降園後の保育室で、主任に「最近どう?」と声をかけられた。「大丈夫です」と笑って答えたけれど、本当は話したいことがいくつもある。Dくんへの関わり方がこれで合っているのか分からない。お迎えのときに保護者に言われた一言が、まだ胸に引っかかっている。先輩によって指示が違って、どちらに合わせればいいのか迷う。けれど、どれから話せばいいのか、そもそも誰に話せばいいのかが分からない。
保育の悩みは、一つひとつは小さくても、言葉にしないまま抱えていると、少しずつ重くなっていきます。勇気を出して話したのに「みんなそうだよ」で終わってしまい、話さなければよかったと感じた経験がある人もいるかもしれません。それは、話した内容が悪かったのではなく、悩みと相談相手の組み合わせが合っていなかっただけかもしれません。
この記事では、悩みの種類ごとの相談先、話す前に悩みを整理する手順、「相談だけしたい」ときの切り出し方、そして相談しても変わらなかったときの次の一手をまとめました。
この記事でわかること
- 保育の悩みの種類ごとに、まず話す相手と園の外の相談先
- 園内・園外・公的窓口、それぞれの相談相手の強みと限界
- 話す前に悩みを整理する5つの手順(30分ほどでできる)
- 「相談だけしたい」ときの切り出し方と、伝え方の例
- 相談しても状況が変わらなかったときの次の一手
結論
保育の悩みを誰に相談するかは、悩みの種類で決めます。子どもへの関わり方や保育の進め方なら園内の先輩や主任、保護者対応は記録を添えて主任や園長、人間関係で園内に話しにくいなら園の外の保育仲間や家族、休憩や残業など働く条件なら総合労働相談コーナーなどの公的窓口、眠れない・涙が出るといった心身の不調なら医療機関や「こころの耳」が向いています。どの相手に話す場合も、事前に悩みを書き出して一番困っていることを一つ選び、「聞いてほしいのか、助言がほしいのか、動いてほしいのか」を決めておくと、相談したあとの手ごたえが大きく変わります。
01相談先は「悩みの種類」で選ぶ
要点:保育の悩みには、園の中の人に話すと解決に近づくものと、園の外の人に話したほうが安心できるものがあります。悩みの種類と相談先を組み合わせて考えると、「話して損した」と感じることが減ります。
「誰に相談すればいいか分からない」という悩みの裏には、「この人に話して大丈夫だろうか」という不安があります。相談先を選ぶときは、相手が信頼できるかどうかに加えて、その悩みを解決する力や情報を持っているかどうかを考えてみてください。たとえば、子どもへの関わり方の悩みを家族に話しても、気持ちは軽くなりますが、具体的な助言は得にくいものです。反対に、職場の人間関係の悩みを園内の人に話すと、話が思わぬ形で広がってしまうことがあります。
図1
| 悩みの種類 | まず話す相手 | 園の外の相談先 |
|---|---|---|
| 子どもへの関わり方・保育の進め方 | 同じクラスの先輩、主任 | 養成校時代の友人、前の園の同僚 |
| 保護者対応 | 主任、園長(記録を添えて) | 保育の現場を知る相談窓口 |
| 職員どうしの人間関係 | 信頼できる先輩、主任 | 家族、園外の保育仲間、相談窓口 |
| 書類・仕事量・休憩・残業 | 主任、園長 | 総合労働相談コーナー、労働条件相談ほっとライン |
| パワハラなどのハラスメント | 園長、法人の相談窓口 | 総合労働相談コーナー |
| 眠れない・涙が出るなど心身の不調 | 信頼できる人に一言 | 医療機関、こころの耳 |
| この先の働き方・キャリア | 家族、信頼できる先輩 | 保育士・保育所支援センター、転職相談の窓口 |
この表は、あくまで最初の一歩の目安です。主任との関係そのものが悩みなら、主任を相談先から外して考える必要があります。「この人には話せない」という相手がいる場合は、その一段上か、園の外に目を向けてください。
一つの悩みに、相談先は一つでなくていい
悩みによっては、相談先を組み合わせるほうがうまくいきます。たとえば保護者対応の悩みなら、まず園外の友人に気持ちを聞いてもらって落ち着き、そのうえで主任に事実と記録を持って相談する、という順番です。気持ちの整理と、問題の解決を、別々の相手に頼む。こう考えると、一人の相手にすべてを求めずにすみます。
相談相手を選ぶときの3つの基準
