保育士の産休復帰がつらい時の整え方|妊娠中と転職の判断

朝7時半、慣らし保育で泣くわが子を保育園の先生に預けて、そのまま自分の勤める園へ向かう。エプロンをつけたら、今度はよその子の涙を受け止める。産休・育休から戻ったばかりの保育士が、最初の数週間に何度も味わう場面です。

復帰前は「慣れた仕事だから大丈夫」と思っていた人ほど、戸惑いは大きくなりがちです。抱っこで腰が痛む。わが子の発熱で呼び出されるたびに、同僚の表情が気になる。休んでいる間に変わった書式や登降園アプリについていけない。一つひとつは小さなことでも、重なると「もう前みたいには働けないのかも」と思えてきます。

この記事では、産休明けの復帰がつらくなる理由を4つに分けて整理し、復帰後3か月の過ごし方、確認しておきたい制度、妊娠中のつらさへの向き合い方、妊娠や出産を機に職場を変えるかどうかの考え方までをまとめました。つらさの正体が見えると、我慢するところと、相談して変えてもらうところの線が引けるようになります。

この記事でわかること

  • 産休明けの復帰がつらくなる4つの理由と、それぞれの手の打ち方
  • 復帰1か月前から復帰後3か月までに、やっておきたいこと
  • 子育て中の保育士が使える短時間勤務や休暇などの制度と、確認先
  • 妊娠中に仕事がつらいときの伝え方と、妊娠を機に転職するかの判断軸

結論

保育士が産休・育休明けの復帰をつらく感じるのは、体力、時間、気持ち、職場の4つの変化が同時にやってくるからです。まずは復帰後の3か月を「新しい働き方を試す期間」と考え、短時間勤務や子の看護等休暇などの制度[1]を確かめたうえで、担当クラスやシフトの希望を数字で園へ伝えてください。妊娠中のつらさは体調を最優先にし、避けたい業務を早めに相談します。それでも働き方が合わないときは、妊娠・出産を機に職場を変えることも選択肢になりますが、制度を使える条件と時期を確かめてから決めるほうが、あとで困りにくくなります。

01産休明けの復帰がつらいのは、4つの変化が同時に来るから

要点:復帰後のつらさは「体」「時間」「気持ち」「職場」の4つに分けられます。どれがいちばん重いかによって、最初に手を打つところが変わります。

復帰して1か月ほどたつと、「何がつらいのか自分でもよく分からないけれど、とにかくしんどい」という状態になる人が少なくありません。出産前と同じ仕事をしているのに、使える体力と時間の量が変わっているからです。まずは、つらさを4つのマスに分けてみてください。

図1

体の変化

夜中の授乳や夜泣きで睡眠が細切れになり、疲れが抜けない。抱っこや床からの立ち上がりで腰や手首が痛む

配置や休憩の取り方で軽くできる

時間の変化

お迎えの時刻が決まり、残業や持ち帰りができない。夜は寝かしつけで終わってしまう

制度とシフトの相談で変えられる

気持ちの変化

わが子の発熱で休むたびに申し訳なさが募る。子どもを預けて働くことへの迷いが消えない

書き出す、人に話すことで軽くなる

職場の変化

書式やアプリ、職員の顔ぶれ、クラスの方針が変わっていて、置いていかれた気がする

時間がたつと慣れることが多い

図1 産休明けのつらさを4つに分ける

4つのうち、職場の変化は時間が解決してくれることが多い部分です。新しい登降園アプリの操作や、変わった指導計画の書式は、2〜3か月使えば手が覚えます。分からないことはその日のうちに聞き、メモを残しておくと、同じことを何度も聞く気まずさも減ります。

一方で、時間の変化は、待っていても楽になりません。お迎えの時刻は毎日決まっていますし、わが子の生活リズムは自分の都合では動かせないからです。遅番の回数、行事の準備、連絡帳を書く時間など、働き方そのものを変えないと、つらさは積み重なっていきます。

「慣れれば楽になる」ものと「慣れても変わらない」もの

復帰直後に「最初はみんなこんなものだよ」と声をかけられることがあります。半分は正しく、半分は違います。慣れで楽になるのは、仕事の手順や職場の空気といった覚えれば済むものです。慣れても変わらないのは、勤務時間、シフト、持ち帰りの量といった仕組みで決まっているものです。

