保育士の求人票で離職率を確かめる方法|職員数・年齢層の読み方

気になる園の求人票を、上から下まで読み直す。給与、勤務時間、休日、福利厚生。けれど、一番知りたい「人がどれくらい辞めているか」は、どこにも書かれていません。面接で聞いてみたい気持ちはあっても、「離職率は何パーセントですか」と口にした瞬間、印象が悪くなるのではと不安になります。

職員の入れ替わりは、働きやすさを映す数字です。毎年のように人が辞める園では、残った人に仕事が集まり、新しく入った人を教える余裕もなくなります。だから、離職率を知りたいと思うのは、とても自然なことです。ただ、離職率は「何パーセント」という一つの数字だけで見ると、かえって判断を誤ることがあります。

この記事では、求人票に離職率が書かれていないときに代わりに見る数字、離職率の計算の仕方と読み方、面接での聞き方をまとめました。あわせて、職員の年齢層や経験年数、職員配置を国の基準と比べて確かめる方法も紹介します。数字が苦手な人でも使えるように、計算はすべて例をつけています。

この記事でわかること

  • 求人票に離職率が載っていないとき、代わりに確かめる4つの数字
  • 離職率の計算の仕方と、数字を読むときに気をつけること
  • 面接や見学で、離職率や職員数を角を立てずに聞く方法
  • 職員の年齢層と経験年数から分かること
  • 職員配置を国の基準と比べて確かめる方法

結論

保育士の求人票には離職率が書かれていないことが多いため、面接や見学で「昨年度の初めに常勤の保育士は何人いて、年度中に何人が退職したか」を人数で聞き、自分で計算するのが確実です。目安として、保育所の常勤保育士の離職率は平成29年の調査で9.3%でした[1]。ただし、小さな園では1人の退職で率が大きく動くため、率だけで判断せず、退職の理由、職員の経験年数の分布、クラスごとの職員配置もあわせて確かめます。4つの数字がそろうと、その園で人が育っているのか、入れ替わり続けているのかが見えてきます。

01求人票に離職率がないとき、代わりに確かめる4つの数字

要点:求人で示すことが決まっている項目に、離職率は含まれていません。代わりに、昨年度の退職者数、職員数の内訳、経験年数の分布、クラスごとの職員配置の4つを確かめると、離職率以上に園の姿が分かります。

求人や募集のときに示すことが決まっているのは、業務内容、契約期間、就業場所、就業時間・休憩・休日、賃金、加入保険などで[2]、離職率はその中に入っていません。つまり、求人票に離職率が書かれていないのは珍しいことではなく、書いていないからといって隠しているとは限りません。知りたいなら、こちらから確かめる必要があります。

図1

  • 1

    昨年度の退職者数

    年度の初めにいた常勤の保育士のうち、何人が年度中に辞めたか。辞めた理由もあわせて聞く

  • 2

    職員数の内訳

    常勤と非常勤、保育士と保育補助、フリーの保育士がそれぞれ何人いるか

  • 3

    経験年数の分布

    経験3年未満、3〜9年、10年以上の職員がそれぞれ何人くらいいるか

  • 4

    クラスごとの職員配置

    自分が担当しそうなクラスに、子ども何人に対して職員が何人つくか

図1 離職率の代わりに確かめる4つの数字

求人票の「職員数」欄は、内訳まで読む

求人票に「職員数」の欄がある場合は、そこが最初の手がかりになります。ただし、「職員数30名」のように合計だけが書かれていることが多く、保育士のほか、看護師、栄養士、調理員、事務員、パートの保育補助まで含んだ数字のこともあります。定員90名の園で職員数30名と聞くと余裕がありそうに見えても、常勤の保育士は15人ほどということもありえます。

求人票の職員数を見たら、園の定員と並べてメモしておき、面接で「そのうち常勤の保育士は何人ですか」と聞きます。常勤の保育士の人数が分かれば、昨年度の退職者数を聞いたときに、その場で離職率の見当がつけられます。

4つの数字は、組み合わせて読む

1つの数字だけでは、見え方が偏ります。たとえば昨年度の退職者が0人でも、職員のほとんどが経験1〜2年なら、その前の年に大勢が辞めた可能性があります。逆に、退職者が3人いても、理由が定年や家族の転勤で、残っている職員の多くが10年以上働いているなら、心配しすぎる必要はないかもしれません。4つの数字を並べて、互いに矛盾がないかを見るのが、数字を読むときの基本です。