悩みの種類に加えて、相手そのものを選ぶときは、次の3つを考えてみてください。一つ目は、話した内容を必要以上に広めない人かどうか。二つ目は、途中で否定したり、自分の話にすり替えたりせず、最後まで聞いてくれる人かどうか。三つ目は、その悩みを解決するのに必要な情報や立場を持っている人かどうかです。3つすべてを満たす人は、なかなかいません。気持ちを聞いてもらうなら一つ目と二つ目、問題を動かしたいなら一つ目と三つ目、というように、目的に合わせて重視する基準を変えると、相手を選びやすくなります。
02相談相手のタイプごとの強みと限界
要点:園内の先輩・主任、園長・法人、園外の仲間や家族、公的窓口や専門家。どの相手にも得意なことと苦手なことがあります。強みと限界を知っておくと、期待しすぎたり、がっかりしたりすることが減ります。
図2
園内の先輩・主任
園の事情や子どものことを知っていて、具体的な助言をもらいやすい
話が園内に広がる心配もある
園長・法人
配置やシフト、園の仕組みを変える力がある
立場の差から、本音を言いにくいこともある
園外の保育仲間・家族
利害関係がなく、気持ちを安心して吐き出せる
園の事情までは分からない
公的窓口・専門家
法律や制度、心身の健康について確かな情報がある
保育の現場の細かな事情は説明が必要
園内の人は、子どもや保護者のことを知っているぶん、助言が具体的です。一方で、相談した内容が誰に伝わるかを、自分では決めきれないことがあります。園外の人は、気持ちを安心して話せる反面、園の事情が分からないため、「そんな園、辞めちゃえば」と話が大きくなりすぎることもあります。どちらが良い悪いではなく、使い分けることが大事です。
「相談できる相手が一人もいない」と感じるとき
異動したばかり、パートで会議に出ない、一人担任で同じクラスの先生がいない。そんな状況では、そもそも相談相手が思い浮かばないこともあります。そのときは、「何でも話せる人」を一人探すのではなく、「この悩みならこの人」という小さな相談先をいくつか持つことを考えてみてください。給食の先生、隣のクラスの先輩、看護師など、保育の一部分を知っている人に一つずつ聞くだけでも、孤立した感覚は和らぎます。相談相手がいないときの考え方は、相談相手がいないときの頼り先でも紹介しています。
公的な相談窓口
働く条件や心身の不調に関わる悩みは、公的な窓口でも相談できます。いずれも無料で利用できるものです。
- 総合労働相談コーナー:各都道府県労働局や全国の労働基準監督署内など378か所にあり、賃金、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、労働問題全般について、予約なしで面談または電話で相談できます[1]。
- 労働条件相談ほっとライン:0120-811-610。平日17時〜22時、土日祝9時〜21時(12月29日〜1月3日を除く)。匿名でも相談できます[2]。
- こころの耳電話相談:0120-565-455。平日17時〜22時、土日10時〜16時(祝日・年末年始は休止)[3]。LINEで相談できる「こころの耳SNS相談」もあります[4]。
- こころの耳メール相談:専用フォームから24時間送ることができ、受理から1週間以内に回答されます(内容や件数により遅れる場合があります)[5]。
保育士・保育所支援センター
保育士・保育所支援センターは、都道府県・指定都市・中核市が設置し、潜在保育士の再就職の相談に加えて、働き続けるための相談支援なども行っています[6]。2025年10月1日からは児童福祉法上の機関として位置づけられ[7]、2025年12月時点で全国75か所に設置されています[8]。名称や連絡先は地域によって違うため、住んでいる都道府県や市の公式サイトで確かめてください。
03話す前に、悩みを整理する5つの手順
要点:相談の前に30分ほど時間を取り、悩みを書き出して一番困っていることを一つに絞ります。相談のゴールまで決めておくと、短い時間でも話が伝わります。
悩みがたくさんあると、どれから話していいか分からず、結局「大丈夫です」と言ってしまいがちです。紙とペンを用意して、次の手順で整理してみてください。
図3
書き出す
10分間、思いつく悩みをすべて紙に書き出します。きれいにまとめる必要はありません
事実と気持ちを分ける
「主任に同じことを3回注意された」(事実)と「嫌われている気がする」(気持ち)を別の行に書きます
変えられるものに印をつける
自分の関わり方で変わること、園の仕組みでしか変わらないこと、誰にも変えられないことに分けます
一番困っていることを1つ選ぶ
毎日の保育にいちばん影響していることを、1つだけ選びます
相談のゴールを決める
聞いてほしいのか、助言がほしいのか、動いてほしいのかを決めます
整理の例
