保育士の残業が少ない園の見分け方|求人票の読み方

求人サイトをスクロールしていると、「残業ほぼなし」「残業月5時間程度」という文字が目に入ります。前の園の求人票にも、同じような言葉が書いてあった。けれど実際には、行事前は毎日20時まで残り、連絡帳と壁面は家で仕上げていた。「今度こそ、本当に残業の少ない園で働きたい」。そう思う一方で、求人票のどの言葉を信じればいいのか分からなくなっている人は少なくありません。

求人票の「残業」の欄に、うそが書かれているとは限りません。ただ、そこに書かれている数字が、園での残業だけを数えたものなのか、持ち帰りや早出、行事前の準備まで含めたものなのかは、求人票だけでは分からないことが多いのです。数字の中身を確かめずに選ぶと、前の職場と同じ悩みを繰り返してしまいます。

この記事では、求人票の「残業なし」「残業月○時間」が何を示しているのかを整理し、求人票のほかの欄から読み取れるヒント、見学と面接で残業と持ち帰りの実態を確かめる方法、入職後に条件が違っていたときの対処までを順に紹介します。

この記事でわかること

  • 求人票の「残業なし」「残業月○時間」が示している範囲
  • 固定残業代、勤務時間、休憩、職員数の欄から読み取れること
  • 持ち帰りを含めた残業の実態を、見学と面接で確かめる方法
  • 面接での答え方から、園の姿勢を見極めるポイント
  • 入職後に条件が違っていたときの対処

結論

保育士の残業が少ない園を見分けるには、求人票の「残業なし」「残業月○時間」を出発点にしつつ、その数字に持ち帰り仕事や早出の準備、行事前の残業が含まれていない可能性を前提に読むことが大切です。求人票には時間外労働の有無や、固定残業代がある場合はその内訳を示すルールがあるため[1]、まずそこを確認します。そのうえで、見学では職員の退勤の様子や書類を書く時間の有無を、面接では「持ち帰りはありますか」「行事前の残業はどのくらいですか」と具体的に聞いて、数字の中身を確かめます。

01求人票の「残業なし」「月○時間」は何を数えている?

要点:求人票の残業時間は、園で記録されている時間外労働を書いていることが多く、持ち帰り仕事や記録に残らない早出、行事前の一時的な残業は含まれていない可能性があります。表記ごとに、確かめたいことを整理しておきましょう。

求人を出すときには、業務内容や就業時間、休憩、休日などと並んで、時間外労働の有無を明示することが決められています。固定残業代がある場合は、その内訳も示す必要があります[1]。2024年4月からは、業務や就業場所の「変更の範囲」も明示事項に加わりました[2]。求人票は、こうしたルールにもとづいて作られています。

ただし、「時間外労働の有無」や「月平均○時間」がどの時間を数えたものかまでは、求人票には書かれていないことがほとんどです。園が把握している時間外労働が少なくても、タイムカードを押したあとの書類や、家での制作物は数字に入っていないかもしれません。

図1

求人票の表記読み取れること確かめたいこと
残業なし園が把握している時間外労働はない、という説明持ち帰り、早出の準備、行事前の残業がないか
残業ほぼなし・少なめ時間外労働はあるが少ない、という説明「ほぼ」とは月何時間か。多い月は何時間か
残業月平均○時間年間を平均した、記録上の時間外労働行事前など多い月の時間。平均に持ち帰りが含まれるか
固定残業代○時間分を含む一定時間分の残業代が給与に含まれている実際の残業時間と、含まれる時間を超えた分の扱い
持ち帰りなし書類や制作物を家でする必要はない、という説明書類の時間がシフトにあるか。行事前の扱い
図1 求人票の表記と、確かめたいこと

どの表記であっても、数字や言葉そのものより、「その中に何が含まれ、何が含まれていないか」を確かめることが、見分け方の中心になります。

「残業月○時間」は平均であることが多い

保育園の残業は、1年を通して一定ではありません。運動会や発表会、年度末の書類が重なる月は多くなり、行事の少ない時期は減る、という波があります。「月平均5時間」でも、行事前の月は20時間を超え、ほかの月はほとんどない、ということもあり得ます。平均の数字を見たら、「いちばん多い月はどのくらいですか」と聞いてみると、実態に近づけます。

