「先生、見て!」。積み木で作った高いタワーの前で、Gちゃんが手を振っている。「あとでね」と答えて、連絡帳の束に目を戻した。その「あとで」が来ないまま、お迎えの時間になった。
子どもは好き。保育の仕事も嫌いではない。それなのに、毎日がつらい。こんな気持ちのまま続けていいのか、転職したほうがいいのか、それとも自分は保育士に向いていないのか。答えが出ないまま、季節だけが変わっていきます。
「子どもは好きなのに、仕事がつらい」という悩みは、保育士からとてもよく聞くものです。そして多くの場合、そのつらさは子どもとの関わりそのものではなく、別のところから来ています。この記事では、つらさの出どころの見分け方、転職で変わる悩みと変わりにくい悩みの違い、転職すべきかを考えるための問い、そして転職を選ぶ場合に同じ悩みを繰り返さない準備をまとめました。
この記事でわかること
- 「子どもは好きなのに仕事がつらい」理由を、4つの出どころに分ける方法
- 転職で変わりやすい保育の悩みと、変わりにくい悩みの違い
- 転職すべきかを考えるための6つの問い
- 転職を選ぶ場合に、同じ悩みを次の園に持ち越さない進め方
- 保育園を変えるか、保育以外へ移るかを考える目安
結論
保育の悩みで転職すべきかは、つらさの出どころで決まります。人数、勤務時間、書類、行事、人間関係、保育方針といった「職場の条件」から来るつらさは、条件の違う園へ移ることで軽くなる可能性が高く、転職を考える十分な理由になります。一方、子どもと関わること自体が苦しい、保育の責任の重さそのものに耐えられないという場合は、園を変えても同じつらさが続きやすく、保育以外の仕事も含めて考えたほうがよいかもしれません。子どもが好きだと感じているなら、まず「保育」と「職場」を分けて考えてみてください。ただし、心身の不調があるなら、判断より先に休むことが優先です。
01「子どもは好き」なのにつらいのは、つらさの出どころが別にあるから
要点:仕事のつらさは、「子どもとの関わり」「職場の条件」「人と方針」「自分の体と心」の4つのどこかから来ています。どこから来ているかによって、転職で解決するかどうかが変わります。
「保育の悩み」とひとまとめにすると、子どもとの関わりも、行事の準備も、先輩との関係も、全部が同じ重さに見えてしまいます。その結果、「保育そのものが向いていないのかもしれない」という結論に飛びつきやすくなります。けれど、つらさを出どころごとに分けてみると、子どもとの時間はむしろ支えになっている、ということが少なくありません。
図1
子どもとの関わり
子どもと過ごす時間そのものが苦しい。関わることに喜びを感じなくなった
保育そのものの悩み
職場の条件
担当する人数、勤務時間、持ち帰り、行事の多さ、書類の量、給与
園を変えると変わりやすい
人と方針
先輩や園長との関係、保育方針や保育観のずれ
園を変えると変わりやすい
自分の体と心
疲れが抜けない、眠れない、何をしても楽しくない
判断より先に休む
書き出すときのコツ
紙を一枚用意して、4つのマスに、つらいと感じる場面を書き込んでいきます。「つらい」「しんどい」だけで終わらせず、「どの場面で」「何が」を足して書くのがこつです。たとえば「毎日疲れる」ではなく、「行事前の1か月、20時まで残って制作をしている」と書きます。「子どもに優しくできない」と書いたなら、「給食から午睡の時間、1人で12人を見ているとき」のように、その場面の条件まで書き足してみてください。
書き終えたら、「子どもとの関わり」のマスを見ます。ここにほとんど何も書かれていないなら、あなたのつらさは保育そのものではなく、保育をする環境から来ている可能性が高いと言えます。反対に、このマスがいちばん埋まっているなら、保育という仕事との向き合い方そのものを考える時期かもしれません。
02辞めたい理由の上位は、子どもではなく働く条件
要点:公的な調査でも、保育士が辞めたいと考える理由の上位には、給料、仕事量、労働時間、人間関係といった働く条件が並んでいます。「子どもは好きだけどつらい」と感じるのは、珍しいことではありません。