たとえば、3歳児クラスの担任が書き出した悩みが、次のようなものだったとします。
- Dくんが友だちをかむことが週に何度かあり、どう関わればいいか分からない
- かまれた子の保護者に説明するのが怖い
- 先輩と主任で、かみつきへの対応の指示が違う
- 毎日疲れていて、Dくんにやさしくできない日がある
この中で、毎日の保育にいちばん影響しているのは、「先輩と主任で指示が違う」ことかもしれません。指示がそろえば、Dくんへの関わり方も、保護者への説明も、クラスで一貫させることができます。こう考えると、最初に相談する相手は主任、ゴールは「クラスとしての対応をそろえてほしい(動いてほしい)」になります。悩みを一つに絞ると、相談先とゴールが自然に決まります。
「聞いてほしい」「助言がほしい」「動いてほしい」を先に伝える
相談がうまくいかない理由の多くは、話す側と聞く側で、ゴールがずれていることです。ただ聞いてほしかったのに「じゃあ、こうすれば」と助言されて疲れてしまう。反対に、具体的な対策がほしかったのに「大変だったね」で終わってしまう。最初に「今日は聞いてもらえるだけでうれしいです」「どうすればいいか、助言がほしいです」とひとこと添えるだけで、相手も聞き方を合わせやすくなります。
書き出すこと自体がつらいときは、無理に紙に向かわなくてもかまいません。スマートフォンのメモに一行ずつ打つ、帰りの車の中で声に出して話してみる、といった方法でも、頭の中だけで考えているときよりずっと整理が進みます。大事なのは、悩みを一度、自分の外に出してみることです。
04「相談だけしたい」ときの切り出し方
要点:相談の最初に、話したいことと、時間と、相談のゴールを短く伝えます。「辞めたいわけではない」「まだ決めていない」と添えると、相手も構えずに聞いてくれます。
図4
- 1
主任へ
「5分だけ、Dくんへの関わり方のことで相談してもいいですか。助言をもらえたらうれしいです」
- 2
園長へ
「急ぎではないのですが、シフトのことで相談したいことがあります。今週どこかでお時間をいただけますか」
- 3
同期・友人へ
「アドバイスじゃなくて、ちょっと聞いてほしいだけなんだけど、いいかな」
- 4
家族へ
「仕事を辞めたいわけじゃないんだけど、今日あったことを話してもいい?」
- 5
相談窓口へ
「転職するかは決めていません。保育の悩みを整理したくて連絡しました」
相談の時間を取ってもらうコツ
園内で相談するなら、午睡中や降園後など、相手が子どもから離れている時間を選びます。行事の直前や月末の書類の締め切り前は、相手にも余裕がありません。「5分だけ」「10分ほど」と時間を区切って頼むと、相手も引き受けやすくなります。話しきれなかったら、「続きはまた別の日にお願いできますか」と区切ってかまいません。
話した内容をどこまで共有してよいか、最初に伝える
園内の人に相談するときは、「この話は、まだ園長には伝えないでもらえますか」「クラスの先生にも共有して大丈夫です」と、最初に伝えておきます。言わずにいると、相手は善意で上の人に報告することがあります。人間関係の悩みをただ聞いてほしいときの頼み方は、人間関係の悩みを聞いてほしいだけのときでも紹介しています。
05相談事例:「全部つらい」が、3つになった日
要点:パートとして働く中で、悩みを誰にも話せずにいた保育士のモデルケースです。園の外で悩みを整理したことで、園内で誰に何を頼むかが決まりました。
10個以上あると思っていた悩みは、本当は3つだった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- うららさん(仮名)・38歳
- 保育士歴
- 通算11年(4年のブランクを経て、今の園は2年目)
- 勤務先
- 幼保連携型認定こども園(定員約150名)、3歳児クラスのパート保育士(週4日・1日6時間)
- 変化
- 担任の先生と話す時間 ほぼなし → 週1回5分/仕事の帰り道に落ち込む日 週4日ほど → 週1日ほど
編集部どんな悩みを抱えていたのですか。
パートなので、職員会議に出ないんです。だから、クラスのやり方が変わっても私だけ知らなくて、昨日まで良かったことで「それ、違います」って言われる。担任の先生と私で子どもへの声かけが違うと、子どもも混乱するし。でも、誰に何を聞けばいいのか分からなくて、全部モヤモヤのままでした。
編集部園の外で相談しようと思ったのは、どうしてですか。
転職したいわけじゃなかったんです。家族に話しても「パートなんだから、そこまで気にしなくていいじゃない」で終わっちゃって。保育が分かる人に、一回ちゃんと聞いてほしかった。それで、ほいくの相談室に連絡しました。
