保育士の主任を辞めたい時|一般職に戻る選択肢と伝え方

夜8時を過ぎた職員室で、明日のシフト表とにらめっこをしている。早番の職員から熱が出たと連絡があり、誰に代わってもらうかを考えながら、園長に頼まれた監査の書類にも手をつけなければならない。昼間は保護者からの相談を受け、新人の保育を見て回り、欠員が出たクラスに入った。子どもたちと一緒に笑ったのは、今日は何分だっただろう。

主任になったとき、「認めてもらえた」とうれしかった人も多いはずです。ところが実際には、担任の頃とはまったく違う種類の疲れが待っていました。現場と事務の両方を抱え、園長と職員の間に立ち、何かあれば最初に責任を問われる。「主任を辞めたい」「担任に戻りたい」と思っても、誰にも言えずにいる人は少なくありません。

主任を降りることは、逃げでも、わがままでもありません。この記事では、主任を辞めたいと感じたときに、まず何を見極めればよいか、役職を降りる以外も含めてどんな選択肢があるか、そして園長にどう伝えればよいかを、順番にまとめました。

この記事でわかること

  • 主任を辞めたい気持ちの3つのタイプと、タイプごとの向き合い方
  • 業務を減らす、期間を決める、一般職に戻る、異動、転職の5つの選択肢
  • 役職を降りる前に確かめたい、給与と就業規則のポイント
  • 園長に「主任を降りたい」と伝える時期と、伝え方の例文

結論

保育士の主任を辞めたいときは、まず「主任という役割そのものが合わないのか」「今の園の主任の仕事の範囲が広すぎるのか」「一時的に負担が重なっているだけなのか」を見極めます。役割そのものが合わないなら、一般職に戻ることや、一般職として異動・転職することが現実的な選択肢です。範囲が広すぎるなら、業務の一部を手放す交渉から始められます。主任を降りるときは、役職手当や賃金改善の扱いを就業規則や賃金規程で確かめ、来年度の体制が決まる前に、理由と引き継ぎの案をそろえて園長に伝えると、関係をこじらせずに一般職へ戻りやすくなります。

01主任を辞めたい気持ちは、3つのタイプに分かれる

要点:主任を辞めたい気持ちは、役割そのものが合わない、今の園での仕事の範囲が広すぎる、一時的に負担が重なっている、の3つに分かれます。タイプによって、降りるべきか、範囲を変えるべきか、時期を待つべきかが変わります。

主任のストレスは、量の多さだけでは説明できません。担任の頃は、目の前の子どもとクラスのことを考えていればよかった。主任になると、園全体の困りごとが自分のところに集まってきます。その重さの感じ方は人それぞれで、同じ「辞めたい」でも、中身はかなり違います。

図1

何が一番つらいのか

  1. 役割そのものが合わない子どもと関わる時間が減ったこと自体がつらい。人を管理する立場に向いていないと感じる。一般職に戻る方向で考える
  2. 今の園での範囲が広すぎる主任の仕事に加えて担任、シフト作成、事務、保護者対応まで一人で抱えている。業務の一部を手放す交渉から始める
  3. 一時的に負担が重なっている欠員や行事、監査、家庭の事情が今だけ重なっている。期間を区切って乗り切るか、一時的な支援を頼む
図1 主任を辞めたいとき、まず見極める3つのタイプ

タイプを見分けるための3つの問い

自分がどのタイプなのか分からないときは、次の3つを自分に問いかけてみてください。

  1. 主任の仕事が半分に減ったら、続けたいと思えるか。思えるなら、範囲の問題かもしれません。
  2. 半年後、欠員や行事が落ち着いていたら、今ほどつらくないか。そうなら、一時的な重なりの可能性があります。
  3. 仕事の量に関係なく、担任に戻って子どもと過ごしたい気持ちが強いか。強いなら、役割そのものが合っていないのかもしれません。

一つの問いだけで決める必要はありません。3つの答えを並べると、自分の気持ちがどこに一番近いかが見えてきます。

答えがはっきりしないときは、2週間ほど、主任の仕事の中で「これは苦にならない」と感じた場面と、「これが一番しんどい」と感じた場面をメモしてみてください。たとえば、新人の相談に乗るのは苦にならないのに、シフトの穴埋めの電話が一番しんどいなら、つらさの中心は役割全体ではなく、特定の業務にあることが分かります。