体の変化は、その中間にあります。睡眠不足や腰の痛みは、わが子の夜泣きが落ち着けば軽くなることもありますが、抱っこの多い乳児クラスに入っている限り負担は続きます。低い椅子を使って床からの立ち上がりを減らす、午睡チェックの姿勢を交代制にするなど、道具と配置で減らせる部分もあるので、我慢する前に一度相談してみてください。

書き出したつらさが「仕組み」に偏っているなら、「もう少し頑張れば慣れる」と自分に言い聞かせ続けるより、園に相談したほうが早く楽になります。気持ちの変化については、わが子の体調不良で休むことを「迷惑」と考えすぎないことも助けになります。子育て中の職員が休むことは、どの園でも起こる前提の出来事です。前提として組み込まれていない職場なら、それは個人の問題ではなく体制の問題です。

02復帰後の最初の3か月をどう過ごすか

要点:最初の3か月は「前と同じ働き方に戻す期間」ではなく「新しい働き方を試す期間」です。復帰前の面談で希望を伝え、1か月ごとに振り返ると、無理が積み重なりにくくなります。

図2

  1. 復帰の1か月前園長との面談を申し込み、勤務時間、担当クラス、早番・遅番の回数について希望を伝える
  2. 復帰の2週間前わが子の預け先の開所時間、送迎の分担、急な発熱のときに誰が迎えに行くかを家族と決める
  3. 復帰の初週新しい書式やアプリ、職員の顔ぶれを確認する。分からないことはその日のうちに聞く
  4. 復帰1か月疲れ方、睡眠、呼び出しの回数、残った仕事をメモで振り返り、続けられない点を一つ選ぶ
  5. 復帰2か月メモをもとに、シフトや担当、書類の時間をもう一度相談する
  6. 復帰3か月今の働き方で続けられるかを考える。制度の利用や職場を変えることも選択肢に入れる
図2 復帰1か月前から復帰後3か月までの流れ

復帰前の面談で伝えたい3つのこと

復帰前の面談は、復帰後の働き方を決めるいちばんの機会です。次の3つは、具体的な数字で伝えてください。

  1. 何時から何時まで働けるか(わが子の預け先の開所時間と送迎にかかる時間から逆算する)
  2. 早番・遅番、土曜保育に入れる回数(「遅番は週1回まで」「19時以降は入れない」など)
  3. 担当クラスの希望と、行事のリーダーなど負担の大きい役割をどこまで引き受けられるか

「できる範囲で頑張ります」とだけ伝えると、出産前と同じ量の仕事が割り振られがちです。園長に悪気はなくても、言葉にされていない事情はシフトに反映されません。逆に、数字で伝えておくと、園も配置を組み立てやすくなります。

1か月目の振り返りは「メモ」で行う

復帰して1か月たったら、1週間分の記録を見返してみてください。記録といっても、手帳に「呼び出し1回」「連絡帳を家で20分」「22時に寝落ち」と書く程度で十分です。気持ちだけで「つらい」と伝えるより、「呼び出しが月に3回あり、そのたびに残りの書類を家でやっています」と伝えるほうが、相談された側も何を変えればいいかが分かります。

03子育て中に使える制度を、確認してから相談する

要点:短時間勤務や子の看護等休暇などは法律で定められた制度です。2025年に対象が広がったものもあるため、就業規則と照らし合わせ、使えるものから順に相談します。

制度を知らないまま相談すると、どうしても「お願い」の形になります。法律で決まっている内容を知っていれば、「この制度を使いたい」という相談に変わり、話がずっと進めやすくなります。主なものを表にまとめました。

図3

制度内容確認・相談する先
短時間勤務3歳未満の子を育てる人は、1日の所定労働時間を原則6時間にする制度を使える[1]就業規則、園長や法人の担当者
子の看護等休暇小学校3年生修了までが対象。1年度に5日(子が2人以上は10日)、時間単位でも取れる[2][1]就業規則、勤怠の担当者
残業の免除小学校就学前の子を育てる人が対象。所定外労働の制限を請求できる[2]就業規則、園長
3歳から就学前の両立支援始業時刻の変更や短時間勤務などから、園が2つ以上を用意し、本人が1つを選ぶ[3]法人の担当者
産前産後の休業産前6週間(多胎妊娠は14週間)は請求すれば休める。産後8週間は原則として働けない[4]園長、主治医
図3 子育て中の保育士が確認しておきたい主な制度

子の看護等休暇は、2025年4月から名前が変わり、対象が小学校3年生修了までに広がりました。子どもの病気やけがの看護だけでなく、感染症による学級閉鎖や、入園式・卒園式への参加にも使えるようになっています[2]。給与の扱いは園によって違うため、就業規則で確認しておきましょう。

