保育士が転職サイトに登録したくない時の転職方法と応募手順

仕事帰りのバスの中で、気になる園の求人を見つけた。くわしい条件を見ようとボタンを押すと、出てきたのは「無料会員登録」の画面。名前、電話番号、生年月日、今の勤務先。入力欄がずらりと並ぶのを見て、そっとアプリを閉じた。そんな夜を過ごした人は少なくないはずです。

登録をためらう理由は人それぞれです。電話が何度もかかってきそう、個人情報を預けるのが不安、まだ辞めると決めたわけではない、担当者に急かされたくない。どれも「自分のペースで考えたい」という、まっとうな気持ちから出てくるものです。慎重すぎるわけでも、行動力がないわけでもありません。

転職サイトや転職エージェントは、転職のための道具の一つにすぎません。使えば便利な場面もありますが、使わなければ転職できないわけではありません。この記事では、登録せずに求人を探す方法と、園に自分で応募するときの手順を、問い合わせの言い方や確認リストまで含めてまとめました。

この記事でわかること

  • 転職サイトに登録しなくても保育士が転職できる理由と、求人の探し先
  • 「登録したくない」理由ごとの、代わりになる方法
  • 園に自分で応募するときの7つの手順と、問い合わせの言い方の例
  • 自分で応募するときに抜けやすい確認と、その補い方
  • 「相談だけしたい」ときの選択肢と、登録しない転職の限界

結論

保育士は、転職サイトに登録しなくても転職できます。園や法人の採用ページから直接応募する、ハローワークで探す、都道府県などが設置する保育士・保育所支援センターに相談する[1]、知人の紹介を受けるといった方法があります。自分で応募する場合は、条件を3つに絞る、求人を探す、求人票で条件を確かめる、見学する、書類を出して面接を受ける、内定後に労働条件を書面で確かめる、という順に進めます。サイトの担当者が代わりにしていた確認や日程調整を自分で行うことになるため、確認リストを手元に用意して抜けを防ぐことが、登録しない転職をうまく進めるこつです。

01転職サイトに登録しなくても、保育士の転職はできる

要点:できます。保育士を探している園は多く、園や法人が自分で採用活動をしていることも珍しくありません。転職サイトは求人を探す入り口の一つで、ほかにも公的な窓口や直接応募の道があります。

保育士の求人は、全国的に見ても人を探している園が多い状態です。2026年7月の保育士の有効求人倍率は2.80倍で、全職種の平均1.15倍を大きく上回っています[2]。東京都に限ると4.04倍です[3]。人を探している園が多いということは、園の側も転職サイトだけに頼らず、自分たちのホームページ、公的な窓口、職員からの紹介など、いくつもの方法で人を集めているということでもあります。

転職サイトを使わない場合に変わるのは、「誰が求人を探し、誰が園とやりとりするか」です。サイトや担当者が代わりにしていた作業を、自分で行うことになります。その分の手間は増えますが、連絡のタイミングも、応募する園の数も、返事をするまでの時間も、すべて自分で決められます。

求人を探せる場所は、サイト以外に5つある

図1

  • 1

    園・法人の採用ページ

    法人のホームページに「採用情報」「職員募集」の欄があることが多い。気になる園の名前や運営法人の名前で検索して確かめる

  • 2

    ハローワーク

    公的な職業紹介の窓口。窓口で相談しながら求人を探せるほか、インターネットでも求人を検索できる

  • 3

    保育士・保育所支援センター

    都道府県などが設置する保育人材の支援拠点。保育士への職業紹介などの就業支援を行っている

  • 4

    自治体の保育人材向けページ

    復職支援や貸付制度、地域の保育の情報をまとめている都道府県や市区町村もある

  • 5

    知人や養成校のつながり

    以前の同僚、実習先、学校の先生などから、職場の内情も含めて話を聞ける

図1 転職サイトを使わずに保育士の求人を探せる場所

自治体のページは見落としがちですが、地域によっては役に立つ情報がまとまっています。たとえば埼玉県の公式サイト「埼玉保育ナビ」では、保育士として復帰する人に向けて、就職準備金の貸付などを案内しています[4]。お住まいの都道府県名と「保育士」「就職」などの言葉で検索し、自治体の公式サイトにどんな情報があるかを一度確かめておくと、探し方の幅が広がります。

公的な「保育士・保育所支援センター」という選択肢

保育士・保育所支援センターは、都道府県や指定都市・中核市が設置する保育人材の支援拠点で、保育士への職業紹介などの就業支援や、保育所への勤労環境の改善の助言などを行っています。2025年12月時点で全国に75か所あります[1]。2025年10月には改正児童福祉法で法定化され、都道府県に保育人材確保の拠点となる体制の整備が義務付けられました[5]。センターの登録者のうち就職につながった件数は、2024年度で4,708件です[6]。

