散歩に出る前の玄関。帽子をかぶらずに廊下を走り回る子、靴を片方だけ履いて座り込む子、友だちの靴を持って逃げる子。「〇〇くん、帽子かぶって」「座って待ってて」。3回目には自分でも驚くほど大きな声が出ていて、子どもたちは一瞬止まるけれど、すぐにまた走り出す。そこへ隣のクラスのベテランの先生が来て、静かに「お散歩に行く人は、靴を履いてここに座れるかな」と言うと、子どもたちがすっと動き出す。
その姿を見て、「私の言うことだけ聞いてくれない」と落ち込んだことはありませんか。子どもが言うことを聞かないと、保育士としての力が足りないように感じてしまいます。けれど、ベテランの先生と自分の違いは、声の大きさや迫力ではありません。多くの場合、言葉の選び方と、声をかける前の準備の違いです。
この記事では、子どもが言うことを聞かないと悩んでいる保育士の方に向けて、聞かない理由の見分け方と、伝わる声かけに変えるコツ、場面別・年齢別の声かけの例をまとめました。声かけの前に見直したい環境や活動の流れについても紹介しています。
この記事でわかること
- 子どもが保育士の言うことを聞かないときに考えたい4つの理由
- 伝わる声かけに変える4つのコツと、言い換えの例
- 片付け・午睡・散歩・集まりなど、場面別の声かけ
- 年齢による伝わり方の違いと、声かけより先に見直したい環境
結論
保育士の言うことを子どもが聞かないとき、多くは子どもに聞く気がないのではなく、何をすればいいか分からない、今の遊びから気持ちを切り替えられない、気持ちを受け止めてもらえていない、注目してほしい、のいずれかが背景にあります。声かけを「短く・肯定形で・具体的に・予告して」に変え、活動の流れや環境を整えると、言葉が届きやすくなります。大きな声や強い言葉で動かそうとするほど、子どもは言葉の中身ではなく声の大きさに反応するようになります。声を大きくする前に、伝え方と環境を見直すことが近道です。
01子どもが言うことを聞かないときに考えたい4つの理由
要点:子どもが言うことを聞かない理由は、主に「分からない」「切り替えられない」「気持ちを受け止めてほしい」「注目してほしい」の4つです。理由によって効く関わり方が違うため、まずはどれに近いかを見極めます。
同じ「言うことを聞かない」でも、子どもの中で起きていることは一人ひとり違います。理由を考えずに声かけを繰り返すと、届かない言葉ばかりが増えて、保育士も子どもも疲れてしまいます。
図1
分からない
何をすればいいのか、どこまでやればいいのかが伝わっていない。「ちゃんとして」「早く」など、言葉があいまいなときに起きやすい
具体的に伝える
切り替えられない
今の遊びが楽しく、次の活動に気持ちが向かない。急に終わりを告げられたときに起きやすい
予告する
気持ちを受け止めてほしい
眠い、悲しい、悔しいなど、気持ちがいっぱいで指示が入らない。気持ちより先に指示が来たときに起きやすい
気持ちを言葉にする
注目してほしい
叱られることも含めて、大人に見てほしい。望ましくない行動のときだけ声をかけられていると起きやすい
良い行動に注目する
たとえば片付けの時間に動かない子がいたとき、「何を片付けるのか分からない」のか、「ブロックの続きをしたい」のか、「眠くて体が動かない」のか、「先生に見てほしい」のかで、かける言葉は変わります。最初は見分けがつかなくてもかまいません。「この子はどれだろう」と考える習慣があるだけで、声かけの選択肢が増えます。
理由を見分けるための観察メモ
理由を見分けるには、言うことを聞かなかった場面を3つほどメモしてみるのが近道です。書くのは「いつ、どの活動からどの活動への切り替えで、どんな声かけをしたら、どうなったか」の4つだけです。1週間ほど続けると、「午睡明けにいつも動けない」「集まりの前の待ち時間に崩れる」など、その子に共通する場面が見えてきます。場面が分かれば、声をかけるタイミングを変える、その場面だけ個別に関わるなど、手の打ち方がはっきりします。メモは保育記録やクラスの打ち合わせにも使えます。
「聞かない」のではなく「聞こえていない」こともある
クラス全体に向けた声かけは、子どもにとって「自分に言われている」と感じにくいものです。特に3歳前後までは、集団への言葉を自分のこととして受け取るのが難しい時期です。全体に声をかけたあと、動いていない子のそばに行き、目線を合わせて名前を呼んでから伝えると、すっと動けることがあります。
