一人の夜にがんが不安なとき|夜を少し軽くする手順と頼れる先

一人暮らしでがんと向き合っている方の夜は、帰ってきた部屋の暗さと静けさから始まります。その夜を少し軽くするには、気持ちだけで乗り切ろうとするより、部屋の光と温度、人の声を聞く手段、一言を残す先、翌朝の約束の4つを、手順として整えておくほうが確かです。

どれがどのくらい助けになるかは、体調や暮らし方、夜の長さによって人それぞれです。全部をそろえる必要はなく、今夜は一つで十分です。夜中にこのページを開いた自分を、責めなくて大丈夫です。一人の部屋で不安になるのは、あなたが弱いからではありません。

一人の部屋に帰ってきて、こんな夜を過ごしていませんか

  • 家に帰ると誰もいない。テレビをつけても、頭の中はずっと病気のこと。
  • 夜が深くなるほど部屋が広く感じて、誰かの声が恋しくなる。
  • もし夜中に具合が悪くなっても、朝まで誰にも気づかれない気がして怖い。

この記事で分かること

  • 一人でいることと、孤立していることの違い
  • 部屋の光と温度・声を聞く手段・一言を残す先・翌朝の約束の整え方
  • 夜に具合が悪くなったとき、一人で動くための準備
  • 一人の療養を支える地域の仕組みと、最初に相談する先

一人暮らしで、がんのことが夜に怖くなります。独りの夜をどう過ごせばいいですか?

夜を「一人で耐える時間」にしないために、4つを順に整えます。部屋の光と温度、人の声を聞く手段、一言を残す先、翌朝の約束です。今夜は一つ選べば十分です。そのうえで、一人の療養を支える相談先を、昼のうちに一つ確かめておきます。

4つは、それぞれ別の心細さを受け止めます。部屋の光と温度は、暗さと冷えが体ごと感じさせる「誰もいない」感覚を。人の声は、一日だれとも話さずに終わる寂しさを。一言を残す先は、夜中の不安が誰にも知られないまま消えていく心細さを。翌朝の約束は、「倒れても気づかれないのでは」という怖さを。部屋に近いものから、朝につながるものへと並んでいます。

紙に書き出す、呼吸を整えるといった、眠れない夜の一般的な過ごし方は[gk_link to=”post:cancer-anxiety-cant-sleep-at-night”]朝まで自分を守る6つの方法[/gk_link]に、家族が出かけて一時的に一人になる時間の工夫は[gk_link to=”post:afraid-when-alone-three-tips”]一人の時間を楽にする3つの工夫[/gk_link]にまとめています。この記事は、毎晩を一人で迎える暮らしに絞ってお伝えします。

  1. 1部屋の光と温度帰ってきた部屋の暗さと冷えを先に和らげ、夜に使う場所を小さくする
  2. 2人の声を聞く手段声の予定を外につくり、今夜聞ける24時間の電話も控えておく
  3. 3一言を残す先夜中の気持ちを、朝に誰かが読むと決まっている場所へ置く
  4. 4翌朝の約束「おはよう」の合図や翌日の電話で、夜に終わりをつくる
一人の夜を軽くする4つの層

一人でいることと、孤立していることは違うのですか?

違います。一人でいるのは暮らしの形で、孤立は、困ったときに誰ともつながれない状態です。夜の部屋に一人でいても、一言を置ける先や、朝に声をかけ合う相手がいれば、その夜は孤立していません。

一人暮らしの方は、「一人だから怖いのは仕方ない」と、暮らしの形そのものを責めてしまいがちです。けれど、夜の怖さを大きくしているのは、部屋に人がいないことより、「何かあっても誰にも届かない」という感覚のほうかもしれません。

その感覚は、つながりの線を何本か引いておくことで、少しずつ変えられます。一言を送れる先が一つ、朝に連絡を取り合う相手が一人、具合が悪くなったときの連絡先を書いた紙が一枚。部屋の中は一人のままでも、線の先には誰かがいます。

遠くに住む家族との電話で「大丈夫」と言い続けている方も、一人の部屋では、平気なふりをしなくてかまいません。ここでは泣いていいのです。誰にも気がねせずに涙を流せることは、一人の夜が持っている、数少ない自由でもあります。

帰ってきた部屋が暗くて冷たいとき、どう整えればいいですか?

