スマホのアルバムに、求人画面のスクリーンショットが20枚以上たまっている。月給、駅からの距離、園の写真。見れば見るほど、どの園も良さそうにも、どこか不安にも見えてきます。寝る前に一枚ずつめくっては、結局「明日考えよう」と画面を閉じる。そんな夜が続いていませんか。
前の転職で、月給がいちばん高かった園を選んだ人ほど、今回は慎重になります。入ってみたら通勤に片道1時間近くかかり、早番が月に10回以上回ってきた。月給の差はわずか2万円だったのに、毎日の疲れはそれ以上だった。こうした後悔の多くは、園選びの「目」が悪かったからではなく、候補を同じ物差しで並べていなかったことから生まれます。
この記事では、求人を比べる前に決めておくことから、比較表の作り方、数字のそろえ方、最後の1園の決め方までを、手順に沿って紹介します。紙1枚とペン、またはスマホの表計算アプリがあれば、今日から始められます。
この記事でわかること
- 職場選びで失敗しやすい比べ方と、その理由
- 比較表を作る前に決める「譲れない条件」の絞り方
- 求人の比較表の作り方(5つのステップと記入例)
- 月給・年収・休日などの数字を同じ単位にそろえるコツ
- 点数をつけて最後の1園を決める方法
結論
保育士が職場選びで失敗しないためには、求人を見比べる前に「譲れない条件」を3つに絞り、すべての候補を同じ項目・同じ単位で並べた比較表を作ることです。比較表は、求人票で分かる「条件」、見学や面接で埋める「働き方の中身」、自分との「相性」の3段に分け、分からない欄は空欄のまま残して質問に変えます。最後に譲れない条件に重みをつけて点数にすると、月給の高さや見学の雰囲気だけで決めてしまう失敗を防げます。
01職場選びの失敗は、たいてい「比べ方」から起きる
要点:失敗の多くは、条件の一つだけで比べる、候補ごとに違う物差しを使う、分からないことを「たぶん大丈夫」で埋める、の3つから起きます。比べ方を変えれば、同じ求人の中からでも違う答えが出てきます。
転職した保育士の話を聞くと、後悔のきっかけはだいたい似ています。
- 月給の高さだけで決めたら、固定残業代が含まれていて、実際には時間外も多かった
- 家から近い園を選んだら、早番・遅番の回数が前の園の倍近くあった
- 見学の雰囲気が良かったので決めたら、担当クラスが希望と違った
- 転職サービスで最初に紹介された園に、ほかと比べずに決めた
どれも、決めた理由そのものは間違っていません。月給も通勤も雰囲気も、大事な条件です。問題は、その一つだけを見て、ほかの条件を同じ重さで比べていなかったことにあります。
失敗につながりやすい3つの比べ方のくせ
比べ方のくせは、大きく3つに分けられます。
1つめは「一点集中」です。月給、通勤、園の新しさなど、目立つ一つの条件で全体を判断してしまう。求人サイトの一覧画面は月給や勤務地が大きく表示されるので、そこに目が引っぱられやすくなります。
2つめは「物差しのばらつき」です。A園は月給で、B園は年収で、C園は見学の印象で比べている。候補ごとに見ている項目が違うと、どれが本当に良いのかは比べようがありません。
3つめは「空欄の楽観」です。持ち帰りの有無や書類の時間など、求人票に書いていないことを「たぶん大丈夫だろう」と埋めてしまう。入ってから困ることの多くは、実はこの空欄の中に隠れています。比較表は、この3つのくせをまとめて直すための道具です。
入ってから「変えてほしい」と思われていること
保育士が今の職場で改善を望んでいる項目を見ると、比較表に入れておくべき項目が見えてきます。東京都の調査では、給与・賞与の改善に続き、職員数の増員、事務・雑務の軽減、職員間のコミュニケーション、勤務シフトの改善が多く挙がっています[1]。
図1
現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[1]
給与は求人票で比べられますが、職員数、事務の量、職員どうしの関係、シフトの組み方は、求人票だけでは分かりません。つまり、入ってから不満になりやすい項目ほど、見学や面接で確かめないと比較表が埋まらないということです。比較表を作る意味は、ここにあります。
02比較表を作る前に、条件を4つの箱に分ける
要点:思いつく条件を全部書き出し、「譲れない」「できれば」「どちらでもよい」「避けたい」の4つに分けます。譲れない条件は3つまで。ここが決まらないまま表を作ると、項目が多すぎて比べられなくなります。