編集部実際に話してみて、どうでしたか。
「会議に出ないパートの先生に情報が届かない園は、少なくないですよ」って、説明しなくてもすぐ分かってもらえたのが、まずうれしかったです。それと、最初に「園に直接何かを伝えることはできませんが、伝え方なら一緒に考えられます」ってはっきり言われて。できないことを先に言ってくれたので、逆に信用できました。転職の話は、最後まで一度も出ませんでした。
編集部整理してみて、何が分かったのですか。
話しながら紙に書いていったら、10個以上あると思ってた悩みが、本当は3つだったんです。クラスの変更が届かない、声かけがそろわない、それで自分に自信がなくなっている。しかも、最初の一つが解決すれば、ほかの二つも軽くなるって気づきました。それで、主任に「週に1回、5分でいいので、クラスで変わったことを教えてもらえませんか」とだけお願いしたんです。
「全部つらい」と思っていたのに、言葉にしたら3つしかなかった。それだけで、ずいぶん軽くなりました。
うららさん(仮名)
うららさんの園では、その後、金曜日の午睡中に5分、担任の先生とパートの先生がクラスの変更点を確認する時間ができました。「それ、違います」と指摘されることは、週に3回ほどから月に1回あるかどうかまで減り、仕事の帰り道に落ち込む日も週1日ほどになったそうです。
このケースのポイントは、相談先を探す前に、悩みを一つに絞ったことです。悩みが一つになると、誰に、何を、どう頼めばいいかが自然に決まります。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
頭の中の悩みの数
担任の先生と話す時間
「それ、違います」と指摘される回数
帰り道に落ち込む日
06相談しても変わらなかったときの次の一手
要点:一度相談して変わらなかったからといって、相談が無駄だったわけではありません。事実を足してもう一度伝える、相手を一段上げる、園の外の窓口を使う、働き方を見直す、という順番で次の一手を考えます。
図6
- 同じ相手に、もう一度具体的に回数や時間など、前回より具体的な事実を添えて伝え直します
- 相手を一段上げる主任で変わらなければ園長へ、園長で変わらなければ法人の窓口へ相談します
- 園の外の窓口へ労働条件やハラスメントの問題なら、公的な相談窓口に事実を話します
- 働き方や職場を見直す担当や勤務形態の変更、法人内の異動、転職も含めて考えます
一度目の相談で状況が変わらないのは、珍しいことではありません。相手が忙しくて後回しにしている、悩みの大きさが伝わっていない、という場合もあります。二度目は、「先月お話しした件ですが、その後も週に3回ほど同じことがありました」のように、事実を足して伝え直してみてください。
ハラスメントについては、事業主に相談体制を整える義務があり、相談したことを理由とする解雇などの不利益な取扱いは禁止されています[9]。また、労働局の助言・指導やあっせんといった個別労働紛争解決制度も無料で利用でき、利用を理由とする不利益な取扱いは法律で禁止されています[10]。園の中で行き詰まったときに、外にも道があることを覚えておいてください。悩みに合う相談窓口の選び方は、保育士の悩みの相談窓口の選び方にまとめています。
相談したことは、簡単に記録しておく
相談するたびに、日付、相手、話した内容、相手の返事を、手帳やスマートフォンに一行ずつ残しておくと役に立ちます。二度目の相談で「前回こうお話ししました」と伝えられるだけでなく、園の外の窓口に相談するときにも、いつから何が続いているのかを説明する材料になります。記録は相手を責めるためのものではなく、自分の状況を正確に伝えるための道具です。話した直後に書いておけば、自分の気持ちの変化にも気づきやすくなります。
07相談先選びで気をつけたい3つのこと
要点:園内の相談は、伝わり方まで考えておくこと。転職相談の窓口は、求人の紹介につながる仕組みがあること。そして、心身が限界のときは、整理より先に受診や緊急の相談を優先することです。
園内の相談は、伝わり方まで考えておく
園内の人に相談すると、話が思わぬ形で伝わることがあります。悪意がなくても、心配した先輩が主任に、主任が園長に、と話が上がっていくのはよくあることです。名前を出してほしくない人がいる悩みや、まだ自分の中で整理がついていない悩みは、先に園の外で整理してから、園内で話す内容を決めると安心です。
転職相談の窓口は、求人の紹介につながる仕組みがある
