年度末の個人面談で、園長に「これから、どうしていきたい?」と聞かれた。主任の話が出るかもしれないと、うすうす感じていた。でも、口から出てきたのは「まだ、よく分からなくて」という言葉だけ。帰り道、自転車をこぎながら考える。保育士になって15年以上たつのに、自分に何ができるのか、説明できない。保育しかしてこなかった自分には、ほかの道なんてないのではないか。かといって、このままでいいとも思えない。
「キャリア」という言葉に、どこか自分とは関係のない響きを感じる保育士は少なくありません。毎日の保育に追われていると、積み重ねてきた経験は当たり前のことになり、言葉にする機会がほとんどないからです。
この記事では、保育士のキャリア相談(キャリアカウンセリング)で何ができるのか、転職相談とどう違うのかを説明したうえで、相談の中心になる「キャリアの棚卸し」のやり方を、書き方の例つきで紹介します。相談に行く前に一人で始められる方法なので、面談で言葉に詰まった人にも使ってもらえるはずです。
この記事でわかること
- 保育士のキャリア相談で相談できることと、転職相談との違い
- キャリアの棚卸しを5つのステップで進める方法
- 保育の経験を「できること」に言い換える例
- キャリア相談を受ける前の準備と、相談先の選び方
- キャリア相談に期待しすぎないための注意点
結論
保育士のキャリア相談(キャリアカウンセリング)は、転職先を決める場ではなく、これまでの経験と大切にしたいことを整理し、これからの働き方の選択肢を広げる場です。中心になるのが「キャリアの棚卸し」で、勤務した園、担当したクラス、任された役割を年ごとに書き出し、そこから身についた力、やりがいを感じた場面、避けたいことを言葉にします。棚卸しができると、今の園で役割を変える、別の園種に移る、保育以外に挑戦するといった道を、同じ物差しで比べられるようになります。転職するか決めていない段階から相談してかまいません。
01保育士のキャリア相談で相談できること
要点:キャリア相談では、「どの園に移るか」より手前にある、「自分は何ができて、何を大切にしたいのか」を整理します。転職相談が求人選びを中心にするのに対して、キャリア相談は自分自身の整理を中心にする点が大きな違いです。
図1
| 項目 | キャリア相談 | 転職相談 |
|---|---|---|
| 目的 | 経験と価値観を整理し、これからの働き方を考える | 次の職場を見つけて、転職を進める |
| 話の中心 | これまでの経験、得意なこと、大切にしたいこと | 希望条件、求人、応募と面接の進め方 |
| 相談のゴール | 選択肢が増え、自分で選べる状態になる | 応募先や転職先が決まる |
| 向いている時期 | 迷い始めたとき、節目の年、役割の打診を受けたとき | 転職を決めて、応募先を探しているとき |
| 相談のあと | 今の園で続ける、役割を変える、転職するなど結論はさまざま | 求人の紹介、面接日程の調整に進むことが多い |
こんなときにキャリア相談が向いている
キャリア相談は、転職を考えている人だけのものではありません。次のような場面でこそ役に立ちます。
- 主任やリーダーの打診を受けたが、引き受けるか迷っている
- 5年目、10年目など、経験年数の節目で立ち止まっている
- 体力や家庭の状況が変わり、今の働き方を続けられるか不安になった
- 保育以外の仕事も気になるが、自分に何ができるか分からない
- ブランクがあり、どんな形で復帰すればよいか考えたい
どれも、求人を見る前に「自分の整理」が必要な場面です。整理が済んでいないまま求人を見ると、条件の良し悪しだけで判断してしまい、あとで「本当にやりたかったのはこれだったのか」と迷い直すことになりがちです。
保育の現場にもキャリアの道筋がある
保育の仕事には、担任、リーダー、主任、園長といった道筋のほかにも、乳児保育や障害児保育、保護者支援などの分野で専門性を深める道があります。国の公定価格にも、職員のキャリアパスに関わる仕組みがあり、2025年度からは処遇改善等加算の区分1(基礎分)の要件の一つにキャリアパス要件が位置づけられています[1]。東京都の補助金では、職務分野別リーダーなどとして発令された職員を対象に賃金改善を行う仕組みもあります[2]。自分の園にどんな役割や研修の機会があるのかを知っておくことも、キャリアを考える材料になります。
