。母を失う怖さが夜に大きくなるのは、それだけ大切に思っている人に起きる、自然な心の動きです。
- 1面会のあいだ明るい声と笑顔を保ち、自分の気持ちは脇に置く
- 2帰り道明日の段取りや、きょうだいへの連絡で頭がいっぱいになる
- 3家に着いてから自分の家族の前でも「いつも通り」を続ける
- 4家族が寝静まる役目から解放され、保留していた気持ちが動き出す
- 5布団の中やせた手や先生の言葉が、頭の中で何度も再生される
声を殺して泣いている夜は、誰かに知らせたほうがいいですか?
知らせる相手は、一人で十分です。何かをしてほしいと頼む必要はなく、「夜に泣くことがある」と知っている人が一人いるだけで、隠し続ける緊張が少しゆるみます。相手は家族でなくても構いません。
声を殺して泣くのは、思っている以上に体力を使います。隣の部屋の家族に聞こえないよう息をつめ、翌朝は腫れたまぶたを冷やしてから顔を合わせる。泣いていること自体より、「誰にも気づかれてはいけない」という見張りを夜通し続けていることが、支える人を少しずつすり減らしていきます。
気づかれたくない理由は、人によって違います。配偶者に心配をかけたくない。自分の子どもの前では、いつも通りの親でいたい。きょうだいの中では「しっかり者」の役がある。どれも、家族を守ろうとする気持ちから来ています。だからこそ、全部を打ち明けなくていいのです。伝えるのは、事実をひとつだけ。たとえば配偶者に、「母のことで、夜に泣いてしまう日がある。何か言ってほしいわけじゃないから、知っておいてくれるだけでいい」。それだけで、次に涙が出た夜、隣の部屋で息をつめる必要が少し減ります。
身近な人に言えないときは、家族の外に知らせる先を持ってください。友人に「返事はいらない」と添えて送る。相談窓口のLINEに一行だけ残す。自分の涙を知っている人がどこかにいる、という感覚は、夜の孤独の形を変えてくれます。
知られたくない理由
- 配偶者に心配をかけたくない
- 自分の子どもの前では、いつも通りの親でいたい
- きょうだいの中で「しっかり者」の役がある
一つだけ伝える言い方の例
- 「夜に泣く日がある。何も言わなくていいから、知っておいて」
- 「母のことで、今日は少し疲れた。先に休むね」
- 「解決しなくていいから、たまに話を聞いてほしい」
親ががんのとき、子どもの立場では夜をどう過ごせばいいですか?
夜にしかできないことは、ほとんどありません。病院からの連絡の決まり、きょうだいとの分担、自分の家族への伝え方を昼のうちに整えておけば、夜は「何かあったら」と身構えずに休む時間にできます。
親御さんががんになった子どもの夜は、暮らし方によって形が違います。離れて暮らしていれば、「今夜何かあっても、すぐには駆けつけられない」という不安。近くに住んでいれば、付き添いと仕事が重なった疲れ。同居していれば、壁一枚向こうの咳や足音に耳を澄ませてしまう夜。どの夜にも共通するのは、「何かあったら」が頭の片隅から消えないことです。
この「何かあったら」の多くは、昼のうちに中身を確かめておけます。入院中なら、夜間に家族へ連絡が来るのはどんなときか、連絡先に登録されているのは誰か。通院中なら、親御さんが夜に具合を悪くしたとき、病院から伝えられている連絡先はどこか。決まりが分かると、鳴るかもしれない電話を一晩じゅう待ち続ける必要がなくなります。
きょうだいがいるなら、夜の連絡を誰が最初に受けるかを決めておきます。全員が枕元に携帯を置いて眠れずにいるより、「今週は自分、来週は弟」と順番を決めるほうが、それぞれの夜を守れます。自分の家族にも、状況を伝えておいてください。配偶者に親御さんの病状と、自分が夜に考えこみやすいことを話しておけば、家の中で取り繕う時間が減ります。お子さんがいるなら、年齢に合った言葉で事情を少し伝えておくと、親の沈んだ顔の理由が分からないまま、子どもがひとりで気をもむことを減らせる場合があります。
- 夜間に家族へ連絡が来るのは、どんなときか
- 病院の連絡先に登録されているのは誰か(自分か、きょうだいか)
- 夜に親の具合が悪くなったとき、親が電話する先はどこか
- きょうだいの中で、夜の連絡を最初に受けるのは誰か
- 自分の配偶者や家族に、今の状況をどこまで伝えているか
- 次に主治医や看護師から説明を聞ける日はいつか
子どもががんのとき、親は夜をどう過ごせばいいですか?
