保育士の退職後の健康保険と年金|3つの選択肢と手続き

退職して1週間。ずっと後回しにしていた歯医者の予約を入れ、受付で保険証の確認を求められたところで、ふと手が止まりました。園で入っていた健康保険は、まだ使えるのだろうか。そういえば、年金の手続きも何もしていない。園の事務の先生が「退職後は自分で手続きしてね」と言っていた気がするけれど、何を、どこで、いつまでにやればいいのかは聞きそびれていました。

在職中は、健康保険も厚生年金も、園が手続きをし、保険料も給与から自動的に引かれていました。だからこそ、退職して初めて「自分で選んで、自分で届け出る」ことになると、何から手をつければいいのか分からなくなります。しかも、健康保険と年金の手続きには、14日や20日といった短い期限があります。

この記事では、退職後すぐに次の職場で働かない保育士に向けて、健康保険の3つの選択肢の違いと選び方、国民年金への切り替え、期限から逆算した手続きの順番をまとめました。退職前に読んでおけば、退職日の翌日から慌てずに済みます。

この記事でわかること

  • 退職した翌日から、園の健康保険がどうなるか
  • 健康保険の3つの選択肢(任意継続・国民健康保険・家族の扶養)の違い
  • 自分に合う健康保険を選ぶ順番と、保険料の比べ方
  • 国民年金への切り替え、配偶者の手続き、保険料の免除

結論

退職後すぐに次の職場で働かない保育士は、健康保険を「任意継続」「国民健康保険」「家族の健康保険の扶養」の3つから選び、自分で手続きをします。協会けんぽの任意継続は、退職日までに継続して2か月以上加入していたことが条件で、退職日の翌日から20日以内に申し出ます[1]。国民健康保険は、資格を取得してから14日以内に市区町村へ届け出ます[2]。家族の扶養に入るには、年間収入の見込みが130万円未満などの条件があります[3]。年金は、会社員などにならない場合、退職日の翌日から14日以内に、市区町村で国民年金の第1号被保険者の手続きをします[4]。

01退職した翌日から、園の健康保険は使えない

要点:在職中の健康保険は、退職日の翌日に資格がなくなります。その後に園の健康保険で受診すると、保険者が負担した医療費を返すことになるため、退職日を境に切り替えが必要です。

協会けんぽの案内では、退職日の翌日以降は在職時の健康保険の資格で受診することはできず、資格を失ったあとに使った場合は、協会けんぽが負担した医療費(総医療費の7〜9割)を返すことになるとされています[5]。マイナ保険証を使っている人も、資格確認書を持っている人も同じです。

園から渡されていた資格確認書などは、勤務先の案内に従って返します。返し方は園や加入している健康保険によって違うため、最終出勤日までに事務担当に確かめておくと安心です。

有給休暇の消化中は、まだ使える

ここで注意したいのは、「最終出勤日」と「退職日」の違いです。最終出勤日のあとに有給休暇を使っている間は、まだ園の職員として在籍しているので、園の健康保険を使えます。資格がなくなるのは、あくまで退職日の翌日です。通院の予定がある人は、退職日までに受診を済ませるか、新しい健康保険の手続きを急ぐか、どちらかを考えておきます。最終出勤日と退職日の決め方は退職時の有給消化と最終出勤日の決め方で紹介しています。

扶養していた家族の保険も切り替わる

園の健康保険で子どもや配偶者を扶養していた場合は、家族も同じ日に資格を失います。家族の分も含めて、次にどの健康保険に入るかを決めておく必要があります。とくに子どもがいる家庭では、退職日の前後に予防接種や通院の予定がないかを、カレンダーで確かめておいてください。

退職前に済ませておきたい受診

定期的に通っている病院がある人や、歯の治療の途中の人は、退職日までの受診予定を一度見直しておくと安心です。新しい健康保険の手続きが済むまでの数日間は、受診のたびに確認が必要になったり、窓口でいったん全額を払ったりと、手間が増えることがあります。急ぎでない受診は、新しい健康保険の手続きが終わってからに回すのも一つの方法です。体調が理由で退職する人は、通院を途切れさせないことを優先し、手続きの日程を早めに組んでください。

02健康保険の3つの選択肢を比べる

要点:任意継続は「今の健康保険を自分で払って続ける」、国民健康保険は「住んでいる市区町村の保険に入る」、家族の扶養は「家族の健康保険に入れてもらう」方法です。条件、期限、保険料の考え方がそれぞれ違います。