多くの保育士は、保育の仕事を続けたいと考えている
キャリア相談というと、保育を離れる相談のように思われがちですが、実際には「保育の仕事を、どんな形で続けるか」を考える相談が多くを占めます。東京都が保育士を対象に行った調査でも、現在保育士として働く人の多くが、今後も保育士として働き続けたいと答えています[3]。
図2
続けたい気持ちがあるからこそ、「このままの形で続けられるのか」という迷いが生まれます。キャリア相談は、その迷いを「続け方の選択肢」に変えるための場だと考えてください。
02キャリアの棚卸しとは:経験を「材料」に変える作業
要点:キャリアの棚卸しは、これまでの経験を年ごとに書き出し、そこから「できること」と「大切にしたいこと」を取り出す作業です。保育士の経験は毎日の仕事に溶け込んでいるため、書き出して初めて、その厚みが見えてきます。
棚卸しで書き出すのは、大きく3つです。一つ目は「経験」。どの園で、どのクラスを、どんな役割で担当したか。二つ目は「力」。その経験を通して、何ができるようになったか。三つ目は「価値観」。どんな場面でやりがいを感じ、どんな場面で消耗したか。この3つがそろうと、次の働き方を選ぶ物差しができます。
保育士が棚卸しをすると、多くの人が最初に「書くことがない」と感じます。でも、それは経験がないからではなく、経験が当たり前になりすぎているからです。午睡チェックを毎日欠かさず続けてきたこと、20人分の連絡帳を毎日書いてきたこと、発表会の脚本を書いたこと。どれも、外から見れば立派な経験です。
図3
- 1〜3年目0歳児・1歳児クラス担任。午睡チェックや離乳食の進め方、保護者との連絡帳のやりとりを身につける
- 4〜6年目3歳児クラス担任。運動会のリーダーを初めて担当し、職員の役割分担表を作る
- 7年目加配の子がいる4歳児クラス。個別の指導計画を作り、専門機関と連携する
- 8〜10年目5歳児クラス担任を2回。就学に向けて小学校との引き継ぎを担当する
- 11〜13年目乳児クラスのリーダー。新人2人の指導を任される
- 14〜15年目フリー保育士。保護者の個別相談に同席する機会が増える
こうして並べるだけでも、「乳児保育」「行事の運営」「個別の支援」「新人の育成」「保護者支援」と、経験の柱がいくつも見えてきます。ここから先の手順で、それぞれの柱を「できること」と「大切にしたいこと」に変えていきます。
書くときは「評価」をしない
棚卸しでつまずきやすいのは、書きながら「こんなの大したことじゃない」「ほかの先生もやっている」と、自分で点数をつけてしまうことです。棚卸しの段階では、良い悪いの判断はいったん脇に置いてください。失敗した行事も、うまくいかなかった保護者対応も、そこから何を学んだかを含めて立派な経験です。評価は、全部を書き出してから最後にすれば十分です。
03キャリアの棚卸しのやり方(5ステップ)
要点:棚卸しは、年表を作る、場面を思い出す、力に言い換える、価値観を見つける、選択肢を書く、の5ステップで進めます。一度に全部やろうとせず、2週間ほどかけて少しずつ進めるのがおすすめです。
図4
年表を作る
勤務した園、担当したクラス、任された役割を、年ごとに1行ずつ書き出します
場面を思い出す
うれしかった場面とつらかった場面を、それぞれ10個ずつ書きます
力に言い換える
場面ごとに「そのとき何ができたか」を、保育の言葉を使わずに書き直します
価値観を見つける
力が湧いた場面と消耗した場面を比べ、共通点を3つずつ探します
条件と選択肢を書く
大切にしたいことと避けたいことをもとに、考えられる働き方を5つ以上書きます
ステップ1:年表は「1年1行」で十分
最初から詳しく書こうとすると、途中で疲れてしまいます。「2015年度 ○○保育園 1歳児 副担任」のように、1年1行で十分です。思い出せない年があっても気にせず、空けておきましょう。後から指導計画のファイルや卒園アルバムを見返すと、思い出すこともあります。
ステップ2:場面は「数字」と一緒に思い出す
「発表会がうまくいった」だけでなく、「5歳児25人の劇で、セリフが苦手な子にも一言ずつ役を作った」のように、人数や回数を添えて書くと、後で力に言い換えやすくなります。つらかった場面も同じように書いてください。つらかった場面には、あなたが避けたい働き方のヒントが隠れています。
