保育士の人間関係がつらい時の整理法|原因4つと変えられること

午睡の時間、連絡帳を書きながら、隣で記録をつけている先生のため息が気になって手が止まる。さっきの声かけがまずかったのか、それとも別のことで機嫌が悪いのか。子どもたちの寝息は穏やかなのに、自分の頭の中だけがずっと騒がしい。そんな日が続くと、保育そのものより、人の顔色をうかがうことに一日の力を使い切ってしまいます。

保育士の人間関係がつらいのは、あなたの心が弱いからでも、気にしすぎだからでもありません。保育の職場は、限られた人数で子どもの命を預かりながら、分刻みで連携し続ける場所です。小さな行き違いが起きやすいうえに、それを落ち着いて話し合う時間がほとんどありません。

この記事では、「人間関係がつらい」という大きな塊を4つの原因に分け、自分の手で変えられる部分と、変えにくい部分を仕分ける方法をまとめました。全部を一度に解決しなくてかまいません。今のつらさのうち、どこから手をつければ少し呼吸がしやすくなるのか。それを見つけることがこの記事のゴールです。

この記事でわかること

  • 保育の職場で人間関係がこじれやすい理由と、公的な調査から見える実態
  • つらさの原因を「人・仕組み・風土・自分の状態」の4つに分ける方法
  • 自分で変えられること・変えにくいことの仕分け方と、それぞれの次の一手
  • 明日から試せる、関係を少し楽にする5つの工夫
  • 一人で抱えないための相談の順番と、心身のサインの目安

結論

保育士の人間関係がつらいときは、つらさを「人(相手の言い方や性格)」「仕組み(役割分担や情報共有のやり方)」「園の風土(暗黙のルールや派閥)」「自分の状態(疲れや受け止め方)」の4つに分けて考えます。相手の性格や園の風土は一人では変えにくい一方、自分の関わり方と、主任や園長への相談を通じた仕組みの見直しには変えられる余地があります。まず変えられる部分から手をつけ、それでもつらさが続くときや、眠れない・涙が出るといった状態が続くときは、園内外への相談や受診、環境を変えることも選択肢に入れてください。

01保育の職場で人間関係がこじれやすい理由

要点:保育の職場は、少人数での密な連携、ずれる勤務時間、話し合う時間の少なさが重なり、行き違いが起きやすい形をしています。つらさの多くは、個人の欠点というより職場の形から生まれています。

人間関係に悩んでいる保育士は、決して少数派ではありません。東京都が保育士を対象に行った調査では、過去に保育士として働いていた人が辞めた理由として最も多かったのが「職場の人間関係」で、31.5%でした[1]。仕事量の多さや給料の安さよりも上に来ています。

図1

保育士を辞めた理由の上位5項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答)[1]

職場の人間関係31.5%
仕事量が多い23.1%
給料が安い22.1%
健康上の理由(体力含む)20.6%
労働時間が長い18.6%
図1 保育士を辞めた理由の上位5項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答)[1]

今まさに働いている保育士に「今の職場で改善してほしいこと」を聞いた項目でも、「職員間のコミュニケーション」が26.8%挙がっています[2]。人との関係に悩みながら働いている人が、それだけ多いということです。

保育ならではの「こじれやすさ」

保育の職場で人間関係が難しくなりやすいのには、はっきりした理由があります。

  • 複数担任:乳児クラスでは3〜4人で一つのクラスを見ることも多く、保育観の違いが、そのまま毎日の動き方の違いとして表に出ます。
  • 勤務時間のずれ:早番7時・遅番19時のようにシフトが分かれ、担任全員がそろう時間がほとんどありません。伝言が伝言を呼び、情報が少しずつ食い違います。
  • 子どもの安全がかかっている:午睡チェックや誤食の防止など、ミスが許されない場面が多いため、指摘がどうしても強い口調になりがちです。
  • 話し合う時間がない:ノンコンタクトタイムが確保されていない園では、すれ違いをほどく場そのものがありません。
  • 同じメンバーが長く続く:異動の少ない園では、合わない相手とも何年も同じ職員室で過ごすことになります。

こうした条件がそろっていると、どれだけ気を配っても摩擦はゼロになりません。「うまくやれない自分が悪い」と考える前に、まずは職場の形がもともと摩擦を生みやすいのだと知っておくだけで、自分への責め方が少しゆるみます。