図1

項目任意継続(協会けんぽの場合)国民健康保険家族の健康保険の扶養
入れる条件退職日までに継続して2か月以上加入していた[1]ほかの健康保険に入らない人年間収入の見込みが130万円未満など[3]
手続きの期限退職日の翌日から20日以内(期限内必着)[1]資格を取得してから14日以内[2]家族の勤務先の案内に従う
手続きする場所住所地の協会けんぽの支部住所地の市区町村家族の勤務先
保険料全額自己負担。2026年度の標準報酬月額の上限は32万円[6]市区町村ごとに計算され、窓口で試算できる本人が保険料を払う必要はない
加入できる期間最長2年[1]ほかの健康保険に入るまで収入などの条件を満たしている間
図1 退職後の健康保険の3つの選択肢

任意継続:在職中の健康保険を、自分で続ける

任意継続は、退職したあとも、在職中に入っていた健康保険に引き続き加入する方法です。協会けんぽの場合、退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あることが条件で、退職日の翌日から20日以内(期限内必着)に、住所地の支部へ申出書を出します[1]。加入できるのは最長2年です。

保険料は、在職中は園も負担していた分を含めて、全額を自分で払います。標準報酬月額は、資格を失ったときの額と、全被保険者の平均額のいずれか低い額で計算され、2026年度の上限は32万円です[6]。保険料を納付期限までに納めない、ほかの健康保険に加入する、本人が脱退を申し出る、といった場合には資格を失います[1]。

なお、勤務先が協会けんぽではなく健康保険組合に加入している場合は、任意継続の条件や保険料はその組合の案内で確かめてください。公立園の職員は加入している制度が異なるため、所属の担当窓口に確認します。

国民健康保険:住んでいる市区町村の保険に入る

国民健康保険は、ほかの健康保険に入らない人が加入する、市区町村の健康保険です。資格を取得したときは、世帯主が14日以内に住所地の市区町村に届け出ることになっています[2]。保険料の計算方法は市区町村によって違うため、退職前に窓口で「退職後に加入した場合の保険料を試算してほしい」と相談すると、おおよその金額を教えてもらえることが多くあります。届け出が遅れた場合の扱いも市区町村ごとに違うので、期限内に済ませておくのが安心です。

家族の扶養:家族の健康保険に入れてもらう

配偶者や親など、家族が会社員として健康保険に入っている場合は、その被扶養者になる方法もあります。年間収入の要件は130万円未満で、60歳以上や障害のある人は180万円未満、19歳以上23歳未満の人は扶養の認定日が2025年10月1日以降なら150万円未満です[3]。同居している場合は被保険者の収入の2分の1未満、別居している場合は仕送り額未満であることも条件になります[3]。年間収入は、過去の収入ではなく、今後1年間の見込み額で判断されます[3]。

扶養に入る手続きは、家族の勤務先を通じて行います。必要な書類や期限は勤務先によって違うので、退職日が決まった時点で、家族から勤務先の担当者に確かめてもらっておくと、退職日の翌日から切れ目なく切り替えられます。

退職を機に実家へ戻る場合は、同居することになるので、親の収入の2分の1未満かどうかという条件で判断されます[3]。一人暮らしを続ける場合とは条件が変わるため、引っ越しの予定と扶養の手続きは、同じタイミングで考えておくと迷いません。

03どれを選ぶ?判断の順番と保険料の比べ方

要点:最初に「すぐ次の職場で働くか」、次に「家族の扶養に入れるか」を確かめ、どちらでもなければ、任意継続と国民健康保険の保険料を試算して比べます。

図2

退職日の翌日から次の職場で働く?

  1. 退職日の翌日から次の職場で働く次の職場の健康保険に加入する。自分で切り替える手続きは基本的に不要
  2. 次の職場まで期間が空く、または当面働かないまず家族の扶養に入れるかを確かめる
  3. 家族の扶養の条件を満たす家族の勤務先を通じて、扶養に入る手続きをする
  4. 扶養の条件を満たさない任意継続と国民健康保険の保険料を試算して、安いほうを選ぶ
  5. 数か月後に次の職場で働く予定があるどちらを選んでも、次の職場の健康保険に入れば切り替わる。手続きの手間と保険料で決める
図2 退職後の健康保険の選び方

