午睡の時間、休憩室のドアを開ける。さっきまで聞こえていた若い先生たちの笑い声が、ふっと小さくなる。「お疲れさまです」と声はかけてくれるけれど、話の続きは始まらない。お弁当を広げながら、スマホを見るふりをする。数年前までは、自分もあの輪の真ん中にいたはずなのに。
中堅やベテランになると、人間関係の悩みの形が変わります。新人の頃のように「先輩が怖い」のではなく、「自分が怖がられているのでは」「若い人たちの中で浮いているのでは」という不安です。園長が替わった、同期が辞めて同世代がいなくなった、職員の半分が20代になった。自分は何も変わっていないつもりでも、周りの顔ぶれが変わると、居場所の感覚は大きく揺らぎます。
この悩みは、「人間関係がつらい」と一言で言うには複雑で、誰にも相談しにくいものです。後輩に相談するわけにもいかず、園長に言えば「ベテランなのに」と思われそうで。この記事では、中堅・ベテランの保育士が職場で浮いていると感じたときに、まず確かめたいこと、関係を立て直すための具体的な行動、そしてそれがハラスメントに当たるときの相談先を整理しました。
この記事でわかること
- 中堅・ベテランの保育士の人間関係が難しくなる4つの理由
- 「浮いている」と感じたときに確かめたい8つのこと
- 関係を立て直すための、3か月の小さな行動
- 無視や仲間外しが続くときの対応と、園の外の相談先
- 園を変えることを考えてよいサイン
結論
中堅・ベテランの保育士が職場で浮いていると感じるときは、まずそれが「雑談の輪に入りにくい」という距離の問題なのか、「業務の連絡が回ってこない」など仕事に支障が出ている問題なのかを分けて確かめます。中堅以降の人間関係の悩みは、立場の変化、世代の違い、職場の顔ぶれの変化、指導する側としての距離から生まれることが多く、本人に原因があるとは限りません。距離の問題なら、「前は」「昔は」を減らし、頼る側に回り、若手の意見を先に聞くといった小さな行動を3か月ほど続けることで関係は変わっていきます。業務に支障が出る無視や仲間外しが続くなら、記録を残し、園長や公的な窓口に相談してください。
01中堅・ベテランの人間関係が難しくなる、4つの理由
要点:中堅以降の人間関係の悩みは、立場の変化、世代の違い、職場の顔ぶれの変化、指導する側としての距離の4つから生まれます。どれも、本人の性格だけの問題ではありません。
保育士が辞めた理由として一番多いのは、職場の人間関係です。東京都の調査では、過去に保育士として働いた人が辞めた理由の1位が「職場の人間関係」で、31.5%でした[1]。人間関係の悩みは、新人だけのものではありません。経験を重ねるほど、悩みの形が変わっていくだけです。
図1
立場の変化
リーダーや指導係になり、同僚から「注意する人」として見られるようになった
距離が生まれやすい
世代の違い
若手が増え、話題や仕事の進め方、連絡の取り方の感覚が違う
雑談に入りにくい
職場の顔ぶれの変化
園長が替わった、同期が辞めた、同世代がいなくなった
居場所が揺らぐ
指導する側としての距離
後輩に注意した後、関係がぎこちなくなった
誤解が残りやすい
「浮いている」と感じるのは、居場所が変わったサイン
長く同じ園にいると、自分の居場所は「当たり前にあるもの」になります。ところが、職員の顔ぶれが変わると、その居場所は少しずつ形を変えます。若手の多い職場では、若手同士のつながりが自然と強くなり、中堅以上の人は輪の外に立つことが増えます。それは、あなたが嫌われたからではなく、職場の重心が移っただけのことも多いのです。
立場が上がるほど、雑談は減っていく
リーダーや副主任になると、後輩から見れば「評価する側」「注意する側」の人になります。後輩が気軽に雑談しにくくなるのは、ある意味で自然なことです。雑談が減ったことを「浮いている」と感じているなら、それは立場の変化による距離かもしれません。リーダーとしての後輩との関わり方は、リーダー業務や後輩指導に疲れたときでもまとめています。
中堅は、上と下の両方から見られている
中堅の保育士は、園長や主任からは「現場をまとめる人」として、若手からは「先輩」として見られます。上からは「若手にもっと伝えて」と言われ、下からは「それは先生が言っているだけでは」と受け取られる。どちらの側にも完全には属せないことが、「どこにも居場所がない」という感覚を強めます。これは、中堅という立場そのものが抱えやすい難しさです。自分だけがうまくやれていないわけではありません。