東京都が令和4年度に行った保育士実態調査では、現在保育士として働く人のうち78.7%が「今後も保育士として働き続けたい」と答え、19.4%が「保育士を辞め、保育士以外の職種で働きたい」と答えています[1]。同じ調査で、保育士を辞めたいと考える理由として多かったのは、給料が安い61.6%、仕事量が多い54.0%、労働時間が長い35.4%、職場の人間関係30.1%でした[1]。
図2
上位に並ぶのは、どれも働く条件に関わる項目です。つまり、多くの保育士が「子どもと関わる仕事は続けたい。でも、この条件ではつらい」という状態にあると考えられます。あなたが感じているつらさも、同じ形をしているのかもしれません。
実際に辞めた人の理由も、職場の条件が中心
同じ調査では、過去に保育士として働き、すでに辞めた人にもその理由を聞いています。多かったのは、職場の人間関係31.5%、仕事量が多い23.1%、給料が安い22.1%、健康上の理由(体力を含む)20.6%でした[2]。「辞めたい」と考えている段階では給料や仕事量が目立ち、実際に辞めるときには人間関係や健康の問題が重くなっている、という違いも読み取れます。つらさを我慢し続けるうちに、体や人間関係にまで影響が広がる前に、出どころを確かめておくことには意味があります。
03転職で変わりやすい悩み、変わりにくい悩み
要点:持ち帰りや行事、人間関係、保育方針の悩みは、園を変えると変わりやすいものです。一方、子どもの発達への不安や、命を預かる責任の重さは、どの園でも形を変えて残ります。
図3
| 悩みの例 | 転職で変わるか | 理由と、転職前にやること |
|---|---|---|
| 持ち帰り・残業が多い | 変わりやすい | 記録の方法や人員配置は園ごとに違う。見学で退勤の様子を確かめる |
| 行事が多く準備が重い | 変わりやすい | 行事の数と準備の分担は園の特色が出やすい。年間行事表を見せてもらう |
| 先輩や園長との人間関係 | 変わることが多い | 相手が変わる。ただし、自分の伝え方の癖は持ち越すこともある |
| 保育方針が合わない | 変わりやすい | 見学で、食事や午睡などの具体的な場面を見て確かめる |
| 給与が低い | 園による | 手当の内訳や昇給の仕組みを、面接や労働条件の書面で確かめる |
| 保護者対応が怖い | 一部変わる | 窓口や連絡の仕組みは変わるが、保護者と関わること自体は残る |
| 子どもの発達や関わり方への不安 | 変わりにくい | 研修や先輩の助言、経験で伸ばしていく部分が大きい |
| 命を預かる責任の重さ | 変わりにくい | 保育の仕事である限り、形を変えて残る |
表の上のほうにある悩みが重いなら、転職は有効な選択肢です。下のほうにある悩みが重いなら、園を変えるだけでは楽になりにくく、研修や相談、働き方の工夫と組み合わせて考える必要があります。
「保育の悩み」に見えて、実は職場の悩みだったもの
保育そのものの悩みだと思っていたことが、実は職場の条件から来ていた、ということもよくあります。たとえば「子どもに優しくできない」という悩みは、休憩が取れない、忙しい時間帯の人手が足りないといった条件が原因であることが多く、条件が変わると自然に解消することがあります。詳しくは子どもに強く言ってしまうときの原因と対処で紹介しています。「保育に自信がない」という悩みも、振り返る時間や相談できる相手がいないことで深まっている場合があります。悩みの名前だけで判断せず、その悩みが生まれる場面の条件まで見てみてください。
変わりにくい悩みは、転職以外の方法で軽くする
子どもの発達への不安や、命を預かる責任の重さといった、転職では変わりにくい悩みが中心なら、今の園で軽くする方法を先に考えます。発達の気になる子への関わり方は、園内研修や外部の研修、巡回相談などで学べることがあります。責任の重さは、確認の手順を園で整えたり、一人で判断しなくてよい場面を増やしたりすることで、感じ方が変わることもあります。こうした悩みを抱えたまま園だけを変えると、「どこに行っても同じだった」という気持ちが残りやすくなります。転職で変わる悩みと、転職以外で向き合う悩みを分けておくと、選んだ道に納得しやすくなります。
