保育士の働き方相談|方向性が決まらないときの整理の仕方

夜、子どもが寝たあとに求人サイトを開く。検索条件を「正社員」にして眺め、「パート」に切り替え、今度は「派遣」を押してみる。保育園だけでなく、学童、児童発達支援、企業内保育の求人も出てくる。どれもよさそうに見えるのに、どれも何か違う気がする。気づけば1時間たっていて、何も決まらないままスマホを閉じる。そんな夜が、もう何週間も続いている。

「今の働き方を変えたい」という気持ちははっきりしているのに、どう変えたいのかが分からない。こういう状態で相談に行っていいのか、何を話せばいいのか分からない、という声もよく聞きます。でも、方向性が決まっていない段階こそ、整理のしかたを知っておくと、迷う時間をぐっと短くできます。

この記事では、保育士が働き方や転職の方向性に迷う理由を整理したうえで、時間・お金・役割・場所という4つの軸で働き方を整理する方法と、雇用形態や職場の種類を選ぶときに知っておきたい制度の基本、方向性が決まっていない段階での相談の進め方を紹介します。

この記事でわかること

  • 保育士が働き方の方向性に迷う3つの理由
  • 時間・お金・役割・場所の4つの軸で働き方を整理する方法
  • 正社員・パート・派遣・保育園以外など、働き方ごとの特徴と制度の基本
  • 方向性を決めるための問いと、迷っている段階での相談の進め方

結論

保育士が働き方や転職の方向性に迷うのは、選べる働き方が多いうえに、「何を優先したいのか」がまだ言葉になっていないからです。方向性を決めるには、時間(勤務時間・シフト・休日)、お金(必要な収入・社会保険)、役割(担任・補助・専門性)、場所(園種・通勤)の4つの軸で、今の不満と譲れない条件を書き出します。そのうえで、一番変えたい軸と、変えたくない軸をはっきりさせると、選ぶべき働き方が2〜3つに絞れます。方向性が決まっていない段階でも相談はできるので、整理の途中から第三者に話すと早く進みます。

01働き方の方向性が決まらない3つの理由

要点:方向性が決まらない理由は、「選択肢が多すぎる」「いやなことは言えても、ほしいことが言葉になっていない」「生活の変化が重なっている」の3つが多くを占めます。理由が分かると、どこから整理すればよいかが見えてきます。

理由1:保育士の働き方は、選択肢がとても多い

保育士資格を活かせる職場は、認可保育所だけではありません。小規模保育事業や企業主導型保育事業、放課後児童クラブ(学童)、児童発達支援や放課後等デイサービス、病児保育など、施設の種類だけでも多くあります。たとえば放課後児童クラブでは、保育士は放課後児童支援員の要件の一つになっており[1]、児童発達支援や放課後等デイサービスでは、児童指導員または保育士を配置することになっています[2]。

これに、正社員、パート、派遣、公立園などで働く会計年度任用職員[3]といった雇用形態の違いが掛け合わさります。組み合わせの数が多いぶん、何を基準に選べばよいのかが分からなくなるのは自然なことです。

理由2:「いやなこと」は言えても、「ほしいこと」が言葉になっていない

「持ち帰りがいや」「遅番がつらい」「人間関係に疲れた」。いやなことは、毎日体験しているのですぐに言葉になります。一方で、「では、どんな働き方がしたいのか」と聞かれると、答えに詰まる人がほとんどです。いやなことを避けるだけで職場を選ぶと、別のいやなことが出てきたときに、また迷い直すことになりがちです。

理由3:生活の変化が重なっている

働き方を考え直すきっかけには、子育て、親の介護、自分の体力の変化、学び直しなど、生活の変化が関わっていることが多いものです。生活の変化はこれからも続くので、「今」だけでなく「数年後」の暮らしも考える必要があります。考える範囲が広がるほど、一人で整理するのは難しくなります。

たとえば「子どもが小学校に上がる」「親の通院の付き添いが増えた」「腰を痛めて乳児の抱っこがつらくなった」といった変化は、どれも時間・お金・役割・場所のいずれかの軸に影響します。どの変化がどの軸に響いているのかを書き出すだけでも、考えるべきことの範囲がはっきりしてきます。

02時間・お金・役割・場所の4つの軸で整理する

要点:働き方を考えるときは、時間・お金・役割・場所の4つの軸に分けて、それぞれ「今の不満」と「譲れない条件」を書き出します。4つに分けると、何を一番変えたいのかがはっきりします。