任意継続と国民健康保険のどちらが安いかは、人によって違います。在職中の給与の額、住んでいる市区町村、扶養する家族の人数などで、保険料が変わるからです。退職の1か月前くらいまでに、任意継続は協会けんぽの支部に、国民健康保険は市区町村の窓口に問い合わせて、それぞれの月額を聞いておきましょう。二つの金額を並べて比べれば、迷う時間はぐっと短くなります。

問い合わせるときに伝えること・聞くこと

電話で問い合わせるときは、次のことを手元にそろえておくと、話が早く進みます。任意継続の場合は、加入している健康保険の名前と、保険証や資格確認書に書かれた記号・番号、退職予定日です。国民健康保険の場合は、住所、退職予定日、世帯の人数、前の年の収入が分かる源泉徴収票です。聞くことは「月々の保険料の目安」「納め方と納付期限」「手続きに必要な書類」の3つに絞ります。聞いた内容は日付と担当者名を添えてメモしておくと、あとで比べるときに迷いません。

保険料のほかに、手続きのしやすさも判断材料になります。任意継続は郵送で申し出られることが多く、国民健康保険は市区町村の窓口で国民年金の手続きと一緒に済ませられます。体調や移動の負担も含めて、自分にとって無理のない方法を選んでください。

扶養に入るときは「これからの収入の見込み」に注意

扶養の判断は、今後1年間の収入の見込みで行われます[3]。退職後にパートで働き始める予定がある場合は、その収入の見込みも含めて考えます。扶養の認定日が2026年4月1日以降の場合、給与収入だけの人は、労働条件通知書などの労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入が基準額未満で、ほかの収入の見込みがなければ、原則として被扶養者に当たるものとして扱われます[7]。扶養の範囲で働くことを考えている人は、扶養内で働く保育士の条件も参考にしてください。

失業保険(基本手当)を受け取る予定がある場合の扶養の扱いについては、家族が加入している健康保険によって確かめ方が異なります。扶養の手続きをする前に、家族の勤務先の健康保険の窓口に「失業保険を受け取る予定がある」ことを伝えて、扱いを確認してください。失業保険そのものの条件は失業保険の受け取り方で説明しています。

04年金の手続き:国民年金への切り替え

要点:退職後に会社員などとして厚生年金に入らない場合は、国民年金の第1号被保険者の手続きが必要です。期限は退職日の翌日から14日以内で、扶養していた配偶者も手続きが必要になります。

図3

  1. 対象かどうか確かめる退職後に会社員などになり厚生年金に入る予定がない人が対象[4]
  2. 書類をそろえる基礎年金番号通知書または年金手帳。退職日が分かる書類(離職票など)を求められることもある[4]
  3. 役所で届け出る住所地の市区役所・町村役場で、退職日の翌日から14日以内に手続きする[4]
  4. 配偶者の手続き扶養していた配偶者(第3号被保険者)も、第1号被保険者の手続きが必要[8]
  5. 納付が難しいときは退職(失業等)による特例免除を申請できる[8]
図3 退職後の国民年金の手続き

年金手帳と基礎年金番号通知書

手続きには、基礎年金番号が分かる書類が必要です。2022年4月以降に初めて年金制度に加入した人には、年金手帳の代わりに「基礎年金番号通知書」が発行されています。すでに年金手帳を持っている人には通知書は発行されず、引き続き年金手帳を保管することになっています[9]。新卒で保育士になった時期によって、手元にあるものが違うので、退職前に探しておきましょう。実家に置いたままになっていることも多いので、早めに家族に確かめておくと、手続きの日に慌てずに済みます。

配偶者を扶養していた人は、配偶者の分も

保育士本人が厚生年金に入っていて、配偶者を扶養していた場合、その配偶者は国民年金の第3号被保険者になっています。退職すると、配偶者も第1号被保険者への切り替えが必要です[8]。夫婦そろって窓口に行くか、配偶者の分も含めて手続きできるかを、市区町村に確かめておきます。

保険料の支払いが難しいときは、免除を相談する

退職して収入がなくなり、国民年金の保険料を払うのが難しい場合は、退職(失業等)による特例免除を申請できます[8]。払えないまま放っておくのではなく、手続きのときに窓口で「退職して収入が減ったので、免除について相談したい」と伝えてください。免除を受けた期間の扱いや、あとから納める方法についても、その場で説明してもらえます。

05期限から逆算する、退職前後の手続き

要点:健康保険と年金の手続きは、退職日を基準に期限が決まっています。退職の1か月前から準備を始め、退職日の翌日から2週間以内にすべて終わらせることを目標にします。