法律では、36協定で定める時間外労働の上限が原則として月45時間・年360時間とされています[3]。求人票の数字がこの範囲に収まっていても、それが自分にとって無理のない量かどうかは別の問題です。何時間までなら生活と両立できるかを、先に自分で決めておきましょう。

「持ち帰りなし」と「残業なし」は別の話

求人票によっては、「残業なし」とだけ書かれていて、持ち帰りについては何も書かれていないことがあります。反対に「持ち帰りなし」と書かれていても、その分を園で残って仕上げているかもしれません。残業と持ち帰りは、セットで確かめる必要があります。どちらか一方だけが少なくても、もう一方が多ければ、働く時間の合計は変わらないからです。

02求人票のほかの欄から読み取れるヒント

要点:残業の欄以外にも、勤務時間とシフト、休憩、職員数や定員、ICTの導入状況、保育補助の有無といった欄に、残業の少なさを考えるヒントがあります。

図2

  • 就業時間とシフトの種類早番・遅番の時間と開所時間との関係から、朝夕の人手の薄さが見えます
  • 休憩時間休憩の長さと取り方が書かれているか。休憩が取れる園は時間の配分に余裕があります
  • 職員数と定員定員に対して職員がどれだけいるかで、配置基準への上乗せの余裕が分かります
  • ICTの導入登降園管理や連絡帳のアプリなど、書類の手間を減らす仕組みがあるか
  • 保育補助・パート職員の有無周辺の作業を分担できる人がいれば、担任の残業が減りやすくなります
  • 年間休日と有給休暇の取りやすさ休みの取りやすさは、職場全体の人手の余裕を映します
  • 固定残業代の内訳何時間分がいくらか。含まれる時間が長い場合は、その時間分の残業が想定されていることもあります
図2 求人票で確かめたい欄

職員数は、配置基準と比べてみると参考になります。保育所の最低基準は、0歳児おおむね3人に1人、1・2歳児おおむね6人に1人、3歳児おおむね15人に1人、4歳以上児おおむね25人に1人です[4]。この基準ぎりぎりで運営している園では、書類や行事の準備の時間を取りにくくなります。定員に対して職員が多めに配置されている園は、休憩や記録の時間を確保しやすい傾向があります。

ICTの導入も、書類の負担を考えるうえでの手がかりです。国の調査では、登降園管理・計画記録・保護者連絡・キャッシュレス決済の4機能すべてを導入している施設は11.7%にとどまっていました[5]。ICTの導入を求人票に書いている園なら、書類の手間をどう減らしているかを面接で聞いてみましょう。

雰囲気を伝える言葉は、具体的な中身を聞く

求人票には、「アットホームな職場」「やりがいのある仕事」「子ども一人ひとりに寄り添う保育」といった言葉もよく並びます。どれも悪い言葉ではありませんが、残業の少なさとは直接関係しません。むしろ「行事に力を入れています」「手作りを大切にしています」といった言葉は、準備や制作の時間が多いことの裏返しである場合もあります。気になる言葉を見つけたら、「行事は年に何回ありますか」「手作りの物は、どなたがいつ作っていますか」と、具体的な中身を聞いてみましょう。

職員の入れ替わりも、手がかりの一つ

職員が長く働いている園は、働き方に無理が少ない可能性があります。求人票に職員の平均勤続年数が書かれていなければ、面接で「長く勤めている先生は多いですか」と聞いてみてください。毎年のように同じ求人が出ている園は、人が定着しにくい理由があるのかもしれません。もちろん、園の新設や定員の増加で求人が続いている場合もあるので、理由もあわせて確かめると判断を誤りにくくなります。

求人票全体の読み方は求人票で見るべきポイントで詳しく紹介しています。

03見学で「残業が少ない園」かを確かめる

要点:見学では、夕方の職員室の様子、壁面や掲示物の量、書類を書く時間と場所、職員の表情を見ることで、求人票には出てこない残業の実態をつかむ手がかりが得られます。

図3

  1. 求人票を読む残業の表記、固定残業代、勤務時間、職員数などを確認し、聞きたいことをメモする
  2. 見学するできれば夕方の時間帯に、職員室や保育室の様子、壁面の量、職員の退勤の様子を見る
  3. 面接で聞く持ち帰り、行事前の残業、書類の時間について、具体的な場面を挙げて質問する
  4. 条件を書面で確かめる内定時に労働条件通知書を受け取り、聞いた内容と食い違いがないかを確認する
図3 求人票から入職までに、残業の実態を確かめる流れ