遊びに夢中になっている子は、本当に声が耳に入っていないこともあります。遠くから大きな声で呼ぶより、近くに行って肩にそっと触れ、「〇〇ちゃん」と呼んでから話しかけるほうが届きます。
02伝わる声かけに変える4つのコツ
要点:伝わる声かけのコツは「短く」「肯定形で」「具体的に」「予告して」の4つです。今使っている言葉を一つずつ言い換えていくと、同じ内容でも子どもの反応が変わります。
保育士の声かけは、忙しい場面ほど「早く」「ダメ」「ちゃんとして」になりがちです。どれも大人には意味が通じますが、子どもにとっては何をすればいいかが分からない言葉です。
図2
| 場面 | 伝わりにくい声かけ | 伝わりやすい声かけ |
|---|---|---|
| 走り回る | 「走らないで」 | 「歩こうね」 |
| 片付け | 「ちゃんと片付けて」 | 「赤いブロックを、この箱に入れてね」 |
| 急いでほしい | 「早くして」 | 「長い針が6になったら、お部屋に戻るよ」 |
| 高い所に登る | 「危ないでしょ」 | 「足は床に下ろそうね」 |
| 大きな声で騒ぐ | 「うるさい」 | 「ありさんの声で話してみよう」 |
| 並ぶ | 「ちゃんと並んで」 | 「〇〇くんの後ろに立ってね」 |
| 食事中に立つ | 「座りなさい」 | 「おしりを椅子にくっつけて食べようね」 |
| 遊びを終える | 「もうおしまい」 | 「あと1回すべったら、お部屋に戻ろうね」 |
1. 短く伝える
子どもが一度に受け取れる言葉の量は、大人が思うより少ないものです。「お外から帰ってきたから、手を洗って、うがいをして、タオルで拭いてから椅子に座ってね」と一度に伝えると、最初の「手を洗う」しか残らないことがあります。一つの声かけに一つの行動を目安にし、終わったら次を伝えます。
2. 肯定形で伝える
「走らないで」と言われた子どもの頭に残るのは「走る」という言葉です。「歩こうね」と、してほしい行動をそのまま言葉にすると、子どもは何をすればいいかがすぐに分かります。禁止の言葉をゼロにする必要はありませんが、命に関わる場面以外は、肯定形に言い換えられないかを考えてみてください。
3. 具体的に伝える
「ちゃんと」「きれいに」「いい子で」は、大人によって中身が違う言葉です。子どもには、何を、どこに、どのくらい、が見える言葉で伝えます。「きれいに片付けて」ではなく「ブロックを箱に入れて、ふたを閉めてね」と言えば、子どもは終わりが分かります。
4. 予告して伝える
楽しい遊びを急に終わらされると、大人でも気持ちを切り替えるのは難しいものです。「あと〇回」「時計の針がここまで来たら」と、終わりの見通しを前もって伝えておくと、子どもは心の準備ができます。予告は一度だけでなく、5分前、1分前と段階的にするとさらに伝わりやすくなります。
03場面別の声かけ例
要点:場面ごとに使う声かけを決めておくと、忙しいときにも迷わずに済みます。クラスの職員で同じ言葉を使うと、子どもは誰に言われても同じように動けるようになります。
図3
- 1
片付け
「お片付けの歌が終わるまでに、ブロックをお家に帰してあげよう」。終わりの合図と、何をどこに戻すかをセットにする
- 2
着替え・排泄
「次はズボンをはこうね」。一つずつ順番に伝え、できたところで「ズボン、はけたね」と言葉にする
- 3
午睡
「お布団でごろんして、目をつぶってみようか」。眠ることを強いず、横になることを目標にする
- 4
散歩・道路
「白い線の内側を歩くよ」。命に関わる場面は短く、はっきり、肯定形で伝える
- 5
集まり
「先生の手、何本に見える?」。話を始める前に、子どもの注意を楽しく集めてから話す
- 6
友だちとのトラブル
「使いたかったんだね。でも叩くと痛いよ。『貸して』って言ってみよう」。気持ち→行動→代わりの言葉の順
クラスで言葉をそろえる
同じ場面でも、担任は「お片付け」、フリーの先生は「もうおしまい」、遅番の先生は「戻して」と言葉がばらばらだと、子どもは混乱します。クラスの職員で、片付け、手洗い、集まりの合図など、よく使う場面の言葉をそろえておくと、誰が声をかけても同じように伝わります。週案の打ち合わせや、職員の引き継ぎのときに、使う言葉を一言確認するだけでも効果があります。