「名ばかり主任」になっていないか

主任という肩書きはあっても、実際には担任と兼務し、シフト作成も保護者対応も事務も一人で抱えている。そんな状態を「名ばかり主任」と呼ぶ人もいます。主任の仕事の範囲は、園によって大きく違います。今の園の主任がつらいからといって、主任という役割すべてが向いていないとは限りません。責任の重さや、園長との間で板挟みになるつらさについては、責任が重い・園長との板挟みがつらいときで詳しく扱っています。

02主任を降りる以外も含めた、5つの選択肢

要点:業務を減らして主任を続ける、期間を決めて後任を育ててから降りる、主任を降りて一般職に戻る、法人内の別の園に一般職として移る、転職して一般職になる。この5つを、給与と園との関係の変わり方で比べて選びます。

「主任を辞めたい」と言うと、「じゃあ園も辞めるの?」と受け取られることがあります。けれども実際には、役職と職場を切り離して考えると、選択肢はもっと多くなります。

図2

選択肢給与・手当園との関係向いているタイプ
業務を減らして主任を続ける役職手当はそのまま続く。交渉の手間はかかる範囲が広すぎるタイプ
期間を決め、後任を育てて降りる降りるまでは手当がつく続く。引き継ぎが丁寧にできる役割が合わないが、園には残りたい人
主任を降りて一般職に戻る役職手当がなくなることが多い続く。周りとの距離感の調整が必要役割そのものが合わないタイプ
法人内の別の園に一般職で移る法人の給与体系の中で決まる法人とは続き、職場の人間関係は変わる元主任として見られるのがつらい人
転職して一般職になる新しい園の給与体系で決まる今の園とは区切りがつく園の方針や園長と合わない人
図2 主任を辞めたいときの5つの選択肢

期間を決めて降りる方法は、園にとっても受け入れやすい

すぐに降りたい気持ちが強くても、「来年度いっぱいは続けます。その間に副主任の〇〇さんに少しずつ引き継ぎたい」と期間と後任の案をセットで伝えると、園長も受け入れやすくなります。主任が急に抜けると、園の運営が回らなくなることがあるからです。自分の心身に余裕があるなら、園との関係を保ったまま降りられる、現実的な道です。

心身に余裕がないなら、期間を短くしてよい

一方で、眠れない、出勤前に動悸がするなど、体のサインが出ているなら、「1年かけて」と無理をする必要はありません。その場合は、まず休むことを優先し、医療機関を受診してください。主任を降りる話は、体調が戻ってからでも遅くありません。

03降りる前に試せる、主任の仕事を減らす交渉

要点:「範囲が広すぎる」タイプの人は、主任を降りる前に、仕事の一部をほかの職員や仕組みに移す交渉を試す価値があります。主任でなくてもできる仕事を書き出すと、手放せるものが見えてきます。

主任の仕事の中には、主任でなければできない仕事と、実は主任でなくてもできる仕事が混ざっています。後者を手放すだけで、主任の負担は大きく変わります。

主任の仕事を3つに仕分ける

1週間の仕事を書き出して、次の3つに分けてみてください。

  • 主任でなければできない仕事:職員の育成方針の相談、保護者の深刻な相談への対応、園長との運営の打ち合わせなど
  • ほかの職員と分担できる仕事:シフト表の作成、実習生の受け入れ準備、行事全体の進行表づくり、物品の発注など
  • 仕組みで減らせる仕事:手書きの書類、同じ内容の転記、紙の連絡のやりとりなど

国の「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」でも、ICTの活用や保育補助者の活用、記録・書類の見直しといった改善の進め方と事例が示されています[1]。登降園管理や計画・記録、保護者連絡などのICTを取り入れている園も増えています[2]。主任が一人で抱えている事務の一部は、こうした仕組みで軽くできるかもしれません。

交渉は「一つずつ、期限つきで」

仕分けができたら、「ほかの職員と分担できる仕事」から一つだけ選んで、園長に相談します。「シフト表の作成を、来月から副主任の方と隔月で分担させてください。3か月やってみて、うまくいかなければまた相談します」のように、期限をつけて提案すると、園長も試しやすくなります。一度に全部を変えようとせず、一つ変わったら次の一つ、と進めるのがこつです。

交渉しても何も変わらなかったなら、それは「範囲の問題」ではなく「この園の主任の形が合わない」ということかもしれません。そのときは、一般職に戻る道や、異動・転職の道を考える材料になります。