02つらさの原因を4つに分けてみる

要点:「人間関係がつらい」の中身は、相手の人柄、職場の仕組み、園の風土、自分の状態の4つに分けられます。分けると、どこに力を使えばよいかが見えてきます。

つらいときほど、あの人も、この園も、自分も、全部が嫌に見えます。けれど実際には、つらさの種類によって効く対処はまったく違います。たとえば、伝達ミスが続いてぎくしゃくしているなら、それは人柄の問題ではなく仕組みの問題かもしれません。

図2

人(相手)

言い方がきつい、機嫌で態度が変わる、質問するとため息をつかれる

相手の性格は変えにくい

仕組み

役割分担があいまい、伝達がうまく回らない、話し合う時間がない

相談すれば変わる余地がある

園の風土

派閥がある、若手は意見を言わない空気、昔からのやり方が絶対

一人では変えにくい

自分の状態

疲れて余裕がない、言われたことを何度も思い出す、頼まれると断れない

休み方と受け止め方で変わる

図2 人間関係のつらさを4つに分けたときの例

1週間だけ「引っかかった場面」を書き出す

分け方のこつは、気持ちではなく場面を書くことです。1週間、引っかかった出来事をスマホのメモに一行ずつ残し、週末に4つのどれに当たるかを振り分けてみてください。

  • 例:「朝の受け入れで、検温の記入漏れを大きな声で指摘された」→ 人(言い方)か、仕組み(記入の担当が決まっていない)か
  • 例:「行事の係を決める場に呼ばれなかった」→ 風土(決め方が一部の人に偏っている)か、仕組み(周知の方法がない)か
  • 例:「先輩の一言を夜まで引きずった」→ 自分の状態(疲れていて受け流せない)が大きいかもしれない

書き出してみると、多くの人は「全部が人のせい」ではなかったことに気づきます。逆に、特定の一人の言動が大半を占めているなら、それはそれで大事な発見です。対処の方向がはっきりするからです。

原因が重なっているときは「仕組み」から手をつける

実際には、一つの場面に複数の原因が重なっていることがほとんどです。たとえば「先輩に強く注意された」場面でも、相手の口調(人)、担当が決まっていなかったこと(仕組み)、新人は言い返さないものという空気(風土)、寝不足で受け流せなかったこと(自分の状態)が同時に絡んでいます。

迷ったら、最初に手をつけるのは仕組みです。仕組みは、相談すれば変わる可能性があり、しかも変わったときに複数の人との摩擦がまとめて減るからです。次に自分の状態を整え、人と風土については距離の取り方で付き合っていく。この順番を頭に置いておくと、何から始めればいいかで迷う時間が短くなります。

03変えられること・変えにくいことを仕分ける

要点:4つの原因それぞれに「自分で変えられる部分」と「変えにくい部分」があります。変えにくい部分に力を注ぎ続けると消耗するので、変えられる部分から順に手をつけます。

図3

原因自分で変えられること変えにくいこと次の一手の例
人(相手)関わる頻度、聞き方、距離の取り方相手の性格、口調の癖必要な会話は短く、大事な連絡は文字で残す
仕組み改善の提案、自分の記録の取り方園全体のルールを一人で決めること主任に「仕組みの困りごと」として相談する
園の風土噂話に乗らない、自分の態度を一定に保つ長年の慣習、派閥の構図距離を取り、園の外にも話せる場所を持つ
自分の状態休み方、睡眠、考え方の癖疲れが一晩で抜けること休日に仕事を考えない時間を決める
図3 4つの原因ごとの「変えられること」と「変えにくいこと」

相手を変えようとするほど、つらくなる

きつい言い方をする人に「もう少し優しく言ってほしい」と思うのは当然です。ただ、相手の性格や口調の癖を変えることは、同僚の立場ではほぼできません。変わるのを待ち続けると、期待しては裏切られる、を繰り返すことになります。相手に向けていた力を、自分が関わる量と方法を調整するほうへ回すと、消耗はかなり減ります。

「人の問題」を「仕組みの問題」に言い換える

相談がしにくいのは、人の問題として話すと告げ口のように感じるからです。そこで、同じ出来事を仕組みの言葉に置き換えてみます。

  • 「Aさんがいつも報告してくれない」→「早番から遅番への引き継ぎが口頭だけなので、情報が抜けることがある。ホワイトボードに書く欄を作れないか」
  • 「Bさんが一人で全部決めてしまう」→「クラスの役割分担が決まっていないので、誰が何をするか毎日迷う。担当表を作れないか」

