履歴書の「自己PR」の欄を前に、ペンが止まる。「子どもが好きです」「笑顔を大切にしています」。書いてみて、どれも誰にでも当てはまる言葉だと気づき、消してしまう。何年も保育士として働いてきたのに、自分の強みを聞かれると何も出てこない。同じところで手が止まった経験のある人は、少なくないと思います。
でも、本当に何もないわけではありません。朝の受け入れで、保護者の表情から子どもの体調の変化に気づく。泣いている子を抱っこしながら、午睡チェックの時間も頭に入れている。行事の前には段取りを組み、パートさんに仕事を割り振る。毎日当たり前にやっていることほど、自分では「経験」として数えていないのです。
この記事では、保育士が転職の前にする自己分析のやり方を、経験の棚卸しと、大事にしたいことの言語化の2つに分けて紹介します。書き出し方の例と、自己分析の結果を求人選びや面接に生かす手順までまとめました。
この記事でわかること
- 保育士の自己分析で明らかにしたい3つのこと
- 経験を4つの領域に分けて棚卸しする方法
- 強みと、大事にしたいことを言葉にする方法
- 自己分析の結果を、求人選びと面接に生かす手順
結論
保育士の転職の自己分析は、「やってきたこと(経験)」「得意なこと(強み)」「大事にしたいこと(価値観)」の3つを、具体的な場面から書き出して言葉にする作業です。保育の仕事は毎日の業務が当たり前になりやすく、自分の経験を少なく見積もりがちなため、子ども・保護者・職員・園の運営の4つの領域に分けて棚卸しすると、強みが見つかりやすくなります。大事にしたいことは、うれしかった場面とモヤモヤした場面を3つずつ書き出し、共通点を探すと言葉になります。こうして整理した結果は、求人を選ぶ条件にも、面接で話す自己PRにも、そのまま使えます。
01保育士の自己分析で明らかにする3つのこと
要点:自己分析で明らかにするのは、経験・強み・価値観の3つです。経験は「何をしてきたか」、強みは「何が得意か」、価値観は「何を大事にしたいか」。この3つがそろうと、転職先を選ぶ基準と、面接で話す内容が同時に決まります。
自己分析というと、性格診断のようなものを思い浮かべる人もいるかもしれません。けれども、転職のための自己分析は、もっと実用的なものです。目的は2つだけ。自分に合う園を選ぶための「物差し」をつくることと、応募先に自分を伝えるための「言葉」をつくることです。
- 経験:担当したクラスや人数、任された役割、行事、毎日の業務。事実として書き出せるもの
- 強み:経験の中で、人から頼まれたこと、苦にならなかったこと、ほめられたこと
- 価値観:うれしかった場面とモヤモヤした場面に共通する、自分が大切にしているもの
経験と強みは、主に面接や職務経歴書で「自分を伝える言葉」になります。価値観は、主に求人を選ぶときの「物差し」になります。どちらか一方だけでは、転職はうまく進みません。
条件だけでは、合う園は選びきれない
転職先を選ぶとき、多くの人がまず見るのは勤務時間や給与などの条件です。東京都の調査でも、保育士として働いた経験のある人が復職する場合に重視する条件として、1日の勤務時間、年収、片道の通勤時間、週の勤務日数が上位に挙がっています[1]。
図1
復職する場合に希望する条件(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・過去に保育士として働いた人・複数回答の上位4項目)[1]
条件はもちろん大切です。ただ、勤務時間も給与も通勤時間も同じくらいの園が2つあったとき、どちらを選べばいいかは条件だけでは決まりません。そこで決め手になるのが、「自分は保育の中で何を大事にしたいか」という価値観です。条件で候補を絞り、価値観で最後の一つを選ぶ。自己分析は、その最後の一歩のためにあります。
自己分析は「転職するかどうか」を決める材料にもなる
自己分析をしていると、「実は今の園でも大事にしたいことは守れている」と気づくことがあります。その場合は、無理に転職する必要はありません。反対に、大事にしたいことが今の園ではどうしても守れないと分かれば、それが転職する理由になります。転職するべきかの判断そのものに迷っている人は、保育士が転職するべきかの判断基準と合わせて読むと整理しやすくなります。
02経験の棚卸し:4つの領域に分けて書き出す