ステップ3:保育の言葉を外して言い換える
「連絡帳を毎日書いた」は、「相手に合わせて、短い文章で分かりやすく伝え続けた」と言い換えられます。保育の言葉を外すと、その力が保育以外の場面でも通じることに気づきます。言い換えの例は次の見出しで紹介します。
ステップ4:力が湧いた場面と、消耗した場面を比べる
書き出した場面を見比べて、「やっていて時間を忘れた」場面と、「終わったあとにぐったりした」場面に印をつけます。同じ行事の準備でも、子どもと一緒に作る時間は楽しく、職員の調整は消耗する、ということもあります。こうした違いが、あなたの価値観の手がかりです。
ステップ5:選択肢は5つ以上書く
最後に、考えられる働き方を書き出します。ここでは実現できるかどうかは気にせず、5つ以上を目標にしてください。「今の園で役割を変える」「同じ法人の別の園に移る」「別の園種に移る」「保育の資格を活かして別の仕事に就く」「働く時間を減らす」など、選択肢が増えるほど、一つひとつを冷静に比べられるようになります。棚卸しの考え方は、転職の自己分析のやり方でも詳しく紹介しています。
04保育の経験を「できること」に言い換える例
要点:保育の現場で毎日していることの多くは、言い換えると、ほかの場面でも通じる力になります。言い換えの練習をすると、面談や面接で自分の経験を説明しやすくなります。
図5
- 1
連絡帳を毎日20人分書いてきた
相手の立場に合わせて、短い文章で分かりやすく伝える力
- 2
行事のリーダーを担当した
期限から逆算して段取りを組み、複数の人の役割を調整する力
- 3
保護者の相談に乗ってきた
相手の話を最後まで聞き、気持ちを受け止めながら情報を整理する力
- 4
加配の子の個別の指導計画を作った
一人ひとりの状態を観察し、目標と手立てを計画にまとめる力
- 5
新人の指導を任された
相手のつまずきを見つけ、できるところまで段階を分けて教える力
- 6
午睡チェックやヒヤリハットの記録を続けた
決められた手順を毎日欠かさず守り、小さな変化に気づく力
言い換えた力を並べてみると、保育の仕事がどれだけ多くの力でできているかが分かります。この一覧は、今の園で新しい役割を引き受けるときにも、別の職場に移るときにも、自分を説明する言葉になります。保育以外の仕事で強みをどう伝えるかは、保育士の強みを転職で伝える方法で詳しく紹介しています。
言い換えに困ったら、人に聞く
自分では当たり前すぎて言い換えられないことも、他人から見ると立派な力だったりします。キャリア相談の場では、相談員が質問を重ねながら、あなたの経験から力を取り出す手伝いをしてくれます。「それは、どうやってやっていたんですか」と聞かれて答えるうちに、自分でも気づいていなかった工夫が言葉になることがあります。
05棚卸しで見えたもの:25年目の保育士の例
要点:ここでは、「保育しかしてこなかった」と感じていた人が、キャリア相談で棚卸しをして、主任ではない形のリーダー役を選んだモデルケースを紹介します。
「何もない」と思っていた25年分が、選ぶ材料になった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- のりこさん(仮名)・47歳
- 保育士歴
- 25年目(公立保育所で12年、私立で13年)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約120名)、フリー保育士
- 変化
- 書き出した場面 0 → 38場面 / 考えた選択肢 2つ → 5つ
編集部キャリア相談を受けようと思ったきっかけは何でしたか。
園長から主任の打診を受けたんです。でも、乳児の抱っこで腰も痛くなってきたし、主任になって今以上に忙しくなるのは無理かもしれない。かといって辞めて事務の仕事をする、くらいしか思いつかなくて。主任になるか、辞めるか。その二つしかないと思い込んでいました。
編集部棚卸しをしてみて、どうでしたか。
3回の相談で、25年分の年表を作って、場面を38個書き出しました。最初は「書くことなんてない」と思ってたのに、出てくる出てくる。相談員の方が「それ、どうやって進めたんですか」って何度も聞いてくれるので、話しているうちに思い出すんです。
編集部書き出してみて、何に気づきましたか。
