保育士のリーダー業務がつらい|後輩指導の疲れを減らす方法

「先週も言ったよね」。そう口に出しかけて、ぐっと飲み込む。1歳児クラスの食事の時間、後輩がまた、エプロンをつける前にスプーンを渡してしまった。同じことを伝えるのは、これで3回目です。夕方には後輩の書いた連絡帳に目を通し、気になるところに付せんを貼る。自分のクラスの月案は、今夜も家で書くことになりそうです。

リーダーを任されたときは、頼りにされているのがうれしかった。けれども今は、自分の保育をする時間より、後輩の保育を見て、直して、フォローする時間のほうが長い気がします。後輩はなかなか育たないし、強く言えば辞めてしまいそうで怖い。かといって、言わなければ子どもの安全に関わる。板の上で両側から押されているような毎日に、「リーダーなんて引き受けなければよかった」と思う夜もあるでしょう。

この記事では、リーダー業務がつらくなる理由を整理したうえで、「後輩が育たない」という悩みを4つのタイプに分け、指導を一人で抱え込まない仕組みと、伝え方の工夫をまとめました。リーダーを外れたいと感じたときの考え方にも触れています。

この記事でわかること

  • 保育士のリーダー業務がつらくなる4つの理由
  • 「後輩が育たない」悩みの4つのタイプと、タイプごとの関わり方
  • 後輩指導を一人で抱え込まないための仕組みのつくり方
  • 指導とパワハラの線引きと、伝わりやすい言い方
  • リーダーを外れたいと感じたときの考え方と伝え方

結論

保育士のリーダー業務がつらいときは、自分のクラスの仕事と後輩の指導を一人で背負い込んでいないかを、まず確かめます。リーダー業務の疲れは、自分の保育と全体のフォローの二重の負担、指導の正解が見えないこと、後輩の失敗の責任を感じること、頑張りが見えにくいことから生まれます。後輩が育たない悩みは、覚えられない、自分で考えない、注意を受け入れない、休みがちという4つに分けると、教え方を変えるのか、任せ方を変えるのかが見えてきます。教えることを一覧にし、振り返りの時間を決め、指導役を複数にする仕組みをつくれば、リーダーの負担は減らせます。

01リーダー業務がつらくなる、4つの理由

要点:リーダー業務のつらさは、自分の保育と全体のフォローの二重の負担、指導の正解が見えないこと、後輩の失敗を自分の責任と感じること、頑張りが評価に表れにくいことの4つから生まれます。

リーダーの仕事は、園によって中身が違います。クラスリーダー、乳児リーダー、行事のリーダー、新人の指導係。呼び方はさまざまでも、共通しているのは「自分の仕事に、ほかの人の仕事が乗ってくる」ということです。

図1

  • 1

    自分の保育と全体のフォローの二重の負担

    自分の担当の子どもを見ながら、クラス全体の流れと後輩の動きにも目を配り続ける

  • 2

    指導の正解が見えない

    同じ伝え方でも、伝わる人と伝わらない人がいる。何をどこまで教えればよいか分からない

  • 3

    後輩の失敗を自分の責任と感じる

    後輩のミスやヒヤリハットが起きると、「自分の教え方が悪かった」と責めてしまう

  • 4

    頑張りが評価に表れにくい

    指導やフォローは目に見えにくく、手当や評価に反映されていると感じにくい

図1 保育士のリーダー業務がつらくなる4つの理由

つらさの中心は「時間」と「気持ち」のどちらか

4つの理由は、大きく二つに分けられます。一つは、二重の負担という「時間」の問題。もう一つは、正解が見えない、責任を感じる、評価されないという「気持ち」の問題です。時間の問題なら、仕組みを変えることで減らせます。気持ちの問題なら、考え方を少し変えるだけで軽くなることがあります。自分のつらさがどちらに近いかを見ておくと、手のつけどころが分かります。

職場の改善を望む声は、リーダーの負担とつながっている

東京都の調査で、現役の保育士が今の職場で改善を望んだ項目を見ると、職員数の増員、事務・雑務の軽減、職員間のコミュニケーションが上位に入っています[1]。どれも、リーダーが一人で穴を埋めがちなところです。リーダーのつらさは、個人の力量の問題ではなく、職場の仕組みの問題でもあります。

