「おはようございます」。いつもと同じ声で言ったのに、返事が返ってきたのは隣にいた別の先生にだけだった。休憩室のドアを開けると、それまで続いていた会話がぴたりと止まる。行事の打ち合わせの日程は、なぜか自分だけ知らされていない。一つひとつは小さな出来事でも、毎日積み重なると、園の玄関をくぐるだけで胸が苦しくなります。
同僚からの無視や陰口は、殴られたり怒鳴られたりするわけではないぶん、「気のせいかもしれない」「大げさに言うのは恥ずかしい」と自分の中に押し込めてしまいがちです。けれど、職場で人とのつながりを断たれることは、心と体に確実にダメージを与えます。保育の現場では、子どもの安全に関わる情報が回ってこないという危うさもあります。
この記事では、同僚から無視・陰口・いじめを受けたときに、何から守ればいいのかという優先順位と、あとで相談するときに役立つ記録の取り方、園の中と外の相談先を使う順番をまとめました。戦うためではなく、自分を守るための知識として読んでください。
この記事でわかること
- 無視や陰口を受けたときに、自分を守る4つの優先順位
- 保育の職場で起きやすい無視・陰口・いじめの形と、そのサイン
- 相談するときに役立つ記録の取り方と、残しておきたいもの
- 園内と園外の相談先を使う順番と、それぞれでできること
01無視や陰口を受けたとき、守る順番
要点:最初に守るのは自分の心と体、次に子どもの安全です。そのうえで記録を残し、相談へとつなげます。相手に言い返したり、一人で証拠集めに走ったりする前に、この順番を思い出してください。
無視や陰口を受けると、頭の中は「どうして」「何が悪かったのか」でいっぱいになります。考えれば考えるほど、相手の態度の理由探しにエネルギーを使い果たしてしまいます。混乱しているときほど、次の順番で動くことを決めておくと、自分を見失わずにすみます。
図1
- 1 自分の心と体眠れない、食べられない、頭痛や吐き気が続くなら、まず休むことと受診を優先する
- 2 子どもの安全無視されても、アレルギーや体調などの連絡は必ず文字で伝え、受け取った記録を残す
- 3 記録その日のうちに、日時・場所・相手・言動・周りにいた人をメモする
- 4 相談信頼できる人、主任・園長、法人の窓口、園の外の窓口の順に、状況に応じて相談する
やり返さない、一人で抱え込まない
無視されたら無視し返したくなりますし、陰口を言われたら言い返したくなるのは自然な気持ちです。ただ、やり返すと「お互いさま」と見なされ、相談したときに状況を正しく受け止めてもらいにくくなります。相手と同じ土俵に立たず、自分は挨拶と業務連絡をいつもどおり続ける。それが、あとで自分を守る一番の力になります。
もう一つ気をつけたいのは、一人で証拠を集めることに夢中になってしまうことです。記録は大切ですが、相手の言動を一日中見張るような状態が続くと、心がもたなくなります。記録は一日一回、決まった時間に書くと決めておきましょう。
「自分が悪いのかも」という考えが浮かんだら
無視される側は、つい「自分に原因があるのでは」と考えてしまいます。たしかに、何かのきっかけがあったのかもしれません。けれど、仮に行き違いがあったとしても、それに対する反応として無視や陰口を選ぶことは、相手の側の問題です。きっかけを振り返ることと、受けている扱いを我慢することは、別のこととして考えてください。
02保育の職場で起きやすい、無視・陰口・いじめの形
要点:保育の職場での無視や陰口は、挨拶を返さない、情報を回さない、行事や係から外すといった形で表れやすく、子どもの安全に関わる情報が届かないという危うさを伴います。
保育の職場は、複数担任やシフト制のため、情報の受け渡しが欠かせません。そのぶん、情報を回さないことが、そのまま嫌がらせの手段になってしまうことがあります。次のような状態が続いていないか、確かめてみてください。
図2
- 挨拶や「お先に失礼します」に、自分にだけ返事がない一度きりならすれ違いでも、毎日続くなら意図的な可能性があります
- 引き継ぎや伝達事項が、自分にだけ回ってこない子どもの体調やアレルギーの情報が漏れると、安全に直結します
- 行事の打ち合わせや係決めから外される業務からの切り離しになり、評価にも影響しかねません