付き添いの夜も家で過ごす夜も、親が交代で眠れる仕組みと、親自身が気持ちを話せる先を持つことが、お子さんを支え続ける土台になります。夜に数字や見通しを調べるより、聞きたいことを書きとめて、昼の医療者へ運んでください。
お子さんががんと診断された親の夜には、大人のがんの家族とは違う重さがあります。病室の簡易ベッドで、眠るわが子の呼吸や点滴の機械の音に耳を澄ませる夜。家に残ったきょうだいの寝顔を見ながら、病院にいるもう一人の子を思う夜。「もっと早く気づいてあげられたら」と、自分を責める考えが何度も浮かぶ方も少なくありません。
付き添いの夜は、病室で泣けない夜でもあります。病棟の決まりの範囲で、看護師に「少し外の空気を吸ってきます」と声をかけ、廊下や面会スペースで数分過ごしてかまいません。お子さんを看護師に任せる時間は、放り出す時間ではなく、朝までもたせるための休憩です。家で過ごす夜があるなら、もう一人の親や祖父母と、病院に泊まる日と家で眠る日を交代で決めておくと、両方の親が眠れない夜が続くのを避けやすくなります。
家で寝ているきょうだいの急な発熱やけがで迷ったときは、休日・夜間に小児科の医師や看護師に相談できる子ども医療電話相談(#8000)があり、住んでいる都道府県の窓口につながります(受付の時間は都道府県ごとに違います)。治療中のお子さん本人の体調の変化は、まず通院先から伝えられている連絡先へ。命に関わると感じたら119番へ連絡してください。
親自身の気持ちは、小児がん拠点病院のがん相談支援センターで話せます。小児がん拠点病院は、地域の小児がん医療と支援の中心として厚生労働大臣が指定した病院で、そのセンターには、その病院にかかっていなくても無料で、電話でも相談できます。小児がん専門のソーシャルワーカーに話したいときは、公益財団法人がんの子どもを守る会の相談窓口があります(東京 03-5825-6312/大阪 06-6263-2666、平日10時〜17時、年末年始を除く)。診断からの親の役割は、[gk_link to=”post:child-cancer-parent-role”]子どもががんのとき親にできること[/gk_link]にまとめています。
- 1お子さんの体の変化いつもと違う様子は、通院先から伝えられている連絡先へ。命に関わるときは119番
- 2親が交代で眠ること病院に泊まる日と家で眠る日を、もう一人の親や祖父母と決めておく
- 3きょうだいの夜急な発熱やけがで迷ったら、#8000で小児科の医師・看護師に相談できる
- 4親自身の気持ち小児がん拠点病院のがん相談支援センターや、支援団体に話す
家族の私が自分のために使える相談先は、どこにありますか?