保育士向けの転職相談の窓口の多くは、民間の職業紹介の仕組みで運営されています。法律上、職業紹介事業者は求職者から原則として手数料を受け取ってはならず[11]、求人を出す園や法人が手数料を払う仕組みが一般的です。そのため、相談の流れで求人の紹介に進むことがあります。転職を決めていない段階で使うなら、「相談だけでもよいか」「連絡の方法や頻度を選べるか」を最初に確かめてください。相談だけで利用したいときの考え方は転職相談を相談だけで使うときのポイントで紹介しています。
心身が限界のときは、整理より先に受診を
眠れない、食べられない、出勤前に涙が出るといった状態が続いているなら、悩みを整理するより先に、医療機関を受診してください。どこに相談すればいいか分からないときは、メンタル不調の相談先も参考になります。「消えてしまいたい」と感じるほどつらいときは、一人で抱えずに、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間・無料)やいのちの電話(0120-783-556、毎日16時〜21時)に連絡してください[12]。
悩みの中心が保護者とのやりとりにあるなら、保護者対応がつらいときの対処法で、場面ごとの向き合い方を確かめてみてください。ほいくの相談室も、園の外の相談先の一つです。転職の話をするかどうかは自分で決められるので、悩みを書き出して、誰に何を相談するかを整理したいだけ、という使い方もできます。
よくある質問
同期に相談すると、噂になりそうで怖いです。
同期は気持ちを分かってもらいやすい相手ですが、同じ園の中にいるぶん、話が広がる心配もあります。名前を出さずに「こういう場面、どうしてる?」と保育の工夫として聞く、気持ちの話は園の外の友人にする、というように話す内容を分けると安心です。
パートや一人担任で、園内に相談できる人がいません。
園内に相談相手がいないと感じるときは、まず主任や園長に「5分だけ」と時間を区切ってお願いしてみてください。それが難しい場合は、養成校時代の友人や前の園の同僚、保育の現場を知る相談窓口など、園の外に一人、話せる相手を持っておくと支えになります。
主任に相談したら、園長にそのまま伝わっていました。
主任には、園の運営に関わることを園長に報告する役割があるため、善意で伝えたのかもしれません。次に相談するときは、最初に「この話は、まだ園長には伝えないでほしい」と伝えておきます。それでも守られない場合は、園内での相談の範囲を見直し、園の外の相談先も使ってください。
公的な相談窓口では、どんなことを話せばいいですか?
いつから、どんなことが、どのくらいの頻度で起きているかを、事実としてまとめて話すと伝わりやすくなります。休憩が取れない、残業代が出ないといった労働条件の悩みなら、勤務表や給与明細を手元に置いておくと、具体的な助言を受けやすくなります。
転職を考えていないのに、転職相談の窓口を使ってもいいのでしょうか?
相談だけを受け付けている窓口もあります。ただし、求人の紹介を前提にしている窓口もあるため、最初に「転職するかは決めていない」と伝え、それでも相談できるかを確かめてください。連絡の方法や頻度を選べるかも、あわせて聞いておくと安心です。
相談するほどの悩みではない気がして、ためらってしまいます。
悩みの大きさに決まりはありません。小さなうちに話しておくほうが、相手も対応しやすく、自分も楽になります。「相談というほどではないんですが」と前置きして話し始めてもかまいません。
参考にした資料
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- 確かめよう労働条件「労働条件相談ほっとライン」
- こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
- こころの耳「働く人の『こころの耳SNS相談』」
- こころの耳「働く人の『こころの耳メール相談』」
- こども家庭庁 令和7年度行政事業レビュー公開プロセス説明資料
- こども家庭庁「児童福祉法等の一部を改正する法律(令和7年法律第29号)の概要」
- こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
- 厚生労働省 職場のハラスメント対策リーフレット
- 厚生労働省「個別労働紛争解決制度」
- e-Gov法令検索「職業安定法」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。