- 職員のLINEグループに自分だけ入っていない、外された業務の連絡が私的なグループで回っていると、気づかないうちに孤立します
- 休憩室や更衣室で、自分が来ると会話が止まる陰口が言われている可能性があり、居場所がなくなります
- 保護者や子どもの前で、わざと無視したり、ため息をついたりされる保育の場での信頼にも関わり、精神的な負担が大きくなります
- 自分のミスだけが、大げさに広められる事実と違う噂が広がると、ほかの職員との関係にも影響します
子どもの安全に関わる無視は、個人の問題ではない
同僚から無視されることは、それだけで大きな苦痛です。そのうえ保育の職場では、「今朝、〇〇ちゃんは37度5分あった」「今日の給食は卵の除去が必要」といった情報が自分にだけ伝わらないと、子どもの命に関わる事態になりかねません。
もし業務上の情報が意図的に回ってこないなら、それは人間関係の悩みを超えて、園の安全管理の問題です。主任や園長に相談するときも、「無視されてつらい」だけでなく、「子どもの安全に関わる情報が届かない状態になっている」と伝えると、園としても放っておけない問題として受け止めてもらいやすくなります。
03あとで役に立つ記録の取り方
要点:記録は、出来事のあったその日のうちに、日時・場所・相手・言動・周りにいた人・自分への影響を、事実だけで書きます。感情を書くなとは言いませんが、事実と気持ちは分けて残すと、相談の場で伝わりやすくなります。
記録は、相談の場で状況を正確に伝えるための道具です。「ずっと無視されていてつらい」と話すより、「この1か月で12回、挨拶に返事がなかった。うち3回は保護者の前だった」と伝えるほうが、聞く側は状況をはっきりつかめます。
図3
| 項目 | 役に立つ記録 | 役に立ちにくい記録 |
|---|---|---|
| 日時 | 「5月14日(火)8時10分ごろ」 | 「最近」「この前」 |
| 場所 | 「1歳児室の前の廊下、受け入れの最中」 | 「園で」 |
| 相手と言動 | 「Aさんに『おはようございます』と言ったが返事がなく、直後にBさんには笑顔で返事をした」 | 「Aさんがまた感じ悪かった」 |
| 周りにいた人 | 「Cさんと、登園してきた保護者1名がいた」 | 書いていない |
| 影響 | 「午前中、Aさんと連携が取れず、散歩の人数確認を一人で行った」 | 「最悪な一日だった」 |
記録に残す項目の例
- 日付と時刻(だいたいでかまいません)
- 場所と、そのとき何をしていたか(受け入れ、午睡、職員会議など)
- 相手の名前と、言われたこと・されたこと(できるだけそのままの言葉で)
- 周りにいた人(職員、保護者、子ども)
- 業務や子どもへの影響(情報が届かなかった、連携が取れなかったなど)
- 自分の体と心の状態(頭痛がした、眠れなかったなど)
気持ちを書きたいときは、最後に一行だけ「つらかった」「悔しかった」と分けて書いておきます。事実と気持ちが混ざっていないことで、記録の信頼性が高まります。
記録と一緒に残しておきたいもの
- 業務連絡を文字で送った記録(連絡ノート、メモ、園のチャットなど)
- 自分だけ外されたグループや、届かなかった連絡がわかる画面の写真
- 体調を崩して受診した場合は、受診日と診断の内容がわかる書類
- 主任や園長に相談した日付と、そのときの返事のメモ
記録は、園のパソコンや共有のノートではなく、自分だけが見られる場所に保管してください。自分のスマホのメモや、自宅のノートが向いています。
記録は、辞めることになったときにも意味を持つ
記録は、園内で相談するためだけのものではありません。もし最終的に退職を選ぶことになった場合、上司や同僚からの故意の排斥や著しい冷遇、嫌がらせを受けたことによる離職は、雇用保険で「特定受給資格者」と判断される例の一つに挙げられています[3]。実際にどう判断されるかはハローワークが個別に確認しますが、そのときにも、日付の入った記録が状況を説明する助けになります。
04園内と園外、相談先を使う順番
要点:まず信頼できる人に事実を確かめてもらい、次に主任・園長や法人の相談窓口へ、園の中で難しいときは公的な窓口へと進みます。心身の不調があるときは、医療機関への相談を並行して行います。