仕組みの話なら、主任や園長も対応しやすく、相手を責める形にもなりません。結果的に、人とのぶつかりも減っていきます。

変えにくいものとは「距離」で付き合う

相手の性格や園の風土のように変えにくいものは、無理に変えようとせず、関わる量を自分で決めて付き合います。たとえば、苦手な先輩との雑談は休憩の最初の5分だけにする、噂話が始まったら「そうなんですね」と受けて自分の作業に戻る、行事の打ち合わせでは事前に自分の案を紙にまとめておき、口頭のやりとりを短くする、といった方法です。

距離を取ることは、冷たくすることとは違います。仕事に必要な会話は丁寧に続け、それ以外の部分で自分をすり減らさないようにする線引きです。この線が引けるようになると、「嫌われたらどうしよう」という不安に一日中振り回されることが少なくなります。

04明日から試せる、関係を少し楽にする5つの工夫

要点:大きく変えなくても、挨拶の温度、連絡の残し方、質問の仕方、一日の終わり方、園の外とのつながりを少し整えるだけで、毎日の消耗は小さくできます。

図4

  • 1

    挨拶と報告は全員に同じ温度で

    好き嫌いが態度に出ない人は、どのグループからも攻撃されにくくなります

  • 2

    大事な連絡は文字で残す

    「言った・言わない」のすれ違いを防ぎ、自分を守る記録にもなります

  • 3

    質問はまとめて、時間をもらってから

    午睡中や降園後など、相手に余裕がある時間を選んで聞きます

  • 4

    一日の終わりに「できたこと」を3つ書く

    嫌な場面ばかりを思い出す癖を、少しずつやわらげます

  • 5

    園の外に話せる場所を一つ持つ

    職場の評価と関係のない場所があると、気持ちが戻りやすくなります

図4 人間関係のつらさを軽くする5つの工夫

1つ目の挨拶は、仲良くなるためではなく、自分の立ち位置を安定させるためのものです。苦手な人にも、親しい人にも、同じ声の大きさで「おはようございます」「お先に失礼します」と言う。それだけで、余計な誤解を生む場面が減ります。

2つ目の文字で残すことは、特に伝達ミスで責められがちな人に効きます。「明日の散歩は10時出発でよろしいですか」と連絡ノートやメモで確認しておけば、あとで食い違ったときに自分を守れます。

3つ目の質問の仕方は、先輩が怖くて聞けない人にとって大きな助けになります。具体的な聞き方やメモの工夫は先輩が怖い・指導がきついときの受け止め方で詳しく紹介しています。

4つ目と5つ目は、自分の状態を整えるための工夫です。人間関係のつらさは、疲れているときほど大きく感じます。休憩時間に職員室から一度離れる、帰りの電車では仕事のことを考えない曲を聴く、といった小さな切り替えも積み重なると効いてきます。派閥や年齢差の中での立ち回りに悩んでいる場合は、派閥に巻き込まれない距離の取り方も参考になります。

5つを一度に始めなくていい

工夫は、全部をそろえる必要はありません。むしろ、一度に始めると続かず、「やっぱり自分はだめだ」と落ち込む原因になります。まずは一番負担の少ないものを一つ選び、2週間だけ続けてみてください。たとえば「できたことを3つ書く」だけなら、寝る前の3分で済みます。2週間後に、引っかかった場面の数や、夜に職場のことを考える時間がどう変わったかを振り返り、効いていると感じたら次の一つを足していきます。小さな変化を自分の目で確かめられると、「何をしても変わらない」という無力感から少しずつ抜け出せます。

05相談事例:4つに分けたら、手をつける順番が見えた

要点:「全部がつらい」と感じていた保育士が、出来事を書き出して仕分けたことで、変えるべきは人ではなく仕組みだと気づいたモデルケースです。

「あの人を変える」のをやめて、担当表を変えた

相談事例(モデルケース)

お名前
なおみさん(仮名)・33歳
保育士歴
11年目
勤務先
社会福祉法人の認可保育園(定員約110名)、1歳児クラス(担任4人の複数担任)
変化
「つらい」と感じる日 週5日 → 週1〜2日