リーダーの役割の範囲を、一度言葉にしてみる

多くの園では、リーダーが何をどこまで担うのかが、はっきり決まっていません。「クラスのまとめ役」と言われて引き受けたら、後輩の書類の確認、保護者対応のフォロー、行事の準備の割り振り、シフトの相談まで回ってきた、ということも珍しくありません。今担っている仕事を書き出し、「リーダーとして頼まれたこと」と「いつの間にか増えたこと」に分けてみてください。後者が多いなら、範囲を園長と確かめ直すだけで、負担が軽くなる可能性があります。

図2

現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[1]

給与・賞与等の改善62.7%
職員数の増員48.6%
事務・雑務の軽減40.1%
職員間のコミュニケーション26.8%
勤務シフトの改善25.1%
図2 現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[1]

02「後輩が育たない」悩みを、4つのタイプに分ける

要点:後輩が育たないと感じるときは、覚えられない、自分で考えない、注意を受け入れない、休みがち・辞めそう、の4つのどれに当たるかを見ます。タイプによって、教え方を変えるのか、任せ方を変えるのか、伝え方を変えるのかが違います。

「後輩が育たない」とひとまとめにしていると、どう関わればよいかが見えてきません。困っている場面を思い浮かべて、どのタイプに近いかを考えてみてください。

図3

覚えられない

午睡チェックの手順や食事介助の順番を何度伝えても抜ける。メモを取っていない

教え方を変える

自分で考えない

指示されたことはできるが、次に何をすればいいか自分で動けない。毎回確認に来る

任せ方を変える

注意を受け入れない

伝えると不機嫌になる、言い訳が多い、「前の園ではこうだった」と返される

伝え方を変える

休みがち・辞めそう

表情が暗く、急な休みが増えている。注意すると泣いてしまう

一人で抱えない

図3 「後輩が育たない」悩みの4つのタイプ

覚えられない後輩には、口で伝えるより紙で渡す

同じことを何度も伝えている場合、後輩は聞いていないのではなく、覚え方が合っていないことが多いものです。口で伝えたことは、忙しい保育の中で流れていきます。午睡チェックの手順、食事介助の流れ、延長保育の引き継ぎなど、繰り返し伝えていることは、A4一枚の手順書にして渡してください。伝える回数が減るだけでなく、後輩も「見れば分かる」安心感を持てます。新人が仕事を覚えられないときの工夫は、新人保育士が仕事を覚えられないときにもまとめています。

自分で考えない後輩には、範囲を決めて任せる

指示を待つ後輩には、「全部任せる」のではなく、「ここまでは自分で決めていい」という範囲を示すと動きやすくなります。たとえば、「雨の日の室内遊びは、この3つの中から選んで進めてみて」と選択肢を渡す。うまくいかなくても、子どもの安全に関わらない範囲なら、まずやってもらう。終わったあとに「どうしてそれを選んだの?」と聞くと、考える習慣が少しずつ育ちます。

注意を受け入れない後輩には、行動と理由をセットで伝える

注意すると不機嫌になる後輩には、「なぜそうしてほしいのか」を添えると、受け止め方が変わることがあります。「エプロンをつけてからスプーンを渡してね」だけでなく、「スプーンを先に渡すと、待てない子が食べ始めて服が汚れて、着替えで食事の時間が延びるから」と理由を伝える。中途で入った後輩なら、前の園のやり方を一度聞いてから、「この園では、こういう理由でこうしている」と説明すると、納得しやすくなります。

休みがちな後輩は、一人で抱えずに園長や主任へつなぐ

表情が暗い、急な休みが増えた、注意すると泣いてしまう。こうした様子が続く後輩は、指導の問題を超えて、心身が疲れている可能性があります。リーダーが一人で支えようとすると、リーダー自身も疲れ切ってしまいます。「最近、〇〇さんが元気がないようで心配です」と、早めに園長や主任に共有してください。支えるのは、リーダー一人ではなく園全体の役目です。

03後輩指導を一人で抱え込まない仕組みのつくり方

要点:教えることを一覧にして優先順位をつけ、手順を紙にし、振り返りの時間を決め、指導役を複数にする。この仕組みがあると、リーダーの負担は「毎日の注意」から「週に一度の振り返り」に変わっていきます。

