「アットホームな職場です」「職員同士の仲が良く、相談しやすい環境です」。求人サイトを開くと、どの園にも似たような言葉が並んでいます。前の園の求人票にも、確かにそう書いてありました。入ってみたら、休憩室では年代ごとに座る場所が決まっていて、新しく来た人に声をかける人はいなかった。
人間関係が理由で辞めた人ほど、次の職場選びでは「今度こそ人間関係の良い園に」と願います。けれど、人間関係は求人票のどの欄にも書かれていません。書かれていないものを、どうやって見分ければいいのでしょう。
手がかりは、人間関係そのものではなく、人間関係が良くなりやすい「条件」と「仕組み」です。求人票で分かること・分からないこと、見学や面接、口コミでの確かめ方、応募前に使える確認の観点を、以下で順を追ってまとめました。
この記事でわかること
- 人間関係の良い園に共通する「仕組み」のサイン
- 求人票から人間関係について読み取れること・読み取れないこと
- 見学で人間関係が見える10の場面と、観察のこつ
- 面接・口コミで確かめるときの注意点と、見分け方の限界
結論
人間関係の良い園は、求人票の「アットホーム」「仲が良い」という言葉だけでは見分けられません。求人票で分かるのは、業務内容、就業時間・休憩・休日、時間外労働の有無、賃金、就業場所など、法律で明示が求められる労働条件です[1]。人間関係を見分けるには、まずその条件から残業の少なさや人手の余裕といった「土台」を読み取り、次に見学で職員同士の声のかけ方や職員室の雰囲気を確かめ、最後に面接で新人のフォロー体制や話し合いの進め方を聞く、という3段階で判断するのが確実です。一つの情報で決めず、3つを重ね合わせて見ることが見分ける近道です。
01人間関係の良い園は「仕組み」に表れる
要点:人間関係の良さは、職員の人柄よりも、時間と人手の余裕、役割分担の明確さ、話し合いの場、新人を支える体制といった「仕組み」に表れます。人柄は入ってみないと分かりませんが、仕組みは外から確かめられます。
人間関係の良し悪しは、つい「優しい人が多いか」「意地悪な人がいないか」で考えてしまいます。けれど、人柄は入職前にはほとんど分かりません。しかも、同じ人でも、置かれた環境によって態度は変わります。人手が足りず毎日残業が続く園では、もともと穏やかな人でも言葉がとがります。反対に、時間に余裕があり役割がはっきりしている園では、性格の合わない人がいても、ぶつかる場面そのものが少なくなります。
東京都の保育士実態調査では、過去に保育士として働いた人が辞めた理由の最多は職場の人間関係(31.5%)でした[2]。一方、今の職場で改善を希望する項目の上位には、職員数の増員(48.6%)や事務・雑務の軽減(40.1%)が並んでいます[3]。人間関係の悩みと、人手や仕事量の余裕のなさは、切り離せない関係にあるといえます。
図1
- 1
時間の余裕がある
残業や持ち帰りが少なく、休憩が取れている。疲れが少ないほど、言葉もやわらかくなります
- 2
人手に余裕がある
配置がぎりぎりではなく、フリーの保育士や保育補助がいて、急な休みにも対応できる
- 3
役割がはっきりしている
担任間の分担、行事の担当、書類の担当が決まっていて、「誰がやるの」が起きにくい
- 4
話し合いの場がある
職員会議やクラス会議が勤務時間内に定期的にあり、意見を出せる時間が確保されている
- 5
新人・中途を支える体制がある
指導担当が決まっている、マニュアルがある、入職後の面談がある
配置基準を知っておくと、人手の余裕が読める
人手の余裕を推し量るには、国が定める保育士の配置の基準を知っておくと役に立ちます。保育所では、乳児はおおむね3人に1人、1・2歳児はおおむね6人に1人、3歳児はおおむね15人に1人、4歳以上児はおおむね25人に1人以上の保育士を置くことが最低基準とされています[4]。1歳児を5人に1人とする配置は、最低基準の改正ではなく、2025年4月からの加算として、要件を満たした施設が取り組むものです[5]。
この基準ぎりぎりで回している園では、誰か一人が休むだけで現場が回らなくなり、職員の間に「休まれると困る」という空気が生まれやすくなります。面接では「各クラスの職員は基準より何人多く配置していますか」「フリーの保育士や保育補助の方はいますか」と聞いてみてください。数字で答えが返ってくる園は、配置を意識して運営している目安になります。
「仲が良い」と「働きやすい」は少し違う