また、2025年10月からは、3歳未満の子を育てる労働者に対して、事業主が両立支援の制度を個別に知らせ、利用の意向を確認することも義務になりました[3]。復帰のときに制度の説明を受けた覚えがなければ、改めて園長や法人の担当者に聞いてかまいません。

制度の話を切り出すときの言い方

切り出し方に迷ったら、次のように「使いたい制度」「希望する時間」「園の事情を聞く姿勢」の3つを一度に伝えると、角が立ちにくくなります。

来月から短時間勤務の制度を使いたいと考えています。勤務は9時から16時(休憩1時間)を希望していますが、クラスの体制で難しい点があれば教えてください。

園の側にも、加配の職員の手配や、ほかの職員のシフトの組み直しといった準備が必要です。相談は、使いたい月の1〜2か月前を目安にすると、お互いに慌てずに済みます。子育てとの両立全体の考え方は、子育てと保育士の仕事の両立がつらいときの考え方でも整理しています。時短勤務のまま職場を変える場合の注意点は時短勤務で転職するときの確認点を参考にしてください。

04妊娠中の仕事がつらいときに、先にやっておくこと

要点:妊娠中のつらさは、我慢で乗り切るものではありません。体調の変化を記録し、主治医の意見をもとに、避けたい業務を具体的に園へ伝えます。

保育の現場には、妊娠中の体には負担の大きい場面がたくさんあります。1歳児の抱っこ、床に座っての遊び、午睡チェックのためにしゃがむ姿勢、プール遊びの見守り、感染症の流行期の嘔吐物の処理。つわりの時期と、運動会や発表会の準備が重なることもあります。「みんな妊娠中も普通に働いていたから」と自分を追い込む人もいますが、つわりの重さも、お腹の張りやすさも人によって違います。

2025年10月からは、妊娠や出産を申し出た労働者に対して、事業主が働き方の意向を聞き、配慮することが義務になりました[3]。配慮してほしいことを伝えるのは、わがままではありません。伝える内容を整理するために、次の項目を確認してみてください。

図4

  • 重いものを持つ、長く抱っこする業務乳児クラスでは避けにくいため、担当や役割の分け方を早めに相談します
  • しゃがむ、床に座る時間が長い業務午睡の見守りや床での遊びを、交代制にできないかを聞きます
  • 感染症の流行期の対応嘔吐物の処理などを誰が担当するか、事前に決めておくと安心です
  • 行事の準備と当日の役割重い荷物運びや長時間の立ち仕事を減らせるかを確認します
  • 早番・遅番、土曜保育の回数つわりや通院の時期に合わせて調整できるかを聞きます
  • 健診や通院の日の勤務日程が分かった時点で伝え、シフトに反映してもらいます
  • 体調が急に悪くなったときの連絡方法誰に、どう連絡し、誰が代わりに入るかを決めておきます
  • 産休に入る時期と引き継ぎ出産予定日から逆算し、担任業務の引き継ぎ時期を相談します
図4 妊娠中に園と相談しておきたいこと

主治医から仕事について注意を受けたら、その内容を書き留めておきましょう。「無理をしないように」とだけ伝えるより、「医師から、重いものを持つ作業は控えるように言われています」と伝えるほうが、園も配置を変える判断をしやすくなります。お腹の張りや出血など気になる症状があるときは、勤務中でも迷わず受診してください。

つわりの時期の「言いにくさ」とのつきあい方

妊娠の報告を同僚にどこまで、いつ伝えるかは、本人が決めてよいことです。ただ、業務の調整が必要なら、少なくとも園長と主任には早めに伝えておくほうが、急に休む日が出ても周りが動きやすくなります。同僚への伝え方やタイミングは、園長と相談して決めてかまいません。

05妊娠を機に転職するか:決める前に確かめたいこと

要点:妊娠や出産を機に職場を変えるかどうかは、「いつ動くか」で考えると整理しやすくなります。辞める時期によって、使える制度やお金の見通しが変わるからです。

妊娠をきっかけに、「この園で子育てしながら働き続けるのは無理だ」と感じる人もいます。遅番が当たり前、持ち帰りが多い、子育て中の職員がほとんどいない。そう感じる理由はもっともです。ただ、動く時期によって、その後の負担は大きく変わります。