02「浮いている」と感じたら、まず確かめたい8つのこと
要点:浮いていると感じたら、雑談の距離の問題なのか、業務に支障が出ている問題なのかを分けて確かめます。次の8つを振り返ると、どちらに近いかが見えてきます。
浮いているという感覚は、とても主観的なものです。不安が強いときほど、相手の小さな態度を「自分を避けている」と受け取りやすくなります。まずは、事実と感じ方を分けて確かめてみてください。
図2
- 業務の連絡や変更は、自分にも届いているか届いていないなら、業務に支障が出ている問題
- 会議で意見を求められることはあるか求められているなら、仕事の上では頼られている
- あいさつは返ってくるか返ってくるなら、関係が切れているわけではない
- 困ったとき、後輩が相談に来ることはあるか来るなら、信頼はまだ残っている
- 雑談の輪に入れないのは、どの場面か休憩室だけなら、距離の問題の可能性が高い
- 「前の園では」「昔は」を、週に何回言っているか多いなら、若手が身構えている原因かもしれない
- 後輩に注意したあと、関係が変わった相手はいるかいるなら、その一人との関係から見直せる
- 自分だけ情報が回ってこない、無視されることが続くか続くなら、ハラスメントに当たる可能性もある
結果の読み方
上の4つ(業務の連絡、会議、あいさつ、相談)に問題がなければ、仕事の上での信頼関係は保たれています。浮いていると感じているのは、雑談の距離の問題である可能性が高く、次の章の小さな行動で変えていけます。
一方、業務の連絡が自分だけに届かない、話しかけても無視される、といったことが続いているなら、それは距離の問題ではなく、仕事に支障の出ている問題です。その場合は、後半の「無視や仲間外しが続くとき」の章を読んでください。
浮いている感覚が急に強くなったら、疲れも疑う
これまで気にならなかった若手の笑い声が、急に自分を笑っているように聞こえる。あいさつの声が小さいだけで、避けられていると感じる。そんなふうに、浮いている感覚が急に強くなったときは、人間関係そのものより、心や体の疲れが背景にあることもあります。行事が続いた時期、家庭のことで眠れていない時期には、人の態度を悪いほうに受け取りやすくなるものです。思い当たるなら、関係を変えようと動く前に、まず休むことを優先してください。
03関係を立て直す、3か月の小さな行動
要点:雑談の距離の問題なら、「前は」「昔は」を減らす、頼る側に回る、業務の話から会話を始める、若手の意見を先に聞く、という小さな行動を3か月ほど続けると、関係は少しずつ変わります。
人間関係は、一度の大きな行動より、小さな行動の積み重ねで変わります。急に飲み会を開いたり、無理に若手の話題に合わせたりする必要はありません。次のような順番で、少しずつ試してみてください。
図3
- 1〜2週目「前の園では」「昔は」を言わないと決める。言いそうになったら、まず相手のやり方を聞く
- 3〜4週目若手の得意なことを一つ見つけて、「教えて」と頼ってみる
- 2か月目雑談は、業務の延長の話題から始める。子どもの様子や、行事の準備の話など
- 2か月目の後半会議では、若手の意見を先に聞いてから、自分の意見を伝える
- 3か月目自分が抱えている役割を一つ、若手に任せてみる
- 3か月後会話できる相手、相談に来る相手が増えたかを振り返る
「前は」「昔は」を減らすと、若手が話しやすくなる
長く勤めている人の「前はこうだった」という言葉は、本人にとっては経験の共有でも、若手には「今のやり方を否定された」と聞こえることがあります。言いそうになったら、「今はどうしているの?」と先に聞く。それだけで、若手が話しかけやすい雰囲気は大きく変わります。
頼られる側から、頼る側へ
中堅やベテランは、いつも「頼られる側」にいます。それが、若手との距離をつくっていることもあります。ICTの使い方、新しい手遊び、壁面のアイデアなど、若手が得意なことを一つ見つけて、「教えてもらえる?」と頼ってみてください。頼られた若手は、あなたを「話しかけてもいい人」として見るようになります。
雑談は、業務の延長から始める