まず、紙に「次の職場に求めること」を思いつくまま書き出してください。「持ち帰りがない」「通勤30分以内」「乳児クラス」「年収350万円以上」「土日休み」「園長が話を聞いてくれる」など、具体的な言葉で書くのがこつです。10個でも20個でもかまいません。
書き出したら、それぞれを次の4つの箱に振り分けます。
図2
譲れない
持ち帰り仕事がない/通勤片道30分以内/年収が今より下がらない
3つまでに絞る
できれば
乳児クラス担当/賞与が年2回以上/駅から歩ける
点数で差をつける
どちらでもよい
園の規模/制服の有無/給食か弁当か
比較表から外してよい
避けたい
行事の衣装を手作りする園/早番が月10回を超える
1つでも当てはまれば慎重に
譲れない条件が4つ以上になってしまう人は、「この条件が満たされないなら、ほかが全部良くても入らない」と言い切れるかで考えてみてください。言い切れないものは「できれば」の箱に移します。3つに絞る考え方は転職の優先順位の決め方でも詳しく紹介しています。
「避けたい」の箱は見落とされがちですが、前の園でつらかったことをそのまま書けばよいので、実は一番書きやすい箱です。前回の転職で後悔したことがある人は、そのときの理由を必ずここに入れておきましょう。
03求人の比較表の作り方(5つのステップ)
要点:比較表は「条件」「働き方の中身」「相性」の3段で作り、候補は3〜5園に絞ります。分からない欄は空欄のまま残し、見学や面接で聞く質問に変えるのがこつです。
表を「条件・中身・相性」の3段に分ける理由
比較表の項目は、どこで情報が手に入るかで3つの段に分けておくと、埋めるべき順番がはっきりします。
上の段の「条件」は、月給、賞与、休日、勤務時間、通勤時間、契約期間など、求人票や募集要項で分かる項目です。ここは家にいながら埋められます。
中の段の「働き方の中身」は、持ち帰りの有無、書類を書く時間、行事の準備の進め方、休憩の取り方、担当クラスの人数と職員の数など、見学や面接で聞かないと分からない項目です。失敗を防ぐうえでいちばん効いてくるのは、実はこの段です。
下の段の「相性」は、保育方針、園長や職員の雰囲気、子どもへの声かけなど、自分の目で見て感じる項目です。点数にしにくいので、一言メモで残します。「職員どうしが名前で呼び合っていた」「園長が子どもの名前をすぐ言えた」のように、見た場面を書いておくと、あとで読み返したときに思い出せます。
図3
候補を3〜5園に絞る
譲れない条件を1つでも満たさない求人は外し、残った中から気になる園を3〜5つ選びます
項目を3段に並べる
上の段に「条件」、中の段に「働き方の中身」、下の段に「相性」の項目を書きます
求人票で埋まる欄を埋める
月給の内訳、賞与、休日、勤務時間、通勤時間、契約期間、試用期間などを書き写します
空欄を質問に変える
埋まらない欄に「?」を付け、見学や面接で聞く質問の形に書き直します
見学・面接のあとに書き足す
聞いた答えや見た様子を、その日のうちに表に書き込みます。印象は一言メモで残します
比較表の記入例
3つの園を比べた例です。数字はすべて記入の仕方を示すための例で、実際の相場を示すものではありません。
図4
| 項目 | A園(認可・定員90名) | B園(小規模・定員19名) | C園(認定こども園・定員150名) |
|---|---|---|---|
| 月給(うち基本給) | 25万円(20万円) | 23万円(19万円) | 27万円(18万円・固定残業代20時間分を含む) |
| 賞与 | 基本給の4か月分 | 基本給の3か月分 | 基本給の2か月分 |
| 年間休日・シフト | 120日・早番遅番あり | 115日・固定時間8時〜17時 | 118日・早番遅番あり |
| 通勤時間(片道) | 35分 | 20分 | 45分 |
| 持ち帰り・書類時間 | ?(面接で聞く) | 午睡中に1時間(見学で確認) | ?(面接で聞く) |
| 担当クラスの予定 | 1歳児 | 0〜2歳児の混合 | 3歳児 |
| 契約・試用期間 | 正職員・試用3か月 | 正職員・試用6か月 | 正職員・試用3か月 |
| 相性(見学の一言メモ) | 職員の声が穏やか | 園長が質問に即答 | 未見学 |