図4

  1. 退職日の1か月前任意継続と国民健康保険の保険料を試算し、家族の扶養に入れるかを確かめる
  2. 退職日の2週間前年金手帳または基礎年金番号通知書を探し、必要な書類をそろえる
  3. 退職日園の健康保険の資格はこの日まで。資格確認書などは勤務先の案内に従って返す
  4. 退職日の翌日在職時の健康保険では受診できなくなる[5]
  5. 翌日から14日以内国民健康保険の届け出[2]と、国民年金の第1号被保険者の届け出[4]
  6. 翌日から20日以内任意継続を選んだ場合は、協会けんぽの支部に申出書が届くように出す[1]
  7. 退職後1か月以内園から源泉徴収票が届く[10]
  8. 退職後住民税の納め方が変わる場合は、届いた通知に従って納める[11]
図4 退職日を基準にした、健康保険と年金の手続きの流れ

住民税は、在職中に給与から天引きされていた場合、6月1日から12月31日までに退職すると、残りは自分で納める方法に切り替わり、希望すれば最後の給与などからまとめて引いてもらえます。1月1日から4月30日までに退職した場合は、5月31日までに支払われる給与や退職金から残りがまとめて引かれます[11]。源泉徴収票は、年の途中で退職した場合、退職の日以後1か月以内に交付されることになっています[10]。次の職場での年末調整や、確定申告で使うので、なくさないよう保管してください。

06相談事例:「親の扶養に入ればいい」と思っていた

要点:体調を崩して退職し、しばらく休んでから転職するつもりだった保育士が、扶養の条件を確かめ、保険料を並べて比べたことで、期限内に手続きを終えたモデルケースです。

二つの金額を並べたら、迷う時間がなくなった

相談事例(モデルケース)

お名前
りおさん(仮名)・27歳
保育士歴
5年目(相談当時)
勤務先
私立の認可保育園(定員約60名)、0歳児クラス担任
家族
一人暮らし(実家は隣の県)
変化
手続きの期限を知らなかった → 退職後8日で健康保険と年金の手続きを完了

編集部退職したときは、どんな状況でしたか。

りおさん

眠れない日が続いて、受診したら休むように言われたんです。それで年度の途中ですけど、11月末で退職しました。2〜3か月は休んで、体調が戻ってから次の園を探すつもりでした。保険のことは、親の扶養に入ればいいかな、くらいに考えていました。

編集部扶養には入れたのですか。

りおさん

それが、入れなかったんです。私は一人暮らしで、親とは別に住んでいるので、扶養に入るには親からの仕送りの額より収入が少ないことが条件になるって、相談したときに教えてもらって。仕送りはもらっていないので、そもそも対象外でした。思い込みのまま退職日を迎えていたら、と思うとぞっとします。

編集部そこから、どう決めましたか。

りおさん

任意継続と国民健康保険の両方の金額を、退職前に聞いておくように言われて。協会けんぽの支部と区役所に電話したら、私の場合は国民健康保険のほうが月に3,000円くらい安かったんです。二つの数字を並べたら、もう迷うことはなかったですね。どっちがいいか一緒に悩むんじゃなくて、調べ方を教えてくれたのがありがたかったです。

編集部年金の手続きはどうでしたか。

りおさん

健康保険と同じ日に区役所でまとめて済ませました。収入がなくなるので、窓口で特例免除のことも相談して、申請しました。年金手帳は実家に置いてあったので、母に送ってもらって。退職から8日目で、全部終わりました。

「なんとかなる」と思っていた手続きが、期限と金額で見たら、ちゃんと終わらせられるものになりました。

りおさん(仮名)

りおさんはその後、2か月ほど体調を整えることに専念し、医師と相談しながら、日勤中心の小規模保育園に転職しました。入職と同時に新しい職場の健康保険と厚生年金に加入したため、国民健康保険はその時点で脱退の手続きをしています。

このケースから持ち帰れるのは、「扶養に入れるはず」「どちらかが安いはず」という思い込みを、条件と金額で確かめたことです。扶養の条件は、同居か別居かでも変わります[3]。退職前に二つの数字を手に入れておくだけで、退職後の手続きは短い時間で終わらせられます。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

