夜11時、リビングで発表会の衣装のスパンコールを縫いつけている。子どもたちが寝静まったあと、ふと手を止めて計算してしまう。今月は持ち帰りが20時間を超えた。この時間も含めたら、自分の時給はいくらになるんだろう。答えを出すのが怖くて、また針を動かします。
給料への不満は、金額そのものより「これだけやっているのに」という気持ちから大きくなることが多いものです。担任に加えて行事のリーダー、実習生の指導、新人のフォロー。任される仕事は年々増えるのに、明細の数字はほとんど変わらない。その差を感じるたびに、「もう辞めたい」という気持ちが強くなっていきます。
この記事では、給料が仕事量に見合わないと感じて辞めたいときに、その不満を分けて確かめる方法を紹介します。そのうえで、園と交渉する、転職する、副業をする、働き方を変えるという4つの選択肢を比べ、辞める前にやっておきたいことをまとめました。今すぐ辞めるかどうかを決める必要はありません。まずは、何がどれだけ見合っていないのかを、数字で知るところから始めましょう。
この記事でわかること
- 「給料に見合わない」という不満を4つに分ける方法
- 時給に直して、仕事量と給料のバランスを確かめる計算の仕方
- 交渉・転職・副業・働き方を変えるの4つの選択肢の比べ方
- 辞めると決める前に、やっておきたいことと時期の目安
- 給料の不満を「相談だけ」したいときの考え方
結論
保育士が給料に不満で辞めたいと感じたら、まず不満を「金額が低い」「働く時間が長い」「責任の重さに見合わない」「頑張りが評価されない」の4つに分けて考えます。次に、年収を持ち帰りも含めた実際の労働時間で割って時給に直すと、見合っていない部分がはっきりします。統計では一般労働者の保育士の1時間あたりの賃金は2,147円で[1]、比べる目安になります。そのうえで、園との交渉、転職、副業、働き方を変えるという4つの選択肢を、不満の種類に合わせて比べると、辞めるかどうかを納得して決められます。
01給料への不満で辞めたいと感じるのは、珍しいことではない
要点:東京都の調査では、保育士を辞めたいと考える理由として「給料が安い」を挙げた人が6割を超えていました。給料の不満は、多くの保育士が抱えている、正当な悩みです。
給料の不満を口にすると、「お金のために保育をしているのか」と言われそうで、言い出しにくいと感じる人は多いものです。けれども、生活を支える給料に不満を持つのは、働く人として当然のことです。東京都が保育士を対象に行った調査では、保育士を辞めたいと考える人の理由として、「給料が安い」が最も多く挙げられていました[2]。
図1
このグラフで注目したいのは、「給料が安い」と並んで「仕事量が多い」「労働時間が長い」が上位にあることです[2]。給料の不満は、多くの場合、仕事量や時間の不満とセットになっています。「給料が安いから辞めたい」と感じたときも、その奥に「この仕事量でこの給料は見合わない」という気持ちがあるなら、解決の方法は給料を上げることだけではありません。
「見合わない」は、気持ちの問題ではない
「見合わない」という感覚は、わがままでも甘えでもありません。仕事の量や責任と、受け取る給料との釣り合いが取れていないという、具体的な問題です。具体的な問題であれば、数字で確かめることができ、数字で確かめられれば、園に伝えることも、ほかの職場と比べることもできるようになります。
同じ調査では、今の職場で改善してほしいこととして「給与・賞与等の改善」を選んだ人が62.7%、「職員数の増員」を選んだ人が48.6%でした[3]。お金と人手の両方に不満が集まっていることが分かります。
02「給料に見合わない」の正体を4つに分ける
要点:給料の不満は、金額、時間、責任、評価の4つに分けられます。どれが一番重いかによって、取るべき選択肢が変わります。
紙を1枚用意して、「金額」「時間」「責任」「評価」の4つの欄を作ってください。それぞれの欄に、不満を感じた具体的な場面を書き出していきます。「手取りが18万円台から3年変わらない」「運動会の前は毎日1時間残っている」「実習生の指導を任されたのに手当がない」「主任に頑張りを認めてもらえない」のように、場面と数字で書くのがこつです。
金額:そもそもの給料が低い