04転職すべきかを考えるための6つの問い
要点:次の6つの問いに答えていくと、転職すべきか、今の園で変える余地があるか、先に休むべきかが見えてきます。全部に答えが出なくても、答えに詰まった問いが、次に考えるべきことを教えてくれます。
図4
- つらいと感じる場面に、子どもと関わる時間は入っているか入っていなければ、職場の条件の問題である可能性が高いです
- 今の園で、変えてほしいことを一度でも具体的に伝えたか伝えていなければ、まだ変わる余地が残っているかもしれません
- その条件は、園の特色として変わりそうにないものか行事の多さや保育方針のように、園の個性そのものなら変わりにくいです
- 次の園で、譲れない条件を3つ言えるか言えないうちに動くと、同じ悩みを繰り返しやすくなります
- 今の体と心で、転職活動をする余力があるか余力がないなら、転職より先に休むことを考えます
- 5年後も、子どもと関わる仕事をしていたいか続けたいなら園を変える、迷うなら保育以外も視野に入れます
問いの答え方に正解はありません。ただ、いくつかの組み合わせには、考える方向の目安があります。1つ目の問いで「子どもとの時間は入っていない」、3つ目で「園の特色だから変わらない」と答えたなら、園を変える転職を前向きに考えてよい段階です。2つ目で「一度も伝えていない」と答えたなら、まず今の園で一度、具体的に相談してみる価値があります。5つ目で「余力がない」と答えたなら、ほかの答えに関係なく、先に休むことを優先してください。
問いの答えは、一人で決めなくていい
6つの問いは、一人で考えると堂々めぐりになりがちです。答えを書いたメモを、信頼できる人に見せて「どう思う?」と聞いてみてください。自分では気づかなかった答えの偏りに、相手が気づいてくれることがあります。たとえば「今の園で一度も伝えていない」と書きながら、本当は過去に何度も伝えて流されてきた、ということを、話しているうちに思い出す人もいます。言葉にして人に話すこと自体が、考えを整理する助けになります。
転職するかどうか全体の考え方は、保育士が転職するべきかの判断基準でも詳しく紹介しています。
05相談事例:保育を辞めるつもりが、園を変えて続けることに
要点:「保育士に向いていない」と思い込み、異業種への転職も考えていた保育士が、保育を続けたまま働く場所を変えたモデルケースです。決め手は、つらさの出どころを書き出したことでした。
「向いていない」のではなく、「合っていなかった」
相談事例(モデルケース)
- お名前
- かずえさん(仮名)・35歳
- 保育士歴
- 13年目
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約160名)の5歳児クラス担任 → 小規模保育事業A型(定員19名)の保育士
- 変化
- 退勤時刻 平均20時 → 18時15分ごろ/持ち帰り 週3日 → ほぼなし
編集部当時、何がいちばんつらかったのですか。
子どもは本当に好きなんです。でも、5歳児28人の担任で、運動会の組体操、発表会の劇、卒園式の準備が一年中続いて。毎日20時まで園に残って、家でも衣装を縫ったり壁面を作ったり。ある晩、夜中の1時に発表会の衣装を縫いながら、「明日、子どもの顔をちゃんと見られるかな」って思ったんです。子どもと過ごしたくてこの仕事を選んだのに、って。
編集部最初は、保育士を辞めることも考えていたそうですね。
はい。「私、保育に向いてないのかも」と思って、事務の求人を見てました。でも、つらいことを全部書き出してみたら、子どもと過ごす時間がつらいって書いたものは、一つもなかったんです。全部、行事と書類と時間のことでした。
編集部今の園で変えることは、考えなかったのですか。
