保育士資格はあるが未経験の人へ|働き始めるまでの手順

甥のお迎えに付き添って保育園に行ったとき、泣いている子を抱き上げ、目線を合わせて話しかける先生の姿から目が離せなかった。私も、あの資格を持っている。短大で保育士資格を取ってから、気づけば10年以上、保育の現場で働いたことは一度もない。「今さら未経験で、保育士として働けるのだろうか」。帰りの電車で、ずっとそのことを考えていた。

保育士資格を持ちながら、保育士として働いた経験がない人は少なくありません。卒業後に一般企業に就職した人、実習で自信をなくして別の道を選んだ人、社会人になってから試験で資格を取った人。事情はそれぞれでも、「経験がないこと」が最初の一歩を重くしている点は共通しています。

この記事では、保育士資格はあるけれど未経験という人に向けて、働き始める前に確かめること、始めやすい職場と働き方、応募書類と面接での伝え方、入職後に慣れるまでの流れをまとめました。

この記事でわかること

  • 保育士資格があれば、未経験からでも働き始められるのか
  • 働く前に確かめたい「保育士登録」の手続きと注意点
  • 未経験から始めやすい職場と働き方の選び方
  • 応募書類・面接で未経験をどう伝えるかと、入職後の慣れ方

結論

保育士資格があれば、保育士として働いた経験がなくても応募できる求人はあります。保育士の有効求人倍率は2026年7月時点で2.80倍と高く[1]、未経験の人を受け入れて育てている園もあります。ただし、保育士として働くには都道府県の保育士登録簿への登録が必要で[2]、卒業や試験の合格だけで登録をしていない場合は、手続きに2か月程度かかることがあります(東京都の案内)[3]。最初は複数担任のクラスや保育補助のパートなど、先輩と一緒に動ける働き方から始めると、無理なく現場に慣れていけます。応募書類と面接では、実習や子育て、前職の経験を保育の場面に結びつけて伝えます。

01保育士資格があれば、未経験からでも働き始められる

要点:保育士資格を持ちながら保育の現場で働いていない人は多く、未経験から働き始めることは珍しいことではありません。保育の現場は人手を必要としており、資格を持っていること自体が大きな強みになります。

こども家庭庁の資料によると、2024年10月1日時点で保育士登録者は約190.5万人いますが、社会福祉施設等で働いている保育士は約67.5万人です[4]。働いていない側の約123.0万人には、認可外保育施設や幼稚園で働く人なども含まれますが[4]、資格を持ちながら保育の現場にいない人が多いことは、数字からもはっきり分かります。

図1

保育士登録者と、社会福祉施設等で働く保育士(2024年10月1日時点)[4]

保育士登録者約190.5万人
社会福祉施設等で働く保育士約67.5万人
社会福祉施設等で働いていない保育士約123.0万人
図1 保育士登録者と、社会福祉施設等で働く保育士(2024年10月1日時点)[4]

保育士登録者は2026年4月1日時点で1,989,966人まで増えています[5]。一方で、保育士の有効求人倍率は2026年7月時点で2.80倍と、全職種平均の1.15倍を大きく上回っています[1]。資格を持つ人が増え続ける一方で、現場の人手は足りていない。未経験の人にとっては、受け入れてもらえる余地の大きい状況だといえます。

未経験でも「ゼロからのスタート」ではない

保育士として働いた経験がなくても、資格を取るまでに学んだこと、保育実習で子どもと過ごした時間は、確かな土台になっています。子どもの発達の流れ、生活の援助の基本、手遊びや絵本の読み聞かせ。忘れてしまったと思っていても、現場で子どもと関わるうちに思い出すことは多いものです。

ただ、学んだ内容が今と同じとは限りません。現在の保育所保育指針は2018年4月から適用されており、総則、保育の内容、健康及び安全、子育て支援、職員の資質向上の5章で構成されています[6]。2018年より前に資格を取った人は、学生時代とは版が違う指針を、働き始める前に一度読んでおくと安心です。読み直しておいたこと自体が、面接で話せる準備にもなります。

試験で資格を取った人は「現場を見る機会」を先につくる

社会人になってから保育士試験で資格を取った人は、養成校の実習のように、保育の現場で過ごした経験がほとんどないこともあります。その場合は、応募の前に見学の機会を多めにつくるのがおすすめです。一日の流れ、子どもの年齢ごとの動き、職員同士の声のかけ方を実際に見ておくと、働き始めたときの戸惑いが小さくなります。見学では、「試験で資格を取り、現場の経験がありません」と正直に伝えておくと、園側も説明の仕方を合わせてくれます。保育補助のパートで現場に入り、実習の代わりに一日の流れを覚えるという進め方も、試験で資格を取った人に向いています。

