保育士の退職後のキャリア設計|定年後の働き方と準備

3月最後の金曜日、定年を迎える先輩の送別会がありました。花束を抱えた先輩は「4月からは週3日、一時保育のほうに来るからね」と笑っていました。その姿を見ながら、自分の番を指折り数えてみると、あと7年。そのとき自分はどうしているのか、何も思い浮かびませんでした。

保育の仕事は、目の前の子どもと今日一日を過ごすことの積み重ねです。毎年の行事に追われているうちに、気づけば50代。自分の「その先」を考える時間は、なかなか取れません。けれど、退職のあとに何をするかを決めないまま最後の年度を迎えると、選べる道は思ったより少なくなってしまいます。

この記事では、保育士が退職後・定年後のキャリアを設計するための考え方と、経験を活かせる働き方の選択肢、お金と手続きの見通し、50代から始められる準備の手順を整理しました。まだ先のことと感じている人ほど、今のうちに一度、全体を眺めておいてください。

この記事でわかること

  • 退職後のキャリア設計を始めるための3つの問い
  • 定年後・退職後に保育士の経験を活かせる働き方の選択肢
  • 退職前後のお金と手続きで、先に確かめておくこと
  • 50代から始める準備の手順と、進める時期
  • 退職後の働き方で後悔しやすい点と、その防ぎ方

結論

保育士の退職後のキャリア設計は、「いつまで働くか」「どのくらい働くか」「何のために働くか」の3つの問いに答えることから始めます。答えが決まれば、同じ園や法人での継続、別の園でのパートや保育補助、一時預かりや学童保育など、選ぶ働き方が絞られてきます。あわせて、退職後の健康保険の選び方や、パートで働く場合の社会保険の加入条件といったお金の線を退職前に確かめておくと、収入と働く時間のバランスを決めやすくなります。準備は退職の3〜5年前、遅くとも1年前から始めるのが目安です。

01退職後のキャリア設計は3つの問いから始める

要点:退職後の働き方を考えるときは、いつまで・どのくらい・何のために働くかを先に決めます。この3つが決まると、求人や制度の情報に振り回されずに、自分に合う形を選べます。

退職後の働き方を調べ始めると、パート、嘱託、非常勤、保育補助と、似た言葉がたくさん出てきます。情報から入ると、どれも良さそうに見えたり、逆にどれも自分には合わない気がしたりして、かえって迷ってしまいます。先に考えたいのは、制度の名前ではなく、自分の暮らしの形です。

図1

  • 1

    いつまで働くか

    定年で区切るのか、体が動くうちは続けたいのか。期間が決まると、準備を逆算できる

  • 2

    どのくらい働くか

    週何日・1日何時間か。収入、体力、家族の予定のバランスで決める

  • 3

    何のために働くか

    収入、生きがい、人とのつながり、地域への恩返し。理由によって合う職場が変わる

図1 退職後のキャリア設計を始める3つの問い

「いつまで」は、体と家族の予定から考える

「いつまで働くか」は、気持ちだけで決めると後でずれやすい問いです。健康診断の結果、腰や膝の調子、配偶者の退職の時期、親の介護、孫の世話。自分の体と家族の予定を一枚の紙に年ごとに並べてみると、無理のない区切りが見えてきます。

「どのくらい」は、収入の下限と体力の上限で決める

「どのくらい働くか」を決めるときは、二つの線を引きます。一つは、毎月これだけは必要という収入の下限。もう一つは、この時間を超えると翌日に疲れが残るという体力の上限です。二つの線の間に収まる日数と時間が、あなたにとって続けやすい働き方です。

「何のために」が、一番後悔を減らす

3つの問いのうち、意外に見落とされるのが「何のために」です。収入のためだけなら、保育以外の仕事も選択肢に入ります。子どもと関わり続けたいなら、短時間でも保育の場を選ぶ意味があります。人とのつながりを保ちたいなら、職員の雰囲気や通いやすさが大切になります。理由がはっきりしていると、条件が少し合わない求人に出会っても、迷わずに判断できます。

定年の年齢と、その後の仕組みは就業規則で確かめる

定年の年齢や、定年後も同じ園で続けて働ける仕組みがあるかどうか、そのときの給与や勤務時間の扱いは、園や法人ごとに就業規則で決められています。「先輩はこうだった」という話は参考になりますが、制度が変わっていることもあります。50代に入ったら一度、就業規則の定年と退職金の項目を読んでおいてください。分からなければ、事務担当に聞いて構いません。