見学で見ておきたいところ

  • 保育室の壁面や掲示物:毎月作り替える手の込んだ壁面が多い園は、制作の時間がかかっている可能性があります
  • 職員室の机の上:書類が山積みになっていないか、パソコンやタブレットが使われているか
  • 午睡中の職員の動き:記録を書く時間や休憩の時間が、交代で取られているか
  • 夕方の様子:見学を夕方にしてもらえるなら、降園後に職員がどう過ごしているかが見えます
  • 職員の表情や会話:忙しさの中でも、声をかけ合う余裕があるか

壁面は、園の方針がよく表れるところです。子どもの作品が中心の壁面なら、保育士が作り込む時間は少なめかもしれません。逆に、凝った壁面が全クラスで毎月替わっているなら、その制作が誰の、いつの時間でまかなわれているのかを聞いてみる価値があります。見学全体のチェックポイントは園見学のチェックリストも参考にしてください。

見学で聞いてみたい一言

見学では、案内してくれる職員にさりげなく聞いてみるのも一つの方法です。「先生方は、連絡帳はいつ書いていらっしゃるんですか」「発表会の衣装は、どなたが作っているんですか」。面接の場よりも、普段の様子が率直に返ってくることがあります。答えを聞いたら、その場で評価せず、メモに残しておき、面接で聞いた内容と照らし合わせます。

04面接で、角を立てずに残業と持ち帰りを聞く

要点:残業や持ち帰りについては、面接で聞いてかまいません。働く意欲と結びつけて、具体的な場面を挙げて質問すると、答えから園の姿勢も見えてきます。

残業について聞くと「やる気がないと思われるのでは」と心配する人もいます。けれど、長く働き続けるために働き方を確かめるのは、自然なことです。聞き方を工夫すれば、印象を悪くすることはありません。

「長く働きたいと思っているので、働き方について伺ってもいいですか。書類や行事の準備は、勤務時間の中でどのように進めていらっしゃいますか。行事の前は、どのくらい残ることが多いでしょうか。」

「残業はありますか」と一言で聞くより、「書類はいつ書いていますか」「行事前はどうですか」と場面を挙げるほうが、具体的な答えが返ってきやすくなります。面接での聞き方の例は面接で残業について聞く方法でも詳しく紹介しています。

図4

「持ち帰りや行事前の残業はありますか」と聞いたら

  1. 具体的な時間や仕組みで答える「行事前の2週間は1日30分ほど。書類は午睡中に30分取っています」など。実態を把握し、隠していない姿勢がうかがえる
  2. 「ほとんどない」とだけ答える悪い答えではないが、具体性に欠ける。「多い月はどのくらいですか」と一歩踏み込んで聞く
  3. 「みんな頑張っている」と答える頑張りで乗り切る文化がある可能性。持ち帰りや残業が当たり前になっていないか、見学でも確かめたい
  4. 質問をはぐらかす、不機嫌になる働き方について話しにくい職場かもしれない。ほかの園と比べて慎重に判断したい
図4 面接での答え方から、園の姿勢を読む

答えの内容だけでなく、聞いたときの反応も大切な情報です。働き方の質問に丁寧に答えてくれる園は、入職後も相談しやすい園であることが多いものです。

内定のあとに、書面で確かめておくこと

面接で聞いた内容は、内定のときに受け取る労働条件通知書と照らし合わせます。始業・終業の時刻、休憩の長さ、時間外労働の有無、固定残業代の有無と内訳が、聞いた話と食い違っていないかを確認します。2024年4月からは、労働契約を結ぶときに、就業場所や業務の「変更の範囲」も明示することになりました[6]。法人内の別の園に異動する可能性があるかどうかも、ここで分かります。異動先の園の残業が多ければ、せっかく選んだ条件が変わってしまうからです。食い違いや分からない点があれば、入職を決める前に質問しておきましょう。

05相談事例:「残業月5時間」の中身を、今度は確かめた

要点:ここでは、求人票の数字を信じて転職し、実態との違いに苦しんだ経験から、二度目の転職では数字の中身を確かめたモデルケースを紹介します。見学と面接で何を聞いたかに注目してください。