同じ地域、同じ経験年数の求人と比べても、自分の年収が明らかに低い場合です。この場合は、園の給与水準や処遇改善の配分に原因がある可能性があります。給料が低くなる仕組みについては、保育士の給料が安い理由と手取りを増やす方法で詳しく整理しています。
時間:給料は相場どおりでも、働く時間が長い
年収は地域の相場と変わらないのに、持ち帰りやサービス残業で働く時間が長く、時間あたりにすると低くなっている場合です。この場合は、給料を上げるよりも、働く時間を減らすほうが「見合う」状態に近づきます。
責任:任されている役割に手当がない
クラスのまとめ役、行事のリーダー、実習生や新人の指導など、担任以外の役割を担っているのに、手当がない場合です。処遇改善等加算の区分3には月額4万円分と5千円分の枠があり[4]、役割に応じて手当を配る仕組みがある園もあります。自分の役割が手当の対象にならないのかを確かめる価値があります。
評価:頑張りが認められていないと感じる
金額や時間よりも、「誰も見てくれていない」という気持ちが不満の中心にある場合です。昇給の基準が分からない、評価面談がないといった状態が続くと、給料の額以上に不満が大きくなります。この場合は、昇給や評価の仕組みを確かめることが出発点になります。
03時給に直すと、見合っているかどうかが見える
要点:年収を、持ち帰りや残業を含めた1年間の実際の労働時間で割ると、自分の本当の時給が分かります。統計の時給や、ほかの仕事の時給と比べると、どこが見合っていないのかが具体的になります。
給料が見合っているかどうかを確かめるいちばん分かりやすい方法は、時給に直すことです。計算の方法は簡単です。源泉徴収票の支払金額(1年間の額面の年収)を、1年間に実際に働いた時間で割ります。実際に働いた時間には、タイムカード上の時間だけでなく、タイムカードを押したあとの残業や、家に持ち帰った仕事の時間も含めます。
例:年収330万円で、所定の労働時間が年間約1,900時間、持ち帰りとサービス残業が月20時間(年間240時間)ある場合、時給は330万円÷2,140時間で約1,540円です。持ち帰りがなければ、時給は約1,740円になります。持ち帰りの20時間が、時給を約200円押し下げている計算です。
統計では、一般労働者の保育士の1時間あたりの賃金は2,147円です。この数字は残業代と賞与を含んだ額です[1]。自分の時給がこれより大きく低いなら、金額か時間のどちらか、または両方に原因があると考えられます。
ほかの仕事の時給と比べるときの注意
保育以外のパートやアルバイトの時給と比べて、「保育士はコンビニより安い」と感じることがあるかもしれません。けれども、正社員の保育士の年収には、賞与や各種手当が含まれ、健康保険や厚生年金にも加入しています。時給の数字だけを並べると、こうした違いが見えなくなります。比べるときは、賞与や手当を含めた年収を時給に直したうえで、社会保険や有給休暇の有無まで並べてください。
持ち帰りの時間は、1か月だけでも記録する
持ち帰りの時間は、意識していないと驚くほど多くなっています。連絡帳の下書き、月案・週案、壁面の制作、発表会の準備。1か月だけでよいので、家で仕事をした日と時間を手帳に書き留めてください。記録があれば、時給の計算が正確になるだけでなく、園に仕事量のことを伝えるときの具体的な材料にもなります。
法律上の時間外の扱いも知っておく
法定労働時間は原則1日8時間・週40時間で[5]、これを超える時間外労働には25%以上の割増賃金が必要です[6]。園の指示で行っている仕事を、タイムカードを押したあとや自宅でしている場合、それが労働時間に当たるかどうかが問題になります。判断に迷うときは、総合労働相談コーナーで無料・予約不要で相談できます[7]。
04交渉・転職・副業・働き方を変える:4つの選択肢を比べる
要点:不満が「金額」なら交渉か転職、「時間」なら働き方を変えるか転職、「責任」なら交渉、「評価」なら交渉か転職が向いています。副業は収入を補う手段ですが、時間の不満を大きくすることもあります。
図2
| 項目 | 園と交渉する | 転職する | 副業をする | 働き方を変える |
|---|---|---|---|---|
| 向いている不満 | 責任・評価・金額 | 金額・時間・評価 | 金額 | 時間 |
| 期待できること | 手当や担当の見直し | 給与水準や配分の良い職場への移動 | 本業以外の収入 | 持ち帰りや残業の削減 |