力が湧いた場面に、保護者の相談に乗ったことと、新人の先生の悩みを聞いたことが多かったんです。反対に、ぐったりした場面は、シフト作りと書類のチェックばっかり。主任の仕事って、まさにシフトと書類なんですよね。それに気づいたとき、すとんと腑に落ちました。
編集部最終的に、どう決めたんですか。
選択肢を5つ書いて比べました。主任、主任以外のリーダー役、子育て支援の仕事、事務、パートで続ける。そのうえで園長に、主任はお断りしたいけれど、新人の育成と保護者対応のリーダーならやりたいと伝えました。断ったら居づらくなるかなと思ってたんですけど、園長は「むしろ助かる」と言ってくれて。
25年分の年表を見たら、ちゃんと積み上がってたんですよね。「何もない」なんて、自分に失礼でした。
のりこさん(仮名)
のりこさんは翌年度から、新人育成と保護者対応のリーダーとして、新人2人の相談役と、保護者の個別面談の同席を担当しています。シフト作りは主任が担当し、のりこさんは関わっていません。今は、保護者支援に関する研修を受ける準備をしているそうです。
このケースで大切なのは、「主任になるか、辞めるか」という二択から抜け出せたことです。棚卸しで「何に力が湧き、何に消耗するか」が言葉になったことで、園長にも具体的な提案ができました。キャリアの選択肢は、上に上がるか、外に出るかだけではありません。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図6
書き出した経験の場面
考えた働き方の選択肢
園長への伝え方
06キャリア相談を受ける前の準備と、相談先の選び方
要点:キャリア相談は、準備をしておくほど中身が濃くなります。年表のメモと、相談で何を持ち帰りたいかを用意し、相談先は「保育の現場を知っているか」「求人紹介が前提か」「費用と回数」を確かめて選んでください。
図7
- 相談で何を持ち帰りたいか決めたか「選択肢を増やしたい」「役割を引き受けるか決めたい」など、目的を一つ決めておきます
- 年表のメモを用意したか1年1行の年表があるだけで、相談の時間を整理に使えます
- 相談する人の経験や資格を確かめたかどんな経験を持つ人が相談に乗るのかは、窓口の案内で確かめられます
- 保育の現場を知っている相談先か保育の言葉が通じると、経験の言い換えがスムーズに進みます
- 求人紹介が前提の相談先かどうか整理の段階では、求人の話が中心にならない相談先が向いています
- 費用、回数、1回の時間無料の相談先と有料のサービスがあります。申し込む前に確かめます
相談先の種類
保育士がキャリア相談に使える先には、いくつかの種類があります。都道府県などが設置する保育士・保育所支援センターは、再就職の相談だけでなく、働き続けるための相談支援も行っています[4]。民間には、転職を前提にせず悩みや方向性の整理から相談を受ける相談窓口や、料金を払って複数回の相談を受けるキャリア相談のサービスもあります。有料のサービスを選ぶ場合は、料金の総額や回数、途中でやめたときの扱いを、申し込む前に書面で確かめてください。
相談の当日に持っていくもの
当日は、年表のメモ、うれしかった場面とつらかった場面のメモ、今の園での役割が分かるもの(担当表や職務の説明など)があると、話が具体的になります。主任やリーダーの打診を受けているなら、「打診された内容」と「いつまでに返事をするか」も書いておきましょう。期限があると、相談員も逆算して整理を手伝いやすくなります。全部そろっていなくても相談はできるので、用意できたものだけで大丈夫です。
学び直しを考えるなら、制度も確かめる
棚卸しの結果、新しい分野を学びたいと考える人もいるでしょう。雇用保険の制度では、2025年4月以降、離職期間中や離職日前1年以内に教育訓練給付金の対象となる教育訓練などを自分で受けた場合、自己都合で離職したときの給付制限が解除される仕組みがあります[5]。学び直しと退職の時期を組み合わせて考えるときは、ハローワークで自分が対象になるかを確かめておくと安心です。
07キャリア相談に期待しすぎないために
要点:キャリア相談は、答えをもらう場ではなく、自分で答えを出すための材料をそろえる場です。そして、棚卸しは一度で終わるものではありません。
1. 答えを出すのは、相談員ではなくあなた
