4月の朝、入ったばかりの後輩に「午睡チェックの記録って、どのタイミングで書けばいいですか」と聞かれて、一瞬言葉に詰まる。去年の今ごろは、自分が同じことを先輩に聞いていたはずなのに。2年目になったとたん、質問する側から答える側に回り、クラスだよりの名前も、連絡帳のサインも自分になりました。
1年目は「新人だから」で許されていたことが、2年目になると許されない。そう感じる場面が増えると、「1年がんばったのに、去年より苦しい」という気持ちが出てきます。行事も2周目に入り、運動会や発表会の準備がどれほど大変かを知っているぶん、夏が終わるころから気持ちが重くなる人も少なくありません。
2年目の「辞めたい」は、1年目の「辞めたい」とは中身が違います。この記事では、2年目に特有の悩みを分けて整理し、そのつらさが時間とともに軽くなるものなのか、職場を変えないと解決しにくいものなのかを見分ける方法をまとめました。辞めると決めた場合の時期の目安も紹介します。
この記事でわかること
- 2年目に「辞めたい」が強くなる理由と、1年目との違い
- 2年目のつらさが「役割の変化」か「職場の問題」かを見分ける6つの問い
- 2年目で転職する場合と、3年目まで続ける場合の違い
- 2年目から動くときの、1年間のスケジュールの目安
結論
保育士2年目で辞めたいと感じるのは、珍しいことではありません。2年目は担任や後輩指導など役割が一気に増える一方で、経験はまだ浅く、「もう新人ではない」という空気から周りに頼りにくくなる時期だからです。まずは、つらさの原因が「役割が変わったことによる一時的な負担」なのか、「職場の仕組みや人間関係の問題」なのかを分けて考えます。前者なら分担の見直しで軽くなることがあり、後者なら2年目で転職しても早すぎることはありません。辞める場合は、秋までに情報を集め、就業規則の期限に合わせて年度末の退職を目安に動くと、子どもと自分の両方の負担を小さくできます。
012年目の「辞めたい」は、1年目とどこが違うのか
要点:1年目のつらさが「分からないことの多さ」だとすると、2年目のつらさは「求められることの多さ」です。分からないことは減っているのに、責任と期待が先に増えるため、去年より苦しく感じやすくなります。
1年目は、毎日が初めてのことの連続です。登園から降園までの流れ、連絡帳の書き方、午睡チェック、保護者への声かけ。覚えることは多いものの、周りも「まだ1年目だから」と見てくれますし、分からないことは聞けば教えてもらえます。
2年目になると、景色が変わります。日々の流れは体に入っていても、担任としてクラス全体を見る役や、月案・週案を自分で立てる役、後輩に教える役が加わります。「去年1年見てきたから分かるよね」という前提で話が進み、質問のハードルも上がります。できることは確実に増えているのに、できないことのほうが目立ってしまうのが2年目です。
図1
| 項目 | 1年目 | 2年目 |
|---|---|---|
| 主なつらさ | 覚えることが多く、毎日が手探り | 任されることが増え、責任が重くなる |
| 周りの見方 | 「新人だから」と見てもらえる | 「もう分かっているはず」と見られる |
| 質問のしやすさ | 聞けば教えてもらえる | 聞くこと自体をためらいやすい |
| 行事 | 初めてで、流れについていくだけ | 準備の大変さを知っていて、先に気が重くなる |
| 後輩との関係 | まだいない | 教える側に回るが、自分もまだ自信がない |
| 給与 | 初任給の水準 | 1年目からあまり変わらないと感じやすい |
この表のどの行に、いちばん強く「そう」と思ったでしょうか。2年目のつらさは、能力の問題として片付けられがちですが、多くは立場の変化によるものです。去年より苦しいのは、あなたが成長していないからではありません。求められる量が、成長のペースより先に増えたからだと考えてみてください。
1年目のころの迷い方と比べてみたい人は、1年目で辞めたいときの考え方も参考になります。
022年目に重なりやすい4つの負担
要点:2年目の負担は「担任としての責任」「後輩と先輩のあいだの人間関係」「給与と待遇」「自分への評価」の4つが重なりやすいのが特徴です。どれがいちばん重いかで、取るべき手が変わります。
図2
担任としての責任
初めての単独担任、指導計画の作成、保護者対応の窓口になる
分担の見直しで軽くなることがある
人間関係
後輩に教える立場と、先輩に聞きづらい立場の板ばさみ
配置や組み合わせで変わることも
給与と待遇
仕事は増えたのに、手取りは1年目とほとんど同じ