誰に相談するかは、被害の内容や、園の中の人間関係によって変わります。主任が無視している側にいる場合もあるでしょう。次の分かれ道を目安にしてください。
図4
今の状況に一番近いのはどれか
- まだ気のせいかもしれないと迷っている園の外の友人や元同僚に記録を見てもらい、客観的に確かめる
- 主任や園長は中立で、信頼できる記録を持って主任または園長に相談し、業務上の情報共有の改善を求める
- 主任や園長も加わっている、または相談しにくい法人本部や運営会社のハラスメント相談窓口に相談する
- 園や法人に相談しても変わらない総合労働相談コーナーに相談し、助言・指導やあっせんの利用を検討する
- 頭痛や不眠など、体と心に不調が出ている相談と並行して、かかりつけ医や心療内科を受診する
園や法人の相談窓口
事業主には、パワハラやセクハラについて相談に応じ、適切に対応するための体制を整える義務があります。相談したことを理由に、解雇やその他の不利益な扱いをすることは禁止されています[1]。複数の園を運営する法人や会社では、本部や人事部門に相談窓口が設けられていることがあります。就業規則や職員向けの掲示物で、窓口の連絡先を確かめておきましょう。
同僚からの無視や陰口がパワハラに当たるかどうかは、優越的な関係を背景としているか、業務上必要かつ相当な範囲を超えているか、働く環境が害されているかという3つの要素で判断されます[4]。同僚同士の場合に当てはまるかどうかは、それぞれの状況によって判断されるため、自分で結論を出さず、窓口に記録を見せて相談してください。
公的な相談窓口
園や法人の中で解決しないときは、各都道府県労働局や全国の労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーで、いじめ・嫌がらせを含む職場のトラブルについて、無料・予約不要で相談できます[2]。必要に応じて、労働局長による助言・指導や、紛争調整委員会による非公開のあっせんを無料で利用でき、利用したことを理由に不利益な扱いをすることは禁止されています[5]。
相談するときは「どうしてほしいか」も伝える
相談の場では、起きていることを伝えるだけでなく、どうしてほしいかを具体的に添えると、窓口も動きやすくなります。たとえば、次のような伝え方です。
- 「業務連絡を、個人のLINEではなく園の連絡ノートで回すようにしてほしい」
- 「子どもの体調やアレルギーの情報は、担任全員に確実に伝わる仕組みにしてほしい」
- 「相談したことが、相手の職員に伝わらないように配慮してほしい」
- 「状況が変わらない場合は、クラスの配置や勤務する園を変えることも考えてほしい」
全部を一度に求める必要はありません。今いちばん困っていることから順に伝え、相談した日付と返事を記録に加えておきましょう。
相談先ごとの特徴や使い分けは人間関係の相談先の選び方に、パワハラに絞った相談先はパワハラを受けたときの相談先にまとめています。
05相談事例:記録を持って本社の窓口へ。2か月後に働く場所が変わった
要点:同僚3人からの無視と陰口に悩んでいた保育士が、6週間の記録を持って運営会社の相談窓口を使い、異動という形で自分を守ったモデルケースです。
「気のせいかも」を、21件の記録に変えた
相談事例(モデルケース)
- お名前
- なぎささん(仮名)・29歳
- 保育士歴
- 7年目
- 勤務先
- 複数の園を運営する株式会社の認可保育園(定員約60名)、4歳児クラス担任
- 変化
- 出勤前の頭痛 週4日 → 月1〜2日/記録 6週間で21件
編集部無視が始まったきっかけは何だったのでしょうか。
午睡チェックの記録を、あとからまとめて書いている先生たちがいて、私が「その場で書きませんか」と言ったんです。子どもの安全のためだったんですけど、それから3人の先生に挨拶を返してもらえなくなって。行事の打ち合わせの日程も、私にだけ伝わらなくなりました。
編集部記録をつけようと思ったのはいつですか。
最初の2週間は、気のせいだと思い込もうとしていました。でも、出勤前に頭が痛くなる日が週4日くらいになって、内科を受診したら、ストレスかもしれないと言われて。友だちに話したら「それ、書いておいたほうがいいよ」と言われて、その日から毎晩、寝る前の10分で書くようにしました。