| かかる時間の目安 | 1〜3か月 | 2〜6か月 | 始めてから数か月 | 1〜3か月 |
| 気をつけたいこと | 根拠の数字がないと話が進みにくい | 月給だけで比べると見落としが出る | 就業規則の確認、体力の消耗 | 園の協力がないと進まない |
| 今の園との関係 | 続ける | 辞める | 続ける | 続ける(部署や担当の変更を含む) |
園と交渉する
不満の中心が「責任」や「評価」なら、まずは園との交渉を考えます。交渉といっても、「給料を上げてください」と迫る必要はありません。「行事のリーダーと実習生の指導を担当していますが、これらの役割に手当の対象になるものはありますか」のように、事実を示して仕組みを確かめる形にすると、相手も答えやすくなります。具体的な進め方は保育士の給料交渉の進め方で紹介しています。
転職する
不満の中心が「金額」で、地域の相場と比べても低い場合や、交渉しても変わらなかった場合は、転職が現実的な選択肢になります。給料の高い職場を探すときは、月給だけでなく、賞与、処遇改善の配分、住宅手当、そして働く時間まで比べることが欠かせません。見落としやすいポイントは給料の高い職場の条件と探し方にまとめています。
副業をする
副業は、今の園を辞めずに収入を増やせる方法です。ただし、保育の仕事は体力を使うため、休日に別の仕事を入れると、疲れが抜けにくくなることもあります。また、副業が認められているかどうかは園の就業規則によって違います。始める前に、必ず規則を確かめてください。詳しくは保育士の副業が認められているかの確かめ方を参考にしてください。
働き方を変える
不満の中心が「時間」なら、給料を上げるより、働く時間を減らすほうが近道のことがあります。行事の準備をシフトの中で行う、書類を簡単にする、連絡帳をアプリに切り替えるといった工夫で、持ち帰りは減らせます。登降園管理や保護者連絡などのICTを一つ以上導入している保育施設は80.8%にのぼる一方、4つの機能をすべて導入している施設は11.7%にとどまっています[8]。今の園で仕事を減らしてほしいときの伝え方は仕事を減らしてほしいときの伝え方で紹介しています。
選択肢は、組み合わせてもよい
4つの選択肢は、どれか一つを選ばなければならないものではありません。たとえば、園と交渉しながら、並行してほかの園の求人を見ておく。働き方を変えて時間を取り戻したうえで、空いた時間の一部を副業にあてる。こうした組み合わせのほうが、一つの選択肢に賭けるより気持ちが楽になることもあります。大切なのは、それぞれに期限を決めておくことです。「交渉の結果は3か月で見届ける」と決めておけば、待ち続けて疲れ切ることを防げます。
05辞めると決める前に、やっておきたいこと
要点:辞めると決める前に、時給の計算、一度だけの交渉、退職の時期とお金の見通しを整えておくと、後悔の少ない判断ができます。勢いで辞めると、次の職場でも同じ不満を抱えやすくなります。
図3
- 1か月目持ち帰りと残業の時間を記録し、時給を計算する。不満を4つに分けて書き出す
- 2か月目不満のうち一つに絞って、園長や主任に具体的に相談する
- 3か月目相談の結果を見届ける。変わらなければ、ほかの職場の求人を年収と時間で比べ始める
- 4か月目続けるか辞めるかを決める。辞める場合は就業規則で退職の申し出の期限を確かめる
- 5〜6か月目引き継ぎを進め、退職日と次の職場の入職日を決める
図4
- 1年間の実際の時給を計算したか不満が金額と時間のどちらにあるかが分かります
- 不満を4つに分けて書き出したか何を変えれば満足できるのかがはっきりします
- 一度は園に具体的に相談したか相談せずに辞めると「言えば変わったかも」が残りやすくなります
- 同じ地域・同じ経験年数の求人と比べたか自分の年収が相場のどこにあるかが分かります
- 賞与と一時金の支給日と条件を確かめたか辞める時期によって受け取れる額が変わることがあります
- 就業規則で退職の申し出の期限を確かめたか引き継ぎの期間を逆算できます
- 収入が途切れた場合の生活費を計算したか焦って次の職場を決めることを防げます
- 次の職場で譲れない条件を3つに絞ったか給料以外に何を大切にしたいかが明確になります
退職の時期は、賞与と一時金の支給日を見て決める
給料の不満で辞めるなら、辞める時期による損はできるだけ避けたいものです。賞与や処遇改善の一時金を、支給日に在籍していることを条件にしている園では、支給日の前に辞めると受け取れないことがあります。給与規程で支給日と条件を確かめ、退職日を決める材料にしてください。