センターの中心的な役割は、資格を持ちながら保育の仕事を離れている人の再就職の相談や就職あっせんですが、求人情報の提供や、働き続けるための相談支援も業務に含まれています[7]。いま保育士として働いている人がどこまで利用できるか、どんな求人を扱っているかは地域によって違う可能性があるため、お住まいの都道府県のセンターに問い合わせて確かめてください。

02「登録したくない」理由ごとに、代わりの道を選ぶ

要点:「登録したくない」の中身によって、合う方法は変わります。電話が負担なのか、個人情報が心配なのか、まだ迷っているのかを分けて考えると、使える選択肢がはっきりします。

一口に「登録したくない」と言っても、引っかかっている点は人によって違います。電話が苦手な人と、まだ転職を決めていない人とでは、選ぶべき方法がまったく変わります。まず、自分がどこに引っかかっているのかを確かめてみてください。

図2

電話が続くのが負担

園の採用ページから、メールや問い合わせフォームで直接連絡する。転職サービスを使う場合も、連絡手段を選べるかを先に確かめる

連絡のペースを自分で握る

個人情報を預けたくない

応募したい園にだけ、自分で書類を出す。氏名や連絡先を渡す相手を、応募先の園に限れる

渡す相手を絞る

まだ転職を決めていない

求人を眺めるだけにとどめ、気になる園は見学で雰囲気を知る。迷いの整理は相談窓口でもできる

決める前に情報だけ集める

担当者に急かされたくない

自分で応募し、返事の期限は園に直接確認する。比べる園の数も自分で決める

判断の速さを自分で決める

図2 「登録したくない」理由と、代わりになる方法

いちばんの理由が「電話」であれば、転職サービスそのものを避けなくても、連絡方法を選べるサービスを使う手もあります。登録前に確かめておきたい点は電話なしで使える転職サービスの選び方に、すでに連絡が多くて困っている場合の対処は転職エージェントの連絡がしつこいときの対処法にまとめています。

個人情報が心配な場合は、「誰に、何を渡すか」を自分で決められる直接応募がいちばん分かりやすい方法です。履歴書を渡すのは、見学をして応募すると決めた園だけ。それ以外の園には、名前とメールアドレスで問い合わせをするだけで済みます。

「相談だけしたい」なら、相手を選ぶ

転職サイトの面談やカウンセリングは、求人の紹介につなげることを前提にしていることが多いものです。それ自体は悪いことではありませんが、転職するかどうかを決めていない段階で「話を聞いてほしい」だけなら、少し目的がずれてしまいます。

その場合は、最初に「今は情報を集めている段階で、すぐに応募するつもりはありません」と伝えるか、転職を前提にしない相談窓口を選ぶほうが、気持ちが楽です。相談だけで終わってよい窓口の探し方は、転職相談だけしたいときの窓口の選び方で紹介しています。

03園に自分で応募する7つの手順

要点:自分で応募するときは、条件の整理から労働条件の確認まで、7つの段階で進めます。在職中なら、問い合わせから内定まで1〜2か月を目安に考えておくと、無理なく進められます。

図3

  1. 譲れない条件を3つに絞る

    通勤時間、勤務時間、担当したい年齢など、これだけは守りたい条件を3つまで書き出す

  2. 求人を探して候補を3〜5園に絞る

    採用ページ、ハローワーク、支援センターなどで探し、条件に合う園を一覧にする

  3. 求人票で条件を確かめる

    勤務時間、休日、給与の内訳、試用期間、加入保険などについて、書かれている項目と書かれていない項目を分けておく

  4. 電話かメールで問い合わせ、見学を申し込む

    募集が続いているかを確認し、見学できる日を相談する。やりとりした日時と内容はメモに残す

  5. 見学で保育と職員の様子を見る

    保育室の雰囲気、職員どうしの声かけ、書類や制作物の量など、求人票に出てこない部分を確かめる

  6. 応募書類を出して面接を受ける

    履歴書と、必要なら職務経歴書を用意する。面接では残業や持ち帰りなど、聞きにくいことも確認する

  7. 内定後に労働条件を書面で確かめる

    労働条件通知書などで、聞いていた条件と同じかを確かめてから、今の園に退職を伝える

図3 保育士が転職サイトを使わずに園へ自分で応募する手順

手順の中で、いちばん省略されやすいのは3番目の「求人票で条件を確かめる」です。転職サイトを使っていれば担当者が補足してくれる部分を、自分で読み解く必要があります。ここを丁寧にしておくと、見学や面接で何を聞けばいいかが自然に決まります。