要点:保育士の経験は、子どもとの関わり、保護者との関わり、職員・チーム、園の運営・行事の4つの領域に分けると、漏れなく書き出せます。人数や年数、回数などの数字を添えると、伝わる経験になります。
図2
子どもとの関わり
担当した年齢と人数、配慮が必要な子への関わり、遊びや活動の工夫
例:1歳児12人を3人担任で
保護者との関わり
送迎時の会話、連絡帳、個人面談、相談や要望への対応
例:個人面談を年に30件ほど
職員・チーム
後輩の指導、パートさんとの連携、会議の進行、リーダー業務
例:新人2人の指導係
園の運営・行事
指導計画、行事の企画、壁面や環境づくり、安全管理、ICTの活用
例:運動会の進行表を作成
4つの領域に分けるのは、保育士の仕事が「子どもと関わること」だけではないからです。保護者との信頼関係づくりや、職員同士の連携、行事や計画の段取りも、立派な経験です。特に、子どもとの関わりだけを書いて終わってしまう人は、ほかの3つの領域に眠っている経験を見落としていることが多いものです。
年度ごとに、1年ずつ書き出す
棚卸しは、新卒の年から今年度まで、1年ずつさかのぼって書くのがこつです。1年分につき、次の5つを書いてみてください。
- 担当したクラスの年齢と人数、担任の人数
- 任された役割(リーダー、行事の係、指導係など)
- その年の主な行事と、自分が担当した部分
- 印象に残っている子どもや保護者とのできごと
- その年に新しく覚えたこと、工夫したこと
覚えていない年があってもかまいません。写真や当時の手帳、指導計画の控えを見ると、思い出せることがあります。10年働いた人なら、書き出したできごとが50を超えることも珍しくありません。
数字を添えると、経験は伝わる言葉になる
「乳児クラスを担当していました」より、「1歳児12人のクラスを3人担任で2年間担当しました」のほうが、聞き手は具体的に想像できます。人数、年数、回数、期間。数字を一つ添えるだけで、同じ経験がぐっと伝わりやすくなります。正確な数字が分からなければ、「年に30件ほど」のようにおおよそで十分です。
小さな工夫こそ、書き残す
「午睡チェックの記録表を見やすく作り直した」「連絡帳の書き方をクラスでそろえた」「雨の日の室内遊びのネタを10個まとめてファイルにした」。こうした小さな工夫は、本人にとっては当たり前でも、採用する側から見れば「現場を良くしようとする人」の証拠です。大きな成果がなくても、工夫したことは遠慮せず書き出してください。
03強みは「頼まれたこと」と「苦にならなかったこと」に隠れている
要点:強みは、自分で探すより、周りの反応から見つけるほうが早く見つかります。よく頼まれたこと、感謝されたこと、ほかの人は大変そうなのに自分は苦にならなかったことに注目してください。
棚卸しした経験を眺めながら、次の4つの問いに答えてみてください。
- 同僚や園長から、よく頼まれたことは何か
- 保護者や子どもから、感謝されたりほめられたりしたことは何か
- ほかの人は大変そうなのに、自分は苦にならなかったことは何か
- 時間を忘れて取り組んだことは何か
たとえば「行事の進行表づくりをいつも頼まれる」なら段取りの力、「泣いている子がなぜか自分のところでは落ち着く」なら子どもの気持ちを受け止める力、「保護者からの相談をよく受ける」なら話しやすい雰囲気をつくる力が、強みとして見えてきます。強みは特別な才能ではなく、くり返し頼まれたり、自然にできていたりすることの中にあります。
見つけた強みを言葉にするときは、次のような表現が手がかりになります。
- 観察する力:子どもの表情や保護者の様子から、小さな変化に気づける
- 段取りを組む力:行事や日々の活動を、時間と人手から逆算して準備できる
- 受け止める力:泣いている子や不安な保護者の気持ちに寄り添える
- 伝える力:連絡帳やおたより、口頭で、相手に分かる言葉で説明できる
- つなぐ力:担任同士やパートさんとの間で、情報や役割を調整できる
言葉は借りものでかまいません。大切なのは、その言葉のあとに「たとえば」と続けて、自分の経験を一つ話せることです。
図3
| 場面 | よくある書き方 | 経験から作った書き方 |
|---|---|---|