若手の話題に無理に合わせる必要はありません。「今日の〇〇ちゃん、お散歩で初めて坂を登れたね」「発表会の衣装、どうする?」のように、保育の話から始めれば、世代に関係なく会話ができます。共通の話題があると、そこから自然と雑談に広がることもあります。最初は一日に一言でかまいません。続けることのほうが、話の上手さよりもずっと効きます。
年下の上司とは、役割で付き合う
園長や主任が年下になることも、中堅以降にはよくあります。年齢ではなく役割で関わると決めると、気持ちが楽になります。「主任、この件はどうしましょうか」と、判断は上司に任せ、自分は経験から気づいたことを伝える役に回る。年下の上司にとっても、経験のある部下が自分を立ててくれることは、心強いものです。
注意したあとは、短いひと言で関係を戻す
後輩に注意したあと、なんとなく気まずくなって距離ができた。中堅以降の人間関係では、よくあることです。注意した内容が正しくても、そのままにしておくと「怖い先輩」という印象だけが残ります。次の日でかまわないので、「昨日はきつく聞こえたかもしれないけど、〇〇ちゃんの安全のためだったんだ。いつも丁寧に関わってくれてありがとう」と短く伝えてください。注意と感謝をセットにするだけで、後輩の受け止め方は変わります。
04無視や仲間外しが続くときの対応と、相談先
要点:業務に支障が出るほどの無視や仲間外し、情報を回さないといったことが続くなら、距離の問題ではなく、職場の問題です。記録を残し、園長や法人の窓口、公的な相談窓口に相談してください。
職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、働く人の就業環境が害されるもの、と定義されています[2]。中小企業も含めて、事業主にはパワハラの防止措置が義務づけられており[2]、相談に応じて適切に対応する体制を整えることや、相談したことを理由に不利益な扱いをしないことも求められています[3]。
図4
- 記録を残す日付、場面、相手、言われたことやされたこと、周りにいた人をメモする
- 信頼できる人に話す園の内外で、話を聞いてくれる人に状況を伝える
- 園長や主任に相談する記録をもとに、業務への影響を中心に伝える
- 法人の相談窓口を使う園長に話しにくいときは、法人のハラスメント相談窓口に連絡する
- 公的な窓口に相談する総合労働相談コーナーで、無料・予約不要で相談できる
記録は、自分を守るための材料
無視や仲間外しは、「気のせい」と言われやすいものです。だからこそ、記録が自分を守る材料になります。日付と場面、相手の言動、周りにいた人を、できるだけその日のうちにメモしておいてください。同僚からの無視や陰口がつらいときの記録の残し方は、同僚に無視される・陰口がつらいときで詳しく紹介しています。
公的な窓口も、無料で使える
総合労働相談コーナーは、全国の労働局や労働基準監督署などにあり、いじめ・嫌がらせやパワハラを含む労働問題について、無料・予約不要で面談や電話の相談を受けています[4]。また、労働局長による助言・指導や、紛争調整委員会によるあっせんも無料で利用でき、利用したことを理由に不利益な扱いをすることは法律で禁止されています[5]。
相談するときは、「業務への影響」を中心に話す
人間関係の相談は、どうしても「つらい」「悲しい」という気持ちが中心になりがちです。気持ちを伝えることも大事ですが、相談を受ける側が動きやすいのは、業務への影響が具体的に分かるときです。「行事の日程の変更が私にだけ伝わらず、当日に準備が間に合わなかった」「午睡の当番の交代を頼んでも返事がない日が、今月だけで4回あった」のように、場面と回数で伝えると、個人の感じ方ではなく職場の問題として受け止めてもらいやすくなります。
05相談事例:18年目、「浮いている」を分けて考えた
要点:ここでは、園長の交代と若手の増加で職場に居場所がなくなったと感じていた中堅の保育士のモデルケースを紹介します。確かめたことと、続けた小さな行動に注目してください。
浮いていたのは、雑談の輪だけだった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- とわさん(仮名)・42歳
- 保育士歴
- 18年目(同じ園に勤続、相談当時)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約70名)、4歳児クラス担任
- 家族
- 夫と高校生の子ども
- 変化