02まず確かめたい「保育士登録」――資格と登録の違い

要点:保育士として働くには、資格を取るだけでなく、都道府県の保育士登録簿に登録を受け、保育士登録証の交付を受けている必要があります。未経験の人は登録をしていないこともあるので、応募の前に必ず確かめます。

図2

  1. 登録証があるかを確かめる

    自宅の書類を探し、保育士登録証が手元にあるかを確かめます。氏名や登録した都道府県も見ておきます

  2. 登録していなければ申請する

    卒業や試験の合格だけで登録をしていない場合は、登録を申請します。東京都の案内では手続きに2か月程度かかります

  3. 氏名が変わっていれば書換えを申請する

    結婚などで姓が変わっている場合は、登録した都道府県知事に書換え交付を申請します

  4. 登録を待つ間に情報を集める

    求人の探し方や、未経験から始めやすい職場を調べ、見学先の候補を挙げておきます

  5. 登録証が届いたら応募する

    履歴書の資格欄には登録の年月を書きます。保育補助として先に働き始める道もあります

図2 保育士登録を確かめて、応募できる状態にする手順

登録をしないと「保育士」とは名乗れない

保育士となる資格を持つ人が保育士となるには、都道府県の保育士登録簿に登録を受けなければならず、都道府県知事が保育士登録証を交付します[2]。また、保育士でない人は、保育士やそれに紛らわしい名称を使ってはならないと法律で決められています[7]。つまり、資格を取っていても、登録をしていなければ「保育士」として働くことはできません。

東京都は、登録手続きは日本保育協会の登録事務処理センターで行い、2か月程度かかると案内しています[3]。同時に、「登録をしないからといって、保育士資格が消滅するわけではありません」とも案内しています[3]。何年前に資格を取った人でも、登録の手続きをすれば保育士として働き始められるということです。登録の方法や窓口は都道府県によって違うので、資格を取った都道府県の案内を確かめてください。

氏名が変わっている場合

登録証の記載事項に変更が生じたときは、遅滞なく、登録を行った都道府県知事に書換え交付を申請することになっています[8]。結婚などで姓が変わっている人は、応募の前に手続きを済ませておくと、採用の手続きがスムーズに進みます。

図3

  • 保育士登録証が手元にあるか見当たらない場合は、登録した都道府県の窓口に問い合わせます
  • 登録証の氏名が今の氏名と同じか変わっていれば、書換え交付の申請が必要です[8]
  • 登録した都道府県はどこか書換えなどの申請先は、登録を行った都道府県知事です
  • 登録の手続きにかかる期間東京都の案内では2か月程度。応募したい時期から逆算して申請します[3]
  • 資格を取った年と、学んだ保育所保育指針の版2018年4月より前に学んだ人は、今の指針を一度読んでおくと安心です[6]
図3 応募の前に確かめる、資格と登録のこと

03未経験から始めやすい職場と働き方

要点:未経験の人が最初の職場を選ぶときは、「一人で判断しなければならない場面が少ないか」「教えてくれる人がそばにいるか」を基準にすると失敗しにくくなります。複数担任のクラス、保育補助、パートなど、先輩と一緒に動ける働き方から始めると安心です。

保育所の保育士の数は、乳児おおむね3人につき1人以上、1〜2歳児おおむね6人につき1人以上、3歳児おおむね15人につき1人以上、4歳以上児おおむね25人につき1人以上と決められています[9]。0〜2歳の乳児クラスは子どもの数に対して保育士が多く配置されるため、複数の保育士で一つのクラスを担当することがよくあります。先輩の動きをすぐそばで見ながら学べるので、未経験の人の最初の配属先になることも多いクラスです。

図4

働き方最初の負担学びやすさ気をつけたいこと
複数担任の乳児クラス(正職員)中くらい先輩の動きを毎日そばで見て学べる抱っこが多く体力を使い、記録も多め
保育補助(パート)小さい担任の補助をしながら一日の流れを覚えられる指導計画など担任の仕事を学ぶ機会は少なめ
定員の多い園中くらい職員が多く、教わる相手を見つけやすい行事の規模が大きく、職員間の連携も多い
小規模保育中くらい保育所の基準より1人多く配置される決まりがあり、少人数の子どもとじっくり関われる[10]職員の人数が少なく、一人で動く場面もある
図4 未経験から始めるときの職場・働き方の比べ方