図1

時間

勤務時間、早番・遅番のシフト、土曜出勤、休日の数、残業や持ち帰り

例:18時までに帰りたい

お金

必要な月収・年収、賞与、社会保険、扶養の範囲

例:年収は今の9割以上

役割

担任かどうか、補助やフリー、リーダー、専門性を深めたい分野

例:担任は持たず子どもと関わる

場所

園種、園の規模、通勤時間、地域

例:車で30分以内

図1 働き方を整理する4つの軸

時間:1週間の「実際の」時間を書き出す

時間の軸では、就業規則に書いてある時間ではなく、実際に働いている時間を書き出します。早番7時の日が月に何回あるか、遅番で19時を過ぎる日が何回あるか、持ち帰りが週に何回あるか。1週間だけでも記録すると、「時間を変えたい」のか、「時間帯を変えたい」のかがはっきりします。

お金:「いくらほしいか」より「いくら必要か」

お金の軸では、理想の金額ではなく、暮らしに必要な最低ラインを書きます。家賃、子どもの教育費、貯金の目標などから逆算すると、「今の年収の何割までなら下がってもよいか」が見えてきます。最低ラインが分かると、パートや時短を選べるかどうかの判断がしやすくなります。

役割:「誰と、どう関わりたいか」を書く

役割の軸では、担任をしたいかどうかだけでなく、「乳児とじっくり関わりたい」「発達がゆっくりな子の支援を深めたい」「保護者の相談に乗る仕事が好き」のように、誰とどう関わりたいかを書きます。ここが、職場の種類を選ぶときの一番の手がかりになります。

場所:通勤時間は「毎日の時間」として考える

場所の軸では、通勤時間を1日の時間として考えます。片道30分と片道1時間では、1か月で20時間以上の差になることもあります。園の規模や園種も、場所の軸に入れて考えてください。

4つの軸に順番をつける

4つの軸を書き出したら、大切な順に1から4まで番号をつけてみてください。全部が同じくらい大切に見えても、「どれか一つだけ守れるとしたら」と考えると、意外とすぐに順番がつきます。たとえば、「1位:時間(18時までに帰る)、2位:役割(子どもとじっくり関わる)、3位:お金(今の9割以上)、4位:場所(車で30分以内)」のように並べます。

順番がつくと、求人や今の園での相談の場面で迷ったとき、「1位と2位を満たしていれば、4位は少し譲れる」という判断ができるようになります。順番は、暮らしの変化に合わせて変わってかまいません。半年後に見直すつもりで、今の順番を書いておきましょう。

多くの保育士が重視している条件

東京都の調査では、過去に保育士として働いた人が保育の仕事に戻る場合の希望条件として、1日の勤務時間、年収、片道の通勤時間、週の勤務日数を挙げる人が多くいました[4]。時間・お金・場所の3つの軸が、多くの人にとって大切な条件になっていることが分かります。

図2

保育の仕事に戻る場合の希望条件(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・過去就業経験者・上位4項目)[4]

勤務時間(1日)73.8%
給与等(年収)69.0%
通勤時間(片道)61.6%
勤務日数(週)57.3%
図2 保育の仕事に戻る場合の希望条件(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・過去就業経験者・上位4項目)[4]

03働き方ごとの特徴と、知っておきたい制度

要点:働き方ごとに、時間・お金・役割の特徴が違います。雇用形態を変えるときは、社会保険や扶養、有給休暇などの制度も合わせて確かめると、思わぬ損を防げます。

図3

働き方時間お金役割気をつけたいこと
正社員(担任)シフト制が多く、行事前は忙しい賞与や手当が出ることが多いクラスの保育と保護者対応の中心持ち帰りや残業の実態を確かめる
正社員(フリー・時間固定など)園によって固定時間の働き方もある担任より手当が少ない場合もある担任の補助、休憩の交代、加配など役割の範囲を事前に確かめる
パート曜日や時間を選びやすい時給制。社会保険と扶養の確認が必要担任の補助、朝夕の保育など有給休暇や社会保険の条件を確かめる
派遣契約で時間や期間が決まる時給制。派遣元との契約による派遣先の指示のもとで保育契約期間と更新の条件を確かめる
保育園以外の施設施設の種類によって大きく違う施設や法人によって違う学童、療育、病児保育など専門性が違う仕事内容と必要な研修を確かめる
図3 保育士の主な働き方と4つの軸の特徴