二度目の転職で、数字の中身を聞いた

相談事例(モデルケース)

お名前
ひさえさん(仮名)・51歳
保育士歴
26年目
勤務先
私立の認可保育園(定員約60名)、2歳児クラス担任
変化
実際の残業 月約25時間 → 月4時間程度、持ち帰り 週2回 → なし

編集部前回の転職では、どんなことがあったのですか。

ひさえさん

求人票に「残業月5時間程度」と書いてあったので、それを信じて決めたんです。でも入ってみたら、書類はタイムカードを押してから書くのが当たり前で、実際は月25時間くらい。連絡帳の清書も週2回は家でしていました。数字はうそじゃなかったんです。記録に残る残業が5時間だった、というだけで。

編集部今回は、どんなふうに確かめましたか。

ひさえさん

求人票の数字は参考程度にして、見学で職員室を見せてもらいました。机の上がすっきりしていて、タブレットで連絡帳を書いていたんです。午睡中に交代で記録の時間を取っていると聞いて、それなら書類を家に持ち帰らなくて済むかもしれないと思いました。

編集部面接では何を聞きましたか。

ひさえさん

「行事の前は、何時ごろまで残ることが多いですか」って聞きました。園長先生が「発表会の前の1週間は、18時半くらいまで残る日が2〜3日あります」って、具体的に答えてくれて。この人は実態を知っていて、隠さない人なんだなと思えたのが決め手でした。50代で何度も失敗できないと思っていたので、その答えには本当にほっとしました。

編集部実際に入職して、どうでしたか。

ひさえさん

聞いていたとおりでした。普段はほぼ定時で帰れて、残業は行事前を中心に月4時間くらい。持ち帰りは一度もありません。前の園では、帰ってからも頭が仕事でいっぱいだったんですけど、今は夕方に夫と散歩する時間ができました。

編集部同じように求人票で迷っている人に、伝えたいことはありますか。

ひさえさん

一度失敗したからこそ言えるんですけど、聞きにくいことほど、入る前に聞いたほうがいいです。入ってからだと、もっと聞けなくなるので。聞いて嫌な顔をされたら、それも答えの一つだと思っていいと思います。

数字を信じるんじゃなくて、数字の中身を聞く。それだけで、こんなに違うんですね。

ひさえさん(仮名)

ひさえさんは、前回の転職の経験から、求人票の数字ではなく「何が数字に含まれていないか」を確かめることに集中しました。見学では職員室と書類の扱いを、面接では行事前の具体的な残業時間を聞き、さらに内定時には労働条件通知書で勤務時間と残業の扱いを確認したうえで入職を決めています。

このケースのポイントは、求人票の数字を否定するのではなく、その数字が「記録に残る残業」だけを表している可能性を前提に、足りない情報を見学と面接で補ったことです。経験を重ねた人ほど、聞き方ひとつで得られる情報は大きく変わります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

前の園今の園

実際の残業(月)

約25時間
約4時間

持ち帰り

週2回
なし

求人票の残業の表記

月5時間程度
月平均3時間
図5 ひさえさんの働き方の変化

06入職後に「話が違う」と感じたら

要点:入職後に、明示された労働条件と実際の働き方が大きく違っていた場合には、法律上の対応の道があります。まずは記録を取り、労働条件通知書と比べて、公的な窓口に相談します。

見学と面接で確かめても、入職してから「聞いていた話と違う」と感じることはあります。そのときは、感情的に判断する前に、事実を整理します。

  1. 内定時に受け取った労働条件通知書や、求人票の写しを手元に用意する
  2. 実際の始業・終業時刻、休憩、持ち帰りの時間を毎日記録する
  3. 書面の条件と実際の働き方の違いを、具体的に書き出す
  4. 主任や園長に、書面と記録を示して確認する

明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に労働契約を解除できるとされています[7]。また、明示された労働条件が事実と著しく違ったことを理由に離職した場合や、離職直前の6か月間に一定の時間を超える時間外労働があった場合などは、雇用保険で特定受給資格者と判断されることがあります[8]。どちらも個別の事情によって判断されるため、迷ったら総合労働相談コーナーなどの無料の窓口で、記録を見せながら相談してください[9]。