考えました。でも、あの園は行事に力を入れているのが特色で、保護者もそれを楽しみに入園してくる。行事を減らしてほしいって言うのは、園の個性そのものを変えてくれって言うことなんですよね。そこに気づいたら、園が悪いんじゃなくて、私と合っていないだけなんだって、すっと思えました。
編集部次の園は、どうやって選んだのですか。
条件を3つに決めました。行事が少ないこと、持ち帰りがないこと、子ども一人ひとりと話す時間があること。見学では、夕方6時ごろに職員室をのぞかせてもらって、先生たちが帰り支度をしているのを見て、ここだって。今は0〜2歳の19人の園で、最初は乳児の保育に慣れるのに必死でした。お給料は少し下がりましたけど、毎日18時過ぎには園を出られるし、子どもの「見て見て」に、その場で応えられます。
向いていないんじゃなかった。合っていない場所で、ずっと頑張っていただけでした。
かずえさん(仮名)
かずえさんは、担任していた5歳児の卒園を見送ってから園を移りました。給与は月に1万5千円ほど下がりましたが、退勤時刻は平均20時から18時15分ごろに、持ち帰りは週3日からほぼなしになったそうです。
かずえさんが後悔なく動けたのは、「保育が向いていない」という結論を出す前に、つらさを書き出して出どころを確かめたから。そして、今の園の特色と自分の相性を、どちらが悪いという話にせずに分けて考えたからです。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
退勤時刻
持ち帰り
年間の大きな行事の準備
子どもの「見て」にその場で応えられる日
06転職を選ぶなら、同じ悩みを次の園に持ち越さない準備を
要点:転職を決めたら、つらさの出どころに対応する条件を3つに絞り、求人票・見学・面接の3つの段階で確かめます。条件を確かめずに動くと、園が変わっても同じ悩みを繰り返しやすくなります。
図6
- つらさの出どころを書く4つの出どころのうち、どれがいちばん重いかをはっきりさせる
- 譲れない条件を3つに絞る出どころに対応する条件を、3つまでに絞る
- 求人票で確かめる勤務時間、休日、業務内容など、書面で分かることを確認する
- 見学で保育を見る夕方の職員の様子、子どもへの声かけ、行事の掲示物を見る
- 面接で質問する持ち帰りの有無、行事の準備の分担、記録の方法などを具体的に聞く
- 区切りを決めて退職する担任の引き継ぎや年度の区切りを考えて、退職の時期を決める
見学では、パンフレットに書かれた言葉より、実際の場面を見てください。夕方の職員室の様子、廊下に貼られた制作物の量、子どもへの声かけのトーンは、その園の働き方を正直に表しています。見学で確かめたいことは、園見学のチェックリストにまとめています。
退職の時期は、子どもと自分の両方を考えて決める
担任を持っていると、年度の途中で園を移ることに強い抵抗を感じるものです。かずえさんのように、受け持ちのクラスの区切りまで続けると決めると、気持ちの整理もつけやすくなります。ただ、心身の不調が強いときまで、年度末を待つ必要はありません。子どもへの責任と、自分の健康は、どちらかを犠牲にするものではなく、両方を見ながら時期を選ぶものです。退職の申し出の時期は園の就業規則に書かれていることが多いため、動き始める前に一度目を通しておくと安心です。
求人の多さと、お金の見通し
保育士の有効求人倍率は、2026年7月時点で全国2.80倍と、全職種平均の1.15倍を大きく上回っています[3]。求人が多いということは、条件を比べて選べるということです。焦って一つ目の求人に決める必要はありません。
お金の面では、自己都合で退職した場合、雇用保険の基本手当には、離職日が2025年4月1日以降なら原則1か月の給付制限があります[4]。また、離職理由にかかわらず、受給資格の決定から通算7日間の待期期間があります[5]。生活費の見通しに不安があるなら、在職中に転職活動を進め、次の職場が決まってから退職する方法も考えてみてください。
園を変えるか、保育以外へ移るか
図7
つらさはどこから来ている?