保育補助から始めるという選び方

いきなり担任として働くことに不安がある人は、保育補助のパートから始める方法もあります。国の事業にも、保育士の業務を補助する人の雇い上げを支援する仕組みがあり[11]、保育補助の求人を出している園もあります。保育補助として入ると、担任の動きを近くで見ながら、登園の受け入れ、午睡の準備、食事の介助、片づけなど、一日の流れを体で覚えていけます。

保育士登録の手続きを待っている間に、保育補助として働き始めるという進め方もあります。登録証が届いたら、同じ園で保育士として働けるかを相談してみると、慣れた環境のまま次の段階に進めます。保育補助の求人の探し方や仕事の内容は保育補助の求人と仕事内容で詳しく紹介しています。

「未経験歓迎」の求人で確かめたいこと

求人票に「未経験歓迎」と書かれていても、受け入れの体制は園によって違います。見学や面接では、次のようなことを聞いておくと、入職後の姿が具体的に見えてきます。

  • 入職後、最初はどのクラスに、どんな立場で入るか
  • 仕事を教えてくれる先輩が決まっているか
  • 新卒の職員と一緒に受けられる研修があるか
  • これまでに未経験の人を受け入れたことがあるか
  • 連絡帳や指導計画は、最初はどこまで任されるか

答えが具体的で、「最初の1か月はこう、3か月目からはこう」と段階を説明してもらえる園は、未経験の人を育てた経験がある園だと考えてよいでしょう。

04未経験を、応募書類と面接でどう伝えるか

要点:未経験の人が応募書類と面接で伝えたいのは、「なぜ今、保育士として働きたいのか」と「これまでの経験の何が保育に活かせるか」の2つです。保育の経験がなくても、実習、子育て、前職の経験は、保育の場面に結びつけることで強みとして伝わります。

図5

  • 1

    保育実習

    実習で担当したクラス、印象に残った子どもとの関わり、そこで学んだこと

  • 2

    子育てや身近な子どもとの関わり

    自分の子どもや甥・姪、地域の子ども会など、子どもと過ごした具体的な場面

  • 3

    前職での経験

    接客での気配り、事務での正確さ、チームでの連携など、保育の場面で活かせる力

  • 4

    学び直し

    保育所保育指針を読み直した、絵本や手遊びを覚え直したなど、準備してきたこと

図5 未経験でも伝えられる4つの経験

志望動機の例

例:短大で保育士資格を取得後、12年間、携帯電話の販売と事務の仕事をしてきました。販売の仕事では、年代も事情も違うお客様一人ひとりの話を聞き、分かりやすく説明することを大切にしてきました。甥の保育園の送迎に付き添った際、子どもの気持ちを受け止めながら保護者にも丁寧に声をかける先生の姿を見て、資格を活かしてこの仕事に挑戦したいと考えました。未経験のため、まずは先輩方の動きから学び、保護者の方とも信頼関係を築ける保育士を目指したいと思っています。

この例では、保育の経験がないことを隠さず、そのかわりに前職で身につけた力と、保育の仕事を選んだ具体的なきっかけを伝えています。志望動機の組み立て方は保育士の志望動機の例文でも詳しく紹介しています。

「なぜ今まで保育士として働かなかったのか」への答え方

未経験の人は、面接でこの質問をほぼ必ず受けます。面接官が知りたいのは、過去の理由そのものより、今は保育の仕事をしたい理由がはっきりしているかどうかです。たとえば「実習で自分の力不足を感じ、一度ほかの仕事を選びました。社会人として働く中で、人と関わる仕事の楽しさを知り、もう一度子どもと関わる仕事に挑戦したいと思うようになりました」のように、過去の理由と今の気持ちをつなげて話します。前の仕事を否定したり、事実と違う理由を作ったりする必要はありません。

履歴書の資格欄と職歴欄

資格欄には「保育士登録」と、登録証に書かれている年月を書きます。職歴欄には、保育以外の仕事もすべて書き、仕事の内容を短く添えます。「販売スタッフとして接客・商品説明を担当」「事務として電話対応と書類作成を担当」のように書いておくと、面接でその経験を保育に結びつけて話すきっかけになります。