雇用形態ごとの違いは、正社員とパートどちらを選ぶかでも詳しく比べています。職場の種類ごとの違いは保育士の職場タイプの選び方にまとめています。

パートを考えるなら知っておきたい制度

パートで働くときに気になるのが、社会保険と扶養です。2026年10月1日から、短時間で働く人の社会保険の加入要件のうち、月額8.8万円以上という賃金の要件が撤廃されました。残る要件は、週の所定労働時間が20時間以上であること、学生でないこと、従業員51人以上の企業であることなどです[5]。企業の規模の要件は、2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上と、段階的に広がる予定です[6]。

家族の健康保険の扶養に入る場合は、年間収入が原則130万円未満であることなどが条件です[7]。所得税については、令和8年分から課税最低限が特例的に178万円に引き上げられています[8]。扶養の範囲で働くか、社会保険に入って働くかで手取りや将来の年金が変わるので、具体的には扶養内で働く条件も確かめてください。

パートでも、週の所定労働日数に応じて年次有給休暇がつきます。たとえば週4日勤務なら、6か月継続して働き、出勤率の要件を満たした時点で7日です[9]。

公立園などで非常勤として働く場合

自治体の保育所などで非常勤として働く場合は、会計年度任用職員として任用されることが多くあります。会計年度任用職員の制度は2020年4月1日に始まり、2024年4月1日からは、パートタイムの会計年度任用職員にも条例で勤勉手当を支給できるようになりました[3]。任用の期間や更新の扱い、手当の内容は自治体によって違うので、募集の案内で確かめてください。

子育て中なら、今の職場で使える制度も確かめる

3歳未満の子を育てる人について、事業主は1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務の制度を設けなければなりません[10]。2025年10月からは、3歳から小学校に入るまでの子を育てる人について、始業時刻の変更や短時間勤務など5つのうち2つ以上の措置を設け、働く人がその中から1つを選んで使えるようになりました[11]。転職の前に、今の職場でこうした制度が使えないかを確かめてみると、選択肢が一つ増えることがあります。

04方向性を決めるための問い

要点:4つの軸を書き出したら、「一番変えたいのはどの軸か」と「絶対に変えたくないのはどの軸か」を決めます。この二つが決まると、選ぶべき働き方はかなり絞れます。

図4

今いちばん変えたいのは、どの軸ですか

  1. 時間固定時間の正社員、遅番のない園、パート、平日中心の施設を検討する
  2. お金手当や賞与、処遇改善の仕組みを比べ、正社員での転職や今の園での交渉を検討する
  3. 役割担任以外の役割、専門性を深められる施設、法人内の異動を検討する
  4. 場所通勤時間の短い園、法人内の別の園、引っ越しを含めた転職を検討する
  5. 仕事の中身そのもの保育士資格を活かせる別の仕事や、保育以外の仕事も含めて考える
図4 一番変えたい軸から方向性を考える

「変えたくないもの」も必ず書く

変えたいものばかりを考えていると、今の職場のよいところまで手放してしまうことがあります。「今の園の同僚は好き」「乳児クラスはやりがいがある」「通勤10分は手放したくない」など、変えたくないものも書いておきましょう。変えたくないものが多いなら、転職ではなく、今の園で一部を変えてもらう相談から始めるのが近道かもしれません。

家族と共有しておきたい軸

時間とお金の軸は、家族の暮らしに直接関わります。帰宅時間が変われば夕食や送り迎えの分担が変わり、収入が変われば家計の見通しが変わります。方向性を絞る前に、「帰りが1時間早くなったら何ができるか」「収入がどこまで下がっても大丈夫か」を家族と話しておくと、あとで迷い直すことが減ります。役割や場所の軸は自分で決めてよい部分が多いので、家族とは時間とお金の軸から話すのがおすすめです。

2〜3つに絞ってから、求人を見る

方向性が2〜3つに絞れたら、そこで初めて求人を見ます。最初から全部の求人を見ると、条件の比較に疲れてしまいます。絞った方向性に合う求人だけを見ると、「この園はどの軸を満たしているか」を落ち着いて比べられます。

05ケースで見る:「何となく転職」が一つの方向に絞れるまで

要点:ここでは、毎晩求人を見ても決められなかった人が、4つの軸で整理したことで方向性を一つに絞り、保育園以外の施設へ移ったモデルケースを紹介します。

変えたいのは「時間」、変えたくないのは「関わり方」

相談事例(モデルケース)