02定年後・退職後に保育士の経験を活かせる働き方

要点:退職後も保育の経験を活かす道は、同じ園での継続、別の園でのパートや保育補助、一時預かり、学童保育、公立園などの非常勤、地域の子育て支援の場など、いくつもあります。体力の負担と確かめる点はそれぞれ違います。

図2

働き方主な仕事体力の負担確かめること
同じ園・法人で続ける嘱託やパートでクラスの補助、フリー働く時間と担当による定年後の雇用の仕組みと給与の変わり方
別の園でパート・保育補助クラスの補助、早朝や夕方の時間帯時間帯を選べば調整しやすい社会保険の加入条件[1]
一時預かり・こども誰でも通園短時間で通う0歳6か月〜3歳未満の子の保育[2]少人数でも乳児の抱っこが多い自治体ごとの実施状況と募集
学童保育小学生の放課後の生活と遊びの支援外遊びや見守りで動き回る放課後児童支援員は研修の修了が必要[3]
公立園などの非常勤会計年度任用職員として補助や担任募集の内容による任期と更新、手当の扱い[4]
地域の子育て支援の場親子の遊びの場づくりや相談比較的少ない募集の時期と方法
図2 定年後・退職後の保育士の働き方の例

経験の長さは、補助の立場でも活きる

退職後の働き方は、担任ではなく補助やフリーの立場になることが多くなります。「補助なら誰でもできる」と思われがちですが、実際には逆です。泣いている子どもへの声のかけ方、午睡中の見守り、保護者へのひと言。長い経験がある人ほど、主役ではない場所で現場を支えることができます。若い担任にとって、困ったときにそっと手を貸してくれるベテランの存在は大きな安心です。

パートなら、時間帯の選び方で負担が変わる

同じパートでも、どの時間帯に入るかで体への負担は大きく変わります。朝7時からの早番は、登園してくる子どもの受け入れと保護者とのやりとりが中心です。夕方からの遅番は、延長保育で疲れた子どもたちに寄り添いながら、お迎えの保護者に一日の様子を伝えます。日中の時間帯は、散歩や食事、午睡など、動きの多い場面に入ることになります。

自分の体のリズムと家族の予定に合う時間帯を先に決めておくと、求人を見るときの基準がはっきりします。保育士のパートの探し方は保育士がパートに転職するときの選び方で詳しく紹介しています。

こども誰でも通園制度という新しい場

2026年4月から、保育所などに通っていない0歳6か月から満3歳未満の子どもが、月一定時間まで保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度」が全国で本格的に始まりました[5][2]。職員の配置は乳児おおむね3人に1人、1〜2歳児おおむね6人に1人以上で、従事者の半数以上は保育士とされています[6]。初めて園に来る子どもや、緊張している保護者に向き合う場なので、乳児保育の経験が長い人の力が求められやすい分野です。実施している園や募集の状況は、自治体の公式サイトで確かめてください。

保育士資格は、退職後も手放さなくていい

退職すると、保育士資格はどうなるのかと心配する人もいます。東京都は、保育士登録の手続きについて「登録をしないからといって、保育士資格が消滅するわけではありません」と案内しています[7]。すでに登録している人は、結婚などで登録証の記載事項に変更があれば、登録した都道府県に書き換えを申請する決まりです[8][9]。退職の前に、登録証がどこにあるかを確かめ、名前などに変更がないかを見ておくと、次の職場で慌てずにすみます。

03退職前後のお金と手続きで、先に確かめておくこと

要点:退職後の健康保険、パートで働く場合の社会保険の加入条件、失業給付の扱いは、退職前に確かめておきます。手続きには期限があるものが多いため、時系列で並べておくと漏れを防げます。

退職後のキャリア設計でつまずきやすいのが、お金と手続きです。働き方を決めてから調べると、期限に間に合わなかったり、思っていたより手取りが少なかったりします。次の流れを、退職の半年前には一度確かめておいてください。

図3

  1. 退職の1年前退職後の働き方と、収入の見込みを書き出す。年金の見込み額も確かめておく
  2. 退職の3か月前健康保険を任意継続にするか、国民健康保険にするか、家族の扶養に入るかを比べる
  3. 退職日在職中の健康保険はこの日まで。翌日以降は使えない[10]
  4. 退職の翌日から14日以内国民健康保険に入る場合は、住所地の市区町村に届け出る[11]
  5. 退職の翌日から20日以内任意継続を選ぶ場合は、申出書を提出する(期限内必着)[12]
  6. 次の職場が決まったら勤務時間に応じて、社会保険の加入の有無を確かめる[1]
図3 退職前後のお金と手続きの流れ(例)