出かける前に、明かりを一つと、暖房か冷房のタイマーを残しておきます。帰ってからは、夜に使う場所を一部屋の一角に小さくまとめ、手の届く範囲に必要なものを集めます。部屋の広さを、夜の自分に合わせて縮めるイメージです。

一人暮らしの夜は、玄関を開けた瞬間から始まります。真っ暗で冷えきった部屋に帰ると、それだけで「誰もいない」ことを体が感じ取ります。出かける前に、玄関か居間の明かりを一つつけたままにするか、タイマーで灯るようにしておく。暖房や冷房も、帰る少し前に動き出すようにしておくと、部屋に入ったときの心細さが一段やわらぎます。

夜が深くなるほど部屋が広く感じるのは、使っていない部屋の暗がりや、廊下の奥の静けさが、気配として迫ってくるからかもしれません。夜は、使う場所を一部屋の一角に小さくまとめます。使わない部屋の戸は閉め、カーテンも引いて、今いる場所の明かりだけを、まぶしすぎない程度に残します。

手の届く範囲には、夜に必要なものを集めておきます。水かお茶、羽織るもの、充電中のスマホ、メガネ、具合が悪くなったときの連絡先の紙、ふだん飲んでいる薬。夜中に立ち上がって、暗い部屋を探し回らずにすむようにするためです。治療の影響でふらつきやすい方は、トイレまでの通り道の足もとに小さな明かりを置き、つまずきそうな物をよけておいてください。

  • 水かお茶と、羽織るもの
  • 充電中のスマホとメガネ
  • 具合が悪くなったときの連絡先を書いた紙
  • ふだん飲んでいる薬(飲み方は主治医の指示どおりに)
  • トイレまでの通り道を照らす、足もとの明かり
夜に使う一角の、手の届く範囲に置いておくもの
[gk_cta_mid title=”明日の電話を、今夜のうちに約束しておけます”]フォームに都合のよい時間帯を書いて送ると、すぐに受付確認のメールが届きます。その時間帯に担当が名前を名乗ってお電話し、一人の夜の過ごし方を一緒に組み立てます。[/gk_cta_mid]

一人の部屋で、人の声を聞くにはどうすればいいですか?

「声の予定」を外につくっておくのが近道です。曜日と時刻を決めて、家族や友人と短く電話する約束をしておく。それとは別に、今夜どうしても声が聞きたいときのために、24時間対応の無料電話の番号を控えておきます。

一人暮らしの夜は、自分から動かない限り、誰の声も聞こえてきません。かといって、寂しくなるたびに誰かへ電話をかけるのは、相手の都合を考えると気が引けます。そこで、声を聞く機会を「予定」にしてしまいます。

たとえば、遠くに住むきょうだいとは、火曜と金曜の夜、寝る前に少しだけ話す。友人とは、日曜の夕方に声を聞く。用件がなくても電話できる約束があると、「次の火曜日まで」と、夜の先に小さな目印ができます。相手にも「話すことがなくてもいいから」と最初に伝えておくと、続けやすくなります。

予定の外で、どうしても今夜のうちに声を聞きたくなったら、よりそいホットライン(0120-279-338)があります。厚生労働省の補助金事業として運営されている、24時間・無料の電話です。がん専門の窓口ではありませんが、一人の部屋で抱えている不安を、そのまま声にできます。福島県からは0120-279-226、050のIP電話からは050-3655-0279にかけてください。

がんと家族の相談室の電話(050-1720-6000)は、平日9時〜18時は担当が直接出ます。それ以外の時間にかけると自動音声が受け付け、翌朝9時までに担当から折り返します。夜にかけた電話が、そのまま「明日の朝に人と話す約束」になる使い方です。

夜中の気持ちは、どこに一言残せばいいですか?

朝に誰かが読むと決まっている場所に置くのが、一人の夜には向いています。がんと家族の相談室のLINEなら、夜に届いたものは翌朝いちばんに読んで返事をします。「眠れない」の一言や、スタンプひとつでかまいません。

一人の夜に浮かんだ不安は、誰にも話さないまま朝を迎えると、なかったことのように胸の奥へしまわれていきます。それが積み重なると、昼に誰かと話す機会があっても、何から話せばいいか分からなくなります。夜中のうちに一言を外に出しておくと、朝の自分が、その続きから話し始められます。

相談室のLINEは無料で、名前を出さずに使えます。夜中のうちに返事は届きませんが、翌朝いちばんに担当が読みます。送ったあとは、画面を伏せて横になってください。

家族や友人に送るなら、「夜に一言送ることがあるけど、返事は朝でいい」と先に伝えておくと、相手を夜中に起こす心配も、すぐに返事が来ない寂しさも、少し減らせます。文字で相談できる公的な窓口は、厚生労働省のサイト「まもろうよ こころ」にもまとめられています(受付時間は窓口ごとに違います)。

「翌朝の約束」は、どう作ればいいですか?