保育所保育指針は、第5章を「職員の資質向上」にあてています[2]。職員を育てることは、本来、リーダー一人ではなく園全体で取り組むことです。仕組みをつくるのは、リーダーが楽をするためだけではなく、園の育成の形を整えることでもあります。

図4

  1. 教えることを一覧にする

    後輩に覚えてほしいことを、思いつくだけ書き出します。20〜30項目になることもあります

  2. 優先順位をつける

    午睡チェックや食物アレルギーの対応など、子どもの安全に関わることを最優先にし、次に毎日の流れ、最後に行事や制作の順に並べます

  3. 手順を紙にする

    繰り返し伝えていることから順に、A4一枚の手順書にします。写真や図を入れると伝わりやすくなります

  4. 振り返りの時間を決める

    週に1回、15分ほど、後輩と一緒に「できたこと」と「次に取り組むこと」を話す時間を決めます

  5. 指導役を複数にする

    食事は自分、午睡はもう一人のベテラン、というように、分野ごとに教える人を分けます

  6. 園長や主任と共有する

    一覧と進み具合を月に一度共有し、指導の負担がリーダーに偏っていないかを確かめてもらいます

図4 後輩指導を一人で抱え込まない仕組みのつくり方

「その場で全部直す」をやめる

リーダーが疲れる大きな理由の一つは、気づいたことを全部その場で直そうとすることです。子どもの安全に関わることは、その場で伝える必要があります。けれども、連絡帳の書き方や、壁面の作り方など、急がないことは振り返りの時間にまとめて伝えれば十分です。「今すぐ言う」と「あとで言う」を分けるだけで、1日の声かけの回数はぐっと減ります。

「あとで言う」ことは、気づいたときに付せんに一言書いて、振り返りの日までためておきます。1週間分を並べてみると、同じ指摘が何度も出ているもの、一度で直ったものが分かれてきます。何度も出ているものだけを手順書に加えれば、手順書は少しずつ、その園とその後輩に合った形に育っていきます。

書類の時間を、リーダー自身のために確保する

後輩の書類を見る時間が増えて、自分の月案や連絡帳が家に持ち帰りになっている人は多いはずです。国のガイドラインでも、記録・書類の見直しやICTの活用など、業務負担を減らす進め方が示されています[3]。後輩の書類を確かめる時間と、自分の書類を書く時間を、それぞれ週のどこかに決めて園長に相談してみてください。

04指導とパワハラの線引きと、伝わりやすい言い方

要点:業務上必要で相当な範囲で行われる適正な指導は、パワハラには当たりません。ただ、伝え方によっては後輩を追い詰めてしまうこともあります。人格ではなく行動について、理由を添えて伝えるのが基本です。

後輩指導に疲れた人の中には、「強く言ったらパワハラと言われるのでは」と心配して、言うべきことを言えずに抱え込んでいる人もいます。職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、就業環境が害されるもの、と定義されています[4]。客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は、パワハラには当たりません[4]。

子どもの安全のために必要なことを伝えるのは、リーダーの大事な役目です。言うべきことは言ってよいのです。そのうえで、伝え方を少し変えるだけで、後輩の受け止め方は大きく変わります。

図5

場面つらさを生みやすい言い方伝わりやすい言い方
同じミスが続いたとき「何回言ったら分かるの」「この手順、紙にしたから一緒に確認しよう」
動きが遅いとき「もっと周りを見て」「おやつの前は、テーブルを拭く、手を洗う、の順で動いてみて」
連絡帳の書き方「これじゃ保護者に伝わらない」「今日の姿を一つ、具体的な場面で書いてみよう」
人前で気づいたとき子どもや保護者の前でその場で注意する安全に関わらなければ、あとで二人のときに伝える
できたとき何も言わない「今日の午睡チェック、時間どおりでよかったよ」と短く伝える
図5 後輩への伝え方:つらさを生みやすい言い方と、伝わりやすい言い方

ほめることも、指導の一部

注意することに比べて、できたことを伝える機会は少なくなりがちです。けれども、後輩が自分で動けるようになるのは、「これで合っている」と分かったときです。1日に一つ、できたことを短く伝えるだけで、後輩の表情は変わります。リーダー自身も、注意ばかりしている毎日より、気持ちが楽になるはずです。