そのためにも、求人票の画面や応募時の書類、労働条件通知書は、入職後もしばらく保管しておきましょう。何が約束されていたのかを示す材料は、あとから手に入れるのが難しいものです。求人サイトの画面は掲載が終わると見られなくなることが多いため、応募した時点で画面を保存しておくと安心です。面接で聞いた内容も、日付と相手の名前を添えてメモに残しておきましょう。また、すぐに辞めるかどうかを決める前に、まずは園と話し合い、改善の余地があるかを確かめるという順番も覚えておいてください。

07見分け方にも限界がある

要点:どれだけ確かめても、入職前に職場の実態を完全に知ることはできません。また、残業の少なさだけで職場を選ぶと、ほかの条件で後悔することもあります。確かめられる範囲を確かめたうえで、優先順位をつけて選ぶことが大切です。

残業の量は、年度や担当で変わる

同じ園でも、担当するクラスや役割、その年の職員の顔ぶれによって、残業の量は変わります。乳児クラスと年長クラスでは書類や行事の負担が違い、行事係や主任を任されれば仕事は増えます。見学や面接で聞いた話は、あくまで「今の時点での平均的な姿」と考えておきましょう。

だからこそ、入職後も自分の働いた時間を記録しておくことに意味があります。最初の数か月の残業と持ち帰りを記録しておけば、聞いていた話と比べられますし、増えてきたときに早めに相談する材料にもなります。見分けることは入職前で終わりではなく、働き始めてからも続くものだと考えておくと、思っていたのと違ったときにも落ち着いて動けます。

残業の少なさだけで選ばない

残業が少ないことは大事な条件ですが、それだけで選ぶと、給与や人間関係、保育方針、通勤時間などで後悔することがあります。残業の少なさを含めて、譲れない条件を3つほどに絞り、優先順位をつけておくと、比べやすくなります。持ち帰りのない求人の探し方は持ち帰りなしの求人を探すときのポイントも参考にしてください。残業が多くなる仕組みそのものは保育士の残業が多い理由と減らし方で整理しています。

一人で求人票を読み比べていると、どの数字を信じればよいか分からなくなることがあります。ほいくの相談室では、転職を決めていない段階でも、気になる求人の読み方や、見学・面接で聞くことの整理から一緒に考えています。

よくある質問

求人票に「残業なし」と書いてあれば、本当に残業はないのでしょうか?

記録上の時間外労働がないという意味で書かれていることが多く、持ち帰りや行事前の残業まで含まれているとは限りません。見学や面接で、書類を書く時間がシフトにあるか、行事前はどうしているかを具体的に確かめてください。

保育士の残業は、月何時間くらいなら少ないと考えていいですか?

何時間なら少ないかは、生活の状況や体力によって人それぞれです。法律上は36協定で定める時間外労働の上限が原則月45時間とされていますが[3]、自分にとって無理のない時間を先に決めておき、平均だけでなく多い月の時間も確かめると判断しやすくなります。

面接で残業について聞くと、印象が悪くなりませんか?

長く働きたいという気持ちと結びつけて、「書類はいつ書いていますか」のように具体的な場面で聞けば、印象を悪くすることはほとんどありません。働き方の質問に丁寧に答えてくれるかどうかも、園を見極める材料になります。

見学を夕方にしてもらうことはできますか?

園の都合によりますが、お願いしてみる価値はあります。夕方は降園や片付け、職員の動きが見える時間帯で、残業の様子をつかむ手がかりになります。難しい場合は、面接で「降園後はどのように過ごしていますか」と聞いてみてください。

固定残業代がある求人は、避けたほうがいいですか?

固定残業代があること自体が悪いわけではありません。何時間分がいくら含まれているかの内訳は、求人の段階で示すことになっています[1]。含まれる時間の長さと、実際の残業時間、超えた場合の扱いを確かめたうえで判断してください。

パートの求人でも、同じように見分ければいいですか?

基本の考え方は同じです。パートは担任や行事の責任者を任されにくい分、残業は少なめになりやすいものの、園によっては書類や制作を頼まれることもあります。勤務時間を過ぎて残ることがあるか、パートに任される仕事の範囲はどこまでかを、面接で確かめておくと安心です。

参考にした資料

  1. 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
  2. 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」
  3. 確かめよう労働条件「時間外・休日労働と割増賃金」
  4. 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項
  5. こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
  6. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  7. 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」(厚生労働省)
  8. ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
  9. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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