04役職を降りる前に確かめたい、給与と規程

要点:主任を降りると、役職手当や役割に応じた賃金改善の扱いが変わることがあります。就業規則、賃金規程、労働条件通知書で、役職の任免と手当の決まりを確かめてから話を進めます。

主任を降りることを考えたとき、気になるのは給与です。降りたら月にいくら下がるのか。思っていたより大きく下がるなら、生活の計画も変わってきます。

役割に応じた賃金改善の仕組みがある

国の処遇改善等加算は、2025年度から区分1(基礎分)、区分2(賃金改善分)、区分3(質の向上分)に整理されました[3]。区分3は、旧処遇改善等加算Ⅱにあたる部分で、月額4万円分と5千円分の改善の枠があります[3]。東京都では、職務分野別リーダー等として発令された職員を対象に、キャリアアップ補助金Ⅱによる賃金改善も行われています[4]。

こうした仕組みでの賃金改善は、役割や発令と結びついていることがあります。主任を降りたときに、自分の給与のどの部分がどう変わるのかは、園によって違います。給与明細のどの手当が役職と結びついているのか、園長や事務の担当者に確かめておくと安心です。主任の給料と役職手当の考え方は、主任・園長の給料と役職手当の釣り合いでも詳しく紹介しています。

図3

  • 就業規則の役職の任免についての定め役職を外れる手続きや時期の決まりが分かる
  • 賃金規程の役職手当の金額と支給条件降りたあとに月給がいくら変わるか見積もれる
  • 給与明細の手当の内訳処遇改善による手当がどの役割に結びついているか確かめられる
  • 労働条件通知書の業務内容と変更の範囲入職時に約束された業務の範囲が分かる
  • 賞与の計算方法役職によって賞与の算定が変わるかを確かめられる
  • 1か月の時間外労働と持ち帰りの記録主任の負担を数字で伝える材料になる
図3 主任を降りる前に確かめておく書類と項目

業務の範囲は、労働条件通知書でも確かめる

2024年4月からは、労働契約を結ぶときに、就業場所と業務の「変更の範囲」を明示することが義務になりました[5]。それ以前に入職した人も、労働条件通知書や雇用契約書に業務の内容がどう書かれているかを一度見ておくと、主任の仕事がどこまで自分の業務とされているのかを考える手がかりになります。

時間外労働の多さも、話し合いの材料になる

主任になってから時間外労働が増えた人は、1か月の記録を取っておいてください。時間外労働の上限は、36協定がある場合でも原則として月45時間・年360時間とされています[6]。記録は、主任の負担を感情ではなく数字で伝えるための材料になります。労働時間や手当の扱いに疑問があるときは、労働条件の相談窓口で、無料で相談することもできます。

05園長に「主任を降りたい」と伝える時期と伝え方

要点:伝える時期は、来年度の体制が決まる前の秋から年明けが目安です。理由を一つに絞り、引き継ぎの案と、降りたあとにできることをセットで伝えると、話し合いが前に進みやすくなります。

図4

  1. 気持ちのタイプを見極める役割が合わない・範囲が広すぎる・一時的な重なりのどれかを確かめる
  2. 給与と規程を確かめる役職手当や賃金改善がどう変わるかを見積もる
  3. 理由を一つに絞る一番伝えたい理由を、具体的な場面とともに一つにまとめる
  4. 引き継ぎの案を用意する後任の候補、引き継ぎにかかる期間、降りたあとに担える役割を書き出す
  5. 園長と面談の時間をとる立ち話ではなく、時間を決めて落ち着いて話す
  6. 話した内容を記録する日付、話したこと、園長の返事をメモに残しておく
図4 主任を降りたいと伝えるまでの流れ

伝え方の例文

理由のタイプによって、伝え方は少しずつ変わります。

  • 役割そのものが合わないとき:「主任を3年務めて、自分は子どもと直接関わる仕事のほうが力を発揮できると分かりました。来年度は担任に戻りたいと考えています。引き継ぎは年度末まで責任をもって行います」
  • 範囲が広すぎるとき:「主任の仕事に加えて、シフト作成と担任の補助、監査の書類まで一人で抱えている状態です。このままでは続けられないので、シフト作成をほかの方と分担させていただけないでしょうか」
  • 家庭の事情があるとき:「親の介護が始まり、夜や休日の連絡に対応することが難しくなりました。来年度は役職を外れ、一般職として働かせていただきたいと考えています」