相談する前相談したあと

健康保険の選び方

親の扶養に入れるつもり
2つの保険料を試算して比較

手続きの期限の把握

知らなかった
14日・20日の期限を確認

手続きが終わるまで

見通しなし
退職後8日で完了
図5 りおさんの退職前後の手続き

07手続きで後悔しやすい3つのこと

要点:期限を過ぎてしまうこと、任意継続を「なんとなく」選んでしまうこと、体調が悪いのに無理をして手続きを急ぐこと。この3つは、退職後によく聞く後悔です。

1. 「落ち着いたらやろう」で期限を過ぎる

退職直後は、気が抜けたり、体調を崩したりして、手続きを後回しにしがちです。けれど、任意継続の申し出は退職日の翌日から20日以内で、期限内に届いている必要があります[1]。国民健康保険と国民年金の届け出も14日以内です[2][4]。退職日の翌週の平日に、役所へ行く日をあらかじめ手帳に書き込んでおくと、後回しにしにくくなります。

2. 任意継続を「今までと同じだから」で選ぶ

任意継続は、在職中と同じ健康保険を続けられる安心感があります。けれど、保険料は全額自己負担になるので[6]、在職中に給与から引かれていた額より高くなることがほとんどです。本人が申し出れば脱退できますが[1]、あとから国民健康保険に切り替えても、保険料が安くなるとは限りません。最初の段階で、二つの金額を並べて比べておくことが、いちばんの後悔の防ぎ方です。

3. 体調が悪いときは、手続きを一人で抱えない

心や体の不調で退職した場合、役所に行くこと自体が大きな負担に感じられることがあります。家族に付き添ってもらう、窓口に事前に電話して必要な書類を確かめておく、といった工夫で、手続きにかかる時間を短くできます。つらさが続いているときは、受診を続けるとともに、「こころの耳メール相談」(24時間受付、受理から1週間以内に回答)なども使ってください[12]。体調が理由で働けない期間が続く場合、失業保険の受給期間を延長する仕組みもあります[13]。

退職後のお金の見通しは、健康保険や年金の保険料も含めて考えると、ずいぶん具体的になります。生活費の計算は退職後の生活費の計算で紹介しています。ほいくの相談室では、退職後の手続きや働き方の整理も含めて、転職するかどうかをまだ決めていない段階の相談を受けています。退職手続きの全体像は退職手続きのチェックリストで確認できます。

よくある質問

次の園に入るまで1か月空きます。その間の健康保険はどうなりますか?

退職日の翌日から次の職場の健康保険に加入するまでの間も、どれかの健康保険に入っておく必要があります。任意継続、国民健康保険、家族の扶養のいずれかを選び、期限内に手続きをしてください。次の職場で健康保険に加入したら、国民健康保険なら脱退の届け出をします。

任意継続の保険料は、どのくらいになりますか?

保険料は全額自己負担で、標準報酬月額は資格を失ったときの額と全被保険者の平均額のいずれか低い額で計算されます。2026年度の標準報酬月額の上限は32万円です[6]。具体的な金額は、住所地の協会けんぽの支部に問い合わせれば教えてもらえます。

年金手帳が見つかりません。手続きできますか?

2022年4月以降に初めて年金制度に加入した人は、年金手帳ではなく基礎年金番号通知書が発行されています[9]。どちらも見つからない場合は、手続きの前に市区町村の窓口や年金事務所に相談し、必要な書類を確かめてください。

国民年金の保険料が払えそうにありません。

退職(失業等)により納付が難しい場合は、特例免除を申請できます[8]。払わないまま放っておかず、国民年金の手続きのときに窓口で相談してください。

夫婦とも保育士で、配偶者は別の園で働いています。手続きは必要ですか?

配偶者が会社員などとして健康保険に入っていれば、収入などの条件を満たす場合に、その扶養に入る方法があります[3]。扶養に入らない場合は、任意継続か国民健康保険を選びます。年金は、配偶者の扶養に入ると第3号被保険者になる場合があるため、配偶者の勤務先に確かめてください。

参考にした資料

  1. 協会けんぽ「任意継続」
  2. e-Gov法令検索「国民健康保険法施行規則」
  3. 日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき…」
  4. 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
  5. 協会けんぽ宮城支部「マイナ保険証や資格確認書の使用について」
  6. 協会けんぽ「令和8年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限について」
  7. 日本年金機構「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定…」
  8. 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
  9. 日本年金機構「基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について」
  10. 国税庁 タックスアンサーNo.7411
  11. 東京都主税局「特別徴収にかかる手続きについて」
  12. こころの耳「働く人の『こころの耳メール相談』」
  13. ハローワーク「基本手当について」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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