健康保険は3つの選択肢を比べる

退職後の健康保険には、主に三つの選び方があります。一つ目は、それまでの健康保険を続ける任意継続です。加入できるのは最長2年で、保険料は全額自己負担になります[12][13]。二つ目は、住所地の市区町村の国民健康保険です[11]。三つ目は、家族の健康保険の被扶養者になる方法で、60歳以上の場合は年間収入の見込みが180万円未満であることなどが条件になります[14]。どれが一番負担が少ないかは、それまでの給与や家族の状況によって変わるので、それぞれの窓口で保険料の見込みを聞いて比べてください。

パートで働くときの社会保険の線

退職後にパートで働く場合、社会保険に加入するかどうかで手取りが変わります。2026年10月から、短時間労働者の加入要件のうち月額8.8万円以上という賃金の要件はなくなりました。残る要件は、週の所定労働時間が20時間以上、学生でないこと、従業員51人以上の企業であることなどです[1]。企業規模の要件は2027年10月から36人以上に広がるなど、段階的に変わっていきます[15]。勤務時間を決める前に、働く先の規模と、自分の週の労働時間を確かめておきましょう。

住民税は、退職する時期で払い方が変わる

給与から天引きされていた住民税は、退職の時期によって払い方が変わります。1月1日〜4月30日に退職する場合は、5月31日までに支払われる給与や退職金から、残りの税額がまとめて差し引かれます。6月1日〜12月31日に退職する場合は、残りを自分で納める形に切り替わるのが原則です[16]。年度末の3月に退職する人は、最後の給与の手取りが普段より少なくなることがあるので、あらかじめ見込んでおきましょう。

失業給付と年金は、窓口で確かめる

定年などで退職し、ハローワークで求職の申込みをして次の仕事を探す場合、一般の離職者の所定給付日数は、雇用保険に入っていた期間が20年以上なら150日です[17]。受け取れる期間は原則として離職日の翌日から1年なので[18]、退職後に長く休んでから仕事を探すつもりの人は注意が必要です。年齢や働き方によって扱いが変わることもあるため、具体的にはハローワークで確かめてください。年金の見込み額や受け取り方は、日本年金機構の窓口などで確認できます。退職後の健康保険と年金の手続き全体は退職後の健康保険と年金の手続きにまとめています。

0450代から始める退職後の準備の手順

要点:準備は、3つの問いに答える、今の園の制度を確かめる、収入の下限を出す、働き方の候補を絞る、試してみる、伝える時期を決める、の順で進めます。3年ほどかけて少しずつ進めると、最後の年度を落ち着いて迎えられます。

図4

  1. 3つの問いに答える

    いつまで・どのくらい・何のために働くかを、それぞれ一文で書き出す

  2. 今の園の制度を確かめる

    定年の年齢、定年後の雇用の仕組み、退職金の規定を就業規則で読む

  3. 体と家族の予定を並べる

    健康診断の結果や、家族の退職・介護などの予定を年ごとに書く

  4. 収入の下限を出す

    退職後の生活費から、毎月必要な手取りの額を計算する

  5. 働き方の候補を3つに絞る

    同じ法人での継続、別の園のパート、学童保育などから候補を選ぶ

  6. 休みの日に試してみる

    見学や短時間の手伝いで、実際の雰囲気と体の疲れ方を確かめる

  7. 伝える時期と引き継ぎを決める

    役職の引き継ぎに必要な期間を考え、園長に伝える時期を決める

図4 退職後のキャリア設計の準備手順

この手順の中で、一番時間がかかるのは引き継ぎです。主任やリーダーを務めている人は、退職の1〜2年前から、後輩に少しずつ仕事を任せていく必要があります。「最後の年に全部渡す」では、受け取る側も困ってしまいます。日々の仕事の中で、自分しか分からない仕事を一つずつ書き出し、手順書にしていくと、引き継ぎがぐっと楽になります。

「試してみる」の具体的な方法

働き方の候補を決めたら、退職の前に一度、その場を体験しておくと安心です。たとえば、有給休暇の日に候補の施設を見学する、法人内の一時預かりや子育て支援の場に半日だけ応援で入らせてもらう、地域の子育てひろばの行事を手伝う、といった方法があります。

試してみると、「思ったより体が疲れた」「子どもとの距離が近くて楽しかった」など、頭で考えていただけでは分からない感覚がつかめます。候補が一つに絞れないときほど、実際に足を運んでみてください。

早めに伝えることの意味

退職や働き方の変更を園長に伝える時期は、早いほど園も準備ができます。とくに定年後に同じ法人で働き方を変えたい場合は、次年度の職員配置を考える前に伝えておくと、希望が通りやすくなります。「まだ先の話ですが」と前置きして、2年前くらいから少しずつ話しておく人もいます。