図5

今の園で働き続けるのがつらい

  1. 今の園で休みを取り、復帰後に考える産休・育休を取ってから働き方を決める。わが子との生活を始めてから判断できる
  2. 復帰後、しばらく働いてから移る子どもの生活と自分の体調が落ち着いてから、合う職場を探す
  3. 産休前に退職し、出産後に探す体調や職場環境がどうしても合わないときの道。収入の空白を見込んでおく
  4. 妊娠中に転職する体の負担が大きいため慎重に。入職して間もなく休むことを、応募先と率直に話す
図5 妊娠・出産を機に職場を変えるときの4つの道

妊娠・出産・育児のために退職し、すぐには働けない場合は、雇用保険の基本手当を受け取れる期間を延長できます。病気や妊娠、出産、育児などで引き続き30日以上働けないときは、申請によってその日数分を延ばせ、延長は最長3年です[5]。受給期間の延長を受けた場合は、正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)にあたることもあります[6]。自分が当てはまるかは、住所地のハローワークで確認してください。

転職先で使える制度にも目を向けておきましょう。子の看護等休暇は、2025年4月から、勤続6か月未満の人を労使協定で対象外にする仕組みがなくなりました[2]。一方で、ほかの休暇や手当については、勤続期間による条件を独自に設けている園もあります。応募する前に、就業規則と、子育て中の職員の取得実績を確かめておくと安心です。

職場を変えるなら、応募先に確かめたいこと

子育てを前提に職場を探すときは、求人票の「子育て中の職員が活躍中」といった言葉だけで判断せず、次の点を面接や見学で具体的に聞いてみてください。

  • 産休・育休を取って復帰した職員が、この数年で何人いるか
  • 短時間勤務を使っている職員がいるか、その人は担任を持っているか
  • 子どもの急な発熱で休むとき、クラスに誰が入るか
  • 早番・遅番、土曜保育の回数を、家庭の事情で調整した例があるか

「実績はありますか」と一言で聞くより、「短時間勤務の先生は、何時から何時まで働いていますか」のように場面で聞くほうが、実際の運用が見えてきます。

「今の園では無理」と感じたら、先に確かめたい2つのこと

一つは、今の園で制度を使ったことがあるかどうかです。短時間勤務や残業の免除を一度も申し出ていないなら、まず使ってみてから判断しても遅くありません。もう一つは、つらさの原因が園の方針なのか、特定の人なのかです。人が原因なら、異動や担当替えで変わることもあります。

06相談事例:復帰3か月目に「辞めるしかない」と思ったしょうこさん

要点:ここでは、つらさを分けて伝え直したことで、今の園で働き続けられるようになったモデルケースを紹介します。

短時間勤務を使い、16時前に園を出られるようになった

相談事例(モデルケース)

お名前
しょうこさん(仮名)・33歳
保育士歴
10年目(育休から復帰して3か月の時点)
勤務先
社会福祉法人の認可保育園(定員約100名)、5歳児クラス担任
変化
帰宅時刻 19時40分 → 17時10分、夜中の連絡帳書き 週3回 → なし

編集部復帰してすぐの頃は、どんな毎日でしたか。

しょうこさん

産休前と同じ5歳児の担任に戻って、遅番も週3回ありました。遅番の日は夫が迎えに行く約束だったんですけど、残業で間に合わないことが多くて、結局私が延長保育の終わりぎりぎりに走って迎えに行く。家に着くのが19時40分で、そこからご飯、お風呂、寝かしつけです。連絡帳の返事を書くために、夜中に起きることもありました。正直、3か月目には「もう辞めるしかない」と思っていました。

編集部考えが変わったきっかけは何でしたか。

しょうこさん

相談窓口で話を聞いてもらったとき、「辞めたいのは保育の仕事ですか、それとも今の働き方ですか」と聞かれたんです。遅番のことも連絡帳のことも、保育の言葉のまま話して通じる相手だったので、全部出せました。話しているうちに、子どもと関わる時間はむしろ好きなんだって気づいて。

編集部そこから、どう動きましたか。

しょうこさん

短時間勤務の制度があることは知っていたんです。でも担任なのに使ったら迷惑かなって、言い出せずにいました。法律で決まっている制度だと改めて聞いて、園長に「9時から16時まで、遅番なしで働きたい」と紙に書いて持っていきました。この1か月の呼び出しの回数と、残業した日もメモにして添えました。

編集部園長の反応はどうでしたか。

しょうこさん

思っていたよりずっとあっさりで、「もっと早く言ってくれればよかったのに」と言われました。担任はそのままで、夕方の時間帯は加配の先生と組む形にしてもらえたんです。お給料は減りましたけど、夜中に起きて連絡帳を書くことはなくなりました。