求人票の「職員同士の仲が良い」という言葉には、注意して向き合いたい面もあります。仲が良いこと自体は悪くありませんが、昔からいる職員どうしの結びつきが強すぎると、新しく入った人が輪に入りにくくなることがあります。勤務外の食事会や旅行が多く、参加しないと浮いてしまう園もあります。
人間関係の良い園として目指したいのは、「みんなが仲良し」の園ではなく、「必要なことを、必要なときに相談できる」園です。雑談の輪に入れなくても、仕事の相談には誰かが応えてくれる。その状態があれば、多くの人は安心して働けます。
02求人票で分かること・分からないこと
要点:求人票には、業務内容や就業時間、休日、賃金など、法律で明示が求められる条件が書かれています。人間関係そのものは書かれていませんが、条件の書き方や記載の細かさから、職場の余裕を読み取ることはできます。
求人や募集のときには、業務内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間・休憩・休日、時間外労働の有無、賃金(固定残業代がある場合はその内訳)、加入保険などを明示することになっていて、原則として最初の面接までにすべて示すこととされています[1]。2024年4月からは、「従事すべき業務の変更の範囲」と「就業の場所の変更の範囲」も明示事項に加わりました[6]。就業場所の変更の範囲を見ると、同じ法人の別の園へ異動する可能性があるかどうかが分かります。
図2
| 項目 | 求人票で分かること | 求人票では分からないこと | 確かめる方法 |
|---|---|---|---|
| 就業時間・休憩 | 始業・終業の時刻、休憩時間 | 休憩が実際に取れているか | 見学で午睡中の様子を見る、面接で聞く |
| 時間外労働 | 残業の有無、固定残業代の内訳 | 持ち帰り仕事の量 | 面接で行事前の働き方を聞く |
| 休日・シフト | 休日の数、シフトの種類 | 希望休の通りやすさ | 面接でシフトの決め方を聞く |
| 業務内容 | 担当する仕事、変更の範囲 | 書類や行事の負担の偏り | 見学で分担表や掲示を見る |
| 就業場所 | 勤務地、変更の範囲 | 異動の頻度や決め方 | 面接で人事の仕組みを聞く |
| 職場の雰囲気 | 園側の言葉で書かれた紹介文 | 職員同士の実際の関係 | 見学で声のかけ方を観察する |
| 職員の定着 | 書かれていないことが多い | 辞める人の多さと理由 | 面接で勤続年数や退職者数を聞く |
書いてあると安心材料になる記載
求人票の自由記述の欄に、次のような情報が具体的に書かれている園は、職員の働き方に目を向けている可能性があります。
- 職員数とその内訳(正規・パート、保育補助、調理、看護師など)
- 平均勤続年数や、有給休暇の取得の実績
- 指導担当の配置、入職後の研修や面談の仕組み
- 書類や記録の負担を減らす工夫(ICTの導入、ノンコンタクトタイムの確保など)
ICTについては、こども家庭庁の資料によると、登降園管理・計画記録・保護者連絡・キャッシュレス決済の4つの機能をすべて導入している施設は、2024年の調査時点で11.7%にとどまっています[7]。導入していないから悪い園というわけではありませんが、導入している園では、書類のために残る時間が短くなり、職員の余裕につながっていることがあります。面接で「記録や連絡帳はどのように書いていますか」と聞くと、具体的な様子が分かります。
注意して読みたい表現
次のような表現は、悪い意味とは限りません。ただ、そのまま受け取らず、面接や見学で具体的な中身を確かめたい言葉です。
- 「アットホーム」「家族のような職場」:公私の境目があいまいなことも。勤務外の付き合いがどの程度あるかを確かめます。
- 「若いスタッフが活躍中」:年齢構成が偏っている可能性があります。相談できる中堅やベテランがいるかを確かめます。
- 「未経験でも安心」「ブランクがあっても大丈夫」:支える体制(指導担当、研修)が具体的に書かれているかを見ます。
- 同じ求人がいつも掲載されている:人の入れ替わりが多いのか、開園や定員の拡大による増員なのかを、面接で理由として聞いてみます。
離職率の数字は、目安として見る
求人票に離職率が書かれている場合は、一つの目安になります。比べる材料として、全国の保育所の常勤保育士の離職率は、平成29年の調査で9.3%(公営5.9%、私営10.7%)でした[8]。少し古いデータなので、今の数字として扱うのではなく、大まかな目安として見てください。