05相談事例:定年まで2年、退職後の働き方を自分で決めた

要点:定年まで2年、退職後の予定が「未定」だった主任保育士のモデルケースです。3つの問いへの答えから働き方を絞り、役職の引き継ぎまで計画した流れを追います。

「辞めたら終わり」ではなく「どう降りるか」を決めた

相談事例(モデルケース)

お名前
みちるさん(仮名)・58歳
保育士歴
36年目(相談当時)
勤務先
社会福祉法人の認可保育園(定員約120名)、主任保育士
変化
定年後の予定 未定 → 同じ法人で週3日・1日5時間の一時預かり担当に(60歳から)

編集部退職後のことを考え始めたきっかけは何でしたか。

みちるさん

夫が先に退職して、家で過ごす姿を見ていたら、私はどうするんだろうって急に心配になったんです。それまでは「定年まで走り切って、あとは休む」としか考えていなくて。でも、本当に休みたいのかと聞かれたら、よく分からなかったんですね。

編集部3つの問いに答えてみて、どうでしたか。

みちるさん

「いつまで」は65歳まで、「どのくらい」は週3日、と割とすぐ決まりました。迷ったのは「何のために」で。書いてみたら、お金が半分、子どもと関わっていたいが半分。主任として職員の調整ばかりしてきたので、最後はもう一度、子どものそばにいたいんだと、書いてみて気づきました。

編集部働き方の候補は、どう絞ったのですか。

みちるさん

家の近くの学童と、同じ法人がやっている一時預かりで迷いました。相談したら、「乳児の経験が長いなら一時預かりのほうが力を出せるかもしれませんが、主任だった園の近くで働くことの気まずさも考えておきましょう」と言われて。そこまで言ってくれるんだ、と思いました。結局、建物が別の一時預かりの担当を希望することにしました。

編集部園長には、いつ伝えたのですか。

みちるさん

定年の2年前の秋です。「まだ先の話ですが」って。そこから、次の主任になる後輩と一緒に、私しか分からない仕事を一つずつ書き出していきました。行政への書類、行事の段取り、保護者対応の記録の残し方。全部で14項目ありました。

辞めたら終わり、じゃなくて、どう降りていくかを自分で決めたかったんです。

みちるさん(仮名)

みちるさんは60歳の4月から、同じ法人の一時預かりの担当として週3日・1日5時間で働く予定です。主任の仕事は、定年の半年前までに14項目すべてを後輩へ引き継ぐ計画を立て、相談から1年の時点で9項目を渡し終えています。健康保険と社会保険は、勤務時間が決まった段階で事務担当と確かめることにしています。

みちるさんの例から見えてくるのは、退職後のキャリア設計が「次の職場探し」だけではないということです。何のために働くのかを言葉にし、今の役割をどう手放すかまで含めて計画したことで、みちるさんは最後の2年間を、焦りではなく準備の時間に変えることができました。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

現在定年後の予定

週の勤務日数

5日
3日

1日の勤務時間

8時間+残業
5時間

主任業務の引き継ぎ

0項目
14項目(1年で9項目済)
図5 みちるさんの働き方の変化(現在と、定年後の予定)

06退職後の働き方で後悔しやすいことと、防ぎ方

要点:退職後の働き方では、元の役職との距離感、体力と収入の計画のずれ、契約の条件の確認不足で後悔する人が少なくありません。あらかじめ知っておけば、多くは防げます。

1. 「元主任」「元担任」の立場は思った以上に難しい

長く同じ園にいた人が、立場を変えて残る場合に起きやすいのが、距離感の難しさです。若い職員は、元主任に指示を出しにくい。自分も、気になることがあるとつい口を出したくなる。お互いに悪気はなくても、ぎくしゃくしてしまうことがあります。

防ぐには、新しい立場での役割を最初にはっきりさせておくことです。「私は補助として入るので、判断は担任にお願いします」と自分から言葉にしておくと、周りもぐっと動きやすくなります。みちるさんのように、建物や部署を変えるのも一つの方法です。

2. 体力と収入の計画は、ずれる前提で立てる

60代の体力は、50代のころの想像どおりにはいかないことがあります。週4日のつもりが週3日になる、早番に入れなくなる、といった変化は珍しくありません。また、社会保険の加入条件のように、働き方とお金の線は制度の改正で変わります[1]。計画は「この通りにいかなくても困らない」くらいの余裕を持たせておくと、変化に慌てずにすみます。