良い行動のときこそ声をかける
言うことを聞かない子ほど、注意される場面でしか名前を呼ばれていないことがあります。片付けを少しでも手伝ったとき、静かに座っていられたときに「〇〇くんが座ってくれたから、お話が始められるね」と声をかけると、子どもは「こうすれば先生が見てくれる」と学びます。注意の回数を減らすより、良い行動に気づいて言葉にする回数を増やすほうが、結果的にクラス全体が落ち着いていきます。
04年齢によって変わる、言葉の伝わり方
要点:子どもに言葉が届く形は、年齢によって大きく変わります。0〜1歳は言葉より動きと表情、2歳は短い言葉と選択肢、3歳以上は理由と見通しが伝わるようになります。
同じ声かけでも、1歳児クラスと5歳児クラスでは届き方がまったく違います。担当する年齢に合った伝え方を知っておくと、「言うことを聞かない」と感じる場面が減ります。
図4
- 0〜1歳言葉よりも、保育士の表情、声のトーン、動きで伝わる。一緒にやって見せることが何よりの声かけになる
- 2歳短い言葉なら伝わるが、「自分で」の気持ちが強い。「赤い靴と青い靴、どっちにする?」と選ばせると動きやすい
- 3歳理由を添えると納得しやすくなる。「お外は寒いから、上着を着ようね」のように、短い理由を一つ添える
- 4〜5歳見通しやルールが分かるようになる。活動の流れを先に伝え、自分たちで決める場面をつくると力を発揮する
0〜1歳児は「やって見せる」がいちばんの声かけ
0〜1歳児クラスでは、言葉で動かそうとするより、保育士がやって見せるほうが早く伝わります。手を洗ってほしいときは、保育士が先に手洗い場に行って「じゃぶじゃぶ」と言いながら手を動かす。片付けてほしいときは、「ないない」と言いながら一緒におもちゃを箱に入れる。子どもは大人のまねをしながら、言葉と行動を結びつけていきます。言うことを聞かないと感じたら、言葉の数を減らし、動きを大きくしてみてください。
2歳児の「イヤ」とのつき合い方
2歳前後の「イヤ」は、言うことを聞かないのではなく、「自分で決めたい」という育ちの表れです。「着替えて」と言うと「イヤ」と返ってきても、「どっちのシャツにする?」と聞くと選んで着替え始めることがあります。大人が決めたことを、子どもが選べる形にして渡すのがこつです。
4〜5歳児は「話し合い」が力になる
4〜5歳になると、ルールの意味が分かり、友だちと話し合うこともできるようになります。保育士が一方的にルールを伝えるより、「お部屋で走ると、どうなっちゃうかな」と問いかけ、子どもたちに考えてもらうほうが、ルールが自分たちのものになります。自分たちで決めたルールは、保育士が何度も言わなくても子どもどうしで守ろうとします。
05声かけより先に見直したい、環境と活動の流れ
要点:子どもが言うことを聞かない場面の多くは、待ち時間が長い、次に何をするか見えない、動線が混み合うといった環境から生まれます。声かけを工夫する前に、場面そのものを変えられないかを確かめます。
散歩前の玄関で子どもたちが走り回るのは、全員の準備が終わるまでの待ち時間に、することがないからかもしれません。集まりで座っていられないのは、全員がそろうまでの時間が長すぎるからかもしれません。声かけで解決しようとするより、待ち時間そのものを短くするほうが、子どもにも保育士にも負担が少なくなります。
図5
- 活動の切り替えで、何もせずに待つ時間が長くないか待ち時間は、走り回る、けんかになるなどのきっかけになりやすい
- 次に何をするかが、子どもに見えているか絵や写真で一日の流れを示すと、見通しが持ちやすくなる
- 動線が一か所に集中していないか手洗い場や玄関に全員が一度に集まると混乱が起きやすい
- グループに分けて順番に動けないか少人数ずつ動くと、一人ひとりに声が届きやすくなる
- 集まりを始める合図が決まっているか毎回同じ歌や手遊びで始めると、子どもが自然に集まりやすい
- 職員の役割分担が決まっているか誰が全体に話し、誰が個別に関わるかが決まっていると混乱が減る
一人で何人の子どもに声を届けているか
保育所の保育士の配置の最低基準は、4歳以上児でおおむね25人につき1人以上、3歳児でおおむね15人につき1人以上とされています[1]。4・5歳児は2024年度に30人につき1人から25人につき1人に改善されましたが、経過措置として当分の間は従前の基準での運営も認められています[2][3]。