05相談事例:実習で自信をなくしてから12年、保育補助から始めた

要点:ここでは、資格を取ってから一度も保育士として働いたことのなかった人が、登録の手続きと保育補助から現場に入ったモデルケースを紹介します。いきなり担任を目指さなかったことが、未経験の不安を小さくしました。

実習で泣いた私が、半年後に担任になった

相談事例(モデルケース)

お名前
ゆうこさん(仮名)・33歳
資格
短大で保育士資格を取得(卒業時は登録しないまま)
職歴
携帯電話の販売スタッフ6年、事務職6年。保育士としての勤務経験なし
家族
夫と二人暮らし
変化
子どもと関わる時間 週0時間 → 保育補助のパートで週15時間 → 半年後に1歳児クラスの正職員

編集部保育士として働かなかったのはなぜですか。

ゆうこさん

短大の実習で、2歳児クラスの子に全然なついてもらえなくて、最終日にトイレで泣いたんです。担当の先生にも「もう少し子どもを見てね」と言われて。向いてないんだと思って、卒業後は一般企業に就職しました。資格は取ったけど、登録もしないままでした。

編集部もう一度、保育の仕事を考えたきっかけは何でしたか。

ゆうこさん

甥の保育園の送迎に付き添ったときです。泣いている子を抱き上げて、目線を合わせて話しかける先生を見ていたら、なんだか涙が出てきて。あの資格、まだ使えるのかなって調べたら、登録をしないと保育士として働けないことを、そのとき初めて知りました。

編集部そこからどう動きましたか。

ゆうこさん

すぐに登録の申請をして、登録証が届くまでの間に、近くの認可園の保育補助のパートを見つけました。週3日、1日5時間です。最初は午睡の準備と片づけ、食事の介助の手伝いから。担任の先生の声かけを、毎日休憩中にメモしてました。「おててを洗ったら、いただきますしようね」みたいな、次の行動を先に伝える言い方が、すごく勉強になったんです。

編集部正職員になろうと思ったのは、いつ頃ですか。

ゆうこさん

3か月くらいたって、連絡帳の下書きを任されるようになった頃です。主任の先生に「来年度から、1歳児クラスの担任に入ってみない?」って声をかけてもらって。正直、私に務まるのかなって迷いました。でも、「複数担任だから、一人で全部やらなくていいよ」って言ってもらえて、それなら、と思えました。

実習で泣いた私が、半年後に担任になるなんて、思ってもいませんでした。

ゆうこさん(仮名)

ゆうこさんは保育補助のパートを始めて半年後、同じ園で1歳児クラスの複数担任として正職員になりました。販売の仕事で身についた、相手の話を最後まで聞いてから答える習慣が、保護者とのやりとりで役に立っているそうです。

ゆうこさんが未経験の不安を小さくできたのは、登録の手続きと並行して、保育補助という負担の小さい働き方から現場に入ったからです。いきなり担任を目指さず、毎日の流れと声かけを補助の立場で学んだことが、未経験の不安を一つずつ減らしていきました。実習でのつまずきは、12年後の現場では、子どもを丁寧に観察する習慣として生きています。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

06入職してから慣れるまでの流れ

要点:未経験から働き始めると、最初の半年は「覚えること」が中心になります。1週目は名前と流れ、1か月で生活の援助、3か月で記録や保護者への伝え方、半年で計画づくりの一部と、段階を区切って考えると、焦りすぎずにすみます。

図6

  1. 1週目子どもと職員の名前、登園から降園までの一日の流れを覚える
  2. 1か月目午睡チェック、食事の介助、排せつの援助など、毎日の生活の援助に慣れる
  3. 2〜3か月目連絡帳の書き方や、保護者への伝え方を先輩に見てもらいながら覚える
  4. 4〜5か月目手遊びや絵本の読み聞かせなど、自分から子どもに働きかける場面を増やす
  5. 6か月目月案や週案など、指導計画の一部を先輩と一緒に考える
図6 未経験から働き始めた最初の半年(目安)

安全に関わることは、その日のうちに確かめる

未経験の人がつまずきやすいのは、「こんなことを聞いたら迷惑かな」と遠慮して、分からないことをためてしまうことです。特に、子どもの安全に関わることは、迷ったらその場で確かめるのが基本です。たとえば食物アレルギーへの対応は、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」で、生活管理指導表に基づく対応が必須とされ、原因となる食品の完全除去が基本とされています[12]。配膳のときに少しでも迷ったら、必ず担任や調理担当に確かめてください。午睡チェックの方法や、ヒヤリハットの報告の仕方も、園ごとの決まりを最初の1か月のうちに確認しておくと安心です。