辞めたあとのお金の見通しを立てておく
期間の定めのない雇用であれば、法律上は退職の申し入れから2週間で辞めることができます[9]。ただし、次の職場が決まる前に辞める場合は、収入が途切れる期間のお金の見通しが必要です。自己都合で退職した場合、離職日が2025年4月1日以降なら、雇用保険の基本手当の給付制限は原則1か月です[10]。給付制限とは別に、受給資格の決定から7日間の待期期間もあります[11]。生活費の何か月分を用意しておけば安心かを、辞める前に計算しておきましょう。
06相談事例:時給を計算して、辞める理由が変わった
要点:給料の不満で辞めたいと思っていた人が、不満を分けて時給を計算したことで、本当に変えたかったものに気づいた話です。結論は「給料を上げる」ではありませんでした。
給料ではなく「時間」を取り戻す転職を選んだ
相談事例(モデルケース)
- お名前
- きよみさん(仮名)・38歳
- 保育士歴
- 16年目(2園目)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約120名)、5歳児クラス担任・行事のリーダー(相談当時)
- 家族
- 夫と小学生の子ども2人の4人暮らし
- 変化
- 持ち帰り 月約20時間 → ほぼなし、時給換算 約1,550円 → 約1,850円
編集部相談に来たときは、どんな状態でしたか。
運動会と発表会のリーダーに、実習生の指導も重なって、毎晩子どもを寝かせてから衣装や台本を作っていました。それなのに給料は5年前とほとんど同じ。もう保育自体を辞めて、パートでいいから別の仕事をしようかと思っていました。
編集部不満を分けてみて、何が分かりましたか。
書き出してみたら、金額の欄より、時間と責任の欄のほうがびっしり埋まっていたんです。時給を計算したら約1,550円で、持ち帰りがなければ1,800円を超えていました。「給料が安い」んじゃなくて、「時間を取られすぎている」のが一番の不満だったんだと、そこで初めて分かりました。
編集部まず、何を試しましたか。
園長に、行事の準備を職員で分担してほしいことと、実習生の指導の時間をシフトに入れてほしいことをお願いしました。持ち帰りの記録も見せて。でも「みんなやってきたことだから」と言われて、3か月待っても何も変わりませんでした。
編集部転職先は、どう選びましたか。
年収は今と同じくらいでいいから、行事の準備が勤務時間内に終わる園、という条件で探しました。見学で連絡帳がアプリになっていて、行事の担当表が職員室に貼ってある園を見つけたんです。相談では、私が迷っている間も、転職を急かされなかったのがありがたかったです。
編集部実際に移ってみて、どう感じていますか。
最初は、年収が少し下がることに不安もありました。でも、毎晩の2時間が戻ってきたら、そんな不安はどこかに行ってしまって。行事も、担当表に沿って分担するので、一人で抱えることがなくなりました。
給料を上げたかったんじゃなくて、子どもと過ごす夜の時間を取り戻したかったんです。
きよみさん(仮名)
きよみさんの転職後の年収は、前の園より8万円ほど下がりました。それでも、持ち帰りはほぼなくなり、時給に直すと約1,850円になっています。夜は子どもの宿題を見る時間ができ、休日に疲れを持ち越すことも減ったそうです。
このケースから持ち帰れるのは、「給料に見合わない」という不満は、給料を上げることでしか解決できないわけではない、ということです。不満を分けて数字にすると、本当に変えたいものが見えてきます。きよみさんの場合、それは年収ではなく時間でした。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
年収
持ち帰りの時間(月)
時給換算
行事の担当
年収だけを見れば、きよみさんの転職は「条件が下がった」ように見えます。けれども、時間と時給まで並べると、見え方はまったく変わります。給料の不満で転職を考えるときは、年収、時間、時給の3つを並べて、どれを一番良くしたいのかを先に決めておくと、選ぶ職場の条件がぶれにくくなります。
07辞める前に、もう一度確かめてほしいこと