- 休憩中に話せる相手 0人 → 3人/会議で意見を求められる回数 ほぼなし → 毎回
編集部相談に来られたとき、どんな状態でしたか。
3年前に園長が替わって、そのあと同期が2人辞めて、気づいたら職員の半分が20代だったんです。休憩室に入ると、なんとなく会話が止まる気がして。若い先生たちが「とわ先生は昔のやり方だから」って話してたのも聞いちゃって。正直、もう居場所はないんだなと思って、転職サイトばかり見てました。
編集部8つのことを確かめてみて、どうでしたか。
やってみたら、業務の連絡はちゃんと来てたし、あいさつも返ってくる。困ったときに相談に来る後輩も、一人いたんです。浮いてたのは休憩室の雑談の輪だけだったんですよね。逆に、「昔は」を週に何回言ってるか数えたら、10回以上でした。それは、ちょっと衝撃でした。
編集部どんな行動から始めたのですか。
まず「昔は」を言わないようにしました。それから、ICTの登降園システムの使い方が分からなかったので、一番若い先生に「教えてもらえる?」って頼んだんです。そしたら、すごく丁寧に教えてくれて。次の日から、その先生が休憩室で話しかけてくれるようになりました。
編集部相談してよかったと思うことはありますか。
最初に「転職するかどうかは、今決めなくていいですよ」と言ってもらえたことです。転職サイトを見てたのは、本当は逃げ場がほしかっただけで。保育の現場の人間関係の話を、細かく説明しなくても分かってもらえたのも、安心しました。
浮いていたのは職場全体じゃなくて、休憩室の輪だけ。そう分かったら、少し肩が軽くなりました。
とわさん(仮名)
とわさんは、3か月ほど小さな行動を続けました。会議では若手の意見を先に聞いてから話すようにし、発表会の小道具づくりを若手のリーダーに任せたそうです。休憩中に話せる相手は3人になり、会議では毎回「とわ先生はどう思いますか」と意見を求められるようになりました。転職サイトのアプリは、いつの間にか開かなくなっていたと話しています。
このケースから持ち帰れるのは、「浮いている」という感覚を、事実と感じ方に分けて確かめることの大切さです。分けてみると、関係が切れているわけではなく、距離が広がっていただけだと分かることがあります。距離なら、小さな行動で縮めていけます。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
休憩中に話せる相手
「昔は」と言う回数(週)
会議で意見を求められる
自分から頼った回数(月)
06園を変えることを考えてよい、4つのサイン
要点:小さな行動を続けても関係が変わらない、業務に支障が出ている、心身に不調が出ている、園の方針や保育観が根本から合わない。この4つのどれかに当てはまるなら、園を変えることも前向きな選択です。
関係を立て直す努力は大切ですが、すべての職場で実を結ぶとは限りません。次のようなサインがあるなら、自分を責める前に、環境を変えることも考えてください。
図6
- 1
小さな行動を3か月続けても変わらない
自分から関わっても反応が変わらないなら、個人の努力の範囲を超えている
- 2
業務に支障が出ている
連絡が回ってこない、自分だけ行事の情報を知らされないなど、仕事に影響が出ている
- 3
心身に不調が出ている
出勤前に動悸がする、眠れない、休みの日も職場のことが頭から離れない
- 4
園の方針や保育観が根本から合わない
園長の交代などで、自分が大事にしてきた保育が否定され続けている
同じ法人が複数の園を運営しているなら、法人内の別の園に移るという選択肢もあります。給与の体系や勤続年数はそのままに、人間関係だけを変えられるので、転職より負担が小さく済むことがあります。異動の希望は、来年度の配置が決まる前に、理由を添えて園長や法人に伝えてみてください。
心身の不調が出ているときは、まず医療機関を受診してください。働く人のための「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時)でも、話を聞いてもらえます[6]。
なお、上司や同僚からの故意の排斥や著しい冷遇、嫌がらせを受けて離職した場合は、雇用保険の特定受給資格者に当たることがあります[7]。当てはまるかどうかはハローワークが判断するので、記録を残しておき、手続きのときに相談してください。次の職場では同じ悩みを繰り返さないよう、人間関係の良い園の見分け方を人間関係の良い園の見分け方で確かめておくと安心です。