明細と昇給の仕組みを確かめれば見通せる
自分への評価
2年もやったのにできない、向いていないと感じる
書き出して事実と分けると軽くなる
4つのマスのうち、いちばん重いものに丸をつけてみてください。担任としての責任が重いなら、分担の相談で変わる余地があります。人間関係が重いなら、来年度のクラス編成で組み合わせが変わる見込みがあるかを園に聞いてみる価値があります。給与と待遇は気持ちではなく仕組みの問題なので、明細と給与規程で事実を確かめるところから始めます。自分への評価がいちばん重いと感じた人は、このあとの「6つの問い」の最初の問いから試してみてください。
担任としての責任が、急に一人に集まる
2年目で初めて担任を任される人は少なくありません。とくに幼児クラスで単独担任になると、クラスの運営、指導計画、保護者への連絡、行事の準備が一人に集まります。国の最低基準では、4歳以上児はおおむね25人につき保育士1人以上とされています[1]。乳児クラスの複数担任とは、一人で判断する場面の数がまったく違います。
1年目に乳児クラスで先輩と組んでいた人ほど、このギャップは大きく感じられます。「先輩がやっていたことを、今年は全部自分がやる」と気づいたとき、仕事の量よりも、隣に相談相手がいないことのほうが重くのしかかります。
後輩と先輩のあいだで、聞ける人がいなくなる
後輩ができると、「教える側なのに、自分が質問ばかりしていてはいけない」と感じやすくなります。一方で先輩からは「2年目なんだから」と言われ、聞くこと自体をためらうようになります。結果として、分からないことを一人で抱え、確認が遅れてミスが増え、さらに自信をなくすという流れに入りやすくなります。
給与が1年目とほとんど変わらない
仕事は確実に増えたのに、給与明細を見ると1年目と大きく変わらない。2年目はこの不満が出やすい時期です。東京都の調査でも、現役の保育士が辞めたいと考える理由として最も多かったのは「給料が安い」で、6割を超えていました[2]。
図3
この調査は2年目に限ったものではありません。ただ、仕事量が増えて給与が据え置かれやすい2年目は、上の4つの理由が同時に強まりやすい時期でもあります。
「2年もやったのに」と自分を責めてしまう
2年目は、比べる相手が増える時期です。同期、1年上の先輩、去年の自分。とくに、後輩が器用にこなしている姿を見ると、「自分は2年目なのに」と落ち込みやすくなります。けれど、保育の経験は年度単位で一巡するものです。1年目は流れをつかむ年、2年目は初めて自分で回す年と考えると、うまくいかないことがあって当然だと分かります。
03一時的なつらさか、職場の問題か:見分ける6つの問い
要点:2年目のつらさには、役割に慣れれば軽くなるものと、職場の仕組みが変わらない限り続くものがあります。次の6つの問いで、どちらが多いかを確かめてください。
図4
- 去年の同じ時期と比べて、できるようになったことを3つ挙げられるか挙げられるなら、つらさの多くは役割の変化による一時的なものかもしれません
- つらさの中心は「やり方が分からない」ことか分からないことは、聞く相手と時間があれば減っていきます
- 「聞ける相手」が園の中に一人でもいるか一人もいないなら、個人の努力では埋まりにくい問題です
- 持ち帰りや残業が、1年目より増え続けているか増え続けているなら、仕事の配分そのものに無理があります
- 同じ悩みで辞めた人や、つらそうな同僚がほかにもいるか複数いるなら、あなた個人ではなく職場の仕組みの問題です
- 来年度の担当や働き方について、希望を伝える場があるか場がないなら、3年目も同じ状況が続く可能性が高くなります
最初の2つに当てはまるなら、つらさの中心は「2年目という役割の変化」にあると考えられます。この場合、担任の業務の一部を分けてもらう、後輩指導の担当を先輩と共有する、書類の時間をシフトの中に確保してもらうといった調整で、負担が目に見えて軽くなることがあります。
後半の4つに当てはまるものが多いなら、つらさの中心は職場の側にあります。聞ける相手がいない、残業が減らない、同じ理由で人が辞めていく。こうした状況は、あなたがあと1年がんばっても変わりにくいものです。2年目で環境を変えることを、遠慮なく選択肢に入れてよい状態です。
どちらとも言い切れない場合は、一度だけ具体的に相談してみる方法があります。「担任の書類を週に1回、30分だけシフト内でやらせてもらえませんか」のように、場面と時間を添えて伝えると、相手も答えやすくなります。2〜4週間ようすを見て、何が変わり、何が変わらなかったかをメモに残しておくと、次の判断材料になります。