編集部相談したときの様子を教えてください。
園長は無視している先生たちと付き合いが長くて、正直言いにくかったので、会社の本社にある相談窓口に連絡しました。6週間で21件たまった記録を見せたら、担当の方が「これだけ具体的に書いてあれば、事実を確かめられます」と言ってくれて。それまでずっと、自分の受け止め方の問題なのかなと思っていたので、ほっとして泣いてしまいました。
編集部その後、どうなりましたか。
本社の人が園の職員に話を聞いてくれて、私は自分から希望して、同じ会社の別の園に移ることにしました。元の園では、記録の書き方を全員で見直す研修があったと聞いています。3人に謝ってもらうことはなかったけど、それでいいと思っています。
戦うためじゃなく、自分の毎日を取り戻すために書いていたんだと思います。
なぎささん(仮名)
異動から半年、なぎささんは新しい園で再び4歳児クラスを担当しています。出勤前の頭痛は月に1〜2日ほどに減り、記録のノートはもう開いていないそうです。
なぎささんが自分を守れたのは、「気のせいかもしれない」という迷いを、日付の入った記録に変えたからです。そして、園の中で言いにくいと感じたときに、別の窓口を選んだことも大きな分かれ目でした。相手を変えることではなく、自分が安心して働ける場所を取り戻すことをゴールにした点も、このケースから持ち帰れることです。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
- 最初の2週間無視が始まる。気のせいだと思い込もうとして、誰にも話さなかった
- 3週目頭痛で内科を受診。友人に話し、毎晩10分の記録を始める
- 4〜9週目6週間で21件を記録。業務連絡はすべて連絡ノートに文字で残す
- 10週目運営会社の本社の相談窓口に連絡し、記録を見せて相談する
- 12週目本社による聞き取りのあと、本人の希望で同じ会社の別の園への異動が決まる
06職場で自分を保つための、毎日の工夫
要点:相談の結果が出るまでの間も、毎日の勤務は続きます。業務連絡を文字で残し、職員室の外に息をつける場所を持ち、帰宅後は記録を書いたら仕事のことを閉じる。小さな工夫で、自分をすり減らさない時間を作ります。
相談してもすぐに状況が変わるとは限りません。その間を少しでも楽に過ごすための工夫を紹介します。
図6
- 1
業務連絡は必ず文字で
口頭で無視されても、連絡ノートやメモで伝えれば、伝えた事実が残ります
- 2
園の中に一人だけ味方を
全員と仲良くする必要はありません。話を聞いてくれる人が一人いれば十分です
- 3
休憩は職員室の外で
車の中や近くの公園など、会話が止まる部屋から物理的に離れる時間を作ります
- 4
記録は寝る前の10分だけ
書き終えたらノートを閉じ、それ以上は考えないと決めておきます
- 5
子どもとの時間に意識を戻す
職員の視線ではなく、目の前の子どもの表情に意識を向ける時間を意識して持ちます
挨拶は、返事がなくても続けてかまいません。返事を期待するためではなく、自分の態度を変えないためのものです。無理だと感じる日は、小さく会釈するだけでも十分です。
職員の私的なLINEグループから外されて、業務の連絡が届かないこともあります。その場合は、グループに入れてほしいと頼むより、「業務に関わる連絡は、全員が見られる園の連絡手段で回してほしい」と主任に伝えるほうが筋が通ります。私的なグループで仕事の連絡が回っていること自体が、情報共有の仕組みとして危ういからです。個人の好き嫌いの問題ではなく、仕組みの問題として伝えることで、相手を直接責めずに状況を変えられます。
保護者や子どもの前では、普段どおりの自分でいることを心がけます。子どもたちは、大人の空気の変化に敏感です。つらい中でも子どもとの関わりを大事にしていることは、あなたが保育士としての軸を失っていない証でもあります。
07一人で耐え続けないために、知っておいてほしいこと
要点:相手に謝らせることや、職場の空気を一人で変えることをゴールにしないこと。そして、心と体を守るために職場を離れることは、負けではないということです。
1. 「相手を変える」ことをゴールにしない