伝えたことは、簡単に記録しておく

後輩に何をいつ伝えたかを、手帳に一行ずつ残しておくと、二つのことに役立ちます。一つは、同じことを何回伝えたかが分かり、手順書にすべき項目が見えること。もう一つは、園長や主任に相談するときに、指導の経過を具体的に説明できることです。記録は後輩を責めるためのものではなく、指導の仕組みを見直すための材料だと考えてください。

05相談事例:注意の回数を減らしたら、後輩が動き始めた

要点:ここでは、後輩が育たないと悩んでいた乳児クラスのリーダーが、指導の仕組みを変えたモデルケースを紹介します。何を手放し、何を始めたかに注目してください。

「その場で全部直す」をやめた日から

相談事例(モデルケース)

お名前
りょうこさん(仮名)・37歳
保育士歴
14年目(相談当時)
勤務先
私立の認可保育園(定員約80名)、1歳児クラスのリーダー(3人担任)
変化
後輩への注意 1日10回以上 → 週1回の振り返りと必要なときだけ/月案などの持ち帰り 週3日 → 週1日以下

編集部相談に来られたとき、何に一番悩んでいましたか。

りょうこさん

2年目の後輩と、中途で入った1年目の後輩、二人とも育たないって思ってました。毎日同じことを言ってるのに、変わらない。言えば言うほど、二人とも私の顔色をうかがうようになって。自分の書類は全部家に持ち帰ってて、正直、リーダーを降りたいって思ってました。

編集部4つのタイプに分けてみて、何が分かりましたか。

りょうこさん

2年目の子は「自分で考えない」タイプだと思ってたんですけど、話を聞いてみたら、私が毎回すぐ直しちゃうから、自分で決める機会がなかったんですよね。中途の子は「注意を受け入れない」んじゃなくて、前の園のやり方と違う理由が分からなかっただけでした。分けてみたら、変えるのは後輩じゃなくて、私の関わり方のほうだったんです。

編集部具体的に、何を変えましたか。

りょうこさん

教えることを全部書き出したら28項目あって。そのうち安全に関わる6つだけを最初に手順書にしました。それ以外は、その場で直すのをやめて、金曜の午睡の時間に15分だけ振り返りをすることにしたんです。食事の介助は私、午睡のことはもう一人のベテランの先生、って分けたのも大きかったです。

編集部後輩の様子はどう変わりましたか。

りょうこさん

1か月くらいで、2年目の子が「今日はこれをやってみました」って自分から言いに来るようになって。びっくりしました。振り返りの時間があるって分かってるから、その場で聞きに来ることも減ったんです。相談した人に「後輩が育たないのは、りょうこさんのせいじゃないですよ」って言われたとき、肩の力が抜けた気がします。

後輩を変えようとしてたけど、変わったのは、私が全部を一人でやるのをやめたときでした。

りょうこさん(仮名)

りょうこさんは、リーダーを続けることにしました。後輩が一人でできる仕事は、相談前の2つ(おむつ替えと検温の記録)から、半年で6つに増えたそうです。自分の月案は、週に1回、午睡の時間に書く時間を園長に確保してもらい、持ち帰りは週1日以下になりました。

このケースから持ち帰れるのは、「後輩が育たない」の中身を分けてみると、変えるべきものが後輩ではなく、指導の仕組みや自分の関わり方のほうにあることも多いということです。仕組みを変えるのは、自分を責めることとは違います。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図6

相談前半年後

後輩への注意の回数

1日10回以上
週1回の振り返り中心

月案などの持ち帰り

週3日
週1日以下

後輩が一人でできる仕事

2つ
6つ

指導を担う人

自分一人
自分ともう一人のベテラン
図6 りょうこさんのリーダー業務の変化

06リーダーを外れたいと感じたら

要点:仕組みを変えても負担が減らない、心身が疲れ切っているときは、リーダーを外れることも選択肢です。外れたいと伝えるときは、理由と時期、外れたあとに担えることをセットにすると、園も受け止めやすくなります。

仕組みを整えても、職員の数そのものが足りない、園長がリーダーの負担を理解してくれないといった状況では、限界があります。そのときは、リーダーを外れたいと伝えることも、正当な選択です。