規模の小さい園では、数字が大きく動く点にも注意が必要です。例:職員10人の園で1人が辞めると、それだけで10%になります。数字そのものより、「この3年で何人が辞めたか」「辞めた理由は何か」「長く勤めている職員は何人いるか」を聞くほうが、実態をつかみやすくなります。離職率の読み方は求人票の離職率の見方でも詳しく紹介しています。
03見学で見える、人間関係の10のサイン
要点:見学では、保育の様子だけでなく、職員同士のやりとりに目を向けます。挨拶、声のかけ方、職員室の空気、掲示物など、30分ほどの見学でも人間関係がにじむ場面はいくつもあります。
図3
- 職員同士が名前で呼び合い、挨拶を交わしているか互いを一人の職員として見ているかの目安になります
- 子どもの前で、職員が職員を強く注意していないか人前で叱る文化がないかが分かります
- 保育中のやりとりが「お願いします」「ありがとう」で回っているか助け合いが日常になっているかが見えます
- 案内役以外の職員も、見学者に挨拶をしてくれるか外の人を迎える余裕が職員にあるかが分かります
- 職員室の机の上や書類棚が、極端に散らかっていないか書類に追われて余裕を失っていないかの目安です
- 休憩室があり、休憩の時間が決まっているか休憩が取れない園では、疲れが言葉に出やすくなります
- 担任間の役割分担や当番表が掲示されているか「誰がやるの」のすれ違いを防ぐ仕組みがあるかが分かります
- 若手とベテランが一緒に話している場面があるか年代で分かれた派閥がないかを見る手がかりになります
- 案内してくれる人が、他の職員を肯定的に話すか職員同士を認め合う空気があるかが表れます
- 質問に、ごまかさず具体的に答えてくれるか課題も含めて話せる、風通しのよさの目安になります
時間帯を変えると、見えるものが変わる
午前中の主活動の時間は、どの園も保育に集中していて、職員同士のやりとりは見えにくいものです。可能であれば、午睡の前後やお迎えの時間帯の様子も見せてもらえないか相談してみてください。午睡中の職員室で、連絡帳を書きながら交わされる会話や、夕方の引き継ぎの声かけには、ふだんの関係がそのまま表れます。
見学で何を見るか、どんな質問をするかは、園見学のチェックリストにもまとめています。人間関係以外の観点も合わせて確かめておくと、見学の時間を無駄なく使えます。
1回の見学で決めつけない
見学の日がたまたま行事の直前だった、体調不良で休んでいる職員が多かった、ということもあります。気になる点があっても、それだけで「人間関係が悪い園」と決めつける必要はありません。逆に、見学で好印象だったからといって、それだけで安心するのも早すぎます。見学で得た印象は、面接で聞く質問の材料として使うのが上手な活かし方です。
04面接と口コミで、見えない部分を補う
要点:見学で分からない部分は、面接で「仕組み」についての質問をすることで補えます。口コミは参考になりますが、投稿の時期や書いた人の立場によって内容が偏るため、一つの意見だけで判断しないようにします。
面接では「人」ではなく「仕組み」を聞く
面接で「人間関係はいいですか」と聞いても、「みんな仲が良いですよ」という答えしか返ってこないことがほとんどです。代わりに、見学で気になった点を仕組みの質問にして確かめます。たとえば「職員室に当番表が貼ってありましたが、行事の担当も同じように決めていますか」「連絡帳や日誌は、勤務時間のどこで書いていますか」「急に休む職員が出たときは、どのように回していますか」。見学で見たことと面接の答えが一致していれば、その仕組みは実際に動いていると考えられます。質問の言い換え例や、答えの読み取り方は面接で人間関係を確かめる質問と聞き方で詳しく紹介しています。
口コミを読むときの3つの注意
インターネット上の口コミは、中の様子を知る手がかりになる一方で、偏りもあります。読むときは次の3点に気をつけてください。
- 投稿の時期:園長や主任が変わると、雰囲気は大きく変わります。数年前の口コミは、今の園には当てはまらないことがあります。
- 書いた人の立場:辞めた人の書き込みは不満が中心になりやすく、在籍中の人の書き込みは控えめになりやすいものです。
- 具体的な事実があるか:「最悪」「最高」といった感想より、「行事前は毎日20時まで残っていた」のような事実の記述のほうが参考になります。
4つの段階を重ねて判断する
求人票、見学、面接、内定後の書面確認。どれか一つで判断せず、順番に重ねていくと、見落としが減ります。
図4
- 求人票で土台を読む残業、休憩、職員数、変更の範囲から、時間と人手の余裕を推し量る