お名前
きくさん(仮名)・39歳
保育士歴
17年目(相談当時)
勤務先
認定こども園(定員約150名)、3歳児クラス担任・正社員
変化
退勤が19時を過ぎる日 月8日 → 0日 / 見た求人 60件以上・応募0件 → 応募1件で決定

編集部相談する前は、どんな状態でしたか。

きくさん

遅番で19時を過ぎる日が月に8日くらいあって、土曜出勤も月2回。行事の前は持ち帰りもあって、正直くたくたでした。事務の仕事、派遣、パート、別の園。毎晩求人を見て、気になるものに印をつけるんですけど、60件以上見ても一つも応募できなかったんです。

編集部相談では、どんなふうに整理しましたか。

きくさん

時間・お金・役割・場所の4つに分けて書きました。時間は「18時までに帰る、土曜はできれば休み」。お金は、息子が来年大学受験なので「年収は今の9割以上」。役割は、加配の子の担当をしたときが一番楽しかったので「発達がゆっくりな子とじっくり関わりたい」。場所は「車で30分以内」。書いてみたら、こんなにはっきりしてたんだって驚きました。

編集部そこから、どう絞り込んだんですか。

きくさん

4つの軸で見ると、事務の仕事は役割が合わない、パートはお金が合わない、とすぐ分かりました。残ったのは、児童発達支援の施設と、同じ法人の別の園への異動。担当の方は「どちらが正解ということはないので、両方見てから決めましょう」と言ってくれて、急かされなかったのがありがたかったです。

編集部最終的に、どう決めましたか。

きくさん

児童発達支援の事業所を2か所見学して、1か所に応募しました。平日9時〜18時の勤務で、土曜は月1回。子ども一人ひとりとじっくり関われるのが、見学で実感できました。年収は少し下がりますけど、9割は超えていて、自分で決めた線の中です。

4つに分けたら、私が変えたいのは「時間」で、変えたくないのは「子どもとの関わり方」だって分かったんです。

きくさん(仮名)

きくさんは年度末で認定こども園を退職し、4月から児童発達支援の事業所で働いています。退勤は毎日18時までで、19時を過ぎる日はなくなりました。療育の考え方は一から学んでいる最中で、「17年の保育の経験が、思っていた以上に役に立っている」と話しています。

このケースのポイントは、求人を見る前に4つの軸で条件を言葉にしたことです。条件が決まると、60件以上の求人のほとんどが「自分には合わない」とすぐに判断できるようになりました。方向性が決まらないときは、求人の数を増やすより、軸を決めるほうが早く進みます。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

06方向性が決まっていない段階での相談の進め方

要点:方向性が決まっていなくても相談はできます。1回目で4つの軸を書き出し、2回目までに実際の時間を記録し、2回目で方向性を2〜3つに絞る。そのあとで見学や求人に進むのが、迷いを長引かせない進め方です。

図5

  1. 1回目の相談今の不満と、なんとなくの希望を話す。4つの軸に分けて書き出す
  2. 1〜2週間の記録実際の勤務時間、持ち帰り、疲れを感じた場面をメモする
  3. 2回目の相談記録をもとに、変えたい軸と変えたくない軸を決め、方向性を2〜3つに絞る
  4. 見学・情報集め絞った方向性に合う職場を見学し、実際の1日の流れを確かめる
  5. 3回目の相談見学で分かったことを整理し、続けるか、異動か、転職かを決める
図5 方向性が決まっていない段階での相談の流れ(例)

相談で聞かれることを、先に考えておく

働き方の相談では、次のようなことを聞かれることが多くあります。全部に答えられなくても大丈夫ですが、少し考えておくと相談がスムーズです。

  • 今の働き方で、一番つらいのはどんな場面ですか
  • 1週間のうち、何時から何時まで働いていますか
  • 暮らしに必要な収入は、月にどれくらいですか
  • これまでの保育で、一番やりがいを感じたのはどんなときですか
  • これだけは変えたくない、ということはありますか