相談をすると、相手に謝ってほしい、態度を改めてほしいという気持ちが出てくるのは当然です。けれど、相手の気持ちや態度は、園が働きかけても思いどおりに変わるとは限りません。ゴールを「相手が変わること」に置くと、変わらなかったときに、また自分を責めてしまいます。目指すのは、自分が安心して保育に集中できる状態を取り戻すこと。そのための手段が、相談であり、配置の見直しであり、場合によっては異動や転職です。
2. 離れることは、負けではない
無視や陰口が続く環境に居続けると、自信を失い、保育そのものが嫌いになってしまうことがあります。そうなる前に職場を離れることは、逃げではなく、自分と、これから出会う子どもたちを守るための判断です。人間関係を理由に職場を変えるかどうか迷っているなら、人間関係で辞めたいときの見極め方も読んでみてください。職場の人間関係のつらさ全体を整理したいときは、人間関係がつらいときの整理法が参考になります。
頭痛や不眠、出勤前の吐き気などが続いているなら、我慢せずに医療機関に相談してください。心療内科に行くか迷っているなら、心療内科に行くべきか迷ったときで受診の目安をまとめています。誰かに声を聞いてほしいときは、厚生労働省の「こころの耳電話相談」(0120-565-455)が、平日17時〜22時、土日10時〜16時に受け付けています[6]。消えてしまいたいと思うほどつらいときは、よりそいホットライン(0120-279-338)が24時間、無料で話を聞いています[7]。
園の外で、保育の現場を知る人に今の状況を聞いてもらうだけでも、気持ちが少し落ち着くことがあります。ほいくの相談室では、転職を決めていなくても、職場での無視や陰口のつらさをそのまま話していただけます。
よくある質問
無視されているのが気のせいか分かりません。どう判断すればいいですか?
1〜2週間、挨拶や連絡への反応を日付つきでメモしてみてください。自分にだけ返事がない日が続いている、情報が自分にだけ回ってこないといった傾向が見えれば、気のせいではない可能性が高くなります。迷うときは、園の外の人に記録を見てもらうと客観的に判断しやすくなります。
陰口を言われていると人づてに聞きました。どうすればいいですか?
人づての情報は、内容が変わって伝わっていることもあるため、すぐに相手に確かめに行くのは避けたほうが安全です。聞いた日時と、誰から何を聞いたかを記録しておき、業務に影響が出ている場合は、その影響とあわせて主任や園長に相談してください。
記録をつけていることが相手に知られたらどうしよう、と不安です。
記録は園のパソコンや共有のノートではなく、自分のスマホのメモや自宅のノートなど、自分だけが見られる場所に残してください。職場で書く必要はありません。帰宅後に、その日の出来事を思い出して書けば十分です。
園長に相談したら、かえって無視がひどくなりませんか?
その心配がある場合は、相談するときに「相談したことが相手に伝わらないように配慮してほしい」とはっきり伝えてください。事業主には、相談したことを理由とする不利益な扱いを防ぐ義務があります[1]。園長に言いにくい場合は、法人本部や総合労働相談コーナーを先に使う方法もあります。
家族に話したら「気にしすぎ」と言われてしまいました。
職場の外の人には、保育の現場での無視や情報の切り離しがどれほど負担になるか、伝わりにくいことがあります。記録を見せながら、具体的な場面と、子どもの安全にも関わっていることを話すと、状況が伝わりやすくなります。それでも分かってもらえないときは、職場の事情が分かる外部の相談先を頼ってかまいません。
無視されていても、子どもの前では普通にしていないといけませんか?
子どもの前で無理に明るく振る舞う必要はありませんが、子どもの安全に関わる連絡だけは、相手が誰であっても文字で確実に伝えてください。それ以外の場面では、自分のペースを守ることを優先してかまいません。
参考にした資料
- 厚生労働省 職場のハラスメント対策リーフレット
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
- 厚生労働省 パワーハラスメント対策リーフレット
- 厚生労働省「個別労働紛争解決制度」
- こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。