朝の決まった時刻までに「おはよう」を送り合う相手を一人決め、返事がないときにどうするかまで、昼のうちに話しておきます。人との約束に加えて、翌日の電話の予約や、朝いちばんにすることを一つ決めておくのも、夜に終わりをつくる約束です。

一人暮らしの夜の怖さの奥には、「夜中に倒れても、誰にも気づかれないのでは」という心配があります。この心配は、気の持ちようで消すより、仕組みで小さくするほうが確かです。

いちばん簡単なのは、朝の合図の約束です。家族か友人と、「毎朝決まった時刻までに、スタンプを一つ送る」と決めます。そして、その時刻を過ぎても届かないときに相手がどうするかも、決めておきます。まず電話をかける。出なければ、近くに住む人に様子を見に行ってもらう。合鍵を預けている人がいるなら、その人に連絡する。ここまで決めてあれば、「朝になれば、誰かが自分の無事を確かめる」と分かったうえで、夜を迎えられます。

人との約束が難しい日は、翌日の電話の予約も約束になります。がんと家族の相談室のフォームに、翌日の都合のよい時間帯を書いて送れば、受付確認のメールがすぐに届き、その時間帯に担当がお電話します。「明日の午後には、誰かと話す」と決まっているだけで、夜の長さの感じ方が変わることがあります。

自分自身との約束もあります。朝いちばんにすることを、寝る前に一つだけ紙に書いておく。カーテンを開ける、湯をわかす、ベランダの鉢に水をやる。炊飯器の予約をしておけば、朝はご飯の炊けるにおいで目が覚めます。小さな予定でも、夜の向こうに、朝の景色が一つ置かれます。

約束の相手約束の中身昼のうちに決めておくこと
家族や友人決まった時刻までに「おはよう」を送り合う返事がないとき、誰が何をするか
がんと家族の相談室翌日の電話(フォームで時間帯を指定)話しやすい時間帯と、つながる電話番号
自分自身朝いちばんにすることを一つ寝る前に紙に書き、目に入る場所に置く
翌朝の約束の3つの相手と、昼のうちに決めておくこと

夜に具合が悪くなったら、一人でどう動けばいいですか?

通院先から聞いている夜間の連絡先に電話するのが基本です。訪問看護や在宅医を利用していれば、その夜間の連絡先へ。救急車を呼ぶか迷うときは#7119(実施していない地域もあります)、命に関わると感じたら119番です。動けなくなる前に、早めにかけてください。

一人暮らしの場合、「もう少し様子を見よう」と迷っているうちに、電話をかける力が残らなくなることがあります。息苦しさや強い痛み、高い熱、いつもと違うだるさなど、体の変化に気づいたら、早めに連絡してください。夜間の連絡先が分からないときは、次の受診で「一人暮らしなので、夜に具合が悪くなったらどこに連絡すればいいですか」と尋ねて、紙に書いておきます。

救急隊や病院に、自分の状態をうまく説明できないこともあります。そのために、病名、通っている病院と診察券の番号、主治医の名前、ふだん飲んでいる薬、連絡してほしい人の電話番号を一枚の紙にまとめ、電話の近くなど分かりやすい場所に貼っておくと安心です。お薬手帳も、その近くに置いておきます。がんと家族の相談室には、[gk_link to=”page:night-number”]もしもの夜に電話する先をひとつ決めておく登録[/gk_link]もあります。無料で3分ほど、登録しても何かを決める必要はありません。

通院先には、一人暮らしであることを伝えておいてください。入院や検査の説明のときに、付き添いのことや、退院後の暮らしの支えについて、早めに一緒に考えてもらいやすくなります。