病院のがん相談支援センターは、家族も無料・匿名で使えます。夜は、24時間対応のよりそいホットラインや、翌朝に返事が届く相談室のLINEに言葉を置けます。本人のための相談と自分のための相談は、分けて使って構いません。
全国のがん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院、地域がん診療病院には、がん相談支援センターという相談窓口が置かれています。患者さんだけでなく家族も、その病院に通っていない人も、無料・匿名で、主に面談か電話で相談できます。ここで話したことは、相談した人自身が同意しない限り、担当医などには伝わりません。「母が入院中で、私が眠れていません」という、家族自身の話から始めてかまいません。お住まいや親御さんの病院の近くにあるセンターは、がん情報サービス(国立がん研究センター)の「相談支援センターを探す」で調べられます。
気持ちのつらさそのものを話したいときは、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)にかけると、かけた場所の都道府県・政令指定都市が行う公的な相談窓口につながります。曜日・時間は地域によって異なり、通話料がかかり、050のIP電話からはかけられません。今夜どうしても誰かの声が聞きたいときは、よりそいホットライン(0120-279-338、無料・24時間)があります。がんに特化した窓口ではないものの、眠れずにいる今の気持ちをそのまま話せます。
がんと家族の相談室は、医療機関ではない無料の相談窓口です。相談室が受けた電話相談・問い合わせは、2026年9月の実績(運営者集計)で1,200件。そのうち800件は、ご家族からの相談でした。支える側の話をしたい人は、あなただけではありません。電話(050-1720-6000)は、平日9:00〜18:00は担当が名前を名乗って直接受け、それ以外の時間は自動音声で受け付けて、翌朝9時までに担当から折り返します。LINEは無料・匿名で使え、親御さんやお子さんのことでも、ご自身のことでも、夜に届いたものは翌朝いちばんに読んで返事をします。評価も助言もしない20分の「ただ聞く」時間のほか、先生の言葉を分かる言葉に置き換え、次の診察で聞く質問を3つにまとめることもできます。
家族のあなた
- がん相談支援センター家族も無料・匿名。話した内容は相談した人の同意なく担当医などに伝わらない
- 小児がん拠点病院の相談窓口お子さんががんの親も。かかっていない病院でも電話で相談できる
- こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556。地域の公的な窓口へ。時間は地域ごと
- よりそいホットライン0120-279-338。無料・24時間。がん専門ではない
- がんと家族の相談室夜のLINEは翌朝いちばんに返事。ただ聞く20分も選べる
眠れない日や落ち込みが続くとき、家族も受診していいのですか?
受診してかまいません。眠れない日が続く、食欲が落ちる、何をしても楽しめない、仕事や家事に支障が出ている。こうした変化が重なってきたら、かかりつけ医や心療内科・精神科に相談する目安です。
支える側の不調は、「本人の治療が落ち着いてから」と後回しにされがちです。けれど、家族の心と体が先に限界を迎えると、面会にも仕事にも響き、本人を支える力そのものが細くなっていきます。受診のときは「親ががんで治療中で、そのころから眠れない日が続いています」と、きっかけと時期をそのまま伝えれば話は通じます。体の守り方と受診の目安は、[gk_link to=”post:caregiver-cant-sleep-or-eat”]看病で眠れない・食べられないときの記事[/gk_link]で詳しく扱っています。
「消えてしまいたい」と感じる夜は、受診の予約を待たず、ひとりで朝を迎えないでください。よりそいホットラインは24時間受け付けています。今にも自分を傷つけてしまいそうなときは、ためらわず119番へ電話してください。
夜に声を殺して泣いていた息子さんは、どう変わった?