- 見学で空気を見る職員同士の挨拶、声かけ、掲示物から、日々のやりとりを観察する
- 面接で仕組みを聞く新人のフォロー、会議の進め方、役割分担を具体的に尋ねる
- 内定後に書面で確かめる労働条件通知書で、聞いた条件と就業場所・業務の変更の範囲を確認する
最後の段階では、2024年4月から労働契約を結ぶときに、就業場所と業務の「変更の範囲」を明示することが必要になっている点も押さえておきます[9]。面接で「異動はほとんどない」と聞いていたのに、書面では法人内のすべての園が変更の範囲になっている、ということもあります。違いがあれば、入職前に確かめておくと安心です。
05相談事例:2回目の転職で「仕組み」を見て選んだ
要点:1回目の転職で求人票の言葉を信じて後悔した人が、2回目は「確かめられるもの」だけを見て選びました。比べた項目と順番は、そのまま応募前の参考になります。
「アットホーム」の言葉より、当番表を見て決めた
相談事例(モデルケース)
- お名前
- あつしさん(仮名)・29歳
- 保育士歴
- 8年目(今回が2回目の転職)
- 勤務先
- 首都圏の私立認可保育園(定員約120名)、4歳児クラス担任
- 変化
- 応募前に見学した園 1園 → 3園/入職半年で相談できる先輩 0人 → 3人
編集部前回の転職では、どんなふうに園を選んだのですか。
求人票に「アットホームで、職員の仲が良い園です」って書いてあって、見学も1園だけ行って、園長先生の感じがよかったから決めました。でも入ってみたら、職員が20代と40代以上ではっきり分かれていて。男性は僕一人だったこともあって、どっちのグループにも入れなかったんです。相談できる人がいないまま1年半で辞めました。
編集部今回は、何を変えましたか。
求人票の「雰囲気」の欄は読み飛ばして、職員数、休憩の時間、残業の有無、それから就業場所の変更の範囲を、5園分表にして比べました。条件がそろっていた3園に見学を申し込んで、見学ではずっと職員同士の会話を聞いていました。保育を見に来たのか、職員を見に来たのか、自分でも分からなくなるくらい(笑)。
編集部決め手は何でしたか。
職員室の壁に、行事の担当と当番の表が貼ってあったことです。誰が何をやるのかが一目で分かる。それと、見学の途中で、若い先生がベテランの先生に「この子、午睡の入りが遅くて」って相談していて、ベテランの先生が手を止めて一緒に考えていたんです。前の園では見たことのない光景でした。正直、そこで心が決まりました。
編集部入職して、実際はどうでしたか。
半年たって、気軽に相談できる先輩が3人います。もちろん合わない人もいますけど、役割が決まっているので、ぶつかる場面があまりないんです。前の園で悩んでいたのは、人そのものより、仕組みがなかったことだったんだなって、今なら分かります。
人の良さは入ってみないと分からない。でも、仕組みは入る前に見ることができました。
あつしさん(仮名)
あつしさんは、現在も同じ園で4歳児クラスを担任しています。月に2回の学年会で行事の分担を話し合って決めるので、「なぜ自分ばかり」と感じることもないそうです。
あつしさんの選び方で参考になるのは、求人票の言葉の印象ではなく、「時間・人手・役割・相談の仕組み」という確かめられるものに目を向けたことです。見学の数を増やし、比べる観点を先に決めたことで、前回のような「入ってみたら違った」を避けられました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
- 1週目求人票を5園分並べ、職員数・休憩・残業・変更の範囲を表にして比べる
- 2週目条件の土台が整っている3園に絞り、見学を申し込む
- 3〜4週目3園を見学し、職員同士の挨拶、掲示物、職員室の様子をメモする
- 5週目2園に応募し、面接では見学で見た当番表や分担の決め方について質問する
- 6週目内定を受け、労働条件通知書で聞いた条件と変更の範囲を確かめる
- 入職後半年月2回の学年会で行事の分担を話し合い、相談できる先輩が3人になる
06見分け方にも限界があると知っておく
要点:どれだけ確かめても、入ってみないと分からない部分は残ります。人は入れ替わり、園の雰囲気も変わります。また、「良い人間関係」の形は人によって違うため、自分に合う関係の持ち方を知っておくことも欠かせません。
1. 4月には、人が入れ替わる