在宅で療養していて、在宅療養支援診療所の医師にみてもらっている方もいるでしょう。在宅療養支援診療所には、24時間連絡を受ける体制や往診の体制などを整えることが、施設の基準として求められています。ただし、夜にどの番号へかけ、どんなときに来てもらえるかは医療機関ごとに違うので、契約のときの説明書きを確かめておいてください。

  1. Q1息苦しさや強い痛みなどがあり、命に関わると感じますか

    はい迷わず119番。玄関の鍵を開けられるなら開けておく

    いいえ次の問いへ

  2. Q2体に変化があり、受診するかどうか迷っていますか

    はい通院先の夜間連絡先、訪問看護・在宅医へ。迷うときは#7119(実施地域のみ)

    いいえ次の問いへ

  3. Q3体ではなく、不安で一人でいるのがつらいですか

    はい24時間の電話で声を聞くか、LINEに一言を残す

    いいえ朝の約束を確かめて、横になる

一人の夜に具合が悪くなったときの分かれ道

一人の療養を支える地域の仕組みには、どんなものがありますか?

病院の中には、がん相談支援センターや医療ソーシャルワーカーが、地域には、市区町村の介護保険の窓口や地域包括支援センターがあります。自宅での療養を支える訪問看護や在宅医もいます。何から相談するか分からなくても、「一人暮らしで不安です」の一言から始められます。

がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などにある相談窓口で、その病院に通っていない人も無料・匿名で使え、主に面談か電話で相談できます。治療のことに限らず、一人で療養を続ける暮らしの心配も、ここで話してかまいません。住まいや通院先の近くにあるセンターは、がん情報サービス(国立がん研究センター)の「相談支援センターを探す」のページから調べられます。

通っている病院に医療ソーシャルワーカーがいれば、療養中の不安や、入退院や療養の場の変化、使える行政サービスについて相談できます。窓口の名前は病院によって違うので、受付で「ソーシャルワーカーさんに相談したい」と伝えると、案内してもらいやすくなります。

介護の手を借りたいときの入り口は、年齢で変わります。65歳以上の方は、要介護・要支援の認定を受ければ、原因を問わず介護保険のサービスを使えます。相談先はお住まいの市区町村の窓口か、地域包括支援センターです。地域包括支援センターは市町村が設置し、保健師や社会福祉士、主任介護支援専門員などが、高齢の方や家族の相談を初めの段階から受けて、必要なサービスにつないでいます。40〜64歳の方が介護保険を使えるのは、特定疾病が原因の場合に限られます。がんは特定疾病の一つですが、厚生労働省の表記は「がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)」で、要介護認定も必要です。この年代の方も、まずは市区町村の介護保険の窓口か、地域包括支援センターに尋ねてください。申請から結果の通知までは、原則30日以内とされています。

自宅での療養を続けるなら、訪問看護と在宅医も支えになります。要介護認定を受けている人の訪問看護は基本的に介護保険から利用しますが、「末期の悪性腫瘍」は厚生労働大臣が定める疾病等に含まれるため、要介護認定があっても医療保険で受けます。どちらの保険になるかは本人の希望で選ぶものではなく、利用には主治医の指示が必要です。分かりにくいところは、主治医や医療ソーシャルワーカーに確かめてください。

身寄りのない方への支えも、整えられつつあります。社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)で、頼れる身寄りがいない高齢者等への日常生活の支援、入院などの手続きの支援、亡くなったあとの事務の支援を、第二種社会福祉事業に位置付けることになりました。施行は原則2027年4月1日で、項目によって異なります。地域で受けられる支えの中身は市区町村によって違うので、今困っていることがあれば、制度が整うのを待たずに、地域包括支援センターや病院の相談窓口に話してください。

一人で療養するあなた

  • がん相談支援センター治療や療養の不安を、無料・匿名で。通院先でなくても使える
  • 医療ソーシャルワーカー療養の場の変化や使える行政サービスの相談。窓口名は病院ごとに違う
  • 地域包括支援センター高齢の方と家族の相談を初めの段階から受け、サービスへつなぐ
  • 市区町村の介護保険の窓口要介護認定の申請先。40〜64歳は条件つき
  • 訪問看護主治医の指示のもとで、自宅での療養を支える
  • 在宅医(在宅療養支援診療所)24時間の連絡体制などが基準。夜の対応は医療機関ごとに確認
一人で療養する人を支える、病院と地域の相談先