07中堅・ベテランだからこそ、伝えておきたい2つのこと
要点:一つは、浮いていると感じるのは、あなたが変わったからとは限らないということ。もう一つは、職場の全員と仲良くなくてもよいということです。
1. 浮くのは、あなたが変わったからとは限らない
職場の顔ぶれが変われば、関係の形も変わります。園長の交代、同世代の退職、若手の増加。どれも、あなたにはどうにもできないことです。浮いていると感じたとき、「自分のどこが悪かったのか」とだけ考えると、苦しさが増してしまいます。変わったのは周りの環境であることも多いのだと、自分に言ってあげてください。
2. 全員と仲良くなくていい
雑談の輪に入ることと、仕事の上で信頼されることは別のものです。休憩室で盛り上がれなくても、困ったときに頼られ、会議で意見を求められているなら、職場の一員としての信頼は十分にあります。全員と仲良くなろうとすると疲れてしまいます。話せる人が一人か二人いれば、それで十分です。中堅やベテランに求められているのは、職場の人気者になることではなく、子どもと同僚が安心して過ごせる場を支えることです。その役目は、雑談の輪の外からでも果たせます。
人間関係の悩みは、園の中では特に話しにくいものです。後輩には言えず、園長には「ベテランなのに」と思われそうで。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていない段階でも、職場での居場所の悩みを、保育の現場の事情を知る立場で聞いています。10年目以降の働き方全体を見直したいときは、ベテラン保育士が辞めたいときの働き方の変え方もあわせて読んでみてください。
よくある質問
若手から「お局」と思われていないか不安です。
不安なときは、「昔は」「前は」を言う回数と、若手に頼った回数を1週間数えてみてください。前者が多く後者が少ないなら、少し行動を変えるだけで見え方は変わります。注意すべきことを伝えるのは中堅の大事な役目なので、伝え方を工夫すれば、遠慮しすぎる必要はありません。
同世代の職員がいなくなり、話せる人がいません。
世代が違っても、保育の話なら会話はできます。子どもの様子や行事の準備など、業務の延長の話題から始めてみてください。園の外に、同じ立場の保育士と話せる場を持つことも、気持ちの支えになります。
年下の園長とうまくいきません。
年齢ではなく役割で関わると決めると、気持ちが整理しやすくなります。判断は園長に任せ、自分は経験から気づいたことを伝える役に回ると、園長にとっても話しやすい相手になれます。それでも方針が根本から合わないなら、園を変えることも選択肢です。
転職先で、また浮いてしまわないか心配です。
転職先では、最初の数か月は「この園のやり方を教えてください」という姿勢でいると、なじみやすくなります。見学のときに、職員の年齢層や中途で入った人の様子を確かめておくと、入職後の姿を想像しやすくなります。
無視されていることを、園長に相談しても大丈夫でしょうか?
相談したことを理由に不利益な扱いをすることは禁止されています[3]。相談するときは、日付と場面の記録をもとに、業務への影響を中心に伝えると、感情的な訴えと受け取られにくくなります。園長に話しにくいときは、法人の相談窓口や総合労働相談コーナーも使えます。
若手同士のグループに、無理に入ったほうがいいですか?
無理に入る必要はありません。若手同士のつながりは、年齢の近さから自然に生まれるものです。グループに入ることより、一人ひとりと保育の話ができる関係を少しずつ増やすほうが、職場での居心地は確実に良くなります。
参考にした資料
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- 厚生労働省 パワーハラスメント対策リーフレット
- 厚生労働省 職場のハラスメント対策リーフレット
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- 厚生労働省「個別労働紛争解決制度」
- こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
- ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。