引き止められたときの返し方

「あなたしかいない」「もう少しだけ頑張って」と引き止められることもあります。そのときは、「ありがとうございます。それでも来年度は担任に戻りたい気持ちは変わりません。引き継ぎの進め方を一緒に考えていただけませんか」と、感謝と結論を分けて伝えると、話を引き継ぎの相談に移しやすくなります。その場で答えを求められても、「一度持ち帰って考えます」と返してかまいません。

面談には、A4一枚のメモを持っていく

主任を降りたいという話は、感情が入りやすい話題です。言いたいことを全部言えずに終わったり、園長の言葉に押されて話がそれたりしないように、要点をA4一枚にまとめて持っていくと安心です。書く内容は、降りたい理由(一つ)、降りたい時期、引き継ぎの案(後任の候補と期間)、降りたあとに担えること、の4つで十分です。紙があると、園長もあとで読み返して考えることができます。話し合いが一度で終わらなくても、紙を土台に二回目の話を始められます。

06相談事例:主任3年目で、担任に戻ると決めた

要点:ここでは、1年かけて後任を育て、主任から一般職に戻ったモデルケースを紹介します。降りると決めるまでの迷いと、園長との話し合いの進め方に注目してください。

「降りるのは負け」だと思っていた3年間

相談事例(モデルケース)

お名前
じゅりさん(仮名)・47歳
保育士歴
25年目、主任3年目(相談当時)
勤務先
社会福祉法人の認可保育園(定員約100名)、主任(クラス担任なし)
変化
月の時間外労働 約35時間 → 約8時間/休日の業務連絡 月10回程度 → ほぼなし

編集部主任を辞めたいと思ったのは、いつごろからですか。

じゅりさん

2年目の冬くらいからです。シフトの穴埋め、保護者の相談、監査の書類、新人さんの悩みの聞き役。全部やってるのに、何一つ終わった感じがしないんです。気づいたら、子どもの名前を呼ぶ回数より、職員の名前を呼ぶ回数のほうが多くなってました。でも、主任を降りるのは負けだって、ずっと思ってたんですよね。

編集部相談してみて、何が変わりましたか。

じゅりさん

3つの問いに答えてみたら、仕事が半分になっても続けたいとは思えなかったんです。私は人を管理するより、子どもと一緒にいたい人なんだって、はっきりしました。相談した人が、保育の現場の主任の仕事をよく分かっていて、シフトの穴埋めの大変さを説明しなくても分かってくれたのも大きかったです。

編集部園長には、どう伝えたのですか。

じゅりさん

10月に面談をお願いして、「来年度いっぱいは主任を続けて、その間に副主任の方に引き継ぎたい。再来年度は担任に戻りたい」って伝えました。給与がどれくらい下がるかも、先に事務の方に確かめておいたんです。月に3万円ほど下がるのは正直痛かったけど、それでも戻りたいと思えたので、迷わず話せました。

編集部園長の反応はどうでしたか。

じゅりさん

最初は「困る」って言われました。でも、引き継ぎの計画を紙にして持っていったら、「ここまで考えてくれているなら」と受け止めてくれたんです。降りるって決めてからの1年は、不思議と前より楽でした。終わりが見えてたからだと思います。

主任を降りたら、もう一度、子どもの名前をたくさん呼べるようになりました。

じゅりさん(仮名)

じゅりさんは1年かけて副主任に業務を引き継ぎ、翌々年度から2歳児クラスの担任に戻りました。時間外労働は月8時間ほどになり、休日に職員から連絡が来ることもほとんどなくなったそうです。役職手当がなくなった分、月給は下がりましたが、持ち帰りの仕事もなくなり、平日の夜に家族と過ごす時間が増えました。

このケースのポイントは、降りる理由を「役割が合わない」と自分の中ではっきりさせたこと、給与の変化を先に確かめたこと、そして引き継ぎの案を紙にして持っていったことです。準備があったから、園長との話し合いが「辞める・辞めない」の対立ではなく、「どう引き継ぐか」の相談になりました。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

主任のとき担任に戻ったあと

月の時間外労働

約35時間
約8時間

休日の業務連絡

月10回程度
ほぼなし

子どもと過ごす時間(1日)