つまり幼児クラスの担任は、20人を超える子どもに一人で声を届けている場面も少なくありません。その状況で全員が一度に動かないのは、保育士の力量だけの問題ではありません。活動の流れを工夫しても難しい場面が続くなら、フリーの保育士に入ってもらう時間帯を相談するなど、体制の面から園と話し合うことも必要です。
06相談事例:初めての4歳児担任で、怒ってばかりだった保育士
要点:子どもが言うことを聞かないと悩んでいたモデルケースです。声の大きさで動かそうとしていた関わり方を、言葉と流れの見直しで変えていきました。
「大きな声を出さなくても、子どもは動ける」と知った日
相談事例(モデルケース)
- お名前
- みゆさん(仮名)・26歳
- 保育士歴
- 4年目(相談当時)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約100名)、4歳児クラス担任(園児24名、時間帯によりフリー保育士が入る)
- 変化
- 1日に大きな声を出す回数 10回以上 → 2〜3回、集まりで全員が座るまで 約15分 → 約5分
編集部相談に来たとき、どんな状態でしたか。
初めての4歳児の担任で、毎日怒ってばかりでした。集まりで座らない、片付けをしない、散歩の前は玄関が大騒ぎ。家に帰ると「今日も一日中怒鳴ってた」って、自己嫌悪で眠れない日が週に4〜5日ありました。私、保育士に向いてないのかなって。
編集部どんなことから見直しましたか。
主任に一日保育を見てもらって、私の声かけを書き出してもらったんです。そうしたら「早く」「ダメ」「ちゃんとして」がすごく多くて。自分では全然気づいていなかったので、正直ショックでした。でも、主任が「言葉を変えればいいだけだよ」と言ってくれて、少し気が楽になりました。
編集部具体的には、何を変えましたか。
「早く」をやめて、「時計の長い針が6になったら」と言うようにしました。それと、集まりの前の待ち時間に、毎回同じ手遊びをすることにしたんです。手遊びが始まると、子どもたちが自分から集まってくるようになって。散歩の前は、グループごとに玄関に行くようにしたら、走り回る子がほとんどいなくなりました。
編集部子どもたちとの関係は変わりましたか。
片付けを手伝ってくれた子に「ありがとう、助かった」って言うようにしたら、次の日から手伝ってくれる子が増えたんです。怒る回数が減ったら、子どもたちの笑った顔をちゃんと見られるようになりました。今は、保育が前より楽しいです。
子どもが変わったんじゃなくて、私の言葉が子どもに届く形になったんだと思います。
みゆさん(仮名)
みゆさんはその後、クラスの職員と相談し、片付けや集まりの合図の言葉をそろえました。大きな声を出すのは、道路に飛び出しそうになったときなど、安全に関わる場面だけにしているそうです。自己嫌悪で眠れない日は、週に1日あるかないかまで減りました。
このケースから持ち帰れるのは、言うことを聞かない原因を子どもの性格に求めず、自分の言葉と活動の流れを点検したことです。自分の声かけを客観的に見るのは一人では難しいため、主任や同僚に見てもらうことが大きな助けになりました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図6
1日に大きな声を出す回数
集まりで全員が座るまで
自己嫌悪で眠れない日
07声かけだけで解決しようとしないでほしい理由
要点:声かけを工夫しても伝わりにくい子もいれば、保育士一人では支えきれない場面もあります。言葉の工夫に限界を感じたら、自分を責めるのではなく、園の中で相談する合図だと考えてください。
1. 伝わりにくさの背景に、発達の特性があることもある
どんなに声かけを工夫しても、指示が入りにくい、気持ちの切り替えがとても難しい子もいます。その背景に、発達の特性や個人差がある場合もあります。保育士が判断するのではなく、日々の様子を記録し、園の中で共有することが大切です。発達の個人差や配慮が必要な子への関わり方は発達の個人差や配慮が必要な子への対応で詳しく紹介しています。
2. 強く言ってしまうことが続くなら、一人で抱えない