042年目で転職するか、3年目まで続けるか
要点:2年目での転職は、経験が浅いと見られることはあっても、それだけで不利になるわけではありません。一方で、3年目まで続けると、話せる経験の幅が広がります。違いを並べたうえで、今の自分の状態に合うほうを選びます。
「せめて3年は続けたほうがいい」という言葉は、よく聞くアドバイスです。ただ、これは法律や業界の決まりではなく、経験が浅いうちに辞めると次の職場でも苦労しやすい、という経験則にすぎません。2年目で辞めるか、3年目まで続けるかは、次のような違いを比べて決めると判断しやすくなります。
図5
| 比べること | 2年目の年度末で転職 | 3年目まで続けてから転職 |
|---|---|---|
| 伝えられる経験 | 2つの年齢のクラスを1年ずつ。担任経験は1回のことが多い | 3つの年齢のクラスや、行事の主担当まで話せることが多い |
| 面接で聞かれやすいこと | 短い期間で辞める理由と、次で続けられるか | 3年間で身につけたことと、次にやりたいこと |
| 心と体 | つらさが続いているなら、早めに離れられる | 無理を重ねると、回復に時間がかかることがある |
| 年次有給休暇 | 入職から1年6か月の時点で11日が付与される[3] | 2年6か月の時点で12日に増える[3] |
| 求人の選び方 | 何が合わなかったかがはっきりしていれば選びやすい | 経験を条件の話し合いに使いやすい |
お金と制度の面で確かめておくこと
2年目の年度末で辞める場合、雇用保険の基本手当を受けるための条件(離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上)は満たしていることが多くなります[4]。自己都合で辞めた場合の所定給付日数は、被保険者であった期間が1年以上10年未満なら90日です[5]。正当な理由のない自己都合退職の給付制限は、2025年4月1日以降の離職なら原則1か月です[6]。実際に受け取れるかどうかは、離職票を持ってハローワークで確認してください。
養成校に通うときに保育士修学資金の貸付を受けた人は、とくに注意が必要です。この貸付は、卒業後5年間の実務従事で返還が免除される仕組みです[7]。転職して保育士を続ける場合の扱いも含めて、辞める前に貸付を受けた都道府県等の窓口で条件を確かめておくと安心です。
宿舎借り上げ(家賃の補助)を使っている人も、確認が必要です。国の保育士宿舎借り上げ支援事業は、採用から5年以内の常勤保育士が対象で、一人1回限りとされています(やむを得ない事情による退職を除く)[8]。転職先で使えるかどうかは自治体と園によって変わるため、面接の段階で聞いておくと後で困りません。
求人が多い今だからこそ、焦って決めない
保育士の有効求人倍率は2026年7月時点で2.80倍で、全職種平均の1.15倍を大きく上回っています[9]。2年目でも、求人そのものに困ることは少ないはずです。ただ、求人が多いことと、自分に合う園が見つかることは別の話です。「早く今の園を出たい」という気持ちが強いと条件の確認が甘くなり、同じ悩みを次の園でも繰り返すことがあります。
05なずなさんの場合:2年目の冬に、辞める時期を自分で決めた
要点:ここでは、2年目に単独担任と後輩指導が重なり、辞めるかどうかを迷ったモデルケースを紹介します。辞めたかどうかより、どこで「職場の問題だ」と判断したかに注目してください。
「できない2年目」ではなく「一人で持つ量じゃなかった」
相談事例(モデルケース)
- お名前
- なずなさん(仮名)・21歳
- 保育士歴
- 2年目(相談当時)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約120名)、4歳児クラスの単独担任
- 変化
- 持ち帰り仕事 週4日 → 月1〜2日
編集部2年目になって、何がいちばん変わりましたか。
1年目は1歳児クラスで、先輩2人と一緒の担任だったんです。2年目でいきなり4歳児の単独担任になって、しかも新人さんの指導役も任されて。月案も保護者対応も、全部自分が最終確認する立場になりました。正直、4月の時点で「これは無理かも」って思ってました。
編集部辞めたいと強く思ったのは、いつごろですか。
運動会の準備が始まった9月です。去年はついていくだけだったけど、今年は自分のクラスの演技を考えて、練習を回して、後輩にも指示を出して。家で連絡帳やおたよりを書く日が週4日くらいあって、日曜の夜は毎週眠れませんでした。