02離職率の計算の仕方と、読むときに気をつけること

要点:離職率は「年度中の退職者数÷年度初めの職員数×100」で計算できます。ただし、園の規模、退職の理由、非常勤を含むかどうかで数字の意味は大きく変わるため、計算した率は必ず中身とセットで読みます。

離職率の計算は難しくありません。年度の初め(4月1日など)にいた常勤の保育士の人数を分母に、その年度のあいだに退職した人数を分子にして、100をかけます。

例:年度の初めに常勤の保育士が20人いて、年度中に2人が退職した場合、2÷20×100で離職率は10%です。同じ2人の退職でも、常勤が8人の園なら25%になります。

公的な数字としては、保育所の常勤保育士の離職率は平成29年の調査で9.3%、公営で5.9%、私営で10.7%でした[1]。調査から年数がたっているうえ、園ごとの差も大きいので、あくまで比べるための目安と考えてください。

図2

保育所の常勤保育士の離職率(平成29年・社会福祉施設等調査より)[1]

全体9.3%
公営5.9%
私営10.7%
図2 保育所の常勤保育士の離職率(平成29年・社会福祉施設等調査より)[1]

気をつけたい3つの落とし穴

1つめは、園の規模です。小規模保育や定員の少ない園では、常勤の保育士が5〜8人ほどのこともあります。この場合、1人が辞めるだけで率は大きく跳ね上がります。率ではなく、「何年で何人入れ替わったか」で見るほうが実態に近づきます。たとえば「この3年で常勤の先生は何人入れ替わりましたか」と聞けば、1年だけの偶然に左右されにくくなります。小さな園ならではの働き方の向き不向きは、小規模保育園に向いている人でも紹介しています。

2つめは、退職の理由です。定年、出産や育児、家族の転勤、進学など、職場とは関係のない理由で辞める人もいます。面接で人数を聞いたら、「差し支えなければ、どのような理由が多かったですか」と一言添えると、職場が原因の退職がどのくらいあったかが分かります。

3つめは、数え方の違いです。園が「離職率は〇%です」と答えた場合、非常勤やパートを含んでいるのか、年度途中の退職だけなのか、法人全体の数字なのかで意味が変わります。率で答えてもらったら、「常勤の保育士で、昨年度の人数だと何人くらいですか」と人数で聞き直すと確かです。

図3

退職が少なく、経験の長い職員が多い

人が定着し、仕事のやり方が共有されている可能性が高い。新しく入る人を教える余裕もありやすい

安定型

退職が少ないが、経験の浅い職員ばかり

最近になって大勢が入れ替わった可能性がある。2〜3年前の在籍人数も聞いておきたい

要確認

退職が多いが、理由が定年や転居が中心

職場が原因の退職ではないことが多い。残っている職員の経験年数を確かめる

理由次第

退職が多く、経験の浅い職員ばかり

人が辞め続け、育てる人がいない状態のおそれ。配置や休憩の実態を丁寧に確かめる

慎重に

図3 退職者数と経験年数の組み合わせで見る、園の4つの姿

03面接や見学で、離職率や職員数を聞く方法

要点:「離職率は何%ですか」と率で聞くより、「昨年度は何人が入って、何人が退職されましたか」と人数で聞くほうが、相手も答えやすく、こちらも比べやすくなります。聞く理由を一言添えると、角も立ちません。

離職率や職員数を聞くことは、失礼なことではありません。長く働きたいからこそ確かめたい、という姿勢は、園にとっても歓迎すべきものです。それでも聞きにくいと感じるなら、質問の前に理由を添えます。

  • 例:「長く働ける職場を探しているので、差し支えなければ教えてください。昨年度は、常勤の先生が何人入って、何人退職されましたか」
  • 例:「職員の皆さんの経験年数は、どのくらいの方が多いですか。10年以上の方は何人くらいいらっしゃいますか」
  • 例:「〇歳児クラスに入る場合、子ども何人に対して、担任は何人になりますか。加配やフリーの先生はいらっしゃいますか」

図4

  1. 理由を伝える「長く働きたいので」と前置きし、聞く目的をはっきりさせる
  2. 職員数を聞く常勤と非常勤、保育士と保育補助の人数をまず確かめる
  3. 入れ替わりを聞く昨年度の入職者数と退職者数、差し支えなければ理由を聞く
  4. 経験年数を聞く経験10年以上の職員、3年未満の職員がそれぞれ何人くらいかを聞く
  5. 配置を聞く担当しそうなクラスの子どもの人数と、担任・加配の人数を聞く
図4 職員の数字を聞く順番の例