| 子どもとの関わり | 子どもが好きで、笑顔を大切にしています | 例:泣いて登園する子が多い1歳児クラスで、一人ひとりの落ち着く関わり方を記録し、担任間で共有しました |
| 保護者との関わり | 保護者の方と信頼関係を築けます | 例:送迎時の短い会話を大切にし、年に30件ほどの個人面談では家庭の悩みを一緒に整理してきました |
| チームでの仕事 | 協調性があります | 例:新人2人の指導係として、週1回の振り返りの時間をつくり、質問しやすい関係づくりを心がけました |
| 行事や計画 | 行事を頑張りました | 例:運動会の進行表と係分担を作り、準備を勤務時間内に収める工夫をしました |
右側の書き方は、どれも棚卸しで書き出した事実がもとになっています。強みを表す言葉を先に決めてから経験を探すのではなく、経験から強みを見つけるほうが、話に説得力が生まれます。保育士の強みが保育以外の仕事でどう生きるかを知りたい人は、保育士のスキルと強みの生かし方も参考にしてください。
苦手なことも、裏返すと強みになる
「ピアノが苦手」「人前で話すのが苦手」といった苦手なことも、書き出しておくと役に立ちます。苦手なことを補うためにしてきた工夫が、強みになっていることがあるからです。ピアノが苦手だから手遊びや絵本のレパートリーを増やした、人前で話すのが苦手だから保護者会の資料を見やすく作り込んだ。苦手を補った工夫は、面接でも「自分の課題に向き合える人」として伝わります。
04大事にしたいことを言葉にする方法
要点:大事にしたいこと(価値観)は、うれしかった場面とモヤモヤした場面を3つずつ書き出し、その共通点を探すと言葉になります。モヤモヤは、大事にしたいことが守られなかった場面の裏返しです。
価値観を言葉にするのは、経験の棚卸しより難しい作業です。「何を大事にしていますか」と聞かれても、すぐには答えられないのが普通です。そこで、いきなり言葉を探すのではなく、場面から考えます。
- 保育士として働いてきた中で、うれしかった場面を3つ書く
- 反対に、モヤモヤした場面、納得できなかった場面を3つ書く
- それぞれの場面に、そのとき感じた気持ちを一言ずつ添える
- 6つの場面に共通している「大事にしているもの」を探す
- 「私は保育の中で、〜を大事にしたい」という一文にまとめる
モヤモヤした場面は、価値観の裏返し
モヤモヤした場面は、ただの不満ではありません。たとえば「発表会のために、子どもが嫌がっている練習を毎日続けさせた」ことにモヤモヤしたなら、その裏には「子どもの気持ちを大事にしたい」という価値観があります。「会議で書類の様式の話ばかりして、子どもの話ができなかった」なら、「職員同士で保育の話をしたい」という価値観が隠れています。モヤモヤを書くことに罪悪感を持つ必要はありません。
図4
- 1
一人ひとりとじっくり関わる
少人数や担当制で、一人の子の小さな変化を見逃さずにいたい
- 2
子どもが自分で選ぶ
一斉の活動より、子どもが遊びを選べる時間を大切にしたい
- 3
チームで話し合える
保育の方針や困りごとを、職員同士で話し合える環境で働きたい
- 4
保護者と一緒に育てる
保護者と信頼関係を築き、家庭と園で子どもを見守りたい
- 5
学び続ける
研修や新しい保育の考え方に触れながら、自分の保育を深めたい
- 6
自分の生活も守る
家族との時間や休日を確保し、長く続けられる働き方をしたい
価値観に良し悪しはありません。「自分の生活も守る」を一番に置くことは、保育への思いが足りないということではなく、長く保育を続けるための大事な条件です。カードの中から近いものを選ぶだけでもかまいませんが、できれば自分の言葉に言い換えてみてください。
価値観を、求人で確かめられる「条件」に置きかえる
価値観は、そのままでは求人票と比べられません。そこで、具体的な条件に置きかえます。「一人ひとりとじっくり関わる」なら、小規模保育や担当制の園、少人数のクラス。「子どもが自分で選ぶ」なら、保育方針に遊びの選択を掲げている園。「自分の生活も守る」なら、固定時間勤務、持ち帰りなし、年間休日の多さ、といった具合です。置きかえた条件が3つ以上になったら、優先順位をつけます。決め方は転職の希望条件の優先順位の決め方で紹介しています。
05相談事例:「保育をやめたい」と思っていたのに、棚卸しで見えたこと