見学では「1日の流れ」を確かめる

方向性が絞れて見学に行くときは、求人票では分からない1日の流れを確かめてください。何時に子どもが来て、何時に帰るのか。休憩はいつ、どこで取っているのか。書類や記録はいつ書いているのか。遅番の人は何時に帰っているのか。4つの軸のうち一番大切な軸について、見学のときに一つでも具体的に確かめられれば、判断の材料としては十分です。保育園以外の施設なら、保育園とどこが違うのかを、職員に率直に聞いてみてもよいでしょう。

相談先は「求人の前に整理してくれるか」で選ぶ

方向性が決まっていない段階では、求人の紹介が中心の相談先より、整理から付き合ってくれる相談先が向いています。これまでの経験を振り返るところから始めたい人は、保育士のキャリア相談とキャリアの棚卸しも参考にしてください。相談先の種類と選び方は保育士の転職相談先の選び方にまとめています。

07方向性を決めるときに、忘れないでほしいこと

要点:一度決めた方向性も、生活の変化に合わせて変えてかまいません。そして、理想の働き方がいつも求人の中にあるとは限らないことも、知っておいてください。

1. 一度決めた方向も、あとで変えられる

「この働き方を選んだら、もう戻れない」と思うと、決めることが怖くなります。でも、働き方は何度でも選び直せます。子どもが大きくなったら正社員に戻る、体力が落ちてきたら時間を短くする、学びたいことができたらパートにする。そのときどきの暮らしに合わせて選び直す前提で考えると、今の決断が少し軽くなります。4つの軸のメモは、次に選び直すときの出発点としても使えるので、捨てずに残しておいてください。

2. 理想の働き方が、今ある求人にあるとは限らない

4つの軸をすべて満たす求人が、今すぐ見つかるとは限りません。そんなときは、優先順位の低い軸を少しゆるめるか、今の園で一部を変えてもらうよう相談するか、時期をずらして探すかを考えます。完璧な求人を待ち続けるより、譲れない軸を一つ守れる働き方を選ぶほうが、結果的に満足しやすいものです。

働き方を一人で整理するのは、思っている以上に時間がかかります。ほいくの相談室では、転職すると決めていない段階で、働き方の方向性を一緒に整理する相談も受けています。

よくある質問

どんな働き方がしたいのか分からなくても、相談していいですか?

相談してかまいません。分からないからこそ、人に話して整理する意味があります。「何を変えたいのか分からない」とそのまま伝えれば、相談員が質問しながら、時間・お金・役割・場所などの軸に分けて整理を手伝ってくれます。

正社員からパートに変えると、損をしますか?

収入が減ることが多い一方で、時間の自由度は高くなります。社会保険は、2026年10月から賃金の要件がなくなり、週20時間以上で従業員51人以上の企業などであれば加入の対象になります[5]。扶養や将来の年金も含めて、自分にとって何を優先するかで判断してください。

保育園以外の職場も気になりますが、経験がなくても大丈夫でしょうか?

学童や児童発達支援などでは、保育士資格が配置の要件の一つになっている施設もあります[1][2]。ただし、仕事内容や求められる知識は施設によって違います。見学で1日の流れを確かめ、入職後の研修があるかを聞いておくと安心です。

方向性を決めるまで、どれくらい時間をかけてよいですか?

決まった期間はありませんが、目安として1〜2か月で2〜3つに絞ることを目標にすると、迷い続けることを防げます。行事や年度の区切りに合わせて「この日までに決める」と期限を決めておくと、考えがまとまりやすくなります。

今の園で働き方を変えてもらうことはできますか?

園や法人によりますが、担当クラスや役割、シフトの組み方を相談できることがあります。子育て中なら、短時間勤務などの制度が使える場合もあります[10]。転職の前に、変えてほしいことを一つに絞って園長に相談してみる価値はあります。

働き方を変えたいと思うのは、わがままでしょうか?

わがままではありません。暮らしや体力、やりたいことは年齢とともに変わるので、働き方を見直すのは自然なことです。長く保育の仕事を続けるためにこそ、無理のない形を選ぶという考え方もあります。

参考にした資料

  1. 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 第10条
  2. 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第5条・第66条
  3. 総務省「地方自治法の一部を改正する法律について(会計年度任用職員制度関係)」(2023年5月30日)
  4. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  5. 日本年金機構「2026(令和8)年10月に…賃金要件が撤廃されました」
  6. 厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト「社会保険加入の要件」
  7. 日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき…」
  8. 財務省「特集 令和8年度 税制改正(国税)等について」
  9. 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
  10. 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし(令和7年4月1日、10月1日施行対応)」
  11. 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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