見学では、数字を「目で」確かめる

見学では、園の玄関や事務室に職員の写真付きの紹介が貼られていることがあります。職員の顔ぶれ、年代、クラスごとの人数をさりげなく見ておくと、面接で聞いた数字と照らし合わせられます。案内の先生に「こちらの園は長いんですか」と自然に聞いてみるのも一つの方法です。見学全体のチェック項目は園見学のチェックリストにまとめています。

答え方そのものも、判断材料になる

人数を聞いたときに、すぐに具体的な数字を答えてくれる園は、職員の状況をきちんと把握しています。反対に、「うちは辞める人はほとんどいませんよ」とだけ言って人数を答えない、話をそらす、という場合は、もう一歩踏み込んで確かめたいところです。面接で職場環境を確かめる質問は、面接で職場環境を確かめる質問リストにも例を載せています。

04職員の年齢層と経験年数から分かること

要点:経験年数のバランスがとれた園は、教える人と学ぶ人がそろっていて、仕事が回りやすい傾向があります。職員の平均経験年数は国の加算にも関わる数字なので、園が把握していることが多く、質問すれば答えてもらいやすい項目です。

職員の年齢層を見るときは、年齢そのものより、経験年数のかたよりに目を向けます。20代ばかりの園は活気がある一方で、相談できるベテランが少ないことがあります。50代以上ばかりの園は経験が豊富な一方で、数年後に定年退職が続き、急に人が足りなくなる可能性もあります。経験10年以上、3〜9年、3年未満の職員がそれぞれいる園は、教える人と学ぶ人がそろっていて、仕事を分け合いやすい形です。とくに3〜9年の中堅が何人いるかは、見落とされがちですが大事な数字です。中堅が厚い園では、行事のリーダーや新人の相談役を一部の人だけが背負わずに済みます。

年齢層は「何歳か」より「何年目か」で聞く

年齢を直接聞くのは、相手にとっても答えにくいものです。そこで、「20代の先生が多いですか」ではなく、「経験10年以上の先生と、1〜2年目の先生は、それぞれ何人くらいいらっしゃいますか」と経験年数で聞きます。経験年数なら、保育の現場では日常的に話題にする数字なので、答えも具体的に返ってきやすくなります。あわせて「クラスリーダーはどのくらいの経験の方が担当していますか」と聞くと、中堅が育っているかどうかも見えてきます。

平均経験年数は、園が把握している数字

国の公定価格には、職員の処遇を改善するための「処遇改善等加算」があり、その基礎分にあたる区分1は、職員の平均経験年数に応じて加算率が変わる仕組みです[3]。そのため、多くの認可保育園は職員の平均経験年数を把握しています。面接で「職員の皆さんの平均経験年数はどのくらいですか」と聞くのは、園にとっても答えやすい質問です。

1歳児の配置改善加算は、ひとつの手がかりになる

2025年4月から、1歳児の職員配置を子ども6人に1人から5人に1人へ手厚くする「1歳児配置改善加算」が始まりました。この加算を受けるには、処遇改善等加算の区分1〜3をすべて取得していること、ICTを活用していること、職員の平均経験年数が10年以上であることが要件とされています[4]。2025年7月時点で、この加算を取得している(予定を含む)施設は47.1%でした[5]。面接で「1歳児の配置改善加算は取っていますか」と聞き、取っていると答えた園なら、職員の経験年数や処遇の面で一定の条件を満たしていると読み取れます。もちろん、取っていない園が働きにくいというわけではありません。

05職員配置を、国の基準と比べて確かめる方法

要点:保育所の職員配置には、子どもの年齢ごとに国の最低基準があります。担当しそうなクラスの子どもの人数と担任の人数を聞き、基準と比べて何人多く配置しているかを見ると、現場の余裕の目安になります。

保育所の保育士の数は、児童福祉施設の基準で、子どもの年齢ごとに最低限の人数が決められています[6]。2024年度には、3歳児と4・5歳児の基準が改善されました[7]。