1時間ほど
ほぼ勤務時間中

役職手当

月3万円
なし
図5 じゅりさんの働き方の変化

07主任を降りる前に、知っておいてほしい現実

要点:主任を降りたあとは、給与が下がること、周りとの距離感の調整がいること、また頼られそうになることの3つに向き合う必要があります。知っておけば、降りたあとの戸惑いを小さくできます。

1. 給与は下がる。その分、何が戻るかを見ておく

役職手当がなくなれば、月給は下がるのがふつうです。その差を「失うもの」としてだけ見ると、降りた後悔につながりやすくなります。代わりに、時間外労働がどれだけ減るのか、休日の連絡がなくなるのか、子どもと過ごす時間がどれだけ戻るのか。戻ってくるものも並べてから判断してください。月給の差を、減る時間外労働の時間で割ってみると、「1時間あたりいくらで主任の負担を引き受けていたのか」が見えてきます。その金額に納得できるかどうかも、一つの物差しになります。

2. 「元主任」としての距離感には、少し時間がかかる

一般職に戻ると、周りの職員は最初、どう接していいか迷うことがあります。後任の主任も、前任者の目が気になるものです。しばらくは、主任の仕事に口を出さない、聞かれたら答える、という距離を意識すると、お互いが楽になります。この距離感がどうしてもつらいなら、法人内の別の園へ移る選択肢もあります。

3. また頼られそうになったら、線を引く

欠員や行事のたびに「やっぱり〇〇さんにお願いしたい」と頼まれることがあります。一度や二度は手伝っても、それが当たり前になると、降りた意味がなくなります。「今回はお手伝いします。でも、次からは主任の〇〇さんに相談してください」と、線を引く言葉を用意しておきましょう。リーダーとして後輩を支える立場でのつらさについては、リーダー業務や後輩指導に疲れたときでもまとめています。

主任の悩みは、園の中ではなかなか打ち明けられないものです。同僚には言いにくく、園長には言いづらい。ほいくの相談室では、主任を続けるか降りるか、転職するかどうかを決めていない段階でも、保育の現場の事情を踏まえて話を聞いています。10年以上の経験をどう活かしていくかは、ベテラン保育士の働き方の変え方もあわせて参考にしてください。

よくある質問

主任を降りたいと言ったら、評価が下がりませんか?

降りたいと伝えたこと自体で評価が大きく下がるとは限りません。理由と引き継ぎの案をそろえて伝えれば、責任感のある申し出として受け止められやすくなります。評価や給与の扱いが気になる場合は、就業規則や賃金規程で役職と評価の関係を確かめておいてください。

主任を降りたら、給料はどれくらい下がりますか?

役職手当の金額や、処遇改善による賃金改善がどの役割に結びついているかによって変わります。給与明細の手当の内訳を見ながら、事務の担当者や園長に「役職を外れた場合の給与」を確かめると、具体的な金額が分かります。

「主任を降りるなら辞めてほしい」と言われたらどうすればいいですか?

その場で返事をせず、言われた日時と内容を記録してください。退職を強く求められて困るときは、都道府県労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーで、無料・予約不要で相談できます[7]。

主任の経験は、転職で活かせますか?

シフト作成、保護者対応、職員の育成など、主任として経験したことは、一般職として転職する場合でも強みになります。面接では「主任は降りたいが、その経験を担任として活かしたい」と伝えると、前向きな理由として受け止めてもらいやすくなります。

主任のストレスで眠れない日が続いています。

眠れない日が2週間以上続く、気持ちが沈んで仕事のことしか考えられないといったときは、主任を降りるかどうかを考える前に、医療機関を受診してください。働く人の悩みを聞く「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時)もあります[8]。

主任を降りたあと、また主任に戻ることはできますか?

園の事情や、そのときの自分の状況によります。一度降りたことで、自分に合う主任の形が分かったという人もいます。降りるときに「家庭の事情が落ち着いたら、また相談させてください」と一言添えておくと、将来の選択肢を残しておけます。

参考にした資料

  1. 保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン(こども家庭庁掲載)
  2. こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
  3. こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
  4. 東京都福祉局「東京都保育士等キャリアアップ補助金 東京都保育サービス推進事業補助金 令和8年度当初交付申請について」(2026年2月2日)
  5. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  6. 確かめよう労働条件「時間外・休日労働と割増賃金」
  7. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
  8. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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