説明のための例(実在の方の体験談ではありません)
1. 相談のあとに変わったこと
相談から1か月ほどたったころ、彼の夜は変わっていました。以前は週に4〜5日、妻と子どもが眠ったあとの布団で、声を殺して泣いていました。今は、泣く夜は週に1日ほど。泣くときも、妻に「ちょっと母のことで」と言ってから、リビングで泣けるようになりました。面会の日は、帰ってすぐ病院のかばんを玄関の棚に置き、着替えてから子どもと風呂に入る。それが、支える役から降りる合図になっています。「泣く回数が減ったことより、隠さなくてよくなったことが大きかったです」。
2. 相談を考えた背景
母の入院は、治療の副作用で食事がとれなくなったことがきっかけでした。仕事帰りに週3回、車で面会に寄り、母の前では学生時代の失敗談をして笑わせる。けれど帰りの車の中で、毛布から出た母の手の細さを思い出すと、ハンドルを握る手に力が入りました。家では、子どもの前で暗い顔を見せないよう、気を張り続けていました。
3. 相談する前に困っていたこと
夜中に病名と「食べられない」で検索し、母と同じ病気の人の闘病記を読みました。読むほど眠れなくなり、翌朝は会議の資料が頭に入りません。主治医の「少し様子を見ましょう」という言葉の意味も分からないまま、聞き返す機会を逃していました。妻に話そうとしても、「自分がしっかりしないと」という気持ちが先に立ち、言葉が出てこなかったといいます。
4. ここを選んだ理由・決め手
病院のがん相談支援センターのことは、入院の案内で知っていました。ただ、母が入院している病院の窓口に、息子の自分のことを相談していいのか迷いました。相談室のページに、家族自身の話も聞くと書かれていたことと、夜にLINEを送っておけば朝に返事が来ることが決め手になりました。ある夜の1時すぎ、「母が入院中で、夜に泣いてしまいます」とだけ送りました。
5. 相談で話したこと・その後
翌朝の返事でフォームのことを知り、昼休みの時間帯を書いて送りました。送ってすぐ受付確認のメールが届き、次の日の昼休み、約束した時間に担当から電話が来ました。最初の20分、担当は評価も助言もせずに話を聞き、後半では「様子を見ましょう」が一般にどんな場面で使われることの多い言葉かを説明して、次の面会で看護師に聞く質問を3つにまとめて送りました。担当は、母の病状について判断や予測はしていません。最初の1週間は、それでも2回、夜中に検索してしまったそうです。その週の面会で看護師に手の乾燥のことを聞き、母の手にクリームを塗りながら話すようになりました。「母の手を思い出すと、今は『明日塗ってあげよう』が先に浮かびます」。
※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。
医療者に聞く質問例
- 母の手や足がやせてきました。面会のときに、家族ができるケアはありますか。
- 先生がおっしゃった「様子を見る」とは、どんな変化に気をつけていればよいということですか。
- 夜間に家族へ連絡をいただくのは、どんなときですか。連絡先は誰になっていますか。
- 家族の私が眠れていません。この病院で、家族自身の話を聞いてもらえるところはどこですか。
- (お子さんが治療中の場合)付き添いの親が少し休みたいとき、看護師さんにお願いできることはありますか。
とはいえ、支える側のあなたに伝えたい2つのこと
① 気持ちのこと──「ちゃんとしなきゃ」は、昼の分だけで十分です
昼のあいだ、あなたは十分にちゃんとしてきました。面会に行き、笑顔をつくり、仕事をこなし、家のことも回してきた。夜まで「ちゃんとした家族」を続けなくていいのです。泣いても、眠れなくても、それは支える力が尽きた証拠ではなく、それだけのものを一日じゅう抱えてきた証です。怖いと思うことも、失う日のことを考えてしまうことも、大切な人を思う気持ちの一部です。
② 実務のこと──夜にあふれる分は、昼の予定で減らせる
夜に心配が噴き出すのは、昼に気持ちを置く余白がないからでもあります。面会と仕事と自分の家のことが隙間なく詰まっていれば、気持ちは夜にしか出てこられません。面会をきょうだいや親戚と交代で回す、毎日ではなく曜日を決めて行く、仕事を早めに切り上げる日をつくる。親御さんが要介護状態(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にあたるなら、介護休暇を1年に5日(対象家族が2人以上なら10日)まで、時間単位でも取れます。2025年4月からは、介護に直面した社員に会社が制度を個別に知らせ、意向を確かめることも事業主の義務になりました。当てはまるかどうかは、勤め先の担当部署に確かめてください。仕事との両立は、[gk_link to=”post:cant-focus-at-work-family-cancer”]家族ががんで仕事が手につかないときの記事[/gk_link]でも扱っています。
今日できること