メモは「やり方」より「理由」を書く

教わったことをメモするとき、「着替えは食事の前」と手順だけを書くより、「食事の前に着替えるのは、汚れを気にせず食べられるように」と理由まで書いておくと、似た場面に応用がききます。理由が分かると、自分で判断できる場面が少しずつ増えていきます。仕事を覚えるのに時間がかかると感じたときは、仕事を覚えられないと感じたときの対処も参考にしてください。

07未経験から始める人に、正直に伝えたいこと

要点:未経験から働き始めた最初の数か月は、できないことが続くのが普通です。そして、最初の職場だけで、保育士に向いているかどうかを決める必要はありません。

最初の数か月は、できないことが続いて当たり前

未経験から働き始めると、子どもに泣かれる、先輩のように手早く動けない、連絡帳に何を書けばいいか分からない、という日が続きます。新卒で入った新人の保育士も、最初は同じところでつまずいています。社会人経験がある分、「できない自分」を責めやすいかもしれませんが、比べる相手は先輩ではなく、1か月前の自分です。昨日より一つでもできることが増えていれば、それで十分です。

1園目で、向き不向きを決めなくていい

保育の働きやすさは、園の方針や規模、職員の関係によって大きく変わります。最初の職場で合わないと感じても、それが保育士に向いていないという意味とは限りません。担当するクラスの年齢が変わるだけで、楽になる人もいます。迷ったときは、「何がつらいのか」を書き出し、園の中で変えられることか、園を変えないと難しいことかを分けて考えてみてください。

資格を活かすかどうか、まだ迷っている人もいるでしょう。ブランクや未経験からの復職の不安についてはブランクからの復職の不安を整理する方法にもまとめています。一人で考えがまとまらないときは、ほいくの相談室に話してみてください。未経験で何から始めればいいか分からない段階や、保育の仕事に戻るか決めていない段階でも相談できます。

よくある質問

資格を取ってから10年以上たっていても、保育士として働けますか?

働けます。東京都は「登録をしないからといって、保育士資格が消滅するわけではありません」と案内しています[3]。まだ登録していない場合は登録を申請し、登録証の交付を受ければ、保育士として働き始められます。

30代、40代の未経験でも採用されますか?

年齢だけで判断されるとは限りません。保育士の有効求人倍率は全職種平均を大きく上回っており[1]、社会人経験のある人を歓迎する園もあります。面接では、前職で身につけた力と、学び続ける姿勢を具体的に伝えると評価されやすくなります。

働き始める前に、勉強し直しておくことはありますか?

現在の保育所保育指針に一度目を通しておくと、園で使われる言葉や考え方が分かりやすくなります[6]。そのほか、年齢ごとの発達の目安、よく使われる手遊びや絵本をいくつか覚えておくと、最初の数週間に自信を持って子どもの前に立ちやすくなります。完璧に準備する必要はなく、働きながら覚えていけば十分です。

ピアノが苦手ですが、大丈夫でしょうか?

ピアノをどのくらい使うかは、園によって大きく違います。気になる場合は、見学や面接で、ピアノを弾く場面がどのくらいあるかを聞いてみてください。苦手な場合の向き合い方はピアノが苦手な保育士の仕事でも紹介しています。

未経験なのに、いきなり担任を任されることはありますか?

園の人員の状況によっては、入職してすぐに担任を任されることもあります。不安がある場合は、面接で最初の配属と、教えてくれる先輩がいるかを確かめておくと安心です。複数担任のクラスから始められるかを相談してみるのも一つの方法です。

保育補助から正職員になることはできますか?

園によっては、保育補助として働いた人に正職員への登用を打診することがあります。ただし、必ずそうなるとは限らないため、将来は正職員として働きたいと考えている場合は、応募の段階でその希望を伝え、登用の例があるかを聞いておくとよいでしょう。

参考にした資料

  1. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
  2. 児童福祉法 第18条の18
  3. 東京都福祉局「保育士に関すること」
  4. こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
  5. こども家庭庁「保育士登録者数等(男女別)」
  6. 保育所保育指針(こども家庭庁掲載)
  7. 児童福祉法 第18条の23
  8. 児童福祉法施行令 第17条
  9. 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項
  10. 家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準 第29・31・34・35条
  11. こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
  12. 保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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