夜にテレビをつけたまま朝を待っていたご本人は、どう変わった?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
70代・ご本人(男性。妻を亡くしてから一人暮らし。通院で治療を続けている。娘は県外に住む)
相談のあとに変わったこと
娘と「朝8時までにスタンプ」の約束をし、テレビをつけたまま明け方を迎える夜が、週の大半から1〜2晩に減った。地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を始めた。

1. 相談のあとに変わったこと

相談から1か月ほどたったころ、この方は毎朝7時半ごろ、県外の娘にスタンプを一つ送るようになっていました。8時を過ぎても届かなければ娘が電話をかけ、それでも出なければ近くに住む甥に様子を見に行ってもらう。そう決めてからは、テレビをつけたまま明け方を迎える夜が、週の大半から1〜2晩になりました。居間の一角には、水筒とカーディガン、連絡先を書いた紙とお薬手帳が並んでいます。「朝になったら娘が確かめてくれる。それだけで、夜の重さが違う」と話しています。

2. 相談を考えた背景

妻を亡くして3年。治療が始まってから、夜の家の静けさがこたえるようになりました。昼は通院や買い物で気がまぎれても、夜になると、使わなくなった奥の部屋の暗さが気になる。「夜中に倒れたら、何日も気づかれないのでは」という考えが、布団に入るたびに浮かぶようになったことが、相談を考えたきっかけです。

3. 相談する前に困っていたこと

寂しさをまぎらすためにテレビをつけっぱなしにし、そのまま眠って、夜中に目が覚めては病気のことを検索していました。娘には心配をかけたくないと、電話ではいつも「大丈夫」と答えていたといいます。介護保険は、自分にはまだ早いと思い込んでいました。そもそも、どこに何を相談すればいいのかが分かりませんでした。

4. ここを選んだ理由・決め手

夜にかけても自動音声が受け付け、翌朝には担当から折り返しがあると知って、夜11時すぎに相談室へ電話をかけました。病院の相談窓口は平日の昼で、話すなら顔なじみでない人のほうが気が楽だった、とも話しています。翌朝9時前に、担当が名前を名乗って電話をかけてきたことで、「朝を待てば、本当に誰かが出てくれる」と実感したそうです。

5. 相談で話したこと・その後

はじめの20分、担当は評価や助言をはさまず、聞き役に徹しました。そのあと、ご本人の希望を確かめてから、朝の合図の約束、夜に使う一角、通院先に一人暮らしであることを伝えることの3つを一緒に整理しました。担当は病状や見通しについて、何も判断していません。地域包括支援センターがどんな窓口かを伝えると、翌週、自分で足を運んで相談し、要介護認定の申請を始めました。最初の朝はスタンプを送り忘れ、娘から慌てた電話がかかってきたそうです。それからは、枕元に「朝、スタンプ」と書いた紙を置いています。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医療者に聞く質問例

  • 一人暮らしです。夜に具合が悪くなったら、どこに、どう連絡すればよいですか。
  • 夜間に連絡してよいのは、どんな症状のときですか。
  • 一人で療養を続けるうえで、気をつけておく体の変化はありますか。
  • 療養中の暮らしのことを相談できる、医療ソーシャルワーカーや相談窓口はありますか。
  • 訪問看護や在宅医について、話を聞くことはできますか。

とはいえ、一人の夜を過ごすあなたに伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──一人の夜に、寂しいと感じていい

一人暮らしが長いと、「一人は慣れている」「寂しいなんて言っていられない」と、自分の気持ちに蓋をしてしまうことがあります。けれど、病気と向き合う夜に人の声が恋しくなるのは、ごく自然なことです。寂しいと口にするのは弱音ではなく、つながりを取り戻すための合図です。遠くの家族に心配をかけたくない気持ちは大事にしながら、「夜はちょっと心細い」と、一言だけ伝えてみてください。

② 実務のこと──一人の療養は、支える人の数を増やして組み立てる

一人で療養するときは、誰か一人に頼り切るより、支える人や窓口を少しずつ増やして、役割を分けるほうが長続きします。朝の合図は家族、週末の声は友人、体のことは病院と訪問看護、暮らしの困りごとは地域包括支援センターや医療ソーシャルワーカー、気持ちのことは相談窓口。一枚の紙に「誰に、何を頼むか」を書き出してみると、まだ空いている欄が見えてきます。その空いている欄こそが、次に相談する先の候補です。治療が進んで体の状態が変わったら、その紙も書き直します。