要点:保育の仕事そのものをやめるつもりだった人が、経験の棚卸しで本当に大事にしたいことに気づき、保育士資格を生かせる別の職場を選んだモデルケースです。
子どもから離れていく自分が、嫌だった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- しんじさん(仮名)・38歳
- 保育士歴
- 15年目(相談当時)
- 勤務先
- 社会福祉法人の認定こども園(定員約150名)、幼児クラスのリーダー
- 家族
- 妻と小学生の子ども2人、地方の中核市で暮らす
- 変化
- 子どもと直接関わる時間 1日2時間ほど → 1日5時間ほど
編集部相談に来たときは、どんなことを考えていましたか。
保育の仕事自体をやめようと思っていました。リーダーになってから、会議と書類と、職員同士の調整ばかりで。子どもと関わるのは1日2時間あるかないか。家族もいるし、いっそ営業みたいな仕事に移ったほうがいいのかなって。自分には保育以外に何もないとも思っていて、そこも不安でした。
編集部自己分析は、どんなふうに進めたのですか。
15年分を1年ずつ書き出しました。全部で70個くらい、できごとが出てきたんです。相談員さんが「加配の子のときはどうでしたか」「個別の支援計画はどう作りましたか」って、保育の言葉のまま聞いてくれたので、説明に困ることがなくて。どんどん思い出せました。
編集部書き出してみて、何に気づきましたか。
うれしかった場面が、ほとんど同じ種類だったんです。発達がゆっくりな子が、半年かけてやっと友だちの輪に入れた日とか。個人面談で、お母さんが泣きながら「ここに来てよかった」って言ってくれた日とか。逆にモヤモヤしたのは、会議で様式の話ばかりして、子どもの話ができなかったときでした。保育が嫌になったんじゃなくて、一人ひとりとじっくり関われなくなったのがつらかったんだと、そこで分かりました。
編集部そこから、どう決めたのですか。
異業種に行くことも、止められはしませんでした。かといって、どこかを勧められたわけでもない。棚卸しの表を見ていたら、自分で「一人ひとりの育ちに、保護者と一緒に関わりたい」って言葉が出てきて。それで、保育士として働ける児童発達支援の事業所を探しました。面接では、加配の子への関わりの経験を、書き出した数字のまま話せました。
保育が嫌になったんじゃなくて、子どもから離れていく自分が嫌だったんだと分かりました。
しんじさん(仮名)
しんじさんは現在、児童発達支援の事業所で保育士として働いています。子どもと直接関わる時間は1日5時間ほどに増え、会議や書類にかける時間は週10時間ほどから4時間ほどに減りました。給与は前の園とほぼ同じ水準で、家族とも相談したうえで決めたそうです。
このケースで大事なのは、しんじさんが「保育をやめたい」という気持ちを、そのまま結論にしなかったことです。経験を棚卸しして、うれしかった場面の共通点を探したことで、本当に離れたかったのは保育ではなく、子どもと関われない働き方だったと分かりました。自己分析は、選択肢を広げるだけでなく、思い込みをほどく役目も果たします。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
子どもと直接関わる時間
会議と書類の時間
強みとして言えること
06自己分析を、求人選びと面接につなげる手順
要点:自己分析は、書き出して終わりにせず、条件に置きかえて求人と照らし合わせ、最後に面接で話せる形に整えるところまで進めます。2週間ほどを目安に、6つの手順で進めてください。
図6
経験を書き出す
4つの領域に分けて、年度ごとの担当や役割、できごとを書き出します
強みを3つ選ぶ
よく頼まれたこと、苦にならなかったことから、強みを表す言葉を3つ選びます
大事にしたいことを一文にする
うれしかった場面とモヤモヤした場面の共通点から、価値観を一文にまとめます
条件に置きかえる
価値観を、園の規模、働き方、保育方針などの具体的な条件に置きかえます
求人票と照らし合わせる
条件に合う求人を選び、見学や面接で確かめることを書き出します
1分で話せるようにする
強みと価値観をつなげ、面接で1分ほどで話せる自己PRにまとめます
志望動機は「価値観」と「応募先の特徴」をつなげる