図5

子どもの年齢国の最低基準確かめるときの見方
0歳児おおむね3人に1人以上午睡チェックや授乳の時間帯に、手が足りているかを聞く
1歳児おおむね6人に1人以上(加算で5人に1人)配置改善加算の有無と、実際の担任の人数を聞く
2歳児おおむね6人に1人以上トイレトレーニングの時期の応援体制を聞く
3歳児おおむね15人に1人以上2024年度に20人に1人から改善。経過措置は2028年3月末まで
4・5歳児おおむね25人に1人以上2024年度に30人に1人から改善。当分の間は従前の基準も認められる
図5 保育所の保育士配置の最低基準と、確かめるときの見方

3歳児の基準は、経過措置として令和9年度末(2028年3月31日)までは従前の20人に1人での運営も認められ、4・5歳児は当分の間、従前の30人に1人での運営が妨げられないとされています[8]。一方で、3歳児について15人に1人以上で配置している施設はすでに97.2%にのぼります(2025年7月時点)[9]。新しい基準で配置しているかどうかは、面接で確かめておきたい点です。

計算の例:基準より何人多いかを見る

例:2歳児クラスの子どもが18人なら、最低基準で必要な保育士は18÷6で3人です。このクラスに担任3人とフリーの保育士1人が入っているなら、基準より1人多い配置です。担任が3人だけで、休憩や書類の時間に応援が来ないなら、基準ぎりぎりで回している状態と考えられます。

最低基準は、あくまで「これより少なくしてはいけない」という下限です。休憩の交代、書類の時間、行事の準備を考えると、基準ぎりぎりの配置では、どこかで誰かが無理をすることになります。担任の人数に加えて、フリーの保育士や保育補助の人数、休憩の交代を誰がするのかまで聞いておくと、現場の余裕が見えてきます。

06相談事例:「離職率は低いです」の先を聞いて分かったこと

要点:「離職率は低いです」という答えをそのまま受け取らず、人数と経験年数で聞き直して園を選んだモデルケースです。率の数字だけで決めかけたところから、どう判断が変わったかを追ってみてください。

率ではなく「3年前からいる人の数」を聞いた

相談事例(モデルケース)

お名前
ちあきさん(仮名)・35歳
保育士歴
13年目(相談当時)
勤務先
私立の認可保育園(定員約90名)、1歳児クラスのリーダー
変化
比べた数字 1つ(離職率)→ 4つ、相談できる経験10年以上の同僚 1人 → 5人

編集部転職先を比べるとき、最初はどこを見ていましたか。

ちあきさん

離職率です。今の園は、ここ3年で同じクラスの先生が毎年替わっていて。次は絶対に人が辞めない園がいいと思って、2つの園の面接で「離職率はどのくらいですか」と聞きました。A園は「5%くらいで、とても低いです」、B園は「昨年度は3人辞めています」という答えでした。

編集部その時点では、どちらがよいと思いましたか。

ちあきさん

正直、A園で決まりだと思いました。数字だけ見たら、ぜんぜん違うので。でも相談したときに「A園の先生たちの経験年数は聞きましたか」と言われて、はっとしたんです。聞いてなかった。それで、もう一度電話で確認させてもらいました。

編集部聞き直して、何が分かりましたか。

ちあきさん

A園は常勤20人のうち、経験3年未満の先生が12人でした。「3年前から勤めている先生は何人ですか」と聞いたら、少し間があって「6人ですね」と。昨年度の退職は1人でも、その前の年にたくさん入れ替わっていたんだと思います。B園は、辞めた3人のうち2人が定年と旦那さんの転勤で、経験10年以上の先生が半分くらい。1歳児の配置改善加算も取っていると教えてくれました。

編集部最終的な決め手は何でしたか。

ちあきさん

B園は、聞いたことに全部人数で答えてくれたんです。1歳児クラスは子ども12人に担任が2人、加配の先生が1人。休憩の交代はフリーの先生が入るって。数字がそろうと、働いている自分の姿が想像できました。

「離職率が低い」の一言より、「3年前からいる人は何人ですか」の答えのほうが、園の本当の姿を教えてくれました。

ちあきさん(仮名)

ちあきさんはB園に転職して8か月がたちます。1歳児クラスでは、子ども12人を担任2人と加配の1人の計3人で見ていて、休憩の60分はフリーの先生と交代で取れているそうです。困ったときに相談できる経験10年以上の同僚は5人。前の園では、同じ立場で相談できる人は1人だけでした。

ちあきさんのケースから学べるのは、率で答えてもらったら、必ず人数と経験年数で聞き直すという習慣です。とくに「低いです」という言葉が返ってきたときほど、その中身を確かめる価値があります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図6