保育園では、年度の切り替わりで職員の退職や異動、新しい職員の入職が重なります。見学のときに感じた雰囲気が、翌年度も同じとは限りません。園長や主任が変わると、職員会議の進め方や役割分担の考え方まで変わることもあります。見分け方は「今、この園がどうか」を確かめるものであって、将来を約束するものではありません。だからこそ、特定の人に頼った良さより、人が変わっても残る「仕組み」の良さを重視する意味があります。
2. 「良い人間関係」は、人によって違う
休憩中ににぎやかに話せる職場を心地よいと感じる人もいれば、必要な連絡以外は静かに仕事をしたい人もいます。行事後にみんなで食事に行く園を楽しいと思う人もいれば、負担に感じる人もいます。人間関係の良い園を探す前に、自分にとって心地よい距離感はどのくらいかを、前の職場の経験から書き出しておいてください。「前の園で一番つらかった場面」と「一番ほっとした場面」を一つずつ書くだけでも、確かめたい点がはっきりします。
3. 合わなかったときの「次の手」も確かめておく
見分け方に限界がある以上、入職後に合わない人がいたときの手立てがあるかどうかも、園を選ぶ材料になります。同じ法人の中に複数の園があり、就業場所の変更の範囲に他の園が含まれていれば、人間関係を理由に異動を相談できる余地があります。入職後の面談の仕組みがある園なら、困りごとを早い段階で伝えられます。「合わなかったら終わり」ではなく、「合わなかったら相談できる」仕組みがあるかどうか。これも、人間関係の良い園を見分ける一つの観点です。
働きやすさ全体の見分け方は、働きやすい園の見分け方で人間関係以外の観点も含めて紹介しています。そもそも今の園の人間関係の何がつらかったのかを言葉にしたいときは、人間関係のつらさを整理する考え方が手がかりになります。
「次こそは」と思うほど、一人で確かめる作業は重く感じられます。ほいくの相談室では、転職するかどうかまだ決めていない段階でも、今の園で何がつらかったのか、次の園で何を確かめたいのかを一緒に整理できます。比べる観点が決まると、求人票の見え方も変わってきます。
よくある質問
求人票に「離職率が低い」と書いてあれば安心ですか?
目安にはなりますが、それだけで判断するのは避けてください。小規模な園では1人の退職で数字が大きく動き、反対に規模の大きい法人では園ごとの差が見えにくくなります。何年間の数字か、辞めた人の理由は何かを、面接で確かめると安心です。
見学のときに職員同士の関係を質問しても失礼になりませんか?
「職員の皆さんは、困ったときにどんなふうに相談し合っていますか」のように、働き方の質問として聞けば失礼にはなりません。答えの内容だけでなく、具体例がすぐに出てくるか、聞かれたときの表情も参考になります。
職員の年齢層が若い園は、人間関係が良いのでしょうか?
年齢層だけでは判断できません。若い職員が多い園は話しやすい雰囲気がある一方で、相談できる中堅やベテランが少ないこともあります。年代の構成と、新人や中途を支える体制があるかを合わせて確かめてください。
小規模保育園と大規模な園では、どちらが人間関係で悩みにくいですか?
どちらにも良さと難しさがあります。小規模な園は職員が少ないぶん関係が近く、合えば働きやすい反面、合わない人と離れにくい面があります。大規模な園は相性の合う人を見つけやすい反面、グループができやすいこともあります。自分がどちらの関係の持ち方を好むかで考えてみてください。
入職後に人間関係が合わないと分かったら、すぐ辞めてもいいですか?
心身に不調が出ているなら、無理をせず休むことや辞めることを考えてください。そうでなければ、まず指導担当や主任に相談し、担任の組み合わせの変更や法人内の異動ができないかを確かめる方法もあります。次の園選びで確かめる点を整理しておくと、同じ悩みを繰り返しにくくなります。
参考にした資料
- 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項
- こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
- 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」
- こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
- 厚労省「保育士の現状と主な取組」(2020年8月24日 検討会参考資料1)
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。