編集部相談に来られた頃は、どんな毎日でしたか。

なおみさん

4月に1歳児クラスに入って、担任が4人いたんです。一番年上の先生がとにかく厳しくて、その先生と仲のいい同い年の先生もいて。毎日、自分だけ浮いている気がしていました。日曜の夕方になると胃が重くなって、正直、もう全部が嫌だと思ってました。

編集部書き出してみて、どんなことが分かりましたか。

なおみさん

2週間で14個くらい、引っかかった場面を書いたんです。そうしたら、9個は「誰が食事介助に入るか」とか「午睡チェックの記録を誰が書くか」とか、担当が決まっていないせいで起きていた。厳しい先生の言い方そのものがつらかったのは3つだけでした。残りは寝不足の日に引きずったもの。書いてみて、ちょっと拍子抜けしたくらいです。

編集部それで、何から手をつけましたか。

なおみさん

主任に、クラスの困りごととして相談しました。「担当があいまいで毎日ぶつかるので、週に1回15分だけクラスで打ち合わせをして、担当表をホワイトボードに書きたい」って。人の話はしないで、仕組みの話だけにしたんです。主任がすぐ時間を作ってくれました。

編集部厳しい先生との関係はどうなりましたか。

なおみさん

先生の言い方は、今もそんなに変わってないです。でも、役割がはっきりしたら、ぶつかる場面自体がぐっと減りました。前は「どうしたら好かれるか」ばかり考えていたけど、今は仕事の話がちゃんと通じれば十分だと思えています。

あの人を変えなきゃと思っていた頃が、一番しんどかった。変えるのは、ホワイトボードのほうだったんです。

なおみさん(仮名)

半年が経った今も、クラスの打ち合わせは毎週続いています。担当表ができてからは、クラス内での行き違いが週に4〜5回から週1回ほどに減り、休みの日に職場のことを考え続けることもなくなったそうです。

このケースのポイントは、なおみさんが「相手を変える」ことをあきらめ、「仕組みを変える」ことに力を移したことです。全部がつらいと感じているときほど、書き出して分けることで、手をつけられる場所が見つかります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

相談前半年後

「つらい」と感じる日

週5日
週1〜2日

クラス内の行き違い

週4〜5回
週1回ほど

休日に職場のことを考える時間

ほぼ一日中
夕方に少しだけ
図5 なおみさんの変化(相談前 → 半年後)

06一人で抱えないための相談の順番

要点:人間関係の悩みは、身近で信頼できる人から順に、園内、園の外へと相談先を広げていくと話がこじれにくくなります。内容によっては、最初から園の外を選んでかまいません。

人間関係の悩みは、誰に話すかで結果が変わります。話が広がってしまう相手を選ぶと、かえって立場が悪くなることもあります。目安として、次の順番を参考にしてください。

図6

  1. 信頼できる同僚・先輩事実を確かめ、気持ちを軽くする。話が広がらない相手を選ぶ
  2. 主任・クラスリーダー役割分担や伝達の仕組みを変えてほしいときの最初の窓口
  3. 園長・法人の相談窓口主任に言いにくい内容や、ハラスメントが疑われるとき
  4. 園の外の窓口園内では言えない、言っても変わらないときに、公的な窓口や専門の相談先へ
図6 人間関係の悩みを相談する順番の目安

園長や法人には、パワハラなどについて相談に応じる体制を整える義務があり、相談したことを理由に不利益な扱いをすることは禁止されています[3]。ただ、園の規模によっては窓口が園長しかいないこともあります。その場合は、各都道府県労働局や労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーで、いじめ・嫌がらせやパワハラを含む職場のトラブルを無料・予約不要で相談できます[4]。

相談するときは「事実・困っていること・お願い」の3点で

主任や園長に相談するときは、感情から話し始めると「あの人が嫌いなのね」と受け取られがちです。次の3点を、1分で話せる長さにまとめてから時間をもらうと、相手も動きやすくなります。

  1. 事実:いつ、どんな場面で、何が起きたか(例:「先週の火曜と木曜、午睡チェックの記録が二重になっていました」)
  2. 困っていること:それで何に支障が出ているか(例:「誰が記録するか毎日確認し合う時間がなく、ぶつかる原因になっています」)
  3. お願い:どうしてほしいか(例:「担当を曜日で決められないか、クラスで話す時間を15分もらえませんか」)