今日できること

[gk_howto name=”今日できること” description=”今夜から明日の朝までにできる3つのこと” heading=”none”][gk_step title=”夜に使う一角を決める”]今夜過ごす場所を一つ決め、水、羽織るもの、充電中のスマホ、連絡先の紙を手の届く範囲に集めます。[/gk_step][gk_step title=”朝の合図を一人に頼む”]家族か友人に「明日の朝、スタンプを一つ送るね。届かなかったら電話して」と送っておきます。[/gk_step][gk_step title=”明日の声の予定を一つ入れる”]友人に電話する時刻を決めるか、相談室のフォームに明日の都合のよい時間帯を書いて送ります。[/gk_step][/gk_howto]

よくある質問

[gk_faq][gk_q q=”一人暮らしだと、夜に救急車を呼んでいいのか迷ってしまいます。”]命に関わると感じたら、ためらわずに119番に電話してください。一人暮らしであることも、電話で伝えてかまいません。病名や飲んでいる薬をまとめた紙を電話の近くに貼っておくと、うまく話せないときにも読み上げられます。救急車を呼ぶか迷うときは、#7119で医師・看護師・救急救命士に相談できる地域もあります(実施していない地域や、別の番号で受け付けている地域もあります)。[/gk_q][gk_q q=”家族に心配をかけたくなくて、朝の合図を頼めません。”]朝の合図は、心配をかけるための約束ではなく、心配を減らすための約束です。離れて暮らす家族は、「何も連絡がない」ことにいちばん気をもんでいることがあります。「毎朝スタンプを一つ送るね」と伝えれば、家族にとっても、あなたの無事を確かめる手がかりになります。頼みにくければ、友人や近所の知り合いでもかまいません。[/gk_q][gk_q q=”介護保険は、まだ自分には早い気がします。”]使うかどうかは、話を聞いてから決めてかまいません。65歳以上の方は、認定を受ければ原因を問わず使えます。40〜64歳の方は、がんが介護保険の特定疾病に当たる場合に限られ、どちらも要介護認定が必要です。どんな支えがありそうかを知っておくだけでも、一人の療養の見通しが立てやすくなります。お住まいの市区町村の窓口か、地域包括支援センターに聞いてみてください。[/gk_q][gk_q q=”夜、テレビやラジオをつけたまま寝てしまいます。”]音があるほうが落ち着くなら、それも一つの工夫です。ただ、病気のニュースや刺激の強い番組が流れていると、夜中に目が覚めたとき、それが不安の種になることがあります。聞き慣れた音楽や朗読にする、タイマーで切れるようにしておく、といった方法があります。眠れない夜が続くときは、主治医や看護師に伝えてかまいません。[/gk_q][gk_q q=”一人の夜が怖くて、毎晩のように誰かに連絡したくなります。”]毎晩誰かとつながりたくなるのは、それだけ夜が長く感じられているということで、おかしなことではありません。相談室のLINEなら、毎晩でも一言を残せます。夜のつらさが続いて、眠れない、食べられない日が重なるときは、主治医や看護師、がん相談支援センターにも伝えてください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)からは、かけた地域の公的な心の相談窓口につながります(受付時間は地域で異なり、通話料がかかります)。[/gk_q][gk_q q=”「消えてしまいたい」と思う夜があります。”]その夜は、一人で朝を待たないでください。よりそいホットライン(0120-279-338)は24時間いつでも無料でかけられるので、今夜のうちに電話してください。今にも危ないと感じるときは119番です。夜を越えたら、そういう気持ちになったことを、主治医か看護師にも話してください。[/gk_q][/gk_faq]

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一人の夜の過ごし方を、昼の電話で一緒に組み立てませんか

[gk_form_cta]ご希望の時間帯と、折り返しのお電話番号を書いて送ってください(お名前はニックネームで大丈夫です)。送信後まもなく受付確認のメールが届き、その時間帯に担当が名前を名乗ってお電話します。まず夜の心細さをそのまま聞かせていただき、ご希望とご同意があれば、地域や病院の相談窓口へのつなぎ方も一緒に考えます。[/gk_form_cta]

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ほいくの相談室 編集部。保育士の方からの相談で多く聞かれる悩みをもとに、公的な資料で確認できる情報をまとめています。