- 職場の条件や人間関係保育園を変える。規模、園種、勤務時間など、条件の違う園を選ぶ
- 担任の責任や行事の重さ担任を持たない働き方、保育補助、小規模な園などを検討する
- 子どもとの関わり自体がつらい保育以外の仕事も視野に入れる。保育士の経験を活かせる仕事もある
- 心と体が限界に近い転職より先に休む。休職や受診を考える
保育以外の道を考える場合も、保育士として身につけた力は無駄になりません。子どもの発達の知識、保護者とのやりとり、段取りの力は、子どもに関わる企業や福祉の仕事など、さまざまな場面で活かせます。どんな仕事があるかは、保育士資格を活かせる仕事で紹介しています。
07転職を考えるときに、正直に伝えておきたいこと
要点:転職しても、保育の悩みがゼロになるわけではありません。求人が多いことと、自分に合う園が多いことも別の話です。そして、心身がつらいときは、転職より先に休むことを選んでください。
転職しても、保育の悩みはゼロにならない
条件の合う園に移っても、新しい職場には新しい悩みがあります。かずえさんのように、年齢の違うクラスの保育に慣れるまで時間がかかることもありますし、人間関係を一から築く負担もあります。転職は「悩みのない場所」に行くことではなく、「自分にとって重すぎる悩み」を減らす選択です。その違いを知っておくと、転職後の小さなつまずきで「やっぱり失敗だった」と思い詰めずにすみます。
求人が多いことと、合う園が多いことは違う
求人倍率が高いと、どこにでも転職できる気がします。けれど、自分のつらさの出どころに合った園は、そう多くはありません。求人の数に安心して条件の確認を省くと、同じ悩みを繰り返すことになりかねません。数ではなく、自分の3つの条件に合うかどうかで選んでください。
つらさが強いときは、転職より先に休む
眠れない、食欲がない、出勤前に涙が出るといった状態が2週間以上続いているなら、転職を考える前に休むことと受診を優先してください。働く人のための「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時。祝日と年末年始は休止)でも、話を聞いてもらえます[6]。疲れ切った状態で選んだ職場は、「今の園から離れられればどこでもいい」という基準になりやすく、後悔につながることがあります。
比較表で「一部変わる」とした保護者対応の悩みが重い人は、転職の前に保護者対応がつらいときの対処法で、今の園でできる工夫も確かめておくと判断しやすくなります。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていない段階でも、つらさの出どころを一緒に書き出し、園を変えるべきか、今の園で変えられることがあるかを整理する相談を受けています。
よくある質問
「子どもが好き」という気持ちだけで、保育士を続けていいのでしょうか?
子どもが好きだという気持ちは、保育の仕事を続けるうえで大きな支えになります。ただ、気持ちだけで働く条件のつらさを我慢し続けると、いずれその気持ちまですり減ってしまうことがあります。好きな気持ちを守るために、働く環境を選び直すという考え方もあります。
何年目までに転職したほうがいい、という目安はありますか?
何年目が正解という決まりはありません。経験年数よりも、つらさの出どころがはっきりしているか、次の園で譲れない条件が言えるかのほうが、転職がうまくいくかを左右します。年度の区切りや担任の引き継ぎも考えて、自分にとって無理のない時期を選んでください。
転職すると、給料が下がりませんか?
園の規模や運営する法人、手当の仕組みによって、上がる場合も下がる場合もあります。手取りの金額だけでなく、持ち帰りや残業の時間も含めて比べると、時間あたりで見たときの働き方の差が分かりやすくなります。面接や労働条件の書面で、手当の内訳と昇給の仕組みを確かめてください。
一度保育の仕事から離れたら、戻れなくなりますか?
転職を考えていることを、今の園に知られたくありません。
在職中の転職活動は、勤務時間外に進めるのが基本です。見学や面接の日程は、休日や有給休暇を使って調整します。退職の意思を園に伝えるのは、次の職場が決まり、就業規則で定められた申し出の時期を確かめてからで構いません。
転職先でも、同じようにつらくなったらと思うと怖いです。
その不安があるのは、同じ失敗を繰り返したくないと真剣に考えているからです。つらさの出どころを書き出し、それに対応する条件を見学や面接で確かめておけば、同じ悩みを繰り返す可能性は下げられます。それでも合わなかったときに備えて、今回なぜその園を選んだのかを書き残しておくと、次の判断の材料になります。
参考にした資料
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
- ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
- ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
- こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
- 児童福祉法 第18条の18
- こども家庭庁 令和7年度行政事業レビュー公開プロセス説明資料
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。