3. 60歳以上で結ぶ有期契約は、条件をよく読む

定年後の働き方では、1年ごとの契約など、期間の定めのある契約を結ぶことが多くなります。契約期間が1年を超える有期契約では、1年を過ぎればいつでも退職を申し出られる特例がありますが、満60歳以上の労働者との契約はこの特例の対象外です[19]。契約期間の長さや、途中で辞める場合の扱いは、契約を結ぶ前に確かめておいてください。

4. 保育以外の道を、選択肢から外さなくていい

長く保育を続けてきた人ほど、「退職後も保育に関わらなければ」と考えがちです。けれど、3つの問いの答えが「収入のため」や「人とのつながりのため」なら、保育以外の仕事もりっぱな選択肢です。段取りの力、人の気持ちを読む力、急な変化に対応する力は、どの職場でも役に立ちます。

反対に、「子どものそばにいたい」が答えなら、短い時間でも保育の場を選ぶ意味があります。どちらが正しいということはありません。自分の答えに合うほうを選んでよいのです。

退職後の働き方は、一人で考えると「続けるか、辞めるか」になりがちです。50代の働き方の悩みは50代の保育士が辞めたいと感じたときの選択肢、中堅・ベテラン世代の悩み全体は中堅・ベテラン保育士の悩みの全体像で整理しています。学童保育で働くことを考えている人は保育士が学童保育に転職するときのポイントも参考にしてください。ほいくの相談室では、退職の時期がまだ先の方からの、その先の働き方の相談も受けています。

よくある質問

定年後も保育士として働けますか?

働けます。同じ園や法人で嘱託やパートとして続ける人もいれば、別の園の保育補助や一時預かり、学童保育などに移る人もいます。定年後の雇用の仕組みは園ごとに違うため、まずは就業規則で確かめてください。

退職すると、保育士登録はどうなりますか?

退職しても保育士資格がなくなるわけではありません[7]。登録証の記載事項に変更がある場合は、登録した都道府県に書き換えを申請する決まりがあります[9]。登録証の保管場所を確かめておくと、次の職場での手続きがスムーズです。

定年後にパートで働くと、社会保険はどうなりますか?

2026年10月以降は、週の所定労働時間が20時間以上で、従業員51人以上の企業で働くなどの条件を満たすと加入の対象になります[1]。企業規模の要件は段階的に広がるため[15]、勤務先の規模と自分の勤務時間を確かめてください。

退職のことは、何年前に園に伝えればいいですか?

法律上の退職の申し入れとは別に、役職の引き継ぎが必要な人は1〜2年前から少しずつ話しておくと、園も準備ができます。定年後に同じ法人で働き方を変えたい場合は、次年度の職員配置が決まる前に希望を伝えておくと安心です。

退職後のキャリア設計は、いつから始めればいいですか?

早いほど選べる道は広がります。目安としては退職の3〜5年前から3つの問いを考え始め、1年前には働き方の候補を絞っておくと、最後の年度を落ち着いて過ごせます。役職の引き継ぎがある人は、さらに早めに動き出してください。

退職後、しばらく休んでから働き始めてもいいですか?

もちろん構いません。ただし、失業給付を受け取るつもりなら、受け取れる期間は原則として離職日の翌日から1年である点に注意してください[18]。休む期間と、仕事を探し始める時期を先に決めておくと安心です。

参考にした資料

  1. 日本年金機構「2026(令和8)年10月に…賃金要件が撤廃されました」
  2. こども家庭庁「こども誰でも通園制度の実施に関する手引」(2026年3月改訂版)
  3. 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 第10条
  4. 総務省「地方自治法の一部を改正する法律について(会計年度任用職員制度関係)」(2023年5月30日)
  5. こども家庭庁「こども誰でも通園制度の実施に関する手引」(2026年3月改訂版)
  6. こども家庭庁「こども誰でも通園制度の実施に関する手引」(2026年3月改訂版)
  7. 東京都福祉局「保育士に関すること」
  8. 児童福祉法 第18条の18
  9. 児童福祉法施行令 第17条
  10. 協会けんぽ宮城支部「マイナ保険証や資格確認書の使用について」
  11. e-Gov法令検索「国民健康保険法施行規則」
  12. 協会けんぽ「任意継続」
  13. 協会けんぽ「令和8年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限について」
  14. 日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき…」
  15. 厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト「社会保険加入の要件」
  16. 東京都主税局「特別徴収にかかる手続きについて」
  17. ハローワーク「基本手当の所定給付日数」
  18. ハローワーク「基本手当について」
  19. 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」(厚生労働省)

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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