[gk_howto name=”今日できること” description=”面会から帰った今夜から明日までに、支える側ができる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”浮かんだ場面を、明日の行動に一行で書く”]「手がやせていた」なら「ハンドクリームを持っていく」のように、紙に一行だけ書いて閉じます。[/gk_step][gk_step title=”一人に「夜に泣く日がある」と伝える”]配偶者、友人、相談室のLINEのどれかに。「返事はいらない」と添えて構いません。[/gk_step][gk_step title=”夜の連絡の決まりを病棟に聞く”]明日の面会で、夜間に家族へ連絡が来るのはどんなときか、連絡先は誰かを看護師に確かめます。[/gk_step][/gk_howto]よくある質問
[gk_faq][gk_q q=”遠くに住んでいて、すぐに駆けつけられないことが不安で眠れません。”]離れて暮らす家族の不安は、「間に合わなかったら」という形をとりやすいものです。昼のうちに、夜間に家族へ連絡が来る決まり、駆けつけるときの交通手段、近くに住む親戚や知人に頼めることを確かめておくと、夜に考える材料が「分からないこと」から「決めてあること」に変わります。いつ駆けつけるか、泊まるかどうかの迷いは、がんと家族の相談室でも一緒に整理できます。[/gk_q][gk_q q=”きょうだいと心配の大きさが違い、私ばかり眠れていない気がします。”]心配の大きさや出方は人によって違い、どちらが正しいということはありません。平気そうに見えるきょうだいも、別の形で抱えているかもしれません。そのうえで、「私は夜に考えこみやすいから、夜の連絡は交代にしたい」と、気持ちではなく分担の話として伝えると、話し合いが進みやすくなります。[/gk_q][gk_q q=”母に「心配しすぎ」と言われてしまいます。”]親御さんが「心配しすぎ」と言うのは、子どもに負担をかけたくない気持ちからであることも多いものです。心配すること自体をやめる必要はありません。「心配はさせてね。そのかわり、話したくないことは聞かないから」と返すと、お互いの気持ちを守りながら、そばにいられます。[/gk_q][gk_q q=”家族の私が相談したことは、本人に伝わりますか?”]がん相談支援センターでは、話した内容が相談した人の同意なく、担当医やご本人を含むほかの人に伝わることはありません。がんと家族の相談室でも、ご希望があれば記録を残さずにお聞きします。本人に内緒で相談することに後ろめたさを感じる方もいますが、家族が自分の気持ちを整えるための相談は、本人を支えることにもつながります。[/gk_q][gk_q q=”子どもががんで、夜に病気のことを調べるのがやめられません。”]調べたくなるのは、お子さんのために少しでも先回りしたい親心からです。ただ、ネットで見つかる数字や経過は、お子さん一人ひとりの病気の種類や治療、体の状態を映したものではありません。夜に浮かんだ疑問はメモに書きとめ、主治医や小児がん拠点病院のがん相談支援センターに、昼のうちに持っていってください。[/gk_q][gk_q q=”夜中に、どうしても今すぐ誰かと話したいときは?”]よりそいホットライン(0120-279-338)は、無料・24時間でつながります。がんを専門に扱う窓口ではありませんが、支える側の夜のつらさを話してかまいません。声を出せない夜は、がんと家族の相談室のLINEにひとことだけ送っておけます。スタンプひとつでも構いません。夜に届いたものは、翌朝いちばんに読んでお返事します。[/gk_q][/gk_faq]次に読むなら
- [gk_link to=”post:cancer-anxiety-cant-sleep-at-night”]眠れない夜を朝まで過ごすための、一般的な方法は?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:night-worries-no-one-to-ask”]家族にも医師にも言えない不安は、誰に話せばいい?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:parent-cancer-child-fear-tonight”]親のがんが怖くてたまらない夜、気持ちをどこに置けばいい?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:child-cancer-parent-role”]子どもががんと診断されたら、親は何をすればいい?[/gk_link]
- [gk_link to=”post:family-caregiver-exhausted-second-patient”]支える家族が限界を感じたら、どう自分を守ればいい?[/gk_link]
- [gk_link to=”page:for-family”]ご家族は、相談室でどんな話ができますか?[/gk_link]