編集部6つの問いに当てはめてみて、どうでしたか。
できるようになったことは、ちゃんと3つ書けたんです。保護者への伝え方とか、クラス全体の動かし方とか。でも「聞ける相手がいるか」で手が止まりました。主任に後輩指導を分けてほしいとお願いしたら、「みんな2年目でやってきたよ」で終わってしまって。そのとき、私が下手なんじゃなくて、ここは2年目に全部を持たせる園なんだなって、やっと分かったんです。
編集部そこからどう動きましたか。
10月に求人を見始めて、11月に2つの園を見学しました。条件は「複数担任制」「書類の時間がシフトに入っている」「通勤40分以内」の3つだけ。12月の初めに園長に年度末で辞めたいと伝えました。就業規則では2か月前まででしたけど、担任の引き継ぎを考えて少し早めにしました。
2年目なのにできない、じゃなかった。2年目に一人で持つ量じゃなかったんだと思えたら、辞めることへの罪悪感がだいぶ小さくなりました。
なずなさん(仮名)
なずなさんは翌年4月から、定員約50名の認可保育園で2歳児クラスを3人担任で受け持っています。書類はシフト内のノンコンタクトタイムで書けるようになり、持ち帰りは行事前の月1〜2回程度に減りました。2年目の最後の3か月は、4歳児クラスの子どもたちと年度の終わりまで過ごし、後任の担任に向けて子ども一人ひとりの様子をまとめたメモを残したそうです。
このケースで注目したいのは、なずなさんが「できるようになったこと」をきちんと数えたうえで判断している点です。自分の成長を認めたからこそ、残ったつらさが職場の仕組みの問題だと切り分けられました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図6
持ち帰り仕事の日数
平日の退勤時刻
日曜の夜に眠れない日
同じクラスで相談できる先輩
数字だけを見ると、転職で一気に変わったように見えるかもしれません。けれど、なずなさんが最初にしたのは、今の園で分担を相談することでした。相談しても変わらなかったという事実があったからこそ、迷いを引きずらずに次へ進めたと話しています。
062年目から動くときの1年間の目安
要点:2年目の年度末で辞める場合、夏から秋に情報を集め、年末までに園へ伝えるのが一つの目安です。就業規則の退職の申し出期限を先に確かめ、そこから逆算して予定を立てます。
図7
- 4〜6月新しい役割に慣れながら、つらさの中身をメモに残す。分担の相談は早めにする
- 7〜8月6つの問いで「一時的か、職場の問題か」を確かめる。就業規則の退職の申し出期限を確認する
- 9〜10月譲れない条件を3つに絞り、求人を見始める。見学の候補を2〜3園に絞る
- 11月園見学と面接。在職中なら、平日の休みや有給休暇を使って日程を組む
- 12月〜1月次の職場が決まったら、園長に退職の意思と希望の退職日を伝える
- 2〜3月指導計画や子どもの記録をまとめ、後任に引き継ぐ。有給休暇の残りを確認する
期間の定めのない雇用であれば、法律上は退職の申し入れから2週間で雇用が終わります[10]。ただ、担任を持っている2年目の場合は、年度の途中で抜けると子どもや保護者への影響が大きくなります。就業規則を確認したうえで、1〜3か月前を目安に伝えるのが現実的です。時期の考え方は保育士の転職のベストタイミングでも詳しく紹介しています。
スケジュールより体調を優先していい
上の流れは、あくまで年度末に辞める場合の目安です。眠れない、食べられないといった状態が続いているなら、このスケジュールにこだわる必要はありません。体調を優先して早めに休む、早めに伝えるという判断も、十分にありえます。
在職中に動くと、比べる余裕が持てる
2年目で辞めたいと感じたとき、先に退職してから次を探すか、在職中に探すかで迷う人もいます。担任を続けながらの転職活動は、時間のやりくりが大変です。それでも在職中に動くと、収入が途切れない安心感があり、見学で「今の園と何が違うか」を落ち着いて比べられます。逆に、心身が限界に近いなら、先に辞めて休む期間をとるほうが、結果として良い判断につながることもあります。
072年目で迷う人に、先に伝えておきたいこと
要点:2年目で辞めても、続けても、それ自体が失敗になることはありません。ただし、どちらを選ぶ場合も「3年目にも壁はある」ことと、「体の不調は判断より先に手当てする」ことは覚えておいてください。
3年目にも、別の形の壁はある