問い合わせは「募集の確認」と「見学のお願い」だけで十分

最初の連絡で、志望動機まで話す必要はありません。伝えるのは、募集が続いているかの確認と、見学のお願いの二つだけです。電話なら、次のような流れで伝えれば足ります。

  1. 「お忙しいところ失礼いたします。保育士の求人についてお伺いしたく、お電話いたしました。○○と申します」
  2. 「ホームページで職員募集を拝見しました。現在も募集されていますでしょうか」
  3. 「応募を考えておりまして、その前に一度見学させていただくことはできますか」
  4. 「在職中のため、平日の夕方か土曜日だと伺いやすいのですが、ご都合はいかがでしょうか」

電話をかける時間は、登園と降園で慌ただしい朝と夕方を避け、午睡の時間帯にあたる13時半から15時ごろにすると、落ち着いて話を聞いてもらえることが多いようです。勤務中で電話が難しければ、採用ページの問い合わせフォームやメールでもかまいません。メールの件名は「保育士求人への見学のお願い(氏名)」のように、用件と名前が一目で分かる形にしておくと、園の側も対応しやすくなります。

見学は、自分が選ぶための材料集め

見学は、園に選ばれる場であると同時に、自分が園を選ぶ場でもあります。保育室の壁面がどのくらい手の込んだものか、職員室の机に書類が積まれていないか、職員どうしがどんな声のかけ方をしているか。求人票には書かれない情報が、見学の30分にたくさん詰まっています。見るべき点は園見学のチェックリストにまとめていますので、印刷して持って行くのもおすすめです。

04サイトの担当者がしていた確認を、自分でする

要点:転職サイトを使わない場合、条件の確認や聞きにくい質問は自分の役目になります。求人で示すべき項目を手がかりに、書かれていないことを面接までに埋めていきます。

求人を出す側は、募集の段階で、業務の内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間・休憩・休日、時間外労働の有無、賃金(固定残業代がある場合はその内訳)、加入する保険などを明示する必要があり、原則として最初の面接などまでにすべてを示すことになっています[8]。2024年4月からは、業務や就業場所の「変更の範囲」も明示する項目に加わりました[9]。つまり、これらの項目が求人票に見当たらないときに面接で尋ねるのは、ごく自然なことです。

図4

  • 勤務時間とシフトの種類早番・遅番の時刻と月の回数で、生活が回るかどうかが決まります
  • 休憩の取り方子どもと一緒にとる給食の時間が、休憩扱いになっていないかを確かめます
  • 時間外労働の有無と実態求人票の「あり・なし」だけでなく、行事前の残業がどのくらいかも聞いておきます
  • 持ち帰り仕事の有無連絡帳や制作物を家でしていないか、書類の時間がシフトの中にあるかを聞きます
  • 給与の内訳基本給と手当の内訳、固定残業代があればその時間数と金額を確かめます
  • 賞与と昇給の実績「賞与年2回」だけでなく、昨年度の実績を聞けると見通しが立ちます
  • 試用期間の条件期間の長さと、その間に給与や待遇が変わるかを確かめます
  • 加入する保険社会保険と雇用保険に加入できるかを確認します
  • 変更の範囲将来、同じ法人のほかの園へ異動する可能性があるかを確かめます
  • 入職直後の担当最初に任されるクラスや役割を聞いておくと、気持ちの準備ができます
図4 自分で応募するときに確かめたいこと

求人票の読み方そのものに不安がある場合は、求人票で見るべきポイントも参考にしてください。給与や休日の書き方には園ごとのくせがあり、慣れるまでは見落としが出やすいものです。

聞きにくいことは、メモを見ながら聞いてよい

面接で残業や給与のことを聞くと、印象が悪くなるのではと心配する人は多いでしょう。けれども、入職してから「聞いていなかった」となるほうが、園にとっても本人にとっても損失は大きくなります。「入職後の生活を具体的に考えたいので、いくつか確認させてください」と前置きをして、メモを見ながら順番に聞けば、失礼にはあたりません。

聞き方にも少し工夫ができます。「残業はありますか」と聞くと「ほとんどないですよ」で終わりがちです。「行事の前の月は、どのくらい残ることが多いですか」「連絡帳や指導計画は、どの時間に書いていますか」のように、場面を指定して聞くと、具体的な答えが返ってきやすくなります。