表を作ってみると、月給だけならC園がいちばん高く見えても、固定残業代を含むことや賞与の少なさから、年間で見ると逆転することが分かります。求人では、固定残業代を支払う場合はその内訳を明示することになっています[2]。比較表に書き写すときは、月給の数字だけでなく、何が含まれているかまで書いておくと見落としを防げます。
求人票のどこを見ればよいかは求人票で見るポイントで項目ごとにまとめています。
04数字は「同じ単位」にそろえてから比べる
要点:月給は年収に、休日は年間休日に、通勤は自宅の玄関から園の門までの時間に、というように、単位をそろえてから比べます。単位がばらばらのままだと、数字の大きいほうが良く見えてしまいます。
月給ではなく、年収の目安で比べる
月給の高さは目を引きますが、賞与や手当の扱いによって年収は大きく変わります。比較表の記入例でいえば、次のように計算できます。
- 例:A園は月給25万円×12か月+賞与(基本給20万円×4か月分)=年収の目安380万円
- 例:C園は月給27万円×12か月+賞与(基本給18万円×2か月分)=年収の目安360万円
月給ではC園が2万円高いのに、年収の目安ではA園のほうが20万円高くなります。賞与が「何をもとにした何か月分か」は園によって違うので、求人票で分からなければ面接で確かめてください。処遇改善の手当が月給に含まれているのか、別に支給されるのかも、比べるときの差になります。
参考までに、国の職業情報サイトでは、令和7年の賃金構造基本統計調査をもとにした保育士の年収は427.6万円、平均年齢は40.3歳とされています[3]。この数字は残業代や賞与を含み、年齢や経験もさまざまな人の平均です。自分の候補と比べるときは、あくまで全体の目安として見てください。
休日・時間・通勤の単位をそろえる
- 休日は「週休2日」ではなく「年間休日○日」で書く。祝日のある週の扱いで差が出ます
- 勤務時間は「8時間」ではなく「早番7時〜16時が月○回」のように、シフトの形と回数で書く
- 通勤時間は乗り換え案内の数字ではなく、玄関から園の門まで、朝の時間帯で書く
- 契約期間と試用期間は「正職員」「1年契約」などの区分と、試用期間の長さを並べて書く
求人や契約の段階では、就業場所や業務の内容だけでなく、その「変更の範囲」も示すことになっています[4][5]。法人が複数の園を運営している場合は、異動の可能性がある範囲も比較表の「条件」の段に書いておくと、入ったあとの思わぬ異動を防げます。
パートや短時間勤務なら、時給と「抜けやすさ」でそろえる
パートや短時間勤務で比べる場合は、月給ではなく時給と、1週間に働く時間数でそろえます。たとえば「例:時給1,200円で週4日・1日6時間」と「例:時給1,300円で週3日・1日5時間」では、時給は後者が高くても、月の収入は前者のほうが多くなります。扶養の範囲で働きたい人は、年間の見込み額で比べてください。
あわせて、子どもの発熱や行事で休むときの「抜けやすさ」も、パートの比較では大きな項目になります。急な休みのときに誰が代わりに入るのか、シフトの交換はどうしているのかを、中の段の項目として入れておくと安心です。
05相談事例:月給2万円の差より、毎日の往復70分を選んだ
要点:前回の転職で月給の高さだけで園を選び、通勤と早番の多さに疲れた保育士が、比較表を使って選び直したモデルケースです。表のどの欄が決め手になったかに注目してください。
比較表を作ったら、「なんとなく」が理由に変わった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- さゆりさん(仮名)・26歳
- 保育士歴
- 5年目(相談当時)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約120名)、1歳児クラス担任から転職
- 暮らし
- 一人暮らし、通勤は電車とバス
- 変化
- 通勤 片道55分 → 20分、早番 月10回 → 月6回
編集部比較表を作ろうと思ったきっかけは何でしたか。
求人を見すぎて、もう何がいいのか分からなくなってたんです。スクショが20枚以上あって、毎晩見返しては「ここも良さそう」で終わり。前の転職は月給で決めて失敗したので、今回は同じことをしたくないって気持ちだけはありました。
編集部表を作ってみて、何が分かりましたか。