相談員は、質問を重ねて経験を引き出し、選択肢を広げる手伝いをします。でも、「あなたは主任になるべきです」「転職すべきです」と決めてくれるわけではありません。相談のあとに「結局どうすればいいのか分からない」と感じたら、それは失敗ではなく、まだ材料を並べている途中だということです。年表や場面のメモを読み返しながら、自分のペースで考えてください。
2. 棚卸しは、節目ごとにやり直す
棚卸しの結果は、年齢や家庭の状況、体力によって変わります。30代で大切だったことが、40代では優先順位が下がることもあります。年度末や、役割が変わるときなど、節目ごとに年表に1行ずつ書き足し、見直してください。一度作った年表は、次の棚卸しの土台になります。前回の棚卸しと見比べると、「数年前は行事のリーダーにやりがいを感じていたのに、今は保護者支援のほうが楽しい」といった変化にも気づけます。変化に気づけること自体が、次の働き方を選ぶ大きな手がかりです。
3. 「上に上がる」だけがキャリアではない
主任や園長になることだけがキャリアアップではありません。のりこさんのように、得意な分野で役割を持つことも、働く時間を調整して長く続けることも、立派なキャリアの選び方です。役割が重くなって疲れているときの考え方は、キャリアアップに疲れたときでも紹介しています。
棚卸しで見えてきたことをもとに、働き方そのものを見直したい人は、働き方や転職の方向性を相談したいときも参考にしてください。ほいくの相談室でも、転職すると決めていない段階で、これまでの経験やこれからの働き方を整理する相談を受けています。相談先の種類と選び方の全体像は、保育士の転職相談先の選び方にまとめています。
よくある質問
キャリア相談と転職相談は、何が違いますか?
転職相談は次の職場を見つけることが中心で、求人の紹介や面接の調整に進むことが多いものです。キャリア相談は、これまでの経験と大切にしたいことを整理し、働き方の選択肢を広げることが中心です。転職するか決めていない段階なら、キャリア相談から始めると考えを整理しやすくなります。
転職するつもりがなくても、キャリア相談を受けていいですか?
受けてかまいません。主任の打診を受けるか迷っている、今の園で役割を変えたいといった相談も、キャリア相談の大切なテーマです。相談の結果、今の園で続けると決める人も多くいます。
キャリアの棚卸しには、どれくらい時間がかかりますか?
年表を作るだけなら1〜2時間ほどでできますが、場面を思い出して言い換え、価値観を見つけるところまで進めるには、2週間ほどかけて少しずつ取り組むのがおすすめです。一度に全部やろうとせず、1日15分ずつ進めるくらいがちょうどよいペースです。
保育しかしてこなかったので、書き出すことがありません。
多くの保育士が最初はそう感じます。まずは1年1行の年表から始め、担当したクラスや任された役割、行事を書いてみてください。連絡帳、指導計画、保護者対応など、毎日していることを一つずつ言い換えていくと、書けることは少しずつ増えていきます。
40代、50代でもキャリア相談を受ける意味はありますか?
あります。経験年数が長いほど、棚卸しで見えてくる経験の柱は多くなります。体力や家庭の状況が変わる時期でもあるので、これまでの経験を活かしながら、どんな形で働き続けるかを考える材料になります。
キャリア相談は有料ですか?
相談先によって違います。保育士・保育所支援センターのような公的な窓口や、転職を前提にしない民間の相談窓口には、無料で相談できるところがあります。料金を払って複数回の相談を受けるサービスもあるので、申し込む前に、料金の総額と回数、1回の時間を確かめてください。
参考にした資料
- こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
- 東京都福祉局「東京都保育士等キャリアアップ補助金 東京都保育サービス推進事業補助金 令和8年度当初交付申請について」(2026年2月2日)
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
- こども家庭庁 令和7年度行政事業レビュー公開プロセス説明資料
- 厚生労働省 雇用保険部会資料「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。