内定後は、書面で条件をそろえる

労働契約を結ぶときにも、就業場所と業務の変更の範囲を含む労働条件が書面などで明示されます[10]。面接で聞いた話と書面の内容が違っていたら、入職前に確認して、どちらが正しいのかをはっきりさせておきます。入職後に、明示された労働条件が事実と違っていたと分かった場合、労働者はすぐに契約を解除できると法律で定められていますが[11]、そこまで行く前に、書面の段階で食い違いをなくしておくことがいちばんの予防になります。

05相談事例:登録せずに、家の近くの3園へ直接問い合わせた

要点:ここでは、転職サイトを使わずに転職先を決めたモデルケースを紹介します。どこで手間がかかり、それを何で補ったのかに注目してください。

電話が怖くて登録できなかった私が、自分で選んだ転職

相談事例(モデルケース)

お名前
せなさん(仮名)・29歳
保育士歴
8年目(相談当時)
勤務先
地方都市の私立認可保育園(定員約80名)、4歳児クラス担任
変化
通勤 片道50分 → 15分、持ち帰り 週3日 → 月1回ほど

編集部転職サイトに登録しなかったのは、なぜですか。

せなさん

前に同期の子が登録したら、昼休みに何回も電話がかかってきて、園長の前で出られなくて困ってたんです。それを横で見ていたので、正直、登録ボタンを押す勇気が出なくて。地元が狭いので、どこかから今の園に話が伝わるのも怖かったです。

編集部どうやって求人を探しましたか。

せなさん

地図アプリで、家から自転車で15分以内の園を全部書き出しました。12園あって、そのうち法人のホームページに募集が載っていたのが4園。1園は乳児だけの小規模園で、私は幼児クラスを続けたかったので外して、残りの3園にメールで見学をお願いしました。

編集部自分で進めて、いちばん大変だったことは何ですか。

せなさん

給料の話を自分から切り出すことです。担当の人がいれば代わりに聞いてもらえるんだろうなって、何度も思いました。結局、聞きたいことを10個紙に書いて、面接の最後に「入職後の生活を考えたいので確認させてください」と言って順番に聞きました。拍子抜けするくらい普通に答えてもらえて、もっと早く聞けばよかったって笑っちゃいました。

編集部決め手になったのは何でしたか。

せなさん

2園目の見学で、主任の先生が壁面を指さしながら「制作は保育の時間に子どもとやる分だけにしてるの」って説明してくれたことです。今の園は持ち帰りが週3日くらいあったので、そこがいちばん大きかったですね。

聞きにくいことほど、紙に書いて持っていけば聞けるんだと分かりました。

せなさん(仮名)

せなさんは、内定後に労働条件通知書を受け取って内容を確かめてから、退職の2か月前に園長へ伝え、年度末で退職しました。4月からは新しい園で4歳児クラスの副担任をしています。通勤は片道15分になり、持ち帰りは今のところ月に1回あるかないかだそうです。

せなさんのケースで手間がかかったのは、園を探す段階と、聞きにくいことを聞く段階でした。前者は「家から自転車で15分」という条件で範囲を区切り、後者は質問を紙に書いて持参することで乗り越えています。登録しない転職では、この二つの工夫がそのまま使えます。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

このケースで見落とせないのは、せなさんが最初に「幼児クラスを続けたい」という条件で1園を外している点です。自分で応募する転職では、候補を増やすことより、条件で絞ることのほうが進めやすさに直結します。

063つの方法を比べて、自分に合う進め方を選ぶ

要点:自分で応募する、転職サービスを使う、公的な窓口を使う。それぞれに得意なことと手間のかかることがあります。一つに決めず、組み合わせてもかまいません。

図5

比べること園に自分で応募転職サイト・エージェントハローワーク・支援センター
求人の探し方採用ページなどを自分で探すサイトで検索する、または担当者から紹介を受ける窓口や検索システムで探す。相談しながら選べる
個人情報を渡す相手応募する園だけサービスの運営会社と、応募先の園公的な機関と、応募先の園
連絡のペース自分で決められるサービスによって電話やメールが届く自分から窓口に出向く、問い合わせる
条件の確認すべて自分で行う担当者が間に入ることがある窓口の人に相談しながら確認できる
費用かからない求職者は原則として無料かからない
向いている人応募先がある程度絞れていて、自分のペースで進めたい人求人を広く知りたい人、やりとりを任せたい人相談しながら探したい人、復職を考えている人
図5 求人の探し方による違い

民間の転職サービスは、職業紹介について求職者から手数料を取ることが法律で原則として禁じられているため[12]、費用の面で差がつくことはほとんどありません。違いが出るのは、手間のかかり方と、自分でコントロールできる範囲です。