月給がいちばん高い園は、固定残業代が20時間分入っていたんです。賞与も少なくて、年収で計算し直したら、2番目の園とほとんど変わらなかった。しかも通勤は45分。表に並べたら一目で分かることなのに、スクショで見ていたときは全然気づきませんでした。
編集部空欄はどうやって埋めましたか。
「持ち帰りは?」「書類はいつ書く?」みたいに、空いている欄をそのまま質問にして、見学のときにメモを見ながら聞きました。小規模の園では、園長先生が「午睡中に1時間、交代で書いています」とすぐ答えてくれて。表の空欄が一つずつ埋まっていくのが、ちょっと楽しかったです。逆に、別の園では「持ち帰りは?」と聞いたら「人によるわね」で終わってしまって。その欄だけは最後まで「?」のままでした。
編集部給料が下がることへの不安はありませんでしたか。
ありました。月給だけ見ると2万円下がるので、最初は「もったいないかな」って。でも賞与まで入れて年収で計算したら、差は年に5万円くらいだったんです。通勤が往復で1日70分短くなるので、月にすると20時間以上を取り戻せる計算で。数字にしてみたら、迷う理由がほとんどなくなりました。
編集部最後はどうやって決めたのですか。
譲れない3つが「持ち帰りなし」「通勤30分以内」「年収を下げない」だったので、その3つは点数を3倍にして計算しました。小規模の園は月給は2万円低いんですけど、年収の目安はほぼ同じで、通勤20分。点数でもいちばんでした。最後に迷ったときに表を見返せたのが、すごく心強かったです。
表にしてみて初めて、「なんとなく良さそう」を自分の言葉で説明できるようになりました。
さゆりさん(仮名)
さゆりさんは小規模保育の園に移って半年がたちます。通勤は片道20分になり、早番は月6回ほどに減りました。朝の1時間近い余裕で、朝ごはんを座って食べられるようになったと話しています。
このケースから持ち帰れるのは、表を作ること自体よりも、「空欄を質問に変える」という使い方です。分からないことを分からないまま並べておくと、見学や面接で聞くべきことが自然に決まります。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
通勤時間(片道)
早番の回数(月)
年収の目安
持ち帰り仕事
06点数をつけて、最後の1園を決める
要点:譲れない条件は3点、できれば条件は2点、その他は1点の重みで点数をつけ、合計で比べます。ただし譲れない条件に一つでも「×」がある園は、点数が高くても候補から外します。
比較表が埋まったら、最後は点数で整理します。やり方は簡単です。
- 各項目について、園ごとに「◎(2)」「○(1)」「×(0)」をつける
- 譲れない条件の項目は3倍、できれば条件の項目は2倍にする(例:通勤が譲れない条件なら、◎は6点)
- 園ごとに合計し、譲れない条件に×がある園は合計に関係なく外す
記入例の3園で、譲れない条件を「持ち帰りなし」「通勤30分以内」「年収380万円以上」とした場合を考えてみます。B園は通勤が◎で6点、持ち帰りは見学で確かめて○の3点、年収は目安が少し届かず×で0点。この場合、B園は譲れない条件に×があるので、合計点に関係なく候補から外れます。一方でA園は、年収は◎ですが通勤が35分で×になります。このように、譲れない条件で両方が外れてしまうときは、条件の線引き自体を見直すタイミングです。「通勤30分以内」を「35分以内」に緩めるのか、「年収」を「今より下がらない」に言い換えるのか。点数は、自分の条件の現実的な線を教えてくれる役割も持っています。
点数にすると、気持ちの中で大きく見えていた一つの条件が、全体の中ではそれほど大きくないことに気づくことがあります。逆に、合計点が僅差なら、どちらを選んでも大きな失敗にはなりにくいということでもあります。その場合は、見学の一言メモや、働く自分を想像したときの気持ちを決め手にしてかまいません。
図6
- 譲れない条件に「×」がついている園はないか1つでも×がある園は、点数が高くても後悔しやすいからです
- 比較表に「?」の空欄が残っていないか空欄は、入ってから分かる「想定外」になりやすいからです
- 月給ではなく年収の目安で比べたか賞与や固定残業代の扱いで順位が入れ替わることがあるからです
- 通勤時間を朝の時間帯で確かめたか乗り換え案内の数字と、実際の朝の混雑はずれることがあるからです