話す内容をメモにして持っていくと、緊張しても伝え漏れがありません。相談した日付と、相手の返事も残しておきましょう。あとで別の相談先に行くことになったときにも、そのメモが経緯を説明する助けになります。

相談先ごとの違いや使い分けは人間関係の相談先の選び方にまとめています。無視や陰口など、はっきりした嫌がらせを受けている場合は、相談の前に記録を残しておくことが助けになります。記録の取り方は同僚に無視されるときの記録と相談先を参考にしてください。

07知っておいてほしい、人間関係の2つの限界

要点:一つは、人間関係は自分の努力だけでは整わないこと。もう一つは、心と体のサインが出ているときは、整理や工夫より休むことが先だということです。

1. 自分の努力だけでは整わない関係もある

ここまで、自分で変えられる部分に手をつける方法を紹介してきました。けれど、どれだけ工夫しても変わらない関係もあります。相手が強い立場から人格を否定する言葉を繰り返している、園全体が特定の人を孤立させる空気になっている。そうした状況は、あなたの関わり方の問題ではありません。工夫を重ねても変わらないなら、それは「十分に頑張った」という証拠です。環境を変えるという選択も、逃げではなく一つの判断です。人間関係を理由に辞めるかどうか迷っているなら、人間関係で辞めたいときの見極め方を読んでから考えても遅くありません。

2. 心と体が先に悲鳴を上げたら、休むことが先

朝、園に向かう足が止まる。出勤前に涙が出る。休日も職場の人の言葉が頭の中で何度も再生されて眠れない。こうした状態が続いているなら、原因の整理や関係の工夫より先に、休むことと受診を考えてください。休みの日まで人間関係のことが頭から離れない状態については、休日も人間関係が頭から離れないときの対処で詳しく扱っています。

誰にも言えないときは、厚生労働省の働く人向けの「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時)に電話で話すこともできます[5]。祝日と年末年始は休止しているので、つながらない日は時間をずらしてかけてみてください。

職場の外で、保育の事情が分かる人に話を整理してもらうのも一つの方法です。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていなくても、人間関係の悩みをそのまま話していただけます。4つのマスのどこが一番重いのかを、一緒に言葉にするところから始められます。

よくある質問

人間関係がうまくいかないのは、自分のコミュニケーション力が低いからでしょうか?

そうとは限りません。保育の職場は、勤務時間のずれや話し合う時間の少なさから、誰が働いても行き違いが起きやすい形をしています。まずは出来事を4つに分けて、仕組みや風土の問題が混ざっていないかを確かめてみてください。

職場に話せる人が一人もいません。どうすればいいですか?

無理に園内で味方を作ろうとしなくてかまいません。挨拶と報告を全員に同じ温度で続けながら、元同僚や養成校時代の友人、園の外の相談窓口など、職場と関係のない場所に話せる相手を持つほうが、気持ちは安定しやすくなります。

人間関係のストレスで、休みの日も気が休まりません。

休日にも職場の人の言葉が頭から離れない状態は、疲れがかなりたまっているサインです。休日に「仕事のことを考えない時間」を決める、体を動かすなどの工夫に加え、眠れない日が続くなら早めにかかりつけ医や心療内科に相談してください。

人間関係が悪い職場は、異動や転職で変わりますか?

原因が特定の人や園の風土にあるなら、異動や転職で大きく変わることがあります。一方、伝達の仕組みや自分の疲れが主な原因なら、場所を変えても似たつらさが出ることがあります。先に原因を分けておくと、環境を変えるかどうかの判断がしやすくなります。

人間関係を理由に辞めるのは、甘えでしょうか?

甘えではありません。公的な調査でも、保育士を辞めた理由として最も多いのは職場の人間関係です[1]。大切なのは、辞めるかどうかを勢いで決めず、変えられる部分を試したうえで、自分で納得して選ぶことです。

新人で、人間関係のことを主任に相談していいのか迷います。

新人でも相談してかまいません。むしろ早い段階で「仕組みの困りごと」として伝えるほうが、関係がこじれる前に手を打てます。人の悪口に聞こえないよう、事実・困っていること・お願いの3点にまとめてから時間をもらうと話しやすくなります。

参考にした資料

  1. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  2. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  3. 厚生労働省 職場のハラスメント対策リーフレット
  4. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
  5. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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