組み合わせるときは「同じ園に二重で応募しない」

方法を組み合わせるのは自然なことです。たとえば、求人探しはハローワークと採用ページで行い、条件の整理だけは相談窓口で手伝ってもらう、という使い方もできます。

ただし、一つだけ気をつけたいのが、同じ園への二重の応募です。転職サービスから紹介を受けた園に、別に自分でも応募してしまうと、園の側でどちらの経路として扱うかが分からなくなり、トラブルの原因になります。どの園にどの経路で連絡したかを、表にして手元に残しておくと安心です。

07登録しない転職で、引き受けることになる手間

要点:登録しない転職の弱点は、情報の比較と条件の相談を一人で担うことです。弱点を知ったうえで、補う手段を先に用意しておけば、必要以上に心配することはありません。

1. 比べる材料が、自分で見たものだけになる

転職サービスを使うと、同じ地域のほかの園の条件を聞けることがあります。自分で応募する場合、比べる材料は、自分が見学した園と、自分が読んだ求人票だけです。1園だけを見て決めると、その園の条件が良いのか普通なのかが分かりません。少なくとも2〜3園は見学して、同じ確認リストで比べるようにすると、判断の偏りを減らせます。

2. 条件の相談は、自分の口でする

給与や入職日、担当するクラスの希望を伝えるのは、すべて自分です。言いにくさはありますが、これは見方を変えると、自分の言葉で、自分の優先順位を伝えられるということでもあります。せなさんのように質問を紙にまとめておく、面接の最後に確認の時間をもらう、といった準備で、ずいぶん楽になります。

3. 在職中の時間をやりくりする必要がある

見学は保育中の様子を見るために、平日の日中になることが少なくありません。今の園のシフトや行事の予定を見ながら、有給休暇を使える日を早めに押さえておきましょう。問い合わせから内定までの間、週に1〜2回、30分ほど「転職のための時間」をカレンダーに入れておくと、連絡の返事が遅れて焦ることも減ります。

自分で進めるといっても、すべてを一人で考える必要はありません。条件の整理や、聞きたいことのリストづくりは、転職サービスに登録しなくても誰かと一緒にできます。ほいくの相談室では、転職するかどうか決めていない段階でも、話を聞きながら確認したいことを一緒に整理しています。登録するかどうかを決める前の、考えを言葉にする場として使ってもらえたらと思います。

よくある質問

転職サイトを通さずに応募すると、園に悪い印象を持たれますか?

応募の経路だけで不利になるとは考えにくいものです。園にとっては、直接応募した人も紹介を受けた人も、同じ候補者です。見学や面接で何を見て、なぜその園を選んだのかを自分の言葉で伝えられるかどうかのほうが、ずっと大きな意味を持ちます。

求人が出ていない園に問い合わせてもいいですか?

問い合わせること自体は問題ありません。「今は募集がなくても、欠員が出たら連絡をいただけますか」と伝えておくと、声がかかることもあります。ただし、何度も連絡すると負担になるので、一度伝えたら返事を待つのが無難です。

前に登録した転職サイトから紹介された園に、自分で直接応募してもいいですか?

すでに紹介を受けている園に別の経路で応募すると、園の側で混乱が起きやすくなります。直接応募したい場合は、先にサイト側に「その園は自分で応募したい」と伝えるか、紹介を辞退してから応募するのが安全です。使わなくなったサイトは退会しておくと、連絡も止まります。

ハローワークや支援センターに行くと、応募を急かされませんか?

公的な窓口は、相談しながら求人を探すための場所で、応募するかどうかは自分で決められます。不安であれば、最初に「今日は情報を集めに来ました」と伝えておくと、話を進めやすくなります。

自分で応募する場合、給与の交渉はできますか?

できます。ただ、交渉の前に、給与の内訳と、これまでの経験年数がどう反映されるかを確かめるほうが現実的です。担当してきたクラスや年数を具体的に伝えたうえで「経験年数はどのように給与に反映されますか」と聞くと、角が立ちにくくなります。

参考にした資料

  1. こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
  2. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
  3. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」
  4. 埼玉県公式「埼玉保育ナビ」保育士復帰をお考えの方へ
  5. こども家庭庁「児童福祉法等の一部を改正する法律(令和7年法律第29号)の概要」
  6. こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
  7. こども家庭庁 令和7年度行政事業レビュー公開プロセス説明資料
  8. 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
  9. 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」
  10. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  11. 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」(厚生労働省)
  12. e-Gov法令検索「職業安定法」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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