要点:給料の不満の奥に、別の不満が隠れていないかを確かめること。そして、辞める理由を「お金」だけにしないことです。どちらも、次の職場で同じ不満を繰り返さないためのものです。
給料の不満の奥に、別の不満が隠れていないか
「給料が安いから辞めたい」と口にするとき、その奥に人間関係のしんどさや、保育方針への違和感が隠れていることがあります。給料の不満は言葉にしやすく、周りにも理解されやすいため、ほかの不満の代わりに表に出てくることがあるのです。4つの欄に書き出したとき、どの欄にも収まらない不満が残ったら、それが本当の理由かもしれません。その場合、給料の高い職場に移っても、同じ気持ちを抱えることになります。
辞める理由を「お金」だけにしない
転職の面接では、退職の理由を聞かれます。「給料が安いから」だけを理由にすると、次の職場でもっと条件の良い求人があれば、また辞めるのではと受け取られることがあります。「行事の準備を勤務時間内に行える環境で、子どもとの関わりに集中したい」のように、次の職場で何を大切にしたいかと結びつけて伝えると、自分の軸もはっきりします。
給料の不満を、誰かにただ聞いてほしいだけのときもあります。そんなときは、転職するか決めずに相談だけしたいときも参考にしてください。ほいくの相談室では、辞めるかどうかを決めていない段階でも、時給の計算や不満の整理を一緒に進めています。数字にしてみるだけで、気持ちが少し落ち着くこともあります。
よくある質問
給料の不満を理由に辞めるのは、わがままですか?
わがままではありません。東京都の調査でも、保育士を辞めたいと考える理由として「給料が安い」を挙げた人は61.6%で、最も多くなっていました[2]。ただし、不満の中身を分けて確かめてから決めると、次の職場選びで同じ不満を繰り返しにくくなります。
給料が仕事量に見合っているかは、何と比べればいいですか?
まず、年収を持ち帰りも含めた実際の労働時間で割って時給を出します。そのうえで、統計の保育士の1時間あたりの賃金2,147円[1]や、同じ地域・同じ経験年数の求人と比べると、見合っているかの目安になります。
給料を上げてほしいと園長に言うと、居づらくなりませんか?
「上げてください」と迫るのではなく、担当している役割や時間の記録を示して「手当の対象になるものはありますか」と確かめる形にすると、関係をこじらせにくくなります。一度に全部を求めず、一つに絞って相談するのもこつです。
副業で収入を補えば、辞めなくても済みますか?
副業で金額の不満は補えても、時間の不満はかえって大きくなることがあります。不満の中心が時間や責任にあるなら、副業より、働き方を変えることや交渉のほうが効果的です。副業を考えるときは、就業規則で認められているかも先に確かめてください。
転職するか決めていないのに、給料のことを相談してもいいですか?
もちろんかまいません。給料の未払いなど法律に関わる問題なら、総合労働相談コーナーで無料・予約不要で相談できます[7]。辞めるかどうかの迷いや、給料と働き方のバランスの整理なら、保育の現場を知る相談先に話すと、言葉を説明しなくても伝わりやすくなります。
給料を一方的に下げられた場合は、どうすればいいですか?
まず、いつから、いくら下がったのかを明細で確かめ、理由の説明を園に求めてください。賃金が従前の85%未満に下がり、それが予見できなかった場合などは、離職したときに雇用保険で特定受給資格者に当たることがあります[12]。判断に迷うときは、総合労働相談コーナーに相談してください。
参考にした資料
- 厚労省 職業情報提供サイト(job tag)「保育士」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
- 厚生労働省 FAQ「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」
- 厚生労働省 FAQ「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
- e-Gov法令検索「民法」
- ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
- ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
- ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。