志望動機で伝えたいのは、「なぜこの園なのか」です。ここで自己分析の価値観が生きてきます。「一人ひとりとじっくり関わりたい」という価値観があり、応募先が担当制をとっているなら、その2つをつなげるだけで、ほかの園には使い回せない志望動機になります。例文と組み立て方は保育士の志望動機の例文にまとめています。
職務経歴書には、棚卸しの数字をそのまま使う
職務経歴書には、棚卸しで書き出した経験を、数字を添えたまま書きます。年度ごとに担当クラスと人数、役割を並べ、最後に強みを3つ、具体的なエピソードとともに添えると、読み手にとって分かりやすい書類になります。書き方の詳細は保育士の職務経歴書の書き方を参考にしてください。
07自己分析に「正解」を求めすぎない
要点:自己分析は、正しい答えを見つける作業ではなく、今の自分を言葉にする作業です。完璧を目指さないこと、一人で抱え込まないこと、疲れ切っているときは無理をしないことを心がけてください。
1. 一度で完成させなくていい
自己分析は、一度書いたら終わりというものではありません。見学に行って「この園の雰囲気はいい」と感じたら、なぜそう感じたかを書き足す。面接で話してみてしっくりこなかったら、言葉を直す。転職活動を進めながら少しずつ更新していくものだと考えると、最初の一歩を気軽に踏み出せます。
2. 一人で考えると、見方が偏ることがある
自分のことは、自分がいちばん見えにくいものです。特に、疲れているときや自信をなくしているときは、できなかったことばかりが目に入ります。信頼できる同僚や家族に「私が得意なことって何だと思う?」と聞いてみると、自分では思いつかなかった答えが返ってくることがあります。保育の仕事を知っている第三者に話しながら棚卸しをすると、当たり前すぎて書き忘れていた経験に気づきやすくなります。
3. 心と体が疲れ切っているときは、掘り下げすぎない
過去を振り返る作業は、思った以上にエネルギーを使います。眠れない、食欲がない、出勤前に涙が出るといった状態が続いているときは、自己分析より休むことと受診を優先してください。言葉にして話すのがつらいときは、LINEで相談できる「こころの耳SNS相談」(平日17時〜22時、土日10時〜16時。祝日・年末年始は受付なし)もあります[2]。
自己分析は、転職のためだけでなく、これからの働き方を考えるための土台になります。経験の棚卸しは、人に質問してもらいながら進めると、一人のときよりずっと多くの場面を思い出せます。ほいくの相談室は、転職するかどうかを決める前の、自己分析の段階から話を聞いています。
よくある質問
自己分析には、どのくらい時間をかければいいですか?
経験の書き出しから自己PRのまとめまで、1日30分ほどの時間を取れば、2週間ほどが一つの目安です。一度に全部やろうとすると疲れてしまうので、今日は1年目から3年目まで、明日は4年目から、というように区切って進めると続けやすくなります。
書き出しても、強みが見つかりません。
強みは、自分で探すより周りの反応から見つかることが多いものです。よく頼まれたこと、感謝されたことを思い出してみてください。それでも見つからなければ、信頼できる同僚や家族に聞いてみるのも一つの方法です。「当たり前にやっていること」の中に、強みが隠れていることがよくあります。
ネットの適職診断や性格診断を使ってもいいですか?
考えるきっかけとして使うのはかまいません。ただし、診断の結果だけで転職先を決めるのは避けたほうが安心です。診断で出た言葉が、自分の経験のどの場面に当てはまるかを確かめてから使うと、面接でも自分の言葉として話せます。
ブランクがあっても、経験の棚卸しはできますか?
できます。ブランク前の保育士としての経験はもちろん、子育てや地域の活動、ほかの仕事で身についたことも、保育に生かせる経験です。ブランクの期間も「何をしていたか」を書き出しておくと、面接で聞かれたときに落ち着いて答えられます。
自己分析をしたら、転職しないほうがいいと思えてきました。
それも自己分析の大事な成果です。大事にしたいことが今の園で守れているなら、無理に転職する必要はありません。その場合は、今の園でさらに守りたいことや、来年度に向けて園に伝えたいことを整理しておくと、続ける理由がはっきりします。
参考にした資料
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。