疲れているとき、余裕がないときには、思った以上に強い言葉が出てしまうことがあります。それが続くと、保育士自身も苦しくなります。2025年10月からは、保育所等の職員による虐待について、通報義務などの仕組みが施行されています[4]。不適切な関わりを防ぐのは、一人の保育士の我慢ではなく、園全体で余裕のある体制を整えることです。強く言ってしまう自分に悩んでいるなら、子どもに強く言ってしまうときの対処法も読んでみてください。
3. 「向いていない」と結論を急がない
子どもが言うことを聞かない日が続くと、保育士に向いていないのではと考えてしまいます。けれど、声かけは経験と工夫で変えられる技術です。うまくいかないのは、まだ自分に合った言葉や方法に出会っていないだけかもしれません。新人や若手の時期に感じやすい「向いていない」という気持ちについては向いていないと感じるときの考え方で整理しています。保育そのものに自信が持てないときは保育に自信がないときの根拠の持ち方も参考になります。
4. 保護者に伝えるときは、困った行動だけを並べない
言うことを聞かない子のことを保護者に伝えるとき、困った場面だけを並べると、保護者は「うちの子が迷惑をかけている」と受け取り、家で強く叱ってしまうこともあります。伝えるときは、園でどんな工夫をしていて、どんな場面ならできているかをセットにします。「片付けは、時計で予告すると自分から始められるようになってきました」のように伝えると、保護者も家での関わりのヒントにできます。保護者への伝え方そのものに悩んでいるなら保護者対応がつらいときの伝え方の工夫も参考にしてください。
保育の悩みは、園の中だけで話しにくいこともあります。ほいくの相談室では、転職を考えていない段階でも、子どもとの関わり方の悩みを聞いています。保育を知る人に話すだけで、自分の関わりを少し離れた場所から見直せることがあります。
よくある質問
何度言っても聞かない子には、どうすればいいですか?
同じ言葉を繰り返すほど、子どもには届かなくなります。まずはそばに行って目線を合わせ、名前を呼んでから、短く具体的に伝えてみてください。それでも難しい場合は、理由が「分からない」「切り替えられない」「気持ちがいっぱい」「注目してほしい」のどれかを考え、関わり方を変えます。
叱らないと、子どもが言うことを聞かなくなりませんか?
危険な場面では、短くはっきり止めることが必要です。ただ、日常の場面で叱ることが中心になると、子どもは叱られないために動くようになり、保育士がいないところでは行動が変わらないこともあります。望ましい行動をしたときに気づいて言葉にするほうが、行動は定着しやすくなります。
ほかの先生の言うことは聞くのに、私の言うことだけ聞きません。
子どもは、保育士ごとの言葉の選び方や、声をかけるタイミングの違いに敏感です。言うことを聞いてもらえている先生の声かけを、言葉と順番に注目して観察してみてください。言葉をクラスでそろえることも効果があります。
集まりで座っていられない子が何人もいます。
集まりまでの待ち時間が長くないか、話の時間が子どもの年齢に対して長すぎないかを見直してみてください。毎回同じ手遊びで始める、全員がそろう前に始めるなど、待ち時間を短くする工夫で落ち着くことがあります。
大きな声を出してしまったあと、どうすればいいですか?
落ち着いてから、「さっきは大きな声を出してびっくりさせたね」と子どもに伝えると、関係を立て直しやすくなります。大きな声を出した場面を振り返り、待ち時間や流れなど、次に変えられることを一つ見つけておくと、同じ場面が減っていきます。
声かけを変えても、すぐには変わりません。
子どもが新しい言葉や流れに慣れるまでには、数週間かかることも珍しくありません。同じ言葉と流れを続けることで、子どもは見通しを持てるようになります。2〜3週間続けてから、変化を振り返ってみてください。
参考にした資料
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項
- こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
- こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
- こども家庭庁「児童福祉法等の一部を改正する法律(令和7年法律第29号)の概要」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。