A園B園

昨年度の常勤の退職者

1人
3人(定年・転勤を含む)

経験3年未満の常勤

20人中12人
20人中4人

3年以上前から在籍

6人
14人

1歳児の配置改善加算

未取得
取得
図6 ちあきさんが比べた2つの園(モデルケース)

07数字だけでは分からないことも、正直に伝えたい

要点:離職率や職員配置は大事な手がかりですが、職員どうしの関係や園長の人柄までは映しません。数字は「確かめる入り口」と考え、見学で感じたことや面接での答え方と合わせて判断してください。

1. 数字が良くても、合わない園はある

退職者が少なく、配置も手厚い園でも、保育の考え方が自分と合わなければ働きにくく感じます。逆に、数字の上では心配な園でも、新しい園長のもとで改善が進んでいる途中かもしれません。数字は過去の結果で、これからの姿までは保証しません。

2. 聞いた数字が正確とは限らない

面接で答えてもらった数字は、園の担当者の把握の仕方によっても変わります。「昨年度」の区切りや、非常勤を含むかどうかで、悪気なくずれることもあります。大切なのは、数字の正確さを問い詰めることではなく、答えてくれる姿勢と、ほかの情報との食い違いがないかを見ることです。面接で聞いた人数と、見学で見た職員紹介の掲示、案内の先生の話がだいたい一致していれば、その数字はおおむね信頼できると考えてよいでしょう。

3. 数字を集めることに疲れたら

いくつもの園の数字を集めていると、比べること自体に疲れてしまうことがあります。そんなときは、自分が一番避けたいことは何かに立ち返ってください。ちあきさんの場合は「毎年同じクラスの先生が替わること」でした。そこが分かれば、集める数字は2つか3つで足ります。園選び全体の考え方は働きやすい園の見分け方で整理しています。

数字を前に一人で考え込んでしまうときは、聞いた答えを誰かに話してみると、引っかかっていた点がはっきりすることがあります。ほいくの相談室では、面接で聞いた数字をどう受け止めればよいか、という段階の相談にも乗っています。人間関係の面から園を見分けたい人は、人間関係の良い園の見分け方もあわせて読んでみてください。

よくある質問

面接で離職率を聞くと、印象が悪くなりませんか?

聞き方次第です。「長く働ける職場を探しているので」と理由を添え、率ではなく「昨年度は何人が入って、何人が退職されましたか」と人数で聞けば、前向きな質問として受け止められやすくなります。答えにくそうな様子なら、経験年数の分布を聞くだけでも手がかりになります。

離職率は何%以下なら安心と考えていいですか?

一律の線引きはできません。目安として平成29年の調査では常勤保育士の離職率は9.3%でしたが[1]、小さな園では1人の退職で率が大きく変わります。率よりも、退職の理由と、残っている職員の経験年数をあわせて見てください。

求人票の「職員数」には、パートや保育補助も含まれますか?

園によって数え方が違います。「職員数25名」とあっても、調理員や事務員、パートを含んでいることがあります。面接では「常勤の保育士は何人ですか」と、職種と雇用形態を分けて聞くと正確に分かります。

職員の平均年齢が高い園は、働きにくいですか?

平均年齢だけでは判断できません。経験豊富な職員が多い園は、相談できる相手がいて、仕事のやり方も整っていることが多いです。気になるなら、若手が何人いて、どのように育てているかを聞いてみてください。

見学のとき、案内の先生に勤続年数を聞いてもいいですか?

自然な会話の中でなら問題ありません。「こちらの園は長いんですか」と聞くと、「もう8年になります」「今年からなんです」と気軽に答えてくれることが多いです。何人かの先生に聞けると、職員の定着ぶりがおおまかにつかめます。

職員配置が国の基準ぎりぎりかどうかは、どう確かめればいいですか?

担当しそうなクラスの子どもの人数と担任の人数を聞き、年齢ごとの基準で割り算します[6]。そのうえで、フリーの保育士や保育補助が何人いて、休憩の交代を誰がしているかを聞くと、実際の余裕が見えてきます。

参考にした資料

  1. 厚労省「保育士の現状と主な取組」(2020年8月24日 検討会参考資料1)
  2. 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
  3. こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
  4. こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
  5. こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
  6. 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項
  7. こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
  8. こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
  9. こども家庭庁「令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項」(2026年4月)

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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