- 見学か面接で、園の中を自分の目で見たか表に書けない雰囲気や声かけは、見ないと分からないからです
- 契約期間・試用期間・異動の範囲を書面で確かめたか口頭の説明と書面が違うことがあるからです
複数の内定をもらって迷っているときの比べ方は複数内定の比較のしかたでも紹介しています。
07比較表に頼りすぎないための3つの注意
要点:比較表は、書き込んだ情報までしか比べられません。表の外にある自分の体調や気持ち、表を作り続ける疲れにも目を向けてください。
1. 表は「書いた項目」しか比べてくれない
比較表で高得点だった園でも、入ってみて合わないことはあります。それは表が間違っていたのではなく、表に書いていなかった項目があったということです。入職後に「これも項目に入れておけばよかった」と気づいたことは、次に職場を選ぶときのための大切な記録になります。
おすすめしたいのは、入職して3か月ほどたったころに、作った比較表を一度見返すことです。面接で聞いた退勤時刻や書類の時間が、実際とどのくらい合っていたか。合っていなかった項目があれば、それを園長や主任に相談する材料にもできます。比較表は、選ぶときだけでなく、入ったあとに「聞いていた話」と「今の働き方」を照らし合わせる記録としても役に立ちます。
2. 比べ続けることが、目的になっていないか
候補を増やしては表を書き直し、いつまでも決められない。そんな状態になったら、一度手を止めてください。比較表は決めるための道具であって、比べ続けるための道具ではありません。3〜5園に絞ったら、それ以上は増やさないと決めておくと、比較疲れを防げます。
3. 体と心の状態は、どの項目よりも先に見る
今の園で眠れない日や、出勤前に涙が出る日が続いているなら、職場選びより先に休むことを考えてください。疲れ切っているときは、どの求人も悪く見えたり、逆に今の園から離れられるならどこでもよく見えたりします。不調が続く場合は、かかりつけ医や心療内科、働く人の相談窓口につながることも選択肢です。
比較表を自分一人で作るのが難しいときは、誰かと一緒に項目を考えるだけでも進みやすくなります。自分に合う園の考え方や相談先の選び方は自分に合う園の見つけ方と職場選びの相談先に、働きやすい園全体の見分け方は働きやすい園の見分け方にまとめています。ほいくの相談室では、転職を決めていなくても、比較表の項目づくりや空欄の埋め方を一緒に考える相談を受けています。
よくある質問
比較する園は、何園くらいがちょうどいいですか?
3〜5園が目安です。2園だと比べる幅が狭く、6園以上になると見学や面接の負担が大きくなり、表を埋めきれなくなります。譲れない条件で先にふるいにかけてから、残った園の中で選ぶと絞りやすくなります。
比較表は紙とアプリ、どちらで作るのがいいですか?
どちらでもかまいません。見学に持っていくなら紙のほうがメモを書き込みやすく、点数の計算をするならスマホの表計算アプリが便利です。大事なのは、すべての園を同じ項目で並べることです。
求人票に書かれていない項目は、どう埋めればいいですか?
空欄のまま「?」を付けておき、見学や面接で聞く質問に書き直します。持ち帰りの有無、書類の時間、職員の人数などは、求人票だけでは分からないことが多い項目です。聞いた答えはその日のうちに表に書き込んでください。
家族の意見は、比較表にどう入れればいいですか?
通勤時間やお迎えの時間など、家族の生活に関わる条件は「譲れない」か「できれば」の箱に入れておくと、話し合いがしやすくなります。表を家族に見せながら話すと、気持ちだけでなく条件の違いが伝わります。
点数がほとんど同じ園が2つ残ったときは、どうすればいいですか?
点数が僅差なら、どちらを選んでも大きな失敗にはなりにくいと考えてよいでしょう。見学の一言メモを読み返したり、それぞれの園で働く朝の自分を想像したりして、気持ちが軽くなるほうを選ぶのも一つの決め方です。
参考にした資料
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
- 厚労省 職業情報提供サイト(job tag)「保育士」
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
- 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。