伝える時期は、来年度のクラス編成が決まる前が目安です。「リーダーを2年務めて、自分の保育に集中する時間がほしいと感じています。来年度は担任の一人として、後輩のサポートは続けたいと思っています」のように、外れたあとに担えることも添えると、前向きな相談として受け止めてもらいやすくなります。外れたいと伝える前に、リーダーとしての負担を数字にしておくと話が進みやすくなります。1か月の持ち帰りの日数、後輩の書類の確認にかかった時間、指導のために残った回数。「つらいです」という言葉だけでは伝わりにくいことも、数字があれば園長も状況をつかみやすくなります。数字を見た園長が、外れるのではなく負担を分ける案を出してくれることもあります。

主任や副主任などの役職そのものを降りたい場合は、主任を辞めたい・一般職に戻りたいときの伝え方で詳しく紹介しています。

07抱え込みやすいリーダーに、伝えておきたい2つのこと

要点:一つは、後輩の成長はリーダー一人の責任ではないということ。もう一つは、自分のしんどさを後回しにしないことです。

1. 後輩が育つかどうかは、あなただけで決まらない

後輩が育つかどうかには、本人の向き不向き、園の体制、人員の余裕、ほかの先輩との関係など、多くのことが関わっています。リーダーにできるのは、育ちやすい環境を整えることまでです。どれだけ丁寧に教えても、合わずに辞めていく後輩もいます。それは、リーダーの失敗ではありません。整えた手順書や振り返りの仕組みは、次に入ってくる後輩のためにも、そのまま役立ちます。

2. 自分のしんどさを、後回しにしない

後輩を気にかけるリーダーほど、自分の疲れには気づきにくいものです。休みの日も後輩のことが頭から離れない、眠れない日が続く。そんなときは、自分のことを先に考えてください。心身の不調が2週間以上続くなら、医療機関の受診も考えてください。仕事を一人で抱え込んでしまう傾向については、仕事を一人で抱え込んでしまうときでも詳しく扱っています。

リーダーの悩みは、園の中では「弱音」に聞こえそうで、なかなか口に出せません。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていない段階でも、後輩指導やリーダー業務の悩みを、保育の現場の言葉のまま聞いています。10年目前後からの働き方全体を考えたい人は、ベテラン保育士が辞めたいときの働き方の変え方もあわせて読んでみてください。

よくある質問

後輩に強く言えず、自分でやってしまいます。

自分でやったほうが早いと感じるのは自然なことです。ただ、それが続くと、後輩は覚える機会を失い、リーダーの負担も減りません。子どもの安全に関わらない仕事から、一つずつ任せる範囲を決めて渡してみてください。

後輩のほうが年上で、指導しにくいです。

年上の後輩には、「教える」より「この園のやり方を共有する」という言い方のほうが受け入れられやすくなります。前の園での経験を聞いたうえで、「この園では、こういう理由でこうしています」と説明すると、相手の経験を否定せずに伝えられます。

リーダー手当が少なく、負担に見合いません。

リーダーの手当は園によって違い、処遇改善の仕組みによる賃金改善が役割と結びついていることもあります。給与明細の手当の内訳を確かめたうえで、負担の大きさを時間外労働や持ち帰りの記録で示し、園長に相談してみてください。

後輩が辞めてしまったのは、自分の指導のせいでしょうか。

後輩が辞める理由は、一つとは限りません。本人の事情や園の体制など、リーダーには変えられないことも多く関わっています。振り返ることは大切ですが、自分を責めすぎないでください。次の後輩のために、仕組みを整えることに目を向けるほうが前に進めます。

リーダーを断ったら、評価が下がりますか?

断った理由や伝え方によって受け止め方は変わります。体調や家庭の事情、自分の保育に集中したい理由などを具体的に伝え、担任として担えることを添えれば、園も配置を考えやすくなります。評価の扱いが気になる場合は、就業規則や評価の仕組みを確かめておいてください。

後輩指導の悩みは、誰に相談すればいいですか?

まずは主任や園長に、指導の経過を記録とともに共有するのが基本です。園の中で話しにくいときは、同じ立場のリーダー経験者や、保育の現場を知る外部の相談先に話してみると、自分の関わり方を客観的に見直すきっかけになります。

参考にした資料

  1. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  2. 保育所保育指針(こども家庭庁掲載)
  3. 保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン(こども家庭庁掲載)
  4. 厚生労働省 パワーハラスメント対策リーフレット

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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