辞めたかったのは保育じゃなくて、あの働き方だったんだと思います。

しょうこさん(仮名)

しょうこさんはその後、シフトの中に連絡帳と書類のための30分を入れてもらい、持ち帰りはほとんどなくなりました。子どもが3歳になる前に、短時間勤務が終わったあとの働き方をもう一度園長と話し合う予定だそうです。

このケースで注目したいのは、しょうこさんが「つらい」とだけ伝えるのをやめ、希望する勤務時間と1か月の記録を紙にして持っていったことです。同じ園でも、伝え方と制度の使い方で働き方は変えられることがあります。ただし、どの園でも同じようにいくとは限りません。相談しても変わらなかった場合は、職場を変えることを考えてよい段階です。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

07復帰がつらいあなたに、正直に伝えておきたいこと

要点:一つは、体と心の不調を「慣れ」で片づけないこと。もう一つは、制度があっても園の人手によっては希望どおりにならない場合がある、ということです。

1. 眠れない、涙が止まらないときは、受診を先に

産後は心と体が大きく変わる時期です。眠れない、食欲がない、理由もなく涙が出る、わが子をかわいいと思えない。そんな状態が2週間以上続くなら、仕事の調整より先に、かかりつけ医や心療内科に相談してください。話を聞いてほしいときは、働く人向けの「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時。祝日と年末年始は休止)も使えます[7]。休むことを考え始めたら、体調不良で仕事を休むときの考え方も参考にしてください。

2. 制度があっても、すぐに希望どおりになるとは限らない

短時間勤務や残業の免除は法律に基づく制度ですが、どの時間帯で働くか、担任を続けられるかは、園の人員や体制によって調整が必要になります。思いどおりにならないことがあっても、それはあなたの頼み方が悪かったからではありません。一方で、制度の利用を申し出たことで嫌みを言われ続ける、明らかに不利な扱いを受けるといった場合は、一人で抱え込まずに外へ相談してください。都道府県労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーでは、無料・予約不要で相談できます[8]。相談先の選び方は労働条件の相談窓口の使い分けにまとめています。

復帰後の働き方は、一度決めたら終わりではありません。子どもの成長に合わせて、何度でも見直してよいものです。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていない段階でも、復帰後の働き方について話を聞いています。今の園で続ける方法を一緒に整理するところから始めても大丈夫です。

よくある質問

復帰してすぐに転職活動を始めてもいいですか?

始めること自体は問題ありません。ただ、復帰直後はわが子の生活リズムも自分の体調も安定しておらず、判断の材料がそろいにくい時期です。まずは1〜3か月、記録をつけながら今の園で働き方の調整を試し、それでも合わなければ動き出すと、職場選びの基準がはっきりします。

担任を持ったまま短時間勤務は使えますか?

担任のまま使えるかどうかは、園の体制や就業規則によって扱いが分かれます。使えないと言われた場合は、その理由と、代わりにどんな方法があるかを確認してください。説明に納得できないときは、総合労働相談コーナーで相談できます[8]。

わが子の発熱で休むのが申し訳なくて、つらいです。

子の看護等休暇は時間単位でも取れるため、お迎えのための数時間だけ休むこともできます[1]。休む日の連絡帳や保護者対応を誰が引き継ぐかを、あらかじめクラスで決めておくと気持ちが軽くなります。休みにくさが続く場合は子どもの発熱で休めないときの対処も参考にしてください。

妊娠したことを、いつ園に伝えればいいですか?

体調やつわりの状況によりますが、業務の調整が必要なら、早めに園長へ伝えるほうが配慮を受けやすくなります。2025年10月から、妊娠・出産を申し出た労働者への意向の確認と配慮は事業主の義務になっています[3]。同僚に伝える範囲と時期は、園長と相談して決めてかまいません。

育休中に退職を決めてもいいですか?

決めること自体は問題ありません。期間の定めのない雇用なら、法律上は申し入れから2週間で退職できます[9]。ただ、就業規則の申し出の期限や、復帰を見込んだクラス編成への影響もあるため、決めたら早めに園長へ伝えましょう。すぐに働けない場合は、基本手当の受給期間の延長も確認してください[5]。

参考にした資料

  1. 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし(令和7年4月1日、10月1日施行対応)」
  2. 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
  3. 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
  4. e-Gov法令検索「労働基準法」
  5. ハローワーク「基本手当について」
  6. ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
  7. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
  8. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
  9. e-Gov法令検索「民法」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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