2年目のつらさを乗り越えても、3年目にはリーダー役や行事の主担当など、また別の役割がやってきます。環境を変えた場合も、新しい園で一から覚え直す時期があります。どちらを選んでも「楽になる」とは限らないからこそ、何がつらかったのかを言葉にしておくことが、次の壁にぶつかったときの支えになります。3年目に入ってからの迷い方は3年目で辞めたいときの動き方にまとめています。
眠れない日が続くなら、判断より先に体を休める
日曜の夜に眠れない、出勤前に涙が出る、食欲が落ちている。こうした状態が2週間以上続いているなら、辞めるかどうかを考える前に、医療機関を受診することを優先してください。仕事のストレスについて話せる公的な窓口として、厚生労働省の「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時)があります[11]。
年数で自分を測らない
「何年目で辞めたか」は、あとから振り返ると小さなことです。それよりも、どんな理由で、どう考えて決めたかを自分で説明できることのほうが、次の職場でも自分を支えてくれます。年数ごとの迷い方の違いは何年目で辞める人が多いかをまとめた記事でも紹介しています。1年目から続く新人期のつらさを全体で見直したい人には、新人保育士がつらいときの判断基準が参考になります。
一人で考えていると、2年目のつらさは「自分の力不足」に見えてしまいがちです。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていない段階でも、2年目の今の状況を一緒に整理する相談を受けています。6つの問いの答えを持ち寄るだけでも、話は進めやすくなります。
よくある質問
2年目で辞めると、次の転職で不利になりますか?
在籍期間が短いと、面接で辞めた理由を聞かれることは多くなります。ただ、何が合わなかったのか、次の職場で何を大切にしたいのかを具体的に話せれば、2年目という年数だけで判断されるわけではありません。2つの年齢のクラスを経験したことや、担任として取り組んだことを整理しておくと話しやすくなります。
2年目の途中で辞めることはできますか?
期間の定めのない雇用なら、法律上は申し入れから2週間で退職できます[10]。ただし担任を持っている場合は、子どもや保護者への影響を考えて、行事の区切りや月末など引き継ぎがしやすい時期を選ぶと、自分の気持ちの区切りもつけやすくなります。体調を崩している場合は、時期より体を優先してください。
2年目で後輩の指導がつらいです。断ってもいいのでしょうか?
全部を断るのは難しくても、担当の範囲を分けてもらうことは相談できます。「書類の書き方は主任に、日々の動きは私が」のように具体的な分け方を提案すると、話が進みやすくなります。相談しても一人に任されたままなら、それは職場の体制の問題です。
2年目で給料がほとんど上がらないのは普通ですか?
昇給の幅や時期は、園ごとの給与規程や手当の配分によって違います。まずは給与明細と就業規則(給与規程)で、昇給の時期と基本給・手当の内訳を確かめてください。説明を受けても納得できない場合は、次の職場を選ぶ条件に「昇給の仕組みを説明してもらえるか」を加えると役に立ちます。
2年目で保育士そのものを辞めるのはもったいないですか?
もったいないかどうかより、何がつらいのかで考えるほうが後悔しにくくなります。園の環境が合わないだけなら、園種や規模を変えて保育を続ける道があります。子どもと関わること自体が苦しくなっているなら、少し保育から離れてみるのも一つの選択です。
参考にした資料
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
- 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
- ハローワーク「基本手当について」
- ハローワーク「基本手当の所定給付日数」
- ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
- こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
- こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
